トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 ロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置
【発明者】 【氏名】仲 弘和

【氏名】島本 利二

【要約】 【課題】ロングマット状苗を使用した田植機において、そのロングマット状苗を補給する場合における苗継ぎ足しを先行苗と後続苗を連結して苗補給を容易にし、しかも、苗の無駄をなくする。

【解決手段】ロングマット状苗を田植機の苗載置台21上に載せて巻き戻しながら苗載置台21に苗が補給され、この載置台21上の苗が苗植付装置に供給されて移植される水稲苗移植装置において、ロングマット状苗が全て巻き戻されてロ−ラから外れ苗載置台21上に載置展開された時点において、次のロングマット状苗をロ−ラごと補給するとき、先行のロングマット状苗32aの終端縁と後続の補給ロングマット状苗32bの前端縁とを接続する状態で当該両ロングマット状苗を連結する連結固着手段を講じた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 不織布や薄厚状の発泡ウレタン樹脂等の根絡シ−ト33を所定幅で前後に長い水耕槽内に敷設し、その上に種籾を厚蒔きして育苗した水稲苗をロ−ラ34に苗葉茎が内側に巻き込まれるよう渦巻き状に巻き取ったロングマット状苗32を田植機の苗載置台21上に載せて巻き戻しながら当該苗載置台21に苗が補給され、この載置台21上の苗が苗植付装置28に供給されて移植される水稲苗移植装置において、前記ロングマット状苗32が全て巻き戻されて前記ロ−ラ34から外れ苗載置台21上に載置展開された時点において、次のロングマット状苗32をロ−ラごと補給するとき、先行のロングマット状苗32aの終端縁と後続の補給ロングマット状苗32bの前端縁とを接続する状態で当該両ロングマット状苗を連結する連結固着手段を講じてなるロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置。
【請求項2】 ロングマット状苗の先端側あるいは後端側更には前後両端側の根絡シ−ト33上に播種しないで、この根絡シ−ト33を接着剤Sで接着したり縫い合わせたりする連結固着手段である特許請求の範囲第1項記載のロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置。
【請求項3】 連結固着手段がクリップKあるいは連結針Hである特許請求の範囲第1項記載のロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置。
【請求項4】 連結固着手段がクリップKあるいは連結針Hである場合において、その連結固着手段が腐食部材あるいは破砕容易部材で構成された特許請求の範囲第1項記載のロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置。
【請求項5】 連結固着手段がクリップKあるいは連結針Hである場合に、そのクリップKあるいは連結針Hを苗載置台上で水稲苗移植装置に供給する時点において回収する回収手段43を設けた特許請求の範囲第1項記載のロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、不織布や薄厚状の発泡ウレタン樹脂等の根絡シ−トを所定幅で前後に長い水耕槽内に敷設し、その上に種籾を厚蒔きして育苗した水稲苗をロ−ラに苗葉茎が内側に巻き込まれるよう渦巻き状に巻き取ったロングマット状苗を田植機の苗載置台上に載せて巻き戻しながら当該苗載置台に苗が補給されて、水稲苗移植装置で移植するロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】従来、特開平8−331942号に開示された苗移植機があった。この従来技術は、ロングマット苗を渦巻き状にロ−ラに巻き苗移植機の苗載置台上に軸装させて巻き戻しながら苗移植装置に供給するものであった。然るに、この種の技術では1回のロングマット苗の装填で相当の面積を移植できると謂う特徴がありながら、苗補給時には継ぎ足し補給が困難で、苗が無駄になる欠点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は、前述の課題を解消するために次の技術的な手段を講じた。即ち、不織布や薄厚状の発泡ウレタン樹脂等の根絡シ−ト33を所定幅で前後に長い水耕槽内に敷設し、その上に種籾を厚蒔きして育苗した水稲苗をロ−ラ34に苗葉茎が内側に巻き込まれるよう渦巻き状に巻き取ったロングマット状苗32を田植機の苗載置台21上に載せて巻き戻しながら当該苗載置台21に苗が補給され、この載置台21上の苗が苗植付装置28に供給されて移植される水稲苗移植装置において、前記ロングマット状苗32が全て巻き戻されて前記ロ−ラ34から外れ苗載置台21上に載置展開された時点において、次のロングマット状苗32をロ−ラごと補給するとき、先行のロングマット状苗32aの終端縁と後続の補給ロングマット状苗32bの前端縁とを接続する状態で当該両ロングマット状苗を連結する連結固着手段を講じてなるロングマット状苗使用の田植機における苗補給装置とした。
【0004】
【実施例】この発明の一実施例について詳細に説明する。1は乗用型の田植機の走行車体であって、操舵可能で駆動型の左右一対の前輪2,2と左右一対の駆動型の後輪3,3を有した機枠4にエンジン5を前後中間位置に搭載し、このエンジン5の前側で機枠4の前端側に操縦機枠6を設け、この操縦機枠6の上部に操舵用前輪2,2を操縦する操縦ハンドル7を設け、機枠4の上面に左右前後に拡張した搭乗フロア8を張設し、前記エンジン5は、このフロア8から膨出するエンジンカバ−9で覆い、このエンジンカバ−9の上側に操縦座席10を設けている。11は後輪カバ−を示す。12はフロントミッションケ−ス、13はリヤ−伝動ケ−スである。
