| 【発明の名称】 |
水田直播機 |
| 【発明者】 |
【氏名】西村 洋
【氏名】林 和信
【氏名】後藤 隆志
【氏名】堀尾 光広
【氏名】上田 吉弘
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| 【要約】 |
【課題】覆土器を備えた水田直播機において、田面の泥の硬さに基づいて覆土器の姿勢を適切に変更できるように構成する。
【解決手段】田面に溝を形成する作溝器15、溝に種籾を供給する播種装置、種籾が供給された溝を埋め戻す覆土器37、及び田面の泥の硬さを検出するもので、覆土器37から進行方向前側に所定距離だけ離れた位置の泥硬さ検出部を備える。溝の横側部に覆土器37を配置し、弱埋め戻し姿勢R1及び強埋め戻し姿勢R5に亘り、覆土器37を前側の縦軸芯39周りに揺動自在に支持して、田面の泥の硬さが硬いと強埋め戻し姿勢R5側になるように、泥の硬さが軟らかいと弱埋め戻し姿勢R1側になるように、覆土器37を揺動操作する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 進行に伴って田面に溝を形成していく作溝器と、前記作溝器によって形成された溝に種籾を供給する播種装置と、種籾が供給された溝を埋め戻す覆土器とを備え、種籾が供給された溝の横側部に前記覆土器を配置し、種籾が供給された溝に後側が離間して進行方向に沿った弱埋め戻し姿勢、及び種籾が供給された溝に後側が接近して進行方向に対し斜めに交差する強埋め戻し姿勢に亘り、前記覆土器を前側の縦軸芯周りに揺動自在に支持して、前記覆土器を揺動操作するアクチュエータを備え、前記覆土器から進行方向前側に所定距離だけ離れた位置に、田面の泥の硬さを検出する泥硬さ検出部を配置すると共に、前記泥硬さ検出部の検出値が硬側であると強埋め戻し姿勢側になるように、前記泥硬さ検出部の検出値が軟側であると弱埋め戻し姿勢側になるように、前記アクチュエータによって前記覆土器を揺動操作する制御手段を備えてある水田直播機。 【請求項2】 進行に伴って田面に溝を形成していく作溝器と、前記作溝器によって形成された溝に種籾を供給する播種装置と、種籾が供給された溝を埋め戻す覆土器とを備え、種籾が供給された溝の横側部に前記覆土器を配置し、種籾が供給された溝に後側が離間して進行方向に沿った弱埋め戻し姿勢、及び種籾が供給された溝に後側が接近して進行方向に対し斜めに交差する強埋め戻し姿勢、弱埋め戻し姿勢と強埋め戻し姿勢との間の複数の中間姿勢の複数段階に亘り、前記覆土器を前側の縦軸芯周りに揺動自在に支持して、前記覆土器を揺動操作するアクチュエータを備え、前記覆土器から進行方向前側に所定距離だけ離れた位置に、田面の泥の硬さを検出する泥硬さ検出部を配置すると共に、弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢、複数の中間姿勢の各々に対応して所定幅の硬さ範囲を設定し、前記泥硬さ検出部の検出値が硬側であると強埋め戻し姿勢側になるように、前記泥硬さ検出部の検出値が軟側であると弱埋め戻し姿勢側になるように、前記泥硬さ検出部の検出値が属する前記所定幅の硬さ範囲に対応した弱埋め戻し姿勢、強埋め戻し姿勢、複数の中間姿勢に、前記アクチュエータによって前記覆土器を揺動操作する制御手段を備えてある水田直播機。 【請求項3】 前記泥硬さ検出部の検出値の移動平均値を前記泥硬さ検出部の検出値として作動するように、前記制御手段を構成してある請求項2記載の水田直播機。 【請求項4】 横軸芯周りに回転自在で前記横軸芯側の横幅よりも外周部側の横幅の方が狭い回転体と、前記回転体を昇降自在に支持する支持部と、前記回転体の田面への入り込み深さを検出する深さセンサーとを備え、前記深さセンサーの検出値を前記泥硬さ検出部の検出値として出力するように、前記泥硬さ検出部を構成し、前記深さセンサーの検出値により前記回転体の田面への入り込み深さが浅いと田面の泥が硬く、前記深さセンサーの検出値により前記回転体の田面への入り込み深さが深いと田面の泥が軟らかいと判断するように、前記制御手段を構成してある請求項1,2,3のうちのいずれか一つに記載の水田直播機。 【請求項5】 固定の支持フレームに前記覆土器を前側の縦軸芯周りに揺動自在に支持して、前記アクチュエータと前記覆土器とをワイヤを介して接続し、前記ワイヤの受け部を前記支持フレームに固定すると共に、前記ワイヤの引き方向とは逆向きに作用する戻しバネを、前記覆土器と支持フレームとに亘って架設してある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の水田直播機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水田を進行しながら田面に種籾を埋め込んでいく水田直播機に関する。 