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【発明の名称】 苗植機の苗載置装置
【発明者】 【氏名】青木 義勝

【氏名】竹本 雅浩

【要約】 【課題】ベルトコンベアで苗受板側に繰り出される集団苗は、苗受板の端に垂れ下ったホルダで端面を受け止め、横ずれ防止杆で苗床部を苗受板に押圧するように保持して左右に移動されるが、横ずれ防止杆のすべてがホルダよりも内側に設けられていたので、その垂直部が苗の葉に当って苗床部が苗受板から浮き上るおそれがあった。また苗床部の突端の保持ができなくて、横ずれ防止が不充分であった。

【解決手段】分離爪が下に向って通過する苗取口16aが苗受板16に設けられ、苗床部が連続した集団苗20の端を苗受板16上に突出させて左右に往復移動する苗載台18を備え、上から垂れ下がって突出した苗床部の端面を支持する複数の杆状のホルダ42が苗載台18に取付けられ、突出した苗床部を上から押える複数の横ずれ防止杆43がホルダ42の外から内に向って突入するように苗載台18に取付けられている苗載置装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分離爪26が下に向って通過する苗取口16aが苗受板16に設けられ、苗床部が連続した集団苗20の端を苗受板16上に突出させて左右に往復移動する苗載台18を備え、上から垂れ下がって突出した苗床部の端面を支持する複数の杆状のホルダ42が苗載台18に取付けられ、突出した苗床部を上から押える複数の横ずれ防止杆43がホルダ42の外から内に向って突入するように苗載台18に取付けられている苗植機の苗載置装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、畑作用の苗植機に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】分離爪が下に向って通過する苗取口を有する苗受板と、苗床部が連続した集団苗の端を苗受板上に突出させて左右に往復移動する苗載台を備え、その移動で集団苗の端が苗取口上に来ると、分離爪が一株分の苗を欠ぎ取って移植するように出来ている。その列の欠ぎ取りが終了すると、集団苗を苗送り装置で苗受板側に繰り出し、繰り出した集団苗の苗床部の端面を上から垂れ下がった複数のホルダで支持してその繰出量を均一化するようになっている。また、突出した苗床部の下面は苗受板上を摺動し、摩擦で横移動中に遅れを生じて分離爪による欠取量(又は欠取位置)が不安定になるおそれがある。これを防止するため、複数の横ずれ防止杆を突出した苗床部の上に配置している。そして、その横ずれ防止杆は、ホルダの内側で苗載台の上部から垂れ下ったのち、L字状に曲って苗床部の上を押えるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】横ずれ防止杆は、上記のように、ホルダの内側から設けていたので、苗床部の突端を保持することが出来ず、その突端が苗載台の横移動にともなって遅れを生じていた。また、集団苗がホルダ側に繰り出されるとき、ホルダの内側で垂れ下った横ずれ防止杆の垂直部(またはその下の斜設部)に苗の葉が当って、苗床部の突端の下面が苗受板から浮き上る傾向が見られ、分離爪による欠ぎ取りが安定しないおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、分離爪26が下に向って通過する苗取口16aが苗受板16に設けられ、苗床部が連続した集団苗20の端を苗受板16上に突出させて左右に往復移動する苗載台18を備え、上から垂れ下がって突出した苗床部の端面を支持する複数の杆状のホルダ42が苗載台18に取付けられ、突出した苗床部を上から押える複数の横ずれ防止杆43がホルダ42の外から内に向って突入するように苗載台18に取付けられている苗植機の苗載置装置とした。
【0005】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を説明する。歯車箱1からフレーム2が前に突出し、その左端から伝動ケース3が後に突出して機体となっている。なお、図面に現れていないが、歯車箱1の右から支持枠が伝動ケース3に平行に後に伸びている。伝動ケース3とその支持枠の後端にハンドル4が固定されている。