【0005】14は支柱で、前記機枠4の後端側に立設されている。15は昇降リンク機構で、上リンク杆16aと下リンク杆16bの基部側を前記支柱14にブラケットを介して横方向の軸で回動自在に枢結し、この上下リンク杆の後端側を縦リンク杆16cで枢結させ、この縦リンク杆16cに作業機を取り付けるヒッチ体17を取り付けている。そして、前記下リンク杆16bを前記機枠4側に基部側を枢着した油圧シリンダ−装置18のピストン18bに連繋させてピストン18bの出入り作動により昇降リンク機構15を作動する構成とする。18aは油圧シリンダ−装置18のシリンダ−本体側を示す。
【0006】19は田植装置で、フレ−ムが伝動ケ−スで共用されており、その植付伝動ケ−ス20は、前端側の左右中央部ケ−ス20aから左右横方向に突出する横軸ケ−ス20bを介して後方側に複数分岐して伸びる縦伝動ケ−ス20cからなり、この植付伝動ケ−ス20の上側に、苗載置台21が左右に仕切られて複数個配置されている。そして、この苗載置台21は前部が上位になるよう前後に傾斜し、各苗載置台の底部を切欠いで苗搬送広幅ベルト22を設け、更に、この苗載置台21は前記植付伝動ケ−ス20側から支持枠23a,23bを介して左右移動自在に支持されている。そして前記苗載置台21は前記左右中央部ケ−ス20a内の左右横移動機構で左右に移動されケ−ス外に一部突出する移動軸24に連繋されて左右に往復横移動されるよう構成されている。また、前記ベルト22は左右横端に移動した時点で駆動されるよう伝動ケ−ス20a内の回転機構で作動される回転ア−ム25で作動される構造になっている。
【0007】26は苗受止枠で、側面視がL字状型になっており、前記苗載置台21の後側下端部に対抗させて植付伝動ケ−ス20側に固着され、左右方向に長く延び、この苗受止枠26には所定間隔に苗分割口27が切欠き形成されている。28は苗植付装置で、前記縦伝動ケ−ス20cの後方側面部に回転ケ−ス29を設け、この回転ケ−ス29に苗分離植付爪30aを有する植付具30を首振り回動されるよう取付け、この回転ケ−ス29の回転を受けて植付具30が作動し植付爪30aが前記苗受止枠26の苗分割口27に介入して苗を分割保持し下方の水田圃場面に植付けるよう構成されている。
【0008】31は整地フロ−トで、前記縦伝動ケ−ス20cの下側に前側が上下動可能に取付けられ、センタフロ−ト31aとサイドフロ−ト31b,31bからなる。この各フロ−トで苗植付圃場面が整地され、その部分に苗が植え付けられる。32はロングマット状水稲苗をロ−ラに渦巻状にしたもので、不織布や薄厚状の発泡ウレタン樹脂等の根絡シ−ト33を所定幅で前後に長い水耕槽内に敷設し、その上に種籾を厚蒔きして育苗した水稲苗をロ−ラ34に苗葉茎が内側に巻き込まれるよう渦巻き状に巻き取って運搬等を容易にし、これを田植機の苗載置台21上に装填して使用する。具体的な実施例では、左右に仕切りされて区画状の前記各苗載置台21の左右枠(仕切り枠を含む)にブラケットを介してハンドル35付きの回動ア−ム36に前記ロ−ラ34の左右側に突出ならしめた支軸37を回動自在に支持する嵌合孔38を設け、この孔38に該支軸37を挿通させて苗載置台21上に渦巻状にしたロングマット状水稲苗32を支架ならしめている。 尚、このロングマット状水稲苗32の外周下端側を苗載置台21の移送ベルト22の上面側に接近させて苗載置台21が左右横端の折り返し時点になると繰り出されるように構成するが、そのロングマット状水稲苗32の外周下端側を苗載置台21に接近状態で保持する構成として、バネ39で上方へ付勢した受部材40を苗載置台21の側枠部分に支持杆41を介して構成している。42は載置される苗32の葉茎部分を押圧さるロ−ラを示す。尚、前記回動ア−ム36は第1図の仮想線で示す通り後方側には自由に回動できて、苗32の交換が容易にできるようになっている。
【0009】上述のようなロングマット状苗32を供給する場合に、1回の苗装填で広い圃場を植付けできるが、ロングマット状苗32がロ−ラ34から巻き戻されて苗32の長さが少なくなり終には完全にロ−ラ34から外れることになる。このとき、この苗載置台21上面に離された先行苗32aに次ぎのロングマット状苗32bを継ぎ足さないと後続の苗32bが苗植付装置28に供給されなくなる。従って、先行ロングマット状苗32aの後端部と後続の苗32bの先端部とを連結することが必要となり、この場合に、連結固着手段を要する。この連結固着手段の1実施例としては、ロングマット状苗32を育苗する場合に敷設する根絡シ−ト33を使用してこれを互いに適宜接着剤Sで接着したり、根絡シ−ト33とこれに絡みついた苗根部とを連結針Hで前後を付き刺して連結したり、あるいは先行する苗32aの根絡シ−ト33と、後続する苗32bの根絡シ−ト33とを互いにクリップKで固着して互いに連結する。尚、実施例には開示していないがマジックテ−プで連結することも考えられる。その他、適宜な構成で連結すればよい。
【0010】尚、前記連結用の針Hは苗載置台21の後端側の苗分割口の近傍位置で引っ掛具43で代表される回収具をもうけるとよい。また、このような連結針Hや連結クリップは、そのまま圃場に苗と共に移植されても容易に腐食したり、破砕される材料で構成すると便利である。
【0011】
【発明の作用効果】この発明によれば、植え付けられているロングマット状苗が残り少なくなっても、この先行する苗と補給される後続苗とを連結することにより最後まで無駄なくロングマット状苗を植付けることができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月29日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−103625
【公開日】 平成11年(1999)4月20日
【出願番号】 特願平9−264352