| 【発明の名称】 |
苗取出し装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 勝男
【氏名】山本 浩一
【氏名】百合野 善久
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| 【要約】 |
【課題】苗傷みがないように苗を確実に保持して、該苗をセルトレイから取出す。
【解決手段】植付装置14は、各セル22に夫々苗24を植立したセルトレイ26を有し、このセルトレイ26の所定セル22の苗24を掴持する苗クランパ37を備えている。この苗クランパ37は、開閉チャック44により開閉して苗24の根部を掴持する一対の培土クランパ38と、この培土クランパ38の上方に近接配置され、開閉チャック46により開閉して苗24の茎部を把持する一対の茎クランパ48とを有していて、この苗クランパ37を上下及び斜め方向に移動させてセルトレイ26から苗を取出す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 各セルにそれぞれ苗を植立したセルトレイを有すると共に、該セルトレイの所定苗を掴持する苗クランパを備え、該苗クランパを上下及び斜め方向に移動させて前記セルトレイから苗を取出し得る苗取出し装置において、前記苗クランパは、第1のアクチュエータにより開閉して苗の根部を掴持する一対の培土クランパと、前記培土クランパの上方に近接配置され、第2のアクチュエータにより開閉して苗の茎部を把持する一対の茎クランパと、を有する、ことを特徴とする苗取出し装置。 【請求項2】 前記培土クランパと茎クランパとを、前記第1のアクチュエータにより一体的に開閉可能とした、ことを特徴とする請求項1記載の苗取出し装置。 【請求項3】 前記一対の茎クランパの対向する内側面に、夫々茎を把持する弾性部材を付設した、ことを特徴とする請求項1又は2記載の苗取出し装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、苗クランパにより苗を掴持する苗取出し装置に関し、詳しくは苗クランパを上下及び斜め方向に移動させてセルトレイから苗を取出し得る苗取出し装置に関する。 【0002】 【従来の技術】野菜等の幼苗を植立したセルトレイから、クランプ爪にて自動的に所定苗を掴持して取り出し、他の場所に移送して移植等する従来例として、例えば本件出願人の出願に係る特願平9−23042号に記載の技術が提案されており、これによれば、セルトレイの各セルに植立された苗に対し、一対のクランプ爪を開いた状態で斜め下方に進入させて苗の培土付き根部に突き刺し、次いでこのクランプ爪を閉じて培土を掴持した後、斜め上方に移動させて苗をセルトレイから取り出していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した技術によると、培土が柔らかかったり根鉢形成が不十分な苗である場合には、このような苗をクランプ爪にて掴持してセルトレイから取り出そうとすると、クランプ爪が培土のみを掴んで取り出そうとしても、茎部がすり抜けてしまって苗を取り出せないおそれがあった。 【0004】この発明は、斯かる課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、苗傷みがないように苗を確実に保持して該苗をセルトレイから取出すことのできる苗取出し装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、各セル(22)にそれぞれ苗(24)を植立したセルトレイ(26)を有すると共に、該セルトレイ(26)の所定苗を掴持する苗クランパ(37)を備え、該苗クランパ(37)を上下及び斜め方向に移動させて前記セルトレイ(26)から苗を取出し得る苗取出し装置において、前記苗クランパ(37)は、第1のアクチュエータ(44)により開閉して苗(24)の根部を掴持する一対の培土クランパ(38)と、前記培土クランパ(38)の上方に近接配置され、第2のアクチュエータ(46)により開閉して苗(24)の茎部を把持する一対の茎クランパ(48)と、を有することを特徴とする。 【0006】また、本発明は、前記培土クランパ(38)と茎クランパ(48)とを、前記第1のアクチュエータ(44)により一体的に開閉可能とした、ことを特徴とする。 【0007】更に、本発明は、前記一対の茎クランパ(48)の対向する内側面に、夫々茎を把持する弾性部材(50)を付設した、ことを特徴とする。 