【0002】 【従来の技術】水田直播機の一例が、特開平9‐28124号公報に開示されている。この水田直播機では、進行に伴って田面に溝を形成していく作溝器(前記公報の図3及び図12中の40,15)、作溝器によって形成された溝に種籾を供給する播種装置、種籾が供給された溝を埋め戻す覆土器(前記公報の図10及び図12中の17B)を備えている。これにより、進行に伴って作溝器により田面に溝が形成されて、この溝に種籾が供給され、覆土器により溝が埋め戻されて種籾が田面に埋められる。 【0003】この水田直播機では、覆土器を横軸芯(前記公報の図10及び図12中のY)周りに上下揺動自在に支持し、覆土器をバネにより下方側に付勢して、種籾が供給された溝を覆土器により上側から押圧し、この溝を埋め戻すように構成している。さらに田面の泥の硬さを検出する泥硬さ検出部を備えて、田面の泥の硬さに応じて、覆土器を下方側に付勢するバネの付勢力をアクチュエータにより強弱に変更するように構成している(田面の泥が硬いと付勢力を強くし、田面の泥が軟らかいと付勢力を弱くする)。以上のように田面の泥の硬さに応じて、覆土器を下方側に付勢するバネの付勢力を強弱に変更することによって、種籾を移動させることなく適切に埋めることができるように構成している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述の水田直播機においては、覆土器が横軸芯周りに上下揺動自在に支持されて、種籾が供給された溝に覆土器が上側から被さった状態となっており、田面の泥の硬さに応じて覆土器を下方側に付勢するバネの付勢力が、強弱に変更されるように構成されている。これにより、田面の泥の硬さに関係なく覆土器は略同じ姿勢で、種籾が供給された溝に上側から被さった状態となっている。又、バネの付勢力が弱められたとしても、覆土器が上方に逃げ易くなったと言う状態になるだけで、種籾が供給された溝に覆土器が上側から被さった状態に変化はない。 【0005】従って、田面の泥が軟らかい場合には、覆土器による泥押しにより種籾が押し流されてしまう状態を避ける為に、覆土器による埋め戻しを充分に弱める必要があるのに対して、前述の水田直播機では田面の泥が軟らかい場合でも、種籾が供給された溝に覆土器が上側から被さった状態となっているので、覆土器の泥押しにより種籾が押し流されてしまうおそれがある。本発明は覆土器を備えた水田直播機において、田面の泥の硬さに関係なく種籾が供給された溝を、適切に埋め戻していくことができるように構成することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】 〔I〕請求項1及び2の特徴によると、種籾が供給された溝の横側部に覆土器を配置し、覆土器を前側の縦軸芯周りに弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢に亘り(弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢、複数の中間姿勢の複数段階に亘り)、揺動自在に支持している。田面の泥が軟らかい場合、作溝器により田面に溝を形成して溝に種籾を供給した際、溝が自然に崩れて種籾が埋まると言う状態が期待できるのに対し、軟らかい泥により種籾が移動し易い。これにより、請求項1及び2の特徴によると、田面の泥が軟らかい場合に、アクチュエータにより覆土器が弱埋め戻し姿勢側(弱埋め戻し姿勢及び弱埋め戻し姿勢側の中間姿勢)に揺動操作されるのであり、弱埋め戻し姿勢において種籾が供給された溝から覆土器の後側が離れて、覆土器が進行方向に沿った姿勢となる。 【0007】このような弱埋め戻し姿勢において、覆土器が進行方向に沿った姿勢となるので、進行に伴って覆土器が泥を種籾が供給された溝側に押すと言う状態は少なくなる。さらに、種籾が供給された溝から覆土器の前側及び後側が離れるので、進行に伴って覆土器が泥を種籾が供給された溝側に押すと言う状態が生じても、種籾が供給された溝に覆土器によって押された泥が達して、種籾を押し流すと言うような状態は生じない。 【0008】田面の泥が硬い場合、作溝器により田面に溝を形成して溝に種籾を供給した際に、溝が自然に崩れて種籾が埋まると言う状態はあまり期待できないのに対し、硬い泥により種籾が移動し難い。