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【発明の名称】 田植機の苗載台折畳み固定装置
【発明者】 【氏名】笠原 敏章

【氏名】松岡 秀樹

【氏名】西 陽一朗

【氏名】塩谷 和久

【要約】 【課題】田植機の移動時や格納時等に、分割側苗載台を折り畳んだ際に、ロックシャフトは固定されておらず、例えば、ロックレバーが外側へ摺動して張り出した状態となり、障害物等と衝突する可能性があった。

【解決手段】左右両端部の分割側苗載台16bを折畳み可能とし、該分割側苗載台の内側を左右水平方向に貫通して摺動自在としたロックシャフト121と、該ロックシャフトの外側端部に設けたロックレバー120により分割側苗載台を固定側苗載台本体16aに固定する構成であって、ロックシャフトの先端にロックシャフトの直径より大きくした係合部を形成して、固定側苗載台本体に設けたロック板122に係合可能とするとともに、ロックシャフトの途中部にストッパーピン130とバネ135を設け、該バネにてストッパーピンを分割側苗載台に設けたシャフトガイドに係止可能とし、前記シャフトガイドにストッパーピンが挿入摺動できる溝を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右両端部の分割側苗載台を折畳み可能とし、該分割側苗載台の左右水平方向に摺動自在としたロックシャフトと、該ロックシャフトの外側端部に設けたロックレバーにより分割側苗載台を固定側苗載台本体に固定する構成であって、ロックシャフトの先端にロックシャフトの直径より大きくした係合部を形成して、固定側苗載台本体に設けたロック部材に係合可能とするとともに、ロックシャフトの途中部にストッパー部材と弾性部材を設け、該弾性部材にてストッパー部材を分割側苗載台に設けたシャフトガイドに係止可能としたことを特徴とする田植機の苗載台折畳み固定装置。
【請求項2】 前記シャフトガイドにストッパー部材が挿入摺動できる溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の田植機の苗載台折畳み固定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機の苗載台の左右全幅を短くするために、該苗載台及び苗取りレールの左右両端部を折り畳む構成において、左右両端部の分割側苗載台を左右中央側の固定側苗載台側面に固定するための苗載台折畳み固定装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複数条を同時に植付け作業を行う、8条植えや、10条植えの田植機の苗載台を、苗載台左右両端部の数条の分割側苗載台を機体中央側に折畳みできるように、上下二本の門形状のフレームを設けて、その二本の門形状のフレームによって苗載台を折り畳み可能として、苗載台の左右全幅を短くさせる技術は本出願人より提案済みとなっている。そして、左右両端部の分割側苗載台を使用時に左右中央側の固定側苗載台側面に固定するために、分割側苗載台の左右にロックシャフトを貫通させて、該ロックシャフトの外側端部にロックレバーを枢支し、ロックシャフトを押し込み、ロックシャフト内側端部を固定側苗載台の側面に挿入することで分割側苗載台を固定していた。また、移動時や格納時等折り畳む場合には、ロックレバーを操作してロックシャフトを外側に摺動させて、ロックシャフト内側端部を固定側苗載台側面より抜脱して折畳み可能としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、移動時や格納時等に、分割側苗載台を折り畳んだ際には、ロックシャフトは固定されておらず、例えば、移動時にロックレバーが外側へ摺動して張り出した状態となり、そのため障害物と衝突して破損したりする可能性があるのであった。また、振動で騒音が発生したりしていたのであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、左右両端部の分割側苗載台を折畳み可能とし、該分割側苗載台の左右水平方向に摺動自在としたロックシャフトと、該ロックシャフトの外側端部に設けたロックレバーにより分割側苗載台を固定側苗載台本体に固定する構成であって、ロックシャフトの先端にロックシャフトの直径より大きくした係合部を形成して、固定側苗載台本体に設けたロック部材に係合可能とするとともに、ロックシャフトの途中部にストッパー部材と弾性部材を設け、該弾性部材にてストッパー部材を分割側苗載台に設けたシャフトガイドに係止可能とし、前記シャフトガイドにストッパー部材が挿入摺動できる溝を設けたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。図1は田植機の全体側面図、図2は同じく全体平面図、図3は植付部の展開平面図、図4は苗載台の平面図、図5は分割側苗載台の後面図、図6は本発明の田植機の苗載台固定装置の構成を示す正面図、図7はロックレバーの側面図、図8はロックシャフトの側面断面図、図9はピンによる係止を示す側面断面図、図10は苗取りレールの斜視図、図11は苗取りレールの側面図、図12は苗取りレールの底面図、図13は苗取りレールの分解正面断面図、図14は同じく正面断面図、図15は苗載台固定装置のロックレバーを回動した状態の正面図である。