【0006】エンジン5がフレーム2に取付けられている。横杆6がステイ7でフレーム2の突端に取付けられ、その両端から支脚8が斜後下に伸び、それぞれの端に前輪9が設けられている。畝10がマルチフィルム11で被われ、左右の前輪9がその畝10を又ぐようになっている。左右一対のチエンケース12が後下りに配置され、それぞれの前端部が歯車箱1の両横に取付けられている。チエンケース12の後端部に後輪13が設けられている。左右の後輪13は、それぞれが左右の前輪9の後に配置されている。そして、エンジン5の回転動力が歯車箱1内の変速機で所定の回転数に調整されたのち、それぞれのチエンケース12内を通って後輪13に到達し、これらの回転で機体が進行するように出来ている。
【0007】ヒータで加熱された作孔メタル14が機体の下腹部に昇降するように設けられ、下降すると、マルチフィルム11を熔解してこれに孔を開けるように出来ている。横駆動ケース15が伝動ケース3の中間から斜前上に伸びている。苗取口16a(図2)を有する苗受板16が横長に配置され、その両端が横駆動ケース15と、支持枠から上に伸びた支持台(図示していない)に固定されている。支杆17が伝動ケース3と支持枠の前部から前方上部に伸び、その突端と苗受板16の前部で苗載台18が左右に摺動するように支えられている。苗載台18は、周知のように、エンジン5の動力で回転するリードカムその他で左右に往復駆動される。その底の一部がベルトコンベア19で構成されている。ベルトコンベア19には、つぎの集団苗20が載り、苗載台18が横端に来ると、モータその他で駆動されて、その集団苗20を苗受板16側に繰り出すように出来ている。
【0008】集団苗20がつぎのように作られている。薄紙で台形に作った複数のポット21a(図2,図3)が前後左右に並んで一体に出来てポットシート21となり、それぞれのポット21aに床土を入れ、種子を蒔き、潅水して所定の日数が経過すると、それぞれのポット21aに1株分の苗が育つ。前後左右のポット21a間の谷間に目土21bが入っている。そのため、床土、ポットシート21および目土21bでこの発明の苗床部が構成される。
【0009】爪駆動ケース22が伝動ケース3の中間から斜後上に伸びている。第1回転ケース23がその右に配置され、エンジン5の動力で後部の軸の回りに時計方向に回転するようになっている。第2回転ケース24がその右に配置され、上記の回転で前部の軸の回りに反時計方向に回転するようになっている。カムケース25がその後部の右に配置され、上記の回転中に同じ姿勢を保つようになっている。一対の板で構成された分離爪26が、カムケース25から斜前下に伸びている。そして、上記の回転中に第1回転ケース23が前後に向くと、第2回転ケース24が折り畳まれるように後前に向き、前者が上下に向くと、後者が伸び出すように上下に向いて、分離爪26の先端が上下に長い長円の軌道Aを画くように出来ている。
【0010】分離爪26は、旋回の下降の途中で苗取口16aの上に来ると、カムケース25内のカムによって左右の板が閉じて1つのポット21aを掴み、苗取口16a通過するときにポットシート21を破って1株の苗を取り出し、旋回の下端で開いてこれを離すように出来ている。支持板27が第1平行リンク28で歯車箱1に取付けられている。案内筒29が第2平行リンク30で支持板27に取付けられている。第2平行リンク30の上のリンクの中間部がクランク31で回されるようになっている。前後一対の嘴形のカップ32A,32Bが前後の軸の回りに揺動するように案内筒29の下部に設けられ、カップ32Aがロッド33で歯車箱1の取付板1aに連結されている。そして、クランク31が回転すると、カップ32A,32Bの下端が軌道Bを通って上下し、その旋回の下端で作孔メタル14がマルチフィルム11に作った前記の孔を通って畝10に突入し、ロッド33で引かれて両者の下端が開いて移植孔を作り、上昇の途中でその引きが緩んで閉じるように出来ている。また、分離爪26は、旋回の下端でその下端が案内筒29に入って苗を離す。そのため、上記の苗は、カップ32A,32Bが上記の移植孔を作ると同時にその孔内に落下する。
【0011】一対の鎮圧輪34がその後に設けられ、機体の前進にともなって、移植孔を埋め戻し、根元を軽く押して苗を移植するように出来ている。そのため、機体を前進させると、作孔メタル14が畝10の上面でマルチフィルム11に一定の間隔で孔を開ける。苗載台18を左端に寄せて集団苗20を載せ、そのポット21aの後端の列を苗受板16の苗取口16aおよびその左上に突出させて運転を始める。すると、苗載台18の右向の移動で最後列のポット21aが右のものから順に苗取口16aに来て分離爪26で欠ぎ取られ、カップ32A,32Bに供給され、カップ32A,32Bで上記の孔内に移植される。このようにして苗載台18が右端に来て最後列の左端のポット21aの欠ぎ取りが終ると、ベルトコンベア19が集団苗20を繰り出し、上記のポット21aの前の列がそのポット21aあった位置に来る。そして、左端のポット21aが欠ぎ取られ、苗載台18が左に移動し、左側のポット21aから順に欠がれて移植される。この繰り返しで苗が畝10に移植される。
