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【発明の名称】 移植機の苗トレイ送り装置
【発明者】 【氏名】野坂 健吉

【氏名】浜田 昭夫

【要約】 【課題】トレイガイドが苗に接触するのを防いで苗の損傷を防止しながら、トレイガイドからの苗トレイの外れ、苗トレイの損傷等を防止し、また円滑な縦送りを可能にする。

【解決手段】複数のポット部Pを縦横に列設した苗トレイTを縦送り自在に支持する苗載せ台32と、苗載せ台32上の苗トレイTを所定の苗取出位置Xへと縦送りする縦送り機構36と、苗取出位置Xの近傍で苗トレイTの上面を押さえて裏面側に弯曲するように案内するトレイガイド51とを備え、トレイガイド51は、苗トレイTの苗Nを取出してない部分における左右ポット部P間又は苗トレイTの左右外縁に略対応して押さえる幅狭部55a,57と、苗トレイTの苗取出済の部分を前記幅狭部55a,57よりも広い左右幅で押さえる幅広部56とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のポット部を縦横に列設してなる苗トレイと、該苗トレイを縦送り自在に支持する苗載せ台と、該苗載せ台上の苗トレイを所定の苗取出位置へと縦送りする縦送り機構と、苗取出位置の近傍で苗トレイの上面を押さえて裏面側に弯曲するように案内するトレイガイドとを備えた移植機の苗トレイ載置装置において、前記トレイガイドは、苗トレイの苗を取出してない部分における左右ポット部間又は苗トレイの左右外縁に略対応して押さえる幅狭部と、苗トレイの苗取出済の部分を前記幅狭部よりも広い左右幅で押さえる幅広部とを有していることを特徴とする移植機の苗トレイ送り装置。
【請求項2】 前記幅広部の上部は、縦送り方向上流側から下流側にいくに従い徐々に左右幅が広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
【請求項3】 前記幅広部の下部は、縦送り方向上流側から下流側にいくに従い徐々に左右幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
【請求項4】 前記トレイガイドは、少なくとも苗トレイの左右外側部分に対応して設けられ、その幅広部が縦送り方向上流側から下流側にいくに従い左右内方側へ配置されるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移植機の苗トレイ送り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜の移植機等に搭載される苗トレイ送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の移植機の苗トレイ送り装置には、特開平8−214653号公報に開示されているものがある。この技術は、複数のポット部を縦横に列設してなる苗トレイを載置可能で載置した苗トレイの各ポット部を苗取出位置へと縦送り可能な苗載せ台を備え、この苗載せ台に、苗取出位置の近傍で苗トレイを裏面側に弯曲させるよう上面を押さえて案内するトレイガイドを設けているものであり、苗載せ台上の苗トレイを縦送りすることで各ポット部を苗取出位置へ配置し、該位置で苗取出爪によってポット部から苗を取出すようにしている。
【0003】そして、トレイガイドを介して苗が取り出された苗トレイを裏面側に弯曲することで反転して苗トレイの供給側で空の苗トレイを排出できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記トレイガイドは、左右ポット部間又は苗トレイの外縁幅の範囲で苗トレイを押さえるように幅狭の縦板状に形成されており、これによって縦送りされる苗の葉にトレイガイドが接触するのを防止し、苗を傷めないように配慮されている。
【0005】しかしながら、トレイガイドを幅狭に形成することによって以下に示すような新たな問題が生じることとなっていた。第1に、苗トレイの左右側縁に対応して前記トレイガイドが設けられている場合、トレイガイドが幅狭であると、苗載せ台上で苗トレイが左右に位置ずれしたときにトレイガイドから外れ易くなってしまうという問題があり、このようなことが起こると、苗トレイが浮き上がって苗取出しに支障を来す恐れがあるとともに苗トレイを適切に反転できずに排出にも支障を来すこととなっていた。
【0006】第2に、トレイガイドによって苗トレイを押さえる部分は狭範囲の一部分であるので、押さえていない大部分が弾性復帰によって撓み、苗トレイの変形や損傷を促す恐れがあるという問題があり、これによって苗トレイの耐久性を損なうこととなっていた。第3に、幅狭のトレイガイドでは苗トレイに対する接触面積が小さく、苗トレイを押さえる圧力が大きくなってしまうという問題があり、これでは苗トレイが傷みやすくなるとともに抵抗も大きくなって円滑な縦送りに支障を来す恐れがあった。