【0006】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は全体の側面図、図2は同平面図を示し、図中1は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン2を車体フレーム3前部上方に搭載させ、ミッションケースの前方にフロントアクスルケース5を介して走行用前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4の後部にリヤアクスルケース7を連設し 前記リヤアクスルケース7に走行用後輪8を支持させる。そして、前記エンジン2等を覆うボンネット9両側に予備苗載台10を取付けると共に、ステップ11を介して作業者が搭乗する車体カバー12によって前記ミッションケース4等を覆い、前記車体カバー12上部に運転席13を取付け、その運転席13の前方で前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を設ける。
【0007】また、図中15は10条植え用の苗載台16並びに複数の植付爪17などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台16を下部レール18及びガイドレール19を介して植付ケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース21を前記植付ケース20に支持させ、該ケース21の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、その爪ケース22・22先端に植付爪17・17を取付ける。また前記植付ケース20の前側にローリング支点軸を介して支持フレームを設け、トップリンク25及びロワーリンク26を含むリンク機構27を介して走行車1後側に支持フレームを連結させ、前記リンク機構27を介して植付部15を昇降させる昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結させ、前記前後輪6・8を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0008】また、図中29は走行変速レバー、30は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、31は植付け感度調節レバー、32は主クラッチペダル、33・33は左右ブレーキペダル、34は均平用センターフロート、35は均平用サイドフロート、36は10条用の側条施肥部である。
【0009】また、図3、図4に示すように、前記苗載台16及び植付ケース20など植付部15の左右外側の2条分を機体内側に折畳み自在に設けるもので、前記苗載台16は左右最外側の2条分の苗載台16を分割して折畳み自在な分割側苗載台16bに形成し、機体中央の6条用固定側苗載台本体16aに並行折畳み機構37を介して分割側苗載台16bを連結させて、固定側苗載台本体16aの作用面上方に略平行で、且つ、2段に分割側苗載台16bを折畳みするように設けて、折畳み時苗載台16の左右全幅を略6条分巾と等しくするように構成している。
【0010】前記苗載台16下部は、植付けケース20上に上下位置調整可能に支持される苗取りレール185に摺動自在に載置されている。図11に示すように、前記苗取りレール185は、側面視四角形状のレール部188と該レール部188より後方に延出し、苗載台16底面を摺動自在に支持する苗取り板186より構成されている。前記レール部188の上部は、苗台支持シュー80の開放面内に係合されている。また、図10、図14に示すように、前記苗取りレール185は、固定側苗取りレール185aと分割側苗取りレール185bより構成されており、作業のために苗載台16を広げる状態では、固定側苗取りレール185aのレール部188より側方に突出した係合体124が、分割側苗取りレール185bに設けられた四角状の固定穴123と嵌合して安定性を高めている。
【0011】さらに、前記固定側苗取りレール185aと分割側苗取りレール185bの底面には、それぞれプレート片より構成したガイド131a・131bを側方に突設するように固設している。前記ガイド131a・131bは、図13に示すように、正面視先端側を下方に「へ」字状に折曲しており、固定側苗取りレール185aと分割側苗取りレール185bの連結をスムーズ、かつ、確実にしており、苗載台16に段差ができることはないのである。つまり、前記係合体124と固定穴123の嵌合による連結と、ガイド131a・131bによって、苗取りレールを確実に連結して平面を形成し、植付け作業中に苗の整列を乱すことなく、欠株等は発生しないのである。
【0012】次に本発明の苗載台折畳み固定装置について説明する。図5、図6に示すように、分割側苗載台16bの背面に上下平行に配設した下部レール18及びガイドレール19内に、シャフトガイド129・129が配設されている。該シャフトガイド129・129内に左右摺動自在にロックシャフト121が挿入されている。