これにより、請求項1及び2の特徴によると、田面の泥が硬い場合に、アクチュエータにより覆土器が強埋め戻し姿勢側(強埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢側の中間姿勢)に揺動操作されるのであり、強埋め戻し姿勢において種籾が供給された溝に覆土器の後側が接近し、覆土器が進行方向に対し斜めに交差した姿勢となる。このような強埋め戻し姿勢において、覆土器が進行方向に対し斜めに交差した姿勢となる点、及び種籾が供給された溝に覆土器の後側が接近する点により、種籾が供給された溝に覆土器によって押された泥が確実に達して、種籾が供給された溝が覆土器によって確実に埋め戻される。 【0009】〔II〕泥硬さ検出部により田面の泥の硬さを検出してから、検出した田面の泥の硬さに基づいて、アクチュエータにより覆土器が実際に揺動操作されるまでに、少し時間が掛かる(いわゆる作動遅れ)。従って、泥硬さ検出部と覆土器とが同じ位置に設けられていると、泥硬さ検出部が田面のある位置の泥の硬さを検出して、泥硬さ検出部の検出値に基づいてアクチュエータが覆土器を揺動操作しようとした際、覆土器は前述の田面の位置を既に通過し、前述の田面の位置とは異なる泥の硬さの田面の位置に達してしまって、泥硬さ検出部の検出値と覆土器の姿勢とが合致しない状態の生じることがある。 【0010】請求項1及び2の特徴によると、覆土器から進行方向前側に所定距離だけ離れた位置に泥硬さ検出部を配置しているので、泥硬さ検出部が田面のある位置の泥の硬さを検出してから、この泥硬さ検出部の検出値に基づいてアクチュエータが覆土器を揺動操作しようとした際、泥硬さ検出部が泥の硬さを検出した前述の田面の位置に、覆土器が達しているように設定することができる。これにより、泥硬さ検出部が田面のある位置の泥の硬さを検出して、泥硬さ検出部の検出値に基づいてアクチュエータが覆土器を揺動操作しようとした際、覆土器が前述の田面の位置を既に通過してしまっていると言う状態を避けて、泥硬さ検出部が泥の硬さを検出した田面の位置と、前述の泥硬さ検出部の検出値に基づいてアクチュエータが揺動操作する際の覆土器の位置とを、一致させることができる。 【0011】〔III〕泥硬さ検出部の検出値により、覆土器が弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢に亘って、連続的に揺動操作されるように構成していると、泥硬さ検出部の検出値が変化すれば、これに対応して覆土器もすぐに揺動操作されることになり、覆土器が比較的頻繁に揺動操作される状態となる。これにより、種籾が供給された溝の埋め戻しが、安定して行われないような状態の生じることがある。 【0012】これに対し請求項2の特徴によると、覆土器は連続的に揺動操作されるのではなく、弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢、複数の中間姿勢の複数段階に亘って揺動操作されるのであり、例えば覆土器が所定の中間姿勢に揺動操作された状態において、この所定の中間姿勢に対応する所定幅の硬さ範囲に、泥硬さ検出部の検出値が入っていれば、泥硬さ検出部の検出値が変化しても、前述の覆土器はこの所定の中間姿勢に保持されるのであり、泥硬さ検出部の検出値が前述の所定幅の硬さ範囲から外れると、覆土器が別の中間姿勢(又は弱埋め戻し姿勢、強埋め戻し姿勢)に揺動操作される。以上のように請求項2の特徴によると、覆土器が複数段階に揺動操作されることにより、覆土器が頻繁に揺動操作されると言う状態は生じない。 【0013】〔IV〕請求項3の特徴によると、請求項2の場合と同様に前項〔I〕〔II〕〔III〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。例えば田面の泥が全体的に軟らかい状態において、部分的に泥の硬い部分があるような場合、泥硬さ検出部が前述の部分的に泥の硬い部分に達した際、泥硬さ検出部の検出値が大きく変化して、これまで安定していた覆土器が急に大きく揺動操作されると言う状態が生じる。 【0014】これに対し請求項3の特徴のように、泥硬さ検出部の検出値の移動平均値を泥硬さ検出部の検出値として使用すると、泥硬さ検出部の検出値(移動平均値)の大きな変化が抑えられるので、覆土器が急に大きく揺動操作されると言う状態を抑えることができる。 【0015】〔V〕請求項4の特徴によると、請求項1,2,3のうちのいずれか一つの場合と同様に、前項〔I〕〜〔IV〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項4の特徴のように回転体を構成すると、進行に伴って回転体が回転しながら田面に入り込んでいくのであり、田面の泥が硬いと泥の抵抗が強いものとなるので、回転体の田面への入り込み深さが浅くなり、田面の泥が軟らかいと泥の抵抗が弱いものとなるので、回転体の田面への入り込み深さが深くなる。