【0008】(作用)以上の発明特定事項により、供給トレイ(26)の各セル(22)から苗を取り出すには、苗クランパ(37)がその待機位置から供給トレイ(26)の所定セル(22)の上方に移動し、そこで苗の培土を掴持するための一対の培土クランパ(38)を開いた状態で進入し、苗の培土部分に斜め下方に突き刺すと共に、苗の茎を把持するための一対の茎クランパ(48)が茎のつけ根部を挟み、次いで第1と第2のアクチュエータ(44,46)が作動して、培土クランパ(38)と茎クランパ(48)が夫々閉じられ、苗の培土を掴持すると共に茎のつけ根部を把持する。 【0009】次に、前記培土クランパ(38)を、斜め上方に移動させて抜き取ることで苗をセル(22)から取り出し、この取り出した苗を所定の移植位置等に向けて移送する。 【0010】なお、上述の括弧内の符号は、図面を対照するためのものであって、この発明の構成を何ら限定するものではない。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。 【0012】図1は、本発明に係る苗取出し装置を移植機に適用した場合の全体側面図であり、この移植機は、トラクタや乗用田植機等の走行機体10を利用して、その後方に昇降リンク機構12を介して植付装置14が昇降自在に連結され、該植付装置14の後部は左右の転動輪16にて支持されている。 【0013】前記植付装置14は、図1及び図2に示すように、正面視矩形状の枠体を構成するベースフレーム18上に苗供給部20と、その上方に苗移送装置32、更にその下方に植付機構21を有し、前記苗供給部20には、平面視正方形状のセル22にそれぞれ苗24が植立された供給トレイ26,26が機体左右側に分離して載置されている。 【0014】前記苗供給部20は、平面的に多数のセル22が配置された前記供給トレイ26,26を個別に載置し得る供給コンベア28,28を有し、この供給コンベア28は供給トレイ26の各セル22が一列ずつ機体前方に向けて移行されるように駆動モータ(図示せず)によって間欠的に搬送される。 【0015】また、前記供給コンベア28,28の搬送方向の終端側(前方側)には、両コンベア28,28の周囲空間を横切るように、左右の縦フレーム31,31と横架ブラケット30とで門型の枠体が形成され、該横架ブラケット30には、リニア駆動装置33と苗クランパ37を含む苗移送装置32が、各コンベア28,28の搬送方向と略々直交する方向に移動自在に取り付けられている。 【0016】なお、前記走行機体10には作業クラッチレバーが設けられ、この作業クラッチレバーを操作することにより前記植付装置14の作動が制御されるようになっている。 【0017】前記左右の供給トレイ26,26の中間位置には、図3に示すように、長手方向を上下に向けかつ上端部に苗落込み口34を有する苗供給筒36が設けられている。そして、前記苗落込み口34には、供給トレイ26の各セル22よりもやや大きい同形状の穴が設けられていて、前記苗移送装置32により、供給トレイ26から苗を掴持し、該苗をこの苗落込み口34に向けて移送して該苗落込み口34から苗を自由落下させる。 【0018】前記苗移送装置32は、図4に示すように、横架ブラケット30に取り付けられたリニア駆動装置33と、該リニア駆動装置33に摺動自在に嵌合されたガイドフレーム35と、該ガイドフレーム35に取り付けられた昇降シリンダ40とを有し、この昇降シリンダ40は、長手方向を上下に向けかつ作動ロッド40aを下にして配置されている。前記作動ロッド40aには、抜差しシリンダ42が一体的かつ斜め方向に移動可能に取り付けられている。また、この抜差しシリンダ42の下部には、苗を掴持する苗クランパ37が取り付けられている。 【0019】前記植付機構21は、前記苗供給筒36の下方に配置され、該苗供給筒36の下方位置と圃場面との間を、クランク機構54にて上下動自在に配置された植付具52を有している。この植付具52は、苗落込み口34から自由落下された苗を苗供給筒36の下方にて待機して受け取り、この受取った苗を保持したまま圃場面に向けて下降し、植付具52の先端爪部にて圃場に穿孔した植付穴に移植する。 【0020】なお、前記植付具52には、下部先端に開嘴状の植付爪が装着されており、また、植付機構21としては公知のものを流用している。 【0021】ここで、本発明においては、前記苗クランパ37は、第1のアクチュエータにより開閉して苗の根部を掴持する一対の培土クランパと、前記培土クランパの上方に近接配置され、第2のアクチュエータにより開閉して苗の茎部を把持する一対の茎クランパと、を有することを特徴としている。 【0022】図5に示すように、前記抜差しシリンダ42の下部には、ブラケット43を介して開閉チャック44が取り付けられ、更に該開閉チャック44を介して一対の培土クランパ38が取り付けられている。