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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】武智 貫太

【要約】 【課題】苗載せ台の縦方向の長さを変えずに苗トレイを2枚載置できるようにして、苗トレイの補給作業をゆっくりと行えるよう考慮する。

【解決手段】長方形状の苗トレイTを載置する苗載せ台22を備えた移植機において、前記苗載せ台22の横幅L1を、苗トレイTの長手方向の長さH1に対応する寸法に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長方形状の苗トレイ(T)を載置する苗載せ台(22)を備えた移植機において、前記苗載せ台(22)の横幅(L1)を、苗トレイ(T)の長手方向の長さ(H1)に対応する寸法に形成したことを特徴とする移植機。
【請求項2】 長方形状の苗トレイ(T)を載置する苗載せ台(22)を備えると共に、この苗載せ台(22)上の苗トレイ(T)から苗(S)を1つづつ取り出して、圃場に苗(S)を植え付ける植付体(16)に搬送する苗分送装置(23)を備え、植付体(16)を複数備えると共に、この複数の植付体(16)に対応して苗分送装置(23)を複数備えた移植機において、前記苗載せ台(22)の横幅(L1)を、苗トレイ(T)の長手方向の長さ(H)に対応する寸法に形成し、苗載せ台(22)上の1つの苗トレイ(T)から複数の苗分送装置(23)によって苗(S)を取り出すようにしたことを特徴とする移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行しながら野菜等の苗を圃場に植え付ける移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、移植機として、走行機体の後部に移植装置を備え、畝を跨いで畝長手方向に走行しながら、畝に所定間隔をおいて苗を自動的に植え付けるようにしたものがある。前記移植装置は、縦横に多数のポット部を有する長方形状の苗トレイを載置する苗載せ台と、苗を圃場に植え付ける植付装置と、前記苗載せ台上の苗トレイから苗を1つづつ植付装置へと搬送する苗分送装置とを備えてなる。
【0003】図9に示すように、前記苗載せ台100の横幅L1は、苗トレイTの長手方向に直交する方向の長さH2に対応する寸法に形成され、苗載せ台100の載置板101の縦方向Cの長さL2は苗トレイTの長手方向の長さH1よりも少し長い程度(例えば苗トレイTの長手方向の長さH1の約1.1倍)に形成され、苗トレイTが苗載せ台100の載置板101上に縦向きに載置されるようになっている。
【0004】この移植機では、苗載せ台100を左右方向Bに間欠横送りして、その間に苗分送装置の苗取出爪によって苗トレイTから1つづつ苗を取り出し、苗トレイTの横1列の苗を取り出した後は、苗載せ台100上の苗トレイTを縦送り機構によってポット部Pの1ピッチ分縦方向C下方に送り、再び前記とは逆の方向に苗載せ台100を横送りし、これを繰り返すことによって、苗トレイTの苗を順次植付装置へと搬送するようにしている。そして、苗トレイTの横方向の最後の列又は最後から2或いは3番目の列の苗を取り出している間に、苗載せ台100上に新たな苗トレイTを補給するようにしている。
【0005】前記縦送り機構は、苗載せ台100の下部に位置する駆動スプロケットと、苗載せ台100の上部に位置する従動スプロケットと、これらスプロケットに亘って掛装されたエンドレスチェーンとを、苗載せ台100の左右両側に設け、左右のエンドレスチェーンには左右方向内方に突出して苗トレイTのポット部P間に係合する搬送ピンが設けられており、エンドレスチェーンを移送することによって、搬送ピンでポット部Pを引っ掛けて苗トレイTを縦方向C下方に送るようにしている。
【0006】また、2条植えの移植機では、前記苗載せ台、苗分送装置及び植付装置をそれぞれ左右一対設けてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のものにあっては、苗載せ台100は、苗トレイTを1枚載置できる寸法に形成されているので、苗が大部分取り出されないことには、新たな苗トレイTを補給することができず、補給時間が短く、補給作業を急いでする必要があり、苗トレイTの補給作業が煩雑なものとなっている。