このように回転体の田面への入り込み深さを検出することによって、田面の泥の硬さを検出することができる。 【0016】この場合、回転体が横軸芯側の横幅よりも外周部側の横幅の方が狭いような先細り状に形成されているので、田面への入り込み深さが深くなるほど、田面付近での回転体の横幅が広いものとなる。これにより、特に田面の泥が軟らかい状態で回転体が田面に深く入り込んだ際、回転体が泥の抵抗を適切に受ける状態となるので、回転体が田面に入り込み過ぎて、実際の田面の泥の硬さよりも軟らかいように検出してしまう状態が防止される。又、回転体が田面に深く入り込んだ状態で、水田直播機が蛇行するように進行して、田面の泥から回転体を折り曲げようとする力が作用しても、このような力に対して回転体が充分に耐えることができる。 【0017】〔VI〕請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項〔I〕〜〔V〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。水田直播機において、田面に入り込んでいる覆土器の近くにアクチュエータを配置することは困難なので、アクチュエータを田面から離れた固定部に配置し、アクチュエータと覆土器とをワイヤで接続して、覆土器に戻しバネを取り付けると言う構成が採用されることが多い。 【0018】この場合、請求項5の特徴によると、覆土器を揺動自在に支持するもので充分な強度を持つ支持フレームに、ワイヤの受け部及び戻しバネが取り付けられている。これにより、アクチュエータによるワイヤの引き操作時の反力及び戻しバネの反力が、充分な強度を持つ支持フレームに受け止められることになり、他の部分には掛からない。 【0019】 【発明の実施の形態】 (1)図1に示すように、左右に操向操作自在な左右一対の前輪1及び後輪2で支持された走行機体3の中央部に運転座席4を備え、走行機体3の後部に油圧シリンダ5で昇降操作されるリンク機構6を介して、前後軸芯X周りにローリング自在に6条型式の水田直播機Aが連結されている。 【0020】水田直播機Aは図1,2,3,7に示すように、走行機体3から伝動軸7を介して動力が伝達される伝動ケース8、伝動ケース8からの動力が伝達される3つのチェーンケース9、チェーンケース9の下側に配置された3つの整地フロート10が備えられており、種籾貯留部11A及び肥料貯留部11B(図4,5,6参照)が一体形成された透明樹脂製のホッパー11、ホッパー11の種子S及び肥料Mを同時に繰り出す繰出し部12が備えられている。 【0021】図2及び図3に示すように、側面視三角形状の一対の第1溝切り板40及び一対の第2溝切り板41が、整地フロート10の各々に固定されており、第1溝切り板40の後部に一対の第1作溝器15が固定され、第2溝切り板41の後部に一対の第2作溝器16が固定されている。繰出し部12からの種籾Sを下方に案内する可撓性で透明なホース13が第1作溝器15に接続され、繰出し部12からの肥料Mを下方に案内する可撓性で透明なホース14が第2作溝器16に接続されている。この場合、肥料Mの第2作溝器16の田面Gへの入り込み深さが、種籾Sの第1作溝器15の田面Gへの入り込み深さよりも深いものに設定されており、3個の整地フロート10の6個の第1作溝器15が、所定間隔D(例えば、約300mm)で横方向に配置されている。 【0022】図2及び図7に示すように、3つのチェーンケース9の前端が横向きの支持フレーム18で連結されて、支持フレーム18の両端部から補助フレーム19が立設されている。図2及び図3に示すように、3つのチェーンケース9の後端のブラケット20に横向きのパイプフレーム21が固定され、ホッパー11がフレーム22を介してパイプフレーム21に支持されている。 【0023】図2及び図1に示すように、リンク機構6の縦リンク6Aの下部に前後軸芯Xが備えられて、縦リンク6Aの上部に支持フレーム23を介して横向きにネジ軸24が支持され、ネジ軸24を正逆転操作するモータ25が備えられている。ネジ軸24の回転によって横方向に移動自在な移動部材26がネジ軸24に外嵌され、移動部材26と左右の補助フレーム19とがバネ27を介して接続されている。 