この培土クランパ38は、前記開閉チャック44の作動により、取付け基部側の支点を中心として左右に開閉自在とされている。 【0023】また、前記培土クランパ38の上方には、開閉チャック46を介して一対の茎クランパ48が培土クランパ38に近接して配置されている。この茎クランパ48は、前記開閉チャック46の作動により、取付け基部側の支点を中心として左右に開閉自在とされている。更に、図6に示すように、この茎クランパ48の対向する内側面には、苗24の茎を把持するためのスポンジゴム50,50が付設されている。 【0024】そして、図5〜図8に示すように、前記供給トレイ26の各セル22に植立された苗に、前記培土クランパ38を開いた状態で突き刺し、そして閉じることにより苗の根部を左右両側から掴持すると共に、苗の付け根部付近を茎クランパ48により把持した状態でセル22から取り出し、この取り出した苗をリニア駆動装置33により、前記苗落込み口34まで移送する。なお、前記培土クランパ38は、図7に示すように断面矩形状をなしている。 【0025】この苗落込み口34においては、図9に示すように、苗落込み口34の周縁部に前記苗を引っ掛けると共に、前記茎クランパ48を開放し、更に抜差しシリンダ42にて培土クランパ38を斜め上方に引抜くことにより、苗を落下口に一旦残してから自由落下させる。このように、苗を苗供給筒36から落下させるとき、苗の動きを少なくして安定した姿勢で落下させるようにする。 【0026】図10〜図12(a)(b)は、苗クランパ37の他の実施の形態を示しており、この実施の形態によれば、培土クランパ38の上部に茎クランパ48を、該培土クランパ38と一体的に取り付け、これら培土クランパ38と茎クランパ48とを1個の開閉チャック44により開閉可能としている。また、前記茎クランパ48は、下方側が夫々外方に折曲されていて、内側面には夫々スポンジゴム50,50が付設されている。 【0027】このため、この実施の形態において、前記開閉チャック44を閉じると、図11及び図12(a)(b)に示すように、培土クランパ38の先端が閉じられると同時に茎クランパ48も閉じられる。このように、培土クランパ38の開閉に伴い茎クランパ48が作動し、培土クランパ38が開いた状態では、茎クランパ48のスポンジゴム50,50間の左右対向幅はl1 であるが、培土クランパ38を閉じた状態では、茎クランパ48のスポンジゴム50,50間の左右対向幅はl2 となり(l1 >l2 )、培土クランパ38を閉じると茎クランパ48も同時かつ容易に閉じられるようになっている。また、茎クランパ48の下方部分は外方に開放(角度α)されており、これにより茎クランパ48の苗24への進入が容易となる。 【0028】図13(a)(b)は、前記培土クランパ38の他の実施例を示す図であり、この実施例では、培土クランパ38の内側面を傾斜状に削ってその断面を台形状に形成している。 【0029】こうすることで、培土クランパ38を苗の培土部分に差し込む時は、該培土クランパ38が真っ直ぐに進入するため根を傷めることはない。また、培土クランパ38を斜め上方へ移動させて苗をセル22から抜き取るときは、断面が台形状に削られて傾斜面となっているため、この傾斜面が抜け止めストッパとして作用する。 【0030】図14(a)(b)は、培土クランパ38の他の実施例を示す図であり、この実施例では、培土クランパ38の断面形状をL型としている。 【0031】これにより、培土クランパ38を閉じたときに培土部分の保持力が向上するため、培土クランパ38を水平方向、垂直方向に移動しても掴持ミスのおそれが少ない。 【0032】図15(a)(b)は、培土クランパ38の他の実施例を示す図であり、この実施例では、培土クランパ38の断面下部が内側に傾斜するように形成している。 【0033】このように、一対の培土クランパ38の断面を逆ハ字状にすることで、培土クランパ38を苗の培土部分に差し込む時の抵抗は少なく、根を傷めることもない。また、培土クランパ38の断面積が小さいため、爪跡の穴は小さく苗の成育への影響が少ない。 【0034】図16(a)(b)は、培土クランパ38の他の実施例を示す図であり、この実施例では、培土クランパ38の内側面に凹凸部を形成している。 【0035】これにより、培土クランパ38を苗の培土部分に差し込む時は、凹凸部分は何らの作用もしないが、抜き取り時には培土部分の保持力を向上するように作用する。なお、この凹凸部分を培土クランパ38の長手方向全面に亘って設けると、培土の保持力が向上する。 【0036】図17〜図19は、培土クランパ38の他の実施例を示す図であり、この実施例では、培土クランパ38の上部に補助クランパ56を設けて上下2段に構成している。 