【0013】前記ロックシャフト121の先端部は、図6、図8、図15に示すように、側面視平板状で、平面視尖状(矢印状)に潰した形状に構成された係合部121aとし、その幅はロックシャフト121の直径よりも長くなるように構成している。ロック部材であるロック板122には、ロックシャフト121が挿入される孔122aと、該孔122aの上下部に溝122bが形成され、ロック時及び解除の時に、ロックシャフト121の係合部121aが溝122b内に挿入して摺動ガイドされるようにしている。
【0014】また、前記ロックシャフト121の中途部には、弾性体であるバネ135が外嵌されており、該バネ135の一端側を、シャフトガイド129に当接し、他端側をピン132で係止し、該ロックシャフト121を抜く方向に付勢している。但し、バネ135の取付位置は限定するものではなく、外側から引っ張る構成とすることもできる。
【0015】図6、図7に示すように、前記ロックシャフト121の外側端部にロックレバー120基部が枢支ピン128によって枢支されている。また、前記ロックレバー120基部はカム部120aが形成され、該カム部120aは分割側苗載台16b側面に固設したガイド体127が固設され、該ガイド体127は側面視円弧状に構成して側方へ突設し、後面外側を覆う如く構成し、ガイド体126がプレート状として、前面側を覆う構成としている。このガイド体126とガイド127の間にロックレバー120を折り畳んだ状態で保持できるようにしている。
【0016】更に、前記ロックシャフト121を途中位置で摺動自在に支持するシャフトガイド129の側部位置のロックシャフト121上に、ロックシャフト121の軸心と直角方向にストッパー部材であるストッパーピン130が固設されている。そして、該シャフトガイド129には、図9に示すように、ロックシャフト121を遊嵌する孔129aが開口され、該孔129aの上下両側にストッパーピン130が摺動できる溝129bが形成されている。
【0017】このような構成において、前記分割側苗載台16bを折畳む際には、前記ロックレバー120を側方に回動して、ロックシャフト121を固定側苗載台本体16a側へ押し込み、ガイド体127に沿って前方へ回動すると、図15に示すように、ロックシャフト121の先端部の係合部121aも同時に回動し、該係合部121aが溝122bに係合する位置となる。また、同時にストッパーピン130も溝129bと同じ位置となり、この状態でロックレバー120を外側に引っ張ると、ロックシャフト121が移動して、係合部121aはロック板122から抜け、分割側苗載台16bが回動可能な状態となり、後方へ引き上げて回動すると折畳みが行える。ロックする場合には、逆の操作を行えば良い。
【0018】そして、分割側苗載台16bを折り畳んだ状態では、前記ロックレバー120は左右移動自在できるので、走行時に飛び出して、引っかけたり、障害物に当接して折れ曲がることもある。そこで、分割側苗載台16bを折り畳んだ状態で、ロックレバー120を引き出した状態から、バネ135に抗してそのまま押し込むように移動すると、前記ストッパーピン130は、溝129b内を移動し、カム部120aをガイド体127に当接するまで挿入すると、ストッパーピン130はシャフトガイド129から抜け、その状態でロックレバー120を後方に回動すると、ストッパーピン130はシャフトガイド129から抜けることができなくなる。
【0019】そして、ロックレバー120を内側(上方)に回動すると、図5に示すように、カム部120aがガイド体127にガイドされてその状態で維持され、ロックシャフト121はバネ135の付勢力によってストッパーピン130がシャフトガイド129端面に当接し、その位置で固定され、ロックレバー120が外側へ張り出すことはないのである。
【0020】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、左右両端部の分割側苗載台を折畳み可能とし、該分割側苗載台の左右水平方向に摺動自在としたロックシャフトと、該ロックシャフトの外側端部に設けたロックレバーにより分割側苗載台を固定側苗載台本体に固定する構成であって、ロックシャフトの先端にロックシャフトの直径より大きくした係合部を形成して、固定側苗載台本体に設けたロック部材に係合可能としたので、作業時には係合操作だけで分割側苗載台を固定側苗載台本体に固定して、ロックすることができ、ロックシャフトを両者に跨がらせているので、強固にロック支持することができる。
【0021】また、ロックシャフトの途中部にストッパー部材と弾性部材を設け、該弾性部材にてストッパー部材を分割側苗載台に設けたシャフトガイドに係止可能としたので、分割側苗載台を折り畳んだ状態で、ロックシャフトを収納位置で係止することによって、走行時や格納時等でロックシャフトが外側へ摺動して張り出すことがなく、障害物と衝突して破損することがないのである。また、飛び出して折れ曲がったり、他の物を傷つけたりすることがなく、振動で騒音が発生したりすることもない。
【0022】また、シャフトガイドにストッパー部材が挿入摺動できる溝を設けたので、シャフトガイドでロックシャフトを支持しながら、簡単な構成でストッパー部材を係止位置とロック解除位置に移動可能とすることができるのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−127635
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−295953