【0024】図4,5,6に示すように、ホッパー11において内部に隔壁11Cが配置され、隔壁11Cの後側に種籾貯留部11A、隔壁11Cの前側に肥料貯留部11Bが形成されている。繰出し部12においてケース42の内部に、凹部43Aが外面に形成された種籾繰出しロール43、凹部44Aが外面に形成された肥料繰出しロール44が備えられ、横向き姿勢の駆動軸45に種籾繰出しロール43及び肥料繰出しロール44が支持されており、種籾繰出しロール43からの種籾Sをホース13に送る漏斗状の案内部材46、肥料繰出しロール44からの肥料Mをホース14に送る漏斗状の案内部材47が後側及び前側に配置されている。 【0025】以上の構造によって、駆動軸45により種籾及び肥料繰出しロール43,44が、図4及び図5の紙面反時計方向に回転駆動されることによって、種籾Sが種籾貯留部11Aから種籾繰出しロール43(凹部43A)により案内部材46に繰り出され、肥料Mが肥料貯留部11Bから肥料繰出しロール44(凹部44A)により案内部材47に繰り出される。 【0026】図2及び図3に示すように、駆動軸45は2条分を同時に駆動できるように隣接する繰出し部12を横方向に貫通するように配置されており、駆動軸45の中間位置に一対のワンウェイクラッチ48が備えられている。チェーンケース9の後部の左右両側面に備えられた一対のクランクアーム49と、ワンウェイクラッチ48の操作アーム48Aとがロッド50を介して接続されており、一対のクランクアーム49の回転運動によるロッド50の押し引き操作が、ワンウェイクラッチ48により回転運動に変換されて駆動軸45に伝達される。この場合、駆動軸45が滑らかに回転するように、一対のクランクアーム49の位相差を180度に設定して、常に何れか一方のクランクアーム49により駆動軸45が回転させられるように構成している。 【0027】(2)次に、整地フロート10に備えられる第1及び第2覆土器37,38の構成について説明する。図8,9,10に示すように整地フロート10において、第2作溝器16の後方内側に、板材を斜めに向けた第2覆土器38が左右一対固定されている。整地フロート10において左右の両端部に亘り支持フレーム31が固定されており、支持フレーム31の左右両端部に操作軸39が回転自在に支持され、板材を斜めに向けたような第1覆土器37の前部が操作軸39の下端に固定されて、第1覆土器37が第1作溝器15の後方外側に位置している。 【0028】図2,3,13に示すように、パイプフレーム20に操作軸53が左右に亘り回転自在に支持され、操作軸53に固定されたアーム55に操作シリンダ56が接続されており、操作シリンダ56により操作軸53の角度を変更操作することができる。操作軸53に6個のアーム57が固定され、アーム57と操作軸39の操作アーム39aとがワイヤ51により各々接続されている。この場合、図8,9,10に示すように支持フレーム31に支持部材68が固定されて、ワイヤ51のアウタ端部51aが支持部材68に固定されており、操作アーム39aと支持部材68(支持フレーム31)とに亘って、引っ張り力を発生する戻しバネ54が架設されている。 【0029】以上の構造によって図9に示すように、第1覆土器37が戻しバネ54によって、整地フロート10の前後方向(走行機体3の進行方向)に沿う弱埋め戻し姿勢R1側に付勢されており、ワイヤ51を引き操作することにより戻しバネ54に抗して、第1覆土器37が内側に向く強埋め戻し姿勢R5(複数の中間姿勢2,R3,R4)側に揺動操作される。 【0030】(3)次に、水田直播機Aの昇降制御の構成及びローリング制御の構成について説明する。図2及び図3に示すように、チェーンケース9の下面に回転自在に支持された支持軸29から、支持アーム30が後方に延出されて、支持アーム30の後端の横軸芯P1周りに整地フロート10の後部が上下に揺動自在に支持されている。これにより、支持アーム30が上下に揺動することによって、整地フロート10の後部(又は全体)が各々独立に上下動するのであり、横軸芯P1周りに整地フロート10の前部が各々独立に上下動する。 【0031】図2及び図13に示すように、整地フロート10の前部と支持フレーム18とが、折れ曲がり自在なリンク32を介して連結されている。支持フレーム18の左右中央の前部にポテンショメータ35が固定され、ポテンショメータ35の検出アーム34と中央の整地フロート10の前部とが、連係ロッド33を介して接続されており、検出アーム34及び連係ロッド33を介して中央の整地フロート10の前部を下方側に付勢するバネ17が備えられている。 