【0008】なお、苗載せ台100の縦方向の長さL2を長くすると、苗トレイTを縦送りする機構もそれに対応して変更しなければならず、大幅なコストアップを招く。また、2条植えの移植機では、一対の苗載せ台100を左右方向に並設するので、一対の苗載せ台100の左右方向対向側の縦送り機構の分、機械が大型化し、小規模の圃場における2条植え以上の移植機の導入は大きく不利なものとなっている。
【0009】本発明は、前記問題点に鑑みて、苗トレイの補給作業の緩和を企図した移植機を提供すること、小型・軽量化を企図した複数条植えの移植機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、長方形状の苗トレイTを載置する苗載せ台22を備えた移植機において、前記苗載せ台22の横幅L1を、苗トレイTの長手方向の長さH1に対応する寸法に形成したことを特徴とする。
【0011】また、長方形状の苗トレイTを載置する苗載せ台22を備えると共に、この苗載せ台22上の苗トレイTから苗Sを1つづつ取り出して、圃場に苗Sを植え付ける植付体16に搬送する苗分送装置23を備え、植付体16を複数備えると共に、この複数の植付体16に対応して苗分送装置23を複数備えた移植機において、前記苗載せ台22の横幅L1を、苗トレイTの長手方向の長さHに対応する寸法に形成し、苗載せ台22上の1つの苗トレイTから複数の苗分送装置23によって苗Sを取り出すようにしたことも特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図7は第1の実施の形態を示しており、図3及び図4において、移植機1は走行体2の後方に移植装置3および操縦ハンドル4を有する歩行型であって、畝Rを跨いでその長手方向に走行しながら、野菜等のソイルブロック苗を畝Rに所定間隔をおいて植え付けるものである。
【0013】なお、移植機1の進行方向を前後方向といい、進行方向に直交する横方向を左右方向という。走行体2は、ミッションケース6の前部に前方突出状に架台7を取付固定し、この架台7上にエンジン8等を搭載すると共に、左右両側に前輪9および後輪10を備えて主構成されている。
【0014】前記エンジン8の動力はミッションケース6内の動力伝達機構に入力され、ミッションケース6内に入力された動力は、変速機構を介してミッションケース6から左右両側方に突出する車輪伝動軸11に伝達されると共に、ミッションケース6の後面から後方に突出する第1PTO軸12と、車輪伝動軸11よりも後方に設けられてミッションケース6から左右側方に突出する第2PTO軸13とから取り出せるようになっている。
【0015】また、左右の車輪伝動軸11の外端側にはその軸心回りに上下揺動自在な伝動ケース14が設けられ、この伝動ケース14の下部に後輪10が支持され、車輪伝動軸11から伝動ケース14内の動力伝動機構を介して後輪10に動力が伝達されて、該後輪10が回転駆動されるよう構成されている。移植装置3は、走行体2の後方に装着された移植フレーム15に設けられており、苗を畝Rに植付ける植付体16と、苗を植付体16に供給する苗供給装置17と、覆土・鎮圧ローラ18と、畝Rを覆うマルチフィルムに苗植付用の孔を形成する穿孔手段19とから主構成されている。
【0016】移植フレーム15は前部がミッションケース6に取付固定された主フレーム20と、この主フレーム20の後端側に前端側が固定された前記操縦ハンドル4と、前部が左右の第2PTO軸13に左右軸廻りに回動自在に支持された可動フレーム21とから主構成されている。可動フレーム21の後部には覆土・鎮圧ローラ18が取付けられ、この覆土・鎮圧ローラ18によって可動フレーム21の後部が畝R上面の高さ変化(凹凸)に追従するように支持されると共に、覆土・鎮圧ローラ18と可動フレーム21との上下方向の間隔は調節可能とされている。
【0017】植付体16は、可動フレーム21に揺動リンク機構を介して上下揺動自在に支持されている。この揺動リンク機構は第2PTO軸13からの動力によって駆動されて、植付体16が上下方向に長い楕円軌跡を描くように移動し、その軌跡の上端側で苗が供給され、軌跡の下端側で植付体16が畝Rに突入するようになっている。