【0037】このように、培土クランパ38をフォーク型とすることで、根を切断するおそれが少ないと共に培土の保持力が向上する。また、補助クランパ56を短くし供給トレイ26の側面に沿うようにすることで、トレイ自身を傷付けることなく、根鉢を保持することができる。更に、培土クランパ38と補助クランパ56間の隙間wを、長手方向の奥部にまで延長形成したため、この隙間wに培土が入り込んで詰りが生じるのを防止することができる。なお、培土クランパ38の上部に複数段の補助クランパ56を設けても良い。 【0038】次に、本実施の形態の作用を説明する。 【0039】走行機体10を前進させ作業クラッチレバーを「入」にすると、苗供給部20が作動し供給トレイ26が間欠的に搬送され、苗移送装置32が作動すると共に植付機構21が作動して移植作業が開始される。 【0040】すなわち、供給コンベア28により、供給トレイ26が各セル22の1列ごとに機体前方側に間欠移送され、図示しないトレイセンサにより搬送方向終端側の列が苗取出し位置に到達したことが検知されると該供給コンベア28が停止する。そして、左右の供給コンベア28,28の略々中央に待機していた苗移送装置32が、供給トレイ26の列方向に移動し、所定のセル22から苗を取り出して該苗を苗落込み口34に向けて移送する。 【0041】このとき、図5に示すように、苗移送装置32の培土クランパ38が、供給トレイ26の所定セル22の上方に移動し、そこで抜き差しシリンダ42が伸長して一対の培土クランパ38を開いた状態で、該培土クランパ38により苗の培土部分に斜め下方に突き刺すと共に、一対の茎クランパ48が茎のつけ根部を挟み、次いで開閉チャック44,46を作動させ、培土クランパ38と茎クランパ48を閉じて苗の培土部分を掴持すると共に茎部を把持する。 【0042】次に、抜き差しシリンダ42を収縮させて培土クランパ38を斜め上方に抜き取ることで苗をセル22から取り出し、この取り出した苗をリニア駆動装置33により苗落込み口34の上方に向けて移送する。 【0043】苗が苗落込み口34に到達すると、図9に示すように、昇降シリンダ40が伸長して培土クランパ38及び茎クランパ48を下降させ、苗落込み口34の周縁部に苗を引っ掛ける。次に、閉じていた培土クランパ38及び茎クランパ48を開放すると共に、抜差しシリンダ42にて培土クランパ38を斜め上方に引抜き、苗を落下口から自由落下させる。 【0044】苗落込み口34の真下には、植付具52が上昇待機していて、落下する苗を受け止めた後、クランク機構54により支点を中心として回動下降する。この植付具52が圃場面に下降すると、嘴状の植付爪が開き、この植付爪が圃場面に植付穴を穿孔すると同時に該穴に苗を落下させて直立状態に移植する。 【0045】その後、植付具52が上昇移動して前記と同様に苗落込み口34の真下にて待機し、続いて、苗移送装置32により、培土クランパ38が供給トレイ26の苗が植立された所定セル22の上方に移動して、前記と同様にして苗の植付けが行われる。 【0046】 【発明の効果】以上説明した通り、請求項1記載の発明によれば、培土クランパと茎クランパとを開閉するための第1と第2のアクチュエータを夫々別個に設けたことで、各クランパの作動量を変えることが可能であり、苗傷みがないように保持して苗を取出すことができる。また、第1と第2のアクチュエータを近接配置したことで、装置のコンパクト化を図ることができる。 【0047】更に、茎クランパを培土クランパの上部に近接配置したことで、該茎クランパにより苗の付け根部付近を確実に保持して取出すことができる。しかも、茎クランパを取り付けても、培土クランパによる培土部のクランプ作用に影響を与えることはない。 【0048】請求項2記載の発明によれば、培土クランパの開閉を利用して茎クランパを開閉可能としたので、構造の簡略化を図ることができる。 【0049】請求項3記載の発明によれば、対向する内側面に茎を把持する弾性部材を付設したので、苗を傷めずに把持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月1日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】近島 一夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−75434 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−236331 |
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