【0012】苗載台18の後部がつぎのように出来ている。一対の支持杆35が苗載台18のそれぞれの側板18aの外に後向きに配置され、軸36でその前端が回動自在に取付けられている(図2)。縦向きのホルダ取付板37と防止杆取付板38の両端が一対の支持杆35の端部の内側に固定されてこれらが一体に出来ている。門形のレバー39の中間が軸40で回動自在に取付けられ、図示していないばねで時計方向(図2)に引き回されて、その下端の鈎39aが側板18aのピン41に係合することにより、ホルダ取付板37および防止杆取付板38が苗載台18に固定されている。従って、レバー39を反時計方向に引き回すと、鈎39aがピン41から外れたのち、支持杆35が反時計方向に回り、ホルダ取付板37および防止杆取付板38が上昇する。
【0013】弾性のある線杆で作られて横並びのポット21aと同数のホルダ42の上端がホルダ取付板37に固定され、その下端が、それぞれのポット21aの後で苗受板16の後端の上に達し、集団苗20がベルトコンベア19で繰り出されると、後端のポット21aの後の面が受け止められるようになっている。同じような線杆で作られた複数の横ずれ防止杆43の上端が防止杆取付板38に固定されている。それぞれの横ずれ防止杆43は、横から見てホルダ42の後で、後から見て隣り合ったホルダの間で下に伸びたのち、ポット21aの高さよりもやや低い位置で前に折り曲がり、苗載台18の中に突入して押圧部43aとなっている。そののち、上に曲がり、さらに前に曲がって、横から見てループを画いている。なお、それぞれの横ずれ防止杆43は、後から見て、隣り合ったホルダ42の中心よりもやや横にずれている。横ずれ防止杆43は、用いるポット21aの高さに応じて押圧部43aの位置が上下に調整できるように構成できる。
【0014】この構成によると、ベルトコンベア19で繰り出された集団苗20は、その後端のそれぞれのポット21aの後の面がホルダ42で支えられるとともに、床土、ポットシート21および目土21bで構成されている苗床部の上の面が苗受板16の上で横ずれ防止杆43の押圧部43aで横にずれないように支えられる。そして、分離爪26の一対の板が近寄っているホルダ42と横ずれ防止杆43の左右を通って苗取口16a上に侵入し、その上のポット21aを欠ぎ取る。
【0015】苗受板16は、図2のように、苗取口16aが設けられている後端の面をへの字形に下に折り曲げて構成することができる。このとき、押圧部43aも、これに合わせて図のように折り曲げると更に好都合である。この構成によると、最後端のポット21aが下面で折り曲がってその上端が前のポット21aの上端から開き、分離爪26によるそのポット21aの欠ぎ取りが円滑に行なわれる。なお、図2の苗載台18の後部の底板18bをやや高い位置で苗取口16aの直前まで延長し、最後端のポット21aを段差でへ字形に折り曲げ、同じ効果を期待することができる。
【0016】分割爪26は、欠ぎ取った苗をカップ32A,32Bに供給して移植するものを示しているが、直接圃場に移植する構成を採用できる。カップ32A,32Bの下部の内面を、図4、図5のように、ポット21aの下面に沿った四角形に作ると、カップ32A,32B内におけるポット21aの転倒が防止され、移植された苗の姿勢が良好になる。
【0017】
【効果】以上のように、この発明によると、苗載台18の底から苗受板16上に突出している集団苗20の端部は、苗床部の端面を支持しているホルダ42の外から突入している横ずれ防止杆43で、その苗床部の上が保持されるので、横ずれ防止杆43の一部が苗の葉に当ってその苗床部を苗受板16から引き上げるおそれが解消され、併せて、その苗床部は、端まで横ずれ防止杆43で保持されるので、集団苗20の上記の端部の横ずれが大巾に軽減される。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月2日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−75435
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−237138