【0032】図13に示すように、中央の整地フロート10のポテンショメータ35の検出値が制御装置36に入力されており、ポテンショメータ35の検出値は、中央の整地フロート10の前部と水田直播機A(ポテンショメータ35)との上下間隔を示している。図7に示すように、水平面に対する水田直播機Aの左右の傾斜角度を検出する重垂式の傾斜センサー28が補助フレーム19に備えられており、傾斜センサー28の検出値が制御装置36に入力されている。 【0033】これにより、走行機体3の進行に伴い中央の整地フロート10が田面Gに接地追従するのに対して水田直播機Aが上下動すると、横軸芯P1周りに中央の整地フロート10の前部が上下動するので、ポテンショメータ35の検出値が設定値Cとなるように(ポテンショメータ35の検出アーム34が設定値Cの姿勢となるように)、制御装置36により制御弁52が操作され油圧シリンダ5が伸縮操作されて、水田直播機Aが自動的に昇降操作される。これと同時に傾斜センサー28の検出値に基づいて、水田直播機Aが水平に維持されるように、モータ25により図7に示す移動部材26が左右方向に移動操作されて、水田直播機Aが前後軸芯X周りにローリング操作される。 【0034】これにより、走行機体3の進行に伴い第1溝切り板40及び第1作溝器15、第2溝切り板41及び第2作溝器16により田面Gに溝が形成され、ホッパー11の種籾貯留部11A及び肥料貯留部11Bの種籾S及び肥料Mが、種籾及び肥料繰出しロール43,44により簡欠的に繰り出されて、ホース13及び第1作溝器15、ホース14及び第2作溝器16を介して各々の溝に供給されるのであり、種籾Sの供給された溝が第1覆土器37によって埋め戻され、肥料Mの供給された溝が第2覆土器38によって埋め戻される。 【0035】これと同時に、前述のように水田直播機Aが自動的に昇降操作及びローリング操作され、水田直播機Aが田面Gから設定高さに維持され水平に維持されて、第1溝切り板40及び第1作溝器15が田面Gに形成する溝の深さ、並びに第2溝切り板41及び第2作溝器16が田面Gに形成する溝の深さが、設定深さに維持される。 【0036】(4)次に水田直播機Aに備えられる泥硬さ検出部64の構成について説明する。図1及び図12に示すように、支持フレーム18の左右中央から走行機体3の進行方向前側に第1支持フレーム65が延出され、第1支持フレーム65の先端に第2支持フレーム66が斜め方向に高さ調節自在に取り付けられて、第2支持フレーム66に泥硬さ検出部64が備えられている。 【0037】図11及び図12に示すように、第2支持フレーム66の先端の横軸芯P2周りに、第1アーム67が上下揺動自在に支持され、所定の横幅を持つ接地面を備えたドラム状の第1回転体58が、第1アーム67の先端の横軸芯周りに自由回転自在に支持されている。第1アーム67と一体で揺動する支持板67aが備えられており、第2支持アーム66に接当することで第1アーム67の下限位置を決めるストッパー59、及びポテンショメータ60が支持板67aに備えられている。 【0038】第2支持フレーム66の先端の横軸芯P2周りに、第2アーム61が上下揺動自在に支持され、第2回転体62が第2アーム61の先端の横軸芯周りに自由回転自在に支持されており、第2回転体62は第2アーム61の先端の横軸芯側の横幅よりも外周部側の横幅の方が狭くなるソロバン玉状に形成されている。第2アーム61と一体で揺動する検出アーム61aが備えられており、ポテンショメータ60の検出アーム60aのローラー60bに検出アーム61aが接当して、検出アーム61aがローラー60bから離れないようにするL字状の部材60cが、検出アーム60aに備えられている。第1アーム67に対する第2アーム61の揺動範囲を決める一対のボルト63が、支持板67aに備えられており、ボルト63の位置を変更することにより、第1アーム67に対する第2アーム61の揺動範囲を大小に調節することができる。 【0039】以上の構成によって図12に示すように、第1及び第2回転体58,62は自重により下降しようとしており、第1回転体58はドラム状なので転がるようにして田面Gに接地追従していき、田面Gの泥の硬軟に関係なく田面Gに入り込むことはない。これに対し、ソロバン玉状の第2回転体62は回転しながら自重により田面Gに入り込もうとするので、田面Gの泥が硬いと田面Gへの第2回転体62の入り込み深さは浅いものとなるのであり、田面Gの泥が軟らかいと田面Gへの第2回転体62の入り込み深さは深いものとなる。従って、ポテンショメータ60の検出値が、田面Gへの第2回転体62の入り込み深さとなるのであり、田面Gの泥の硬さとなる。 