【0018】また、植付体16は、上部が上下開口状の筒体によって構成されると共に、下部に前後に開閉自在なオープナを備えており、オープナは植付体16の軌跡の下端側にて畝Rに突入したときに連動具によって前後に開き、畝Rに移植孔を形成すると共に、該移植孔に植付体16内部に保持した苗を落下させ、その後、覆土・鎮圧ローラ18によって移植孔の左右から土寄せすると共に土を鎮圧することで苗の植付けが完了するようになっている。
【0019】苗供給装置17は、主フレーム20の上方後方側に配置されていて多数のソイルブロック苗Sを縦横に収容した苗トレイTを載置して支持する苗載せ台22と、この苗載せ台22の前方側に配置されていて前記苗トレイTから苗を一つずつ取り出して植付体16へと搬送する苗分送装置23とから主構成されている。なお、苗トレイTは、プラスチック製で、薄肉に形成されて可撓性を有し、縦横に所定ピッチで碁盤目状に配列された多数のポット部Pを備え、ポット部Pの開口縁部が相互に平面状に連結されて構成されている。そして、ポット部Pに床土を充填し、そこへ播種し育苗することでソイルブロック苗Sが育成されている。
【0020】苗分送装置23は、図6及び図7に示すように、先端が尖った丸棒材で形成された左右一対の苗取出爪24と、この苗取出爪24を移動させる爪動作機構25とを有する。爪動作機構25は、主フレーム20上に固定の支持体29に取付固定されたギヤケース30に取付支持されている。ギヤケース30は、入力軸31と、左方に突出する第1出力軸32と、右方に突出する第2出力軸33とを備え、入力軸31は第1PTO軸12に伝動軸34を介して連動連結されていてエンジン8からの動力が伝達され、前記第1・第2出力軸32,33はギヤ伝動機構を介して入力軸31に連動連結されている。第1出力軸32にはクランク体35と、駆動カム37とが固定されている。
【0021】ギヤケース30には、揺動アーム38の下部が揺動軸39を介して左右軸廻りに回動自在に枢結されており、この揺動アーム38にはアーム長手方向に延びる溝カム40が形成され、この溝カム40には、クランク体35のクランクピン36に外嵌されたローラ41が挿通係合されている。揺動アーム38の上部には保持体28がピン42を介して枢結され、この保持体28は、パイプ製の爪支持体26を軸方向移動自在に挿通案内する筒部28aを備えており、爪支持体26が苗トレイTに向かって出退可能とされている。
【0022】また、ギヤケース30には支持部材43が取付固定され、保持体28にはブラケット44を介してローラ45が取付けられ、このローラ45は、支持部材43にピン46を介して揺動自在に取付けられたガイド板47に形成されたカム溝48に係合されている。ガイド板47は下方への突出腕の先端に転動ローラ49を有し、この転動ローラ49は駆動カム37上に当接されていて、駆動カム37の図7反時計方向の回転によりガイド板47をピン46を中心として揺動可能にしている。また、ガイド板47は、支持部材43との間に介装されたスプリング50によって、ローラ49が駆動カム37に押し付けられる方向に付勢されている。
【0023】爪支持体26の基端部に設けた基体51と、保持体28の筒部28aとの間には、爪支持体26を後退させる方向に付勢するコイルスプリング52が介装され、爪支持体26の前端部には爪取付具53が嵌合固定され、この爪取付具53に一対の苗取出爪24の基部がそれぞれ軸54を介して上下軸廻りに回動自在に枢支されている。
【0024】前記保持体28の下端部には、押出リンク55がピン56を介して回動自在に枢結され、この押出リンク55の先端部には長溝57が形成され、爪取付具53の突出腕に設けたピン58と係合されている。押出リンク55には、クランクピン36に外嵌したローラ41と当接可能な円弧状のカム板59が設けられている。
【0025】前記爪支持体26、基体51及び爪取付具53には、爪ガイド27が長手方向摺動自在に挿入され、この爪ガイド27の前端側に苗取出爪24を挿通案内するガイド孔を備えたガイド部60が設けられ、後端に側面視L字状の作動部材61が装着され、中途部に止め具62が固着され、この止め具62と基体51との間にコイルスプリング63が圧縮状に嵌装されている。
【0026】前記保持体28には作動片64が枢支され、スプリングによって図7の時計方向に付勢されており、この作動片64は1本の足と両腕とを有する略T字形状であり、一方の腕にはロック部64aが、他方の腕には解除部64bが、足には押動部64cが形成されている。前記爪支持体26の後端の基体51にはロックアーム66が枢支されており、このロックアーム66はスプリングによって図7の時計方向に付勢されており、先端部に保持体28の係合部68と係合可能な鉤部69が形成されている。
