| 【発明の名称】 |
不耕起移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】芝田 哲男
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| 【要約】 |
【課題】圃場の状態に応じ作溝部材6を正逆回転させて作溝を適切に行なうとともに、苗の植付けを良好に行なうことができる不耕起移植機を提供する。
【解決手段】走行機体2に装着された複数の植付体40を有する植付装置4の前部に、上記走行機体2から伝動軸31及び伝動ケース7を介して回転駆動される回転軸30に、それぞれ植付体40に対向する作溝部材6を設けてなる不耕起移植機の伝動ケース7内に、回転軸30を正逆回転させる回転切換機構9を構成して作溝部材6を駆動させる構成にした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体2に装着された複数の植付体40を有する植付装置4の前部に、前記走行機体2から伝動軸31及び伝動ケース7を介して回転駆動される回転軸30に各植付体40に対向する作溝部材6を設けた不耕起移植機において、前記伝動ケース7内に回転軸30を正逆回転させる回転切換機構9を構成して作溝部材6を駆動させる不耕起移植機。 【請求項2】 回転軸30を伝動軸31に設けた駆動ベベルギヤ31bと、該駆動ベベルギヤ31bの両側で各噛合する正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72を有する中間軸70と、該正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72とに択一的に噛合する中間ギヤ73とで駆動させる請求項1の不耕起移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、不耕起移植機において走行機体側から作溝部材を正逆回転可能に駆動する伝動構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、耕耘或いは代掻をしていない不耕起の圃場に対し、作溝輪を回動させて形成した作溝(植付用の溝)に植付爪によって苗の植付作業を行なう不耕起移植機は、前記作溝輪を備えた回転軸を走行機体側から伝動軸やユニバーサルジョイントを介して伝動ケース内に設けられた減速ギヤによって、作溝輪を上向きの逆回転駆動させて作溝を形成するように構成している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような構成の従来の不耕起移植機は、作溝輪を逆回転によってのみ作溝させるように構成しているので、雑草や切藁等屑類の多い圃場ではこの屑類が作溝輪によって圃場面から上方に持ち上げられて作溝輪に巻付いた状態になり、作溝を良好に形成し難い欠点があるとともに、屑類の巻付きや滞積によるトラブルが生じ易い等の問題がある。 【0004】また、回転軸を駆動支持する伝動ケースは小形及び軽量化を図るうえで大幅な減速に制約があり、そのため作溝輪の駆動反力を過大に受けることになるので伝動軸31及びユニバーサルジョイント等が大型でコスト高なものになる等の問題があった。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記従来技術の問題を解決するための本発明に係る不耕起移植機は、走行機体2に装着された複数の植付体40を有する植付装置4の前部に、上記走行機体2から伝動軸31及び伝動ケース7を解して回転駆動される回転軸30に各植付体40に対向する作溝部材6を設けてなる不耕起移植機において、前記伝動ケース7内に回転軸30を正逆回転させる回転切換機構9を構成して作溝部材6を駆動させるようにしている。 【0006】また、回転軸30を伝動軸31に設けた駆動ベベルギヤ31bと、該駆動ベベルギヤ31bの両側で各噛合する正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72を有する中間軸70と、該正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72とに択一的に噛合する中間ギヤ73とで駆動させるようにしている。 【0007】 【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の一実施の形態を説明する。