【0040】(5)次に、前項(4)に記載の泥硬さ検出部64により田面Gの泥の硬さの検出を行った際、田面Gの泥の硬さに基づいて行う水田直播機Aの昇降制御の制御感度の自動的な変更について説明する。前項(4)に記載のように、泥硬さ検出部64(ポテンショメータ60)の検出値が硬側であると、図13に示す設定値Cが泥の硬さに応じて上向き側の鈍感側に自動的に変更される。これにより、ポテンショメータ35の検出値が上向きの設定値Cとなるように(ポテンショメータ35の検出アーム34が上向きの設定値Cの姿勢となるように)、水田直播機Aが自動的に昇降操作される。 【0041】この上向きの設定値Cにおける中央の整地フロート10の姿勢は前上がり側になるので、中央の整地フロート10の田面Gへの接地面積が減少して、バネ17が圧縮されバネ17の付勢力が強められる。従って、中央の整地フロート10の田面Gへの接地追従感度(昇降制御の制御感度)が、鈍感側に変更されることになる。 【0042】逆に、泥硬さ検出部64(ポテンショメータ60)の検出値が軟側であると、図13に示す設定値Cが泥の硬さに応じて下向き側の敏感側に自動的に変更される。これにより、ポテンショメータ35の検出値が下向きの設定値Cとなるように(ポテンショメータ35の検出アーム34が下向きの設定値Cの姿勢となるように)、水田直播機Aが自動的に昇降操作される。 【0043】この下向きの設定値Cにおける中央の整地フロート10の姿勢は前下がり側になるので、中央の整地フロート10の田面Gへの接地面積が増加して、バネ17が伸長しバネ17の付勢力が弱められる。従って、中央の整地フロート10の田面Gへの接地追従感度(昇降制御の制御感度)が、敏感側に変更されることになる。 【0044】(6)次に、前項(4)に記載の泥硬さ検出部64により田面Gの泥の硬さの検出を行った際、第1覆土器37の自動的な揺動操作について、図9及び図14に基づいて説明する。図9に示すように第1覆土器37において、種籾Sが供給された溝から第1覆土器37の後側が離間して、第1覆土器37が走行機体3の進行方向に沿った弱埋め戻し姿勢R1、及び種籾Sが供給された溝に第1覆土器37の後側が接近して(被さって)、第1覆土器37が走行機体3の進行方向に対し斜めに交差する強埋め戻し姿勢R5が設定されており、弱埋め戻し姿勢R1と強埋め戻し姿勢R5との間に複数の中間姿勢R2,R3,R4が設定されている。 【0045】泥硬さ検出部64(ポテンショメータ60)の検出値が、設定時間T(例えば50msec)毎に、制御装置36において入力されており(ステップS1,S2,S3)、泥硬さ検出部64(ポテンショメータ60)の検出値が入力される毎に、記憶されている設定個数B(例えば10個)の検出値の移動平均値Dが算出される(ステップS4)(設定個数Bの泥硬さ検出部64の検出値が記憶されている状態において、新しい泥硬さ検出部64の検出値が入力されると、設定個数Bの泥硬さ検出部64の検出値うち最も古いものが消去され、残りの泥硬さ検出部64の検出値と、新しい泥硬さ検出部64の検出値とにより平均値を算出する)。 【0046】弱埋め戻し姿勢R1及び強埋め戻し姿勢R5、複数の中間姿勢R2,R3,R4の各々に対して、所定幅の硬さ範囲が設定されている。この場合、硬さの設定値S1,S2,S3,S4,S5((軟)S1<S2<S3<S4<S5(硬))に基づいて、D<S1,S1≦D<S2,S2≦D<S3,S3≦D<S4,S4≦Dと言う複数の所定幅の硬さ範囲が設定されており、図9に示すようにD<S1と弱埋め戻し姿勢R1、S1≦D<S2と中間姿勢R2、S2≦D<S3と中間姿勢R3,S3≦D<S4と中間姿勢R4,S4≦Dと強埋め戻し姿勢R5が対応している。 【0047】ステップS4において移動平均値Dが算出されると、移動平均値Dが前述の複数の所定幅の硬さ範囲のうち、どの所定幅の硬さ範囲に入るかが判断されて(ステップS5)、移動平均値Dが入る所定幅の硬さ範囲に対応する弱埋め戻し姿勢R1及び強埋め戻し姿勢R5、複数の中間姿勢R2,R3,R4が、目標姿勢として設定される(ステップS6,S7,S8,S9,S10)。これにより、第1覆土器37が設定された目標姿勢(弱埋め戻し姿勢R1及び強埋め戻し姿勢R5、複数の中間姿勢R2,R3,R4)となるように、操作シリンダ56が伸縮操作されてワイヤ51及び戻しバネ54により、第1覆土器37が揺動操作される。 【0048】この場合、田面Gの泥が軟らかいと、第1覆土器37が弱埋め戻し姿勢R1及び弱埋め戻し姿勢R1側の中間姿勢R2,R3に揺動操作されるのであり、田面Gの泥が硬いと、第1覆土器37が強埋め戻し姿勢R5及び強埋め戻し姿勢R5側の中間姿勢R4,R3に揺動操作される。 