【0027】前記構成において、図7に示す状態から、第1出力軸32が反時計方向に回転すると、クランク体35が同行回転してローラ41がカム板59を押動して押出リンク55が苗トレイT側へと揺動され、これによって、保持体28に対して爪取付具53及び爪支持体26が苗トレイT側へ向けて押動され、コイルスプリング52,63を圧縮する。これにより、苗取出爪24は突出して苗Sのブロック土を突き刺し、かつ爪支持体26が後退するための復元力が保有されることになる。
【0028】また、爪支持体26は突出した状態でロックアーム66の鉤部69が保持体28の係合部68と係合することによりその状態が保持され、揺動アーム38及びガイド板47は揺動しない。この状態から、さらに第1出力軸32が反時計方向に回転すると、ローラ41が揺動アーム38の溝カム40内を摺動することで揺動アーム38が揺動軸39廻りに苗トレイTから離反する方向に揺動して、爪支持体26,爪ガイド27及び保持体28と共に苗取出爪24が苗トレイTに対して後退し、苗Sのブロック土がポット部Pから取り出される。
【0029】その後、さらに第1出力軸32が反時計方向に回転すると、爪支持体26,爪ガイド27及び保持体28と共に苗取出爪24が苗トレイTから離反する方向に移動すると共に、ローラ45がカム溝48の前上がり状部分を摺動して、苗取出爪24等が略下向き姿勢に変更し、苗Sを下向き姿勢にすると共に、苗Sを植付体16の上方に位置させる。
【0030】そして、苗取出爪24が略下向き姿勢にされた状態に移動してきたときに作動片64の押動部64cが支持部材43に位置調節自在に設けたロック解除部材70と当接する。作動片64が回動されると、まず作動片64のロック部64aによる作動部材61に対するロックが解除され、スプリング63の付勢力により爪ガイド27が突出して、苗取出爪24に保持されている苗Sを苗取出爪24から押し出し離脱させ、植付体16に上方から落下投入する。その後にさらに作動片64が回動すると、解除部64bによりロックアーム66を押し上げて鉤部69と係合部68との係合が解除され、コイルスプリング52の付勢力により爪ガイド27を伴って爪支持体26が後退する。
【0031】その後は、第1の出力軸32の、図7反時計方向の回転によって、図7に示す状態に移動し、前記動作を繰り返す。苗載せ台22は、図1〜図5に示すように、左右方向に配置されていてハンドル4に固定された上下一対のガイドレール71に、左右方向移動自在で且つ後方に向かうにしたがって上方に移行するように後傾状に支持されている。この苗載せ台22は、苗トレイTを載置して後傾状に支持する載置板72を備え、この載置板72は左右方向に対向配置された一対の側板73間に配置されていて、載置板72の左右端部が左右側板73の対向面(左右方向内面)に固定されている。
【0032】また、この載置板72の苗トレイ載置部分の左右方向の寸法は、図に示すように、苗トレイTが横向き(苗トレイTの長手方向を左右方向に一致させた向き)に載置可能な寸法に形成されており、したがって苗載せ台22の左右方向の横幅L1が、苗トレイTの長手方向の長さH1に対応する寸法に形成されている。また、載置板72の縦方向Fの長さL2は苗トレイTの長手方向に直交する方向の長さH2の2倍以上(苗トレイTの長手方向の長さL1よりやや長い(従来と同じ)長さ)に形成されており、苗トレイTを上下に2枚載置するのに十分な寸法に形成されている。
【0033】したがって、本発明の第1の実施の形態に係る苗載せ台22は、従来の苗載せ台に比して、縦方向Fの長さを変えずに苗トレイTを2倍セット(載置)できるように構成されていて、苗載せ台22上にセットされた苗トレイTのポット部Pの個数が2倍となって、最初の苗Sを取り出してから苗切れまでに要する時間も2倍となり、その分苗トレイTの補給に要する時間も2倍となり、苗トレイTの補給をゆっくりと行うことができる。