1は、前輪2aと後輪2bを前後に備えた走行機体2の前部にエンジン1aと運転席1bを設置し、更にその後部に作溝装置3を有する植付装置4を昇降リンク機構5を介して昇降可能に設けた不耕起移植機であり、機体の走行に伴って作溝装置3の先鋭な突起歯6a付の作溝輪(作溝部材)6で地面を砕土しながら形成した作溝(溝状部)に、植付装置4の植付体(植付爪)40により苗を植付けるように移植作業を行なうものである。 【0008】前記植付装置4は図2に示すように6条植付型としており、走行機体2から動力が伝達される植付部駆動ケース4a後方で、6条分の植付体40を作動させる植付伝動ケース4bを分岐した形に構成するとともに、この上方にこの植付体40と対向する位置に苗載台41を横方向に往復動可能に支持している。そして上記各植付ケース4bの下方には、平面視で長方形状の中空フロートからなる地面滑走用のそり体4Fを公知の移植機と同様な機構によって支持している。 【0009】次に、そり体7の前方に設置される作溝装置3の構成について、図2,図3を参照し説明する。図3に示す30は、植付幅の全長にわたり横設されてその中央部分を走行機体2から屈折伝動可能なジョイント31aを有する伝動軸31を介して駆動される伝動ケース7によって回動可能に支持された回転軸である。 【0010】この回転軸30上には後述する構成からなる複数(6ケ)の作溝輪6を前記そり体7の各両前方に位置した状態において植付点Pの仮想延長上に、地面を砕土して苗を植付け可能とする植付溝を形成するように配置している。そしてその作溝深さ調節は、図2に示すように回転軸30の両側を取付フレーム35から上下揺動可能に延設した支持アーム36,36に枢支させて、この支持アーム36,36を適宜部材からなる調節機構(図示せず)を操作して行なうようにしている。 【0011】このように構成された不耕起移植機1において、前記作溝装置3の回転軸30は、高速回転をしている伝動軸31から伝動ケース7内の回転切換機構9を介して後述する回転切換機構9の切換レバー90の操作によって低速回転に減速されながら、作溝輪6を進行方向と同方向に回転させる「正回転伝動」と、この作溝輪6を進行方向と逆方向に回転させる「逆回転伝動」とに、正・逆回転切換可能に伝動するように構成している。 【0012】即ち、前記回転切換機構9は、その伝動系統を伝動ケース7の上手側に軸支した伝動軸31の端部に固着した小径で少歯数の駆動ベベルギヤ31bと、伝動ケース7の中腹部に軸支された中間軸70の両側に止着されて前記駆動ベベルギヤ31bの左右両側においてそれぞれ噛合する径大で多歯数の正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72と、前記中間軸70の中央部でスプライン嵌合によって左右方向移動可能に係止している。 【0013】そしてその両側面に前記正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72の内側面に刻設されている噛合歯71aと72bに対向して噛合可能なクラッチ歯73a,73bを突設している小径の平ギヤからなる中間ギヤ73と、伝動ケース7の最下手側に貫通状態で軸支されて前記回転軸30に固着している大径の平ギヤからなる前記の中間ギヤ73に噛合する回転軸ギヤ75等から構成している。 【0014】そして回転切換機構9を、伝動ケース7の側面と走行機体2側に止着連結されて作溝装置3の揺動回動を防止する取付杆80に設けられた前記切換レバー90と、この切換レバー90の操作端部に係合する係合部91と前記中間ギヤ73のフォーク溝内に嵌挿しているシフトフォーク92とを有するシフター軸93をシフターボールによる位置決め部95を介して軸方にスライド可能に設けたシフター96とから構成している。 【0015】前記切換レバー90は、その中央部を前記取付杆80に設けた切換ガイド板97に、支軸90aを介して左右方向に揺動回動可能に軸支するとともに、この切換レバー90の他端に設けた握り部付の切換ネジ90bを前記切換ガイド板97の長孔状のガイド溝97aに挿通させてこのガイド溝97aの左端に位置した実線で示す正転位置と、このガイド溝97aの右端に位置した逆転位置に締着固定可能に設けることにより、切換レバー90を伝動ケース7の側方に簡単な構造を以ってコンパクトに構成している。 【0016】なお、前記正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72に形成される噛合歯71a、72bは歯厚の内側に引っ込ませて刻設するようにすると、中間ギヤ73の歯厚強度を確保しながら正転ベベルギヤ71及び逆転ベベルギヤ72を接近させることができ、その結果、伝動ケース7幅を大きくすることなく、変速機構をコンパクトにまとめて変速を良好に行なうことができる利点がある。 