【0049】 【発明の効果】請求項1及び2の特徴によると、覆土器を備えた水田直播機において田面の泥の硬さに基づいて、覆土器を後側が溝から離れて進行方向に沿った弱埋め戻し姿勢、及び後側が溝に接近して進行方向に対し斜めに交差する強埋め戻し姿勢に(弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢、複数の中間姿勢の複数段階に)、自動的に揺動操作されるように構成することによって、種籾を移動させることなく適切に埋めることができるようになって、水田直播機の播種性能を向上させて発芽率の向上を図ることができた。 【0050】請求項1及び2のように、作動遅れを考慮に入れて覆土器から進行方向前側に所定距離だけ離れた位置に泥硬さ検出部を配置することにより、泥硬さ検出部が泥の硬さを検出した田面の位置と、前述の泥硬さ検出部の検出値に基づいてアクチュエータが揺動操作する際の覆土器の位置とを、一致させることができるようになって、覆土器の姿勢を田面の泥の硬さに応じた適切なものに精度良く設定することができるようになり、水田直播機の播種性能をさらに向上させることができた。 【0051】請求項2の特徴のように、覆土器を弱埋め戻し姿勢及び強埋め戻し姿勢、複数の中間姿勢の複数段階に亘って揺動操作するように構成することによって、覆土器が頻繁に揺動操作されると言う状態を抑えることができるので、種籾をさらに移動させることなく適切に埋めることができるようになって、水田直播機の播種性能をさらに向上させることができた。 【0052】請求項3の特徴によると、請求項2の場合と同様に前述の請求項2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴のように、泥硬さ検出部の検出値の移動平均値を泥硬さ検出部の検出値として使用して、泥硬さ検出部の検出値(移動平均値)の大きな変化を抑えることにより、覆土器が急に大きく揺動操作されると言う状態を抑えることができるので、請求項2の特徴と請求項3の特徴とが相まって、覆土器の滑らかで安定した揺動操作が行えるようになり、種籾をさらに移動させることなく適切に埋めることができるようになって、水田直播機の播種性能をさらに向上させることができた。 【0053】請求項4の特徴によると、請求項1,2,3のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1,2,3のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項4の特徴のような回転体を備えて泥硬さ検出部を構成することにより、特に田面の泥が軟らかい場合に回転体が田面に入り込み過ぎて、実際の田面の泥の硬さよりも軟らかいように検出してしまう状態を未然に防止しながら、田面の泥の硬さを適切に検出することができるようになって、水田直播機の播種性能をさらに向上させることができた。又、回転体が田面に深く入り込んだ状態で、水田直播機が蛇行するように進行しても、回転体が折り曲げられたりすることがないので、耐久性の面でも有利なものとなった。 【0054】請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前述の請求項1〜4のうちのいずれか一つの「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項5の特徴のように、覆土器を揺動自在に支持するもので充分な強度を持つ支持フレームに、ワイヤの受け部及び戻しバネを取り付けることによって、アクチュエータによるワイヤの引き操作時の反力及び戻しバネの反力が、支持フレーム以外の他の部分に掛からないように構成することができるので、他の部分の変形等を未然に防止することができて、水田直播機の耐久性を向上させることができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000195568 【氏名又は名称】生物系特定産業技術研究推進機構 【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月31日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−127619 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−299830 |
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