【0034】また、従来例(図9)において、苗載せ台の縦方向の長さを長くして2枚の苗トレイを縦向きにして苗載せ台に載置できるようにすると、苗載せ台の高さが高くなって2枚目(上側)の苗トレイが載せ難くなると共に、苗載せ台の前後方向の寸法も長くなり、移植機全体の前後方向の長さが長くなり、枕地等における回行時、格納時等において不利となるが、本発明では、苗載せ台22の縦方向Fの寸法を長くすることなく2倍の苗トレイTを苗載せ台22にセットできるようにしているので、移植機1全体の前後方向の長さが長くなることがない。
【0035】なお、図例では、苗載せ台22の縦方向Fの長さL2を変えないで横幅L1を広くしているが、苗トレイTを1枚載せるのであれば、苗載せ台22の横幅L1を苗トレイTを横向きに載置できる寸法に形成することで、苗載せ台22の縦方向Fの長さL2を短くすることができ、移植機1を前後方向に関してコンパクトに形成することができる。また、前記苗トレイTの長手方向の1列のポット部Pの個数は、偶数個形成されていると共に、長手方向に直交する方向の1列のポット部Pの個数の2倍の個数形成されている。
【0036】左右側板73間下部には、縦送り駆動軸74が左右方向に配置されて設けられており、左右側板73間上部には、縦送り従動軸75が左右方向に配置されて設けられており、駆動軸74には左右一対の駆動スプロケット76が固定され、従動軸75には左右一対の従動スプロケット77が固定されている。また、駆動スプロケット76と従動スプロケット77との間には、これらに亘ってエンドレスチェーン78が掛装され、このチェーン78には、左右方向内方に突出状に取り付けられて苗トレイTの縦方向(上下方向)のポット部P間の間隙に係合する多数の搬送ピン79が長手方向に等間隔をおいて設けられている。したがって、駆動軸74が、図5に矢示Aで示す方向に回動動作することによって苗トレイTが搬送ピン79によって押動されて縦送り可能とされている。
【0037】なお、左右の側板73は前記縦送り駆動軸74や従動軸75以外に他の連結部材によって連結されている。また、載置板72上面の左右方向中央部には、ポット部P間に係合して苗トレイTの左右移動を規制して縦方向に案内するガイド板83が設けられている。この苗載せ台22には、苗トレイTの縦横の寸法が同じで且つポット部Pの開口の大きさは異なるがポット部Pの開口間の間隔が略同じな(即ち、縦横の配列方向のポット部Pの中心間のピッチ及びポット部Pの数の異なる)複数種類の苗トレイTが装着されるようになっており、したがって、前記搬送ピン79は、ポット部P間の各々に係合するように設けられるのではなく、複数種類の苗トレイTの苗載せ台縦方向Fのポット部P間の間隙が該縦方向Fに関して一致する位置に設けられる。
【0038】苗載せ台22の載置板72の背面側にはスライダ82が設けられ、このスライダ82は、苗載せ台22の背面側に左右方向に配置されていて、同ピッチで切られた左右ネジの谷部を結合した特殊ネジ(ナピヤネジ)が形成された横送り軸81に外嵌されて係合され、この横送り軸81は、左右側板73を貫通すると共に、ハンドル4の左右側部に取付支持された左右軸受部材80に左右軸廻り回転自在に支持されている。
【0039】前記横送り軸81には、第2出力軸33から伝動ケース84内の巻掛け伝動機構を経て動力が伝達されて、該横送り軸81が間欠的に回転駆動され、横送り軸81を間欠的に回転駆動すると、スライダ82が間欠的に左右方向に移動すると共に横送り軸81に形成されたネジの端部で折り返して、苗載せ台22が左右方向に往復移動されるようになっている。
【0040】そして、横送り軸81は、苗取出爪24によって苗Sをポット部Pから取出す際にあっては停止されており、苗Sをポット部Pから取出した後に回転して、ポット部Pの長手方向の配列方向(左右方向)に1ピッチだけ苗載せ台22を移動させるように間欠回転するように構成されている。なお、選択的に使用される複数種類の苗トレイTのポット部Pの長手方向のピッチに対応した横送り量を選択できるように、ギヤケース30内で横送り量が切換え可能とされている。
【0041】前記横送り軸81の左右両側には縦送りカム85が固定され、苗載せ台22には左右側板73間に縦送り作動軸86が回転自在に支持され、この縦送り作動軸86には、苗載せ台22が最左端又は最右端にまで移動したときに縦送りカム85に係合するホロワ87が左右一対備えられている。また、縦送り作動軸86はリンク88等を介して縦送り駆動軸74の左側に設けられた縦送り作動手段89に連動連結されている。