【0017】以上のように構成された回転切換機構9等を有する作溝装置3を備えた不耕起移植機1による移植作業を説明すると、雑草や切藁等の屑類が少ない圃場においては図3に示すように切換レバー90を実線の「逆転位置」に切換ネジ90bを介して安定よく固定した状態で行なう。そして屑類が多い圃場条件下では切換レバー90を長孔97a、切換ネジ90bを介して正転位置(切換ガイド板97が左側に傾斜した状態)に操作固定することにより作溝輪6によって作溝を適切に形成する。そしてこの作溝部に苗の植付けを、植付体40によって良好に行なわせることができる。 【0018】即ち、回転切換機構9の切換レバー90が逆転位置に操作されると図3にに示すように、シフター96を介して中間ギヤ73が逆転ベベルギヤ72に噛合した状態で回転軸ギヤ75を逆回転伝動するので回転軸30は作溝輪6を上向き方向の逆回転させることができる。これにより圃場面では作溝輪6によって進行方向と逆方向に掻削られるので、比較的硬い圃場であっても作溝が的確に行なわれで苗の植付が良好に行なわれるものである。 【0019】一方、切換レバー90を正転位置に操作すると、シフター96を介して中間ギヤ73が正転ベベルギヤ71側に択一的に噛合するので、これにより回転軸ギヤ75は回転軸30を介して作溝輪6を正回転に切換えて作溝することができる。この作溝輪6の下向きに回転する正回転では、圃場表面に散在する屑類をその突起歯6aで引っ掛けて地中にすき込みながら作溝をするので、屑類が作溝輪6に巻き付くことによるトラブルや作溝形成を不良にする等の事態を防止して、良好な作溝及び植付作業を行なうことができるものである。 【0020】また、前記の回転切換機構9を側方に備えた伝動ケース7にしたことにより、前記のように正逆回転切換を簡単に行なうことができながら、駆動ベベルギヤ31bと正転ベベルギヤ71、あるいは及び駆動ベベルギヤ31bと逆転ベベルギヤ72で第1段の減速をすることができる。そして正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72で第2段の減速を行なうので、回転軸30を可及的に高速回転で伝動しても、作溝輪6を充分に減速させて適正な低速回転を以って良好に作溝させることができる。 【0021】従って、伝動軸31に生ずるトルクや過大な駆動反力を小さくすることができるから、伝動軸31を小径なもので軽量化構造にすることができるとともに、ジョイント31aを廉価型のものを用いながらその長寿命化を図ることができる等の利点がある。また、駆動ベベルギヤ31bと回転軸ギヤ75間に介装される中間軸70に、駆動ベベルギヤ31bの左右に噛合させた正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72と設けて変速と減速を行なうようにしたことにより、伝動ケース7を大型化させることなく、幅狭に形成することが可能になるので、この伝動ケース7を左右の作溝輪6間において回転軸30上にコンパクトにまとめた構成で、簡単に設けることができ、そして作溝装置3の重量の増大を抑制することができる。 【0022】また、前記の回転切換機構9は、走行機体2側を大幅に改造することなく作溝装置3側の従来既設の伝動ケース7部を大型化させることなく簡単に行なうことができる等の利点もある。 【0023】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明による不耕起移植機は、請求項1の発明により、作溝部材6を回転切換機構8を介して正逆回転可能に構成したので、雑草等屑類の多い圃場で作溝部材6を下向きの正回転駆動によって屑類に支障されることのない作溝を行なうことができ、その後、苗の植付けを良好に行なうことができるとともに、屑類の少ない圃場、或いは硬い圃場等では作溝部材6を逆回転することにより作溝を能率よく的確に行なうことができる。 【0024】請求項2の発明により、回転軸30を駆動ベベルギヤ31bの両側において噛合する正転ベベルギヤ71と逆転ベベルギヤ72を有する中間軸を介して構成したことにより、正逆及び減速回転可能に駆動させることができ、伝動ケース7を大型化させることなくコンパクトにまとめて回転軸30を高減速させて正逆回転の切換伝動を良好に行なうことができるとともに、伝動軸31等に対する過大な駆動反力を抑制して構成を簡潔にすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−103620 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−272311 |
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