【0042】そして、苗載せ台22が左右の端部まで移動したときに、ホロワ87が縦送りカム85によって押されて縦送り作動軸86が回動し、リンク88を介して縦送り手段89が作動されて縦送り駆動軸74が、苗トレイTをポット部Pの長手方向に直交する配列方向にポット部Pの1ピッチだけ移送するように回動される。これによって、横一列のポット部Pからのソイルブロック苗Sの取り出しを終えた時点で、苗トレイTがポット部Pの苗載せ台縦方向Fの間隔に相当する分縦送りされるようになっている。
【0043】なお、苗トレイTの苗Sが取り出された後の部分は、駆動スプロケット76に沿って載置板72の背面側へと折り返されるようになっている。図8は第2の実施の形態を示しており、2条植えの歩行型移植機1を示している。この移植機1では、ギヤケース30から第1出力軸32が左右両側に突出されていて苗分送装置23が左右一対設けられ、それに対応して植付体16も左右一対設けられている。しかしながら、苗載せ台22は前記と同様の構成のものが1台採用されている。
【0044】このものにおいては、右側の苗分送装置23で苗トレイTの右半分のポット部Pから苗を取り出し、左側の苗分送装置23で苗トレイTの左半分のポット部Pから苗を取り出すようにしている。したがって、右側の苗分送装置23の苗取出爪24で、苗トレイTの最下端列の右端のポット部P(又は最下端列の、苗トレイ左右方向中央部から右側に1つ目のポット部P)から苗を取り始め、右側の苗分送装置23の苗取出爪24で、苗トレイTの最下端列の、苗トレイ左右方向中央部から左側に1つ目のポット部P(又は最下端列の左端のポット部P)から苗を取り始めるようにしており、左右の苗分送装置23で横1列の苗を取り出すと苗トレイTがポット部Pの1ピッチ分縦送りされて、苗載せ台22が逆の方向に横送りされるように構成されている。その他の構成にあっては、前記第1の実施の形態と略同様である。
【0045】この移植機1にあっては、左右に2台の苗載せ台を並設するのではなく、1台の苗載せ台22に苗トレイTを長手方向を左右方向に一致させて載置できるように構成し、この1つの苗トレイTから2つの苗分送装置23によって苗を取り出すようにしているので、小型・軽量の2条植えの移植機1を提供できる。なお、前記実施の形態では、2条植えの移植機1を例示したが、前記構成の苗載せ台23を左右に2台設けると共に、苗分送装置23及び植付体16を左右方向に4つ並設することによって4条植えの移植機とすることもでき、また、前記実施の形態のものに従来の苗載せ台を1台設けると共に、苗分送装置23及び植付体16をそれぞれ1つ設けて、3条植えの移植機とすることもでき、種々設計変更可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、長方形状の苗トレイTを載置する苗載せ台22を備えた移植機において、前記苗載せ台22の横幅L1を、苗トレイTの長手方向の長さH1に対応する寸法に形成したので、苗載せ台22の縦方向の長さを変えずに、苗載せ台22に苗トレイTを2枚載置することができ、苗載せ台22上の苗トレイTの最初の苗を取り出してから苗切れまでに要する時間が2倍となり、その分苗トレイTの補給に要する時間も2倍となり、苗トレイTの補給作業をゆっくりと行うことができる。
【0047】また、長方形状の苗トレイTを載置する苗載せ台22を備えると共に、この苗載せ台22上の苗トレイTから苗Sを1つづつ取り出して、圃場に苗Sを植え付ける植付体16に搬送する苗分送装置23を備え、植付体16を複数備えると共に、この複数の植付体16に対応して苗分送装置23を複数備えた移植機において、前記苗載せ台22の横幅L1を、苗トレイTの長手方向の長さHに対応する寸法に形成し、苗載せ台22上の1つの苗トレイTから複数の苗分送装置23によって苗Sを取り出すようにすることによって、例えば、2条植えの移植機であれば、従来のように苗載せ台を2台並べて備える必要がなく、小型・軽量の複数条植えの移植機を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)9月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平11−75433
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−236137