【0007】そこで本発明は、トレイガイドが苗に接触するのを防いで苗の損傷を防止しながら、トレイガイドからの苗トレイの外れや苗トレイの損傷等を防止し、また円滑な縦送りを可能とする移植機の苗トレイ送り装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を達成するために以下の技術的手段を講じた。すなわち、本発明は、複数のポット部を縦横に列設してなる苗トレイと、該苗トレイを縦送り自在に支持する苗載せ台と、該苗載せ台上の苗トレイを所定の苗取出位置へと縦送りする縦送り機構と、苗取出位置の近傍で苗トレイの上面を押さえて裏面側に弯曲するように案内するトレイガイドとを備えた移植機の苗トレイ載置装置において、前記トレイガイドは、苗トレイの苗を取出してない部分における左右ポット部間又は苗トレイの左右外縁に略対応して押さえる幅狭部と、苗トレイの苗取出済の部分を前記幅狭部よりも広い左右幅で押さえる幅広部とを有していることを特徴としている。
【0009】これによれば、苗トレイの苗を取出していない部分、すなわち、苗取出位置又は苗取出位置よりも縦送り方向上流側の部分では、トレイガイドが左右ポット部間又は苗トレイの左右外縁に略対応して苗トレイの上面を押さえるため、トレイガイドが苗取出位置に縦送りされてくる苗の葉などに接触するようなこともほとんどなく、苗の損傷を防止する。そして、苗トレイの苗取出済の部分、すなわち、苗取出位置よりも縦送り方向下流側の部分においては、左右ポット部間や左右外縁幅よりも広い範囲で苗トレイを押さえ、苗トレイが左右に位置ずれしてもトレイガイドから外れることは少なく、また広範囲で苗トレイを押さえて局部的な苗トレイの撓みや苗トレイを押さえつける圧力を小さくし、苗トレイの損傷防止や縦送り抵抗の低減を可能としている。
【0010】そして、本発明は、前記幅広部の上部側は、縦送り方向上流側から下流側にいくに従い徐々に左右幅が広くなるように形成されていることを特徴とし、これによって、苗載せ台の上部側から苗トレイに付着した土が流れ落ちてきた場合などに、幅広部の上縁に土が溜まるのを防ぎ、土溜まりによる縦送りの抵抗を増大を防止している。
【0011】また、本発明は、前記幅広部の下部側は、縦送り方向上流側から下流側にいくに従い徐々に左右幅が狭くなるように形成されていることを特徴とし、これによれば、トレイガイドによって裏面側に反転された苗トレイのポット部から落ちてきた残土が、幅広部の下部側に溜まるのを防止でき、幅広部と苗トレイ上面との間に土が挟まるようなことも少なくなって縦送りの抵抗を少なくしている。
【0012】更に、本発明は、前記トレイガイドは、少なくとも苗トレイの左右外側部分に対応して設けられ、その幅広部が縦送り方向上流側から下流側にいくに従い左右内方側へ配置されるように形成されていることを特徴とし、これによれば、トレイガイドの幅広部を苗トレイの左右中央側に寄せて、トレイガイドによって押さえていない部分の左右幅を小さくし、苗トレイの弾性復帰による撓みを小さくするとともに、苗トレイの左右位置ずれによるトレイガイドからの外れをより確実に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図5は、本発明の苗トレイ載置装置を備えた移植機1を示しており、この移植機1は、乗用型走行車輌2の後方に左右一対の2つの移植部3を備える2条植えタイプとされ、圃場に形成された畝Rを跨いでその長手方向に走行しながら、各移植部3によって苗トレイTに育苗されたソイルブロック苗Nを畝に所定間隔をおいて自動的に植付けるものである。
【0014】走行車輌2の車体フレーム2Aの前部上には、エンジン及びミッション等からなる原動部(図示せず)が搭載され、この原動部はボンネット4で上方が覆われており、ボンネット4の後部には、ハンドル5を備えた操縦部が設けられ、該操縦部の後方には運転席6が設けられている。また、車体フレーム2Aは、左右一対の前輪7と左右一対の後輪8とで走行可能に支持されている。
【0015】車体フレーム4の後部には、トップリンク10と左右一対のロワリンク11とを有する昇降リンク機構12を介して、装着ブラケット13が昇降シリンダ16の伸縮動により昇降可能に取付けられ、前記装着ブラケット13に左右一対の移植部3を搭載した移植フレーム15が連結されている。移植部3は、ソイルブロック苗Nが育苗された多数のポット部Pを縦横に有するセル苗トレイTが装着される苗トレイ送り装置18と、苗トレイ送り装置18上の苗トレイTからソイルブロック苗Nを一つずつ取出して植付装置19へと搬送する苗取出装置20と、苗取出装置20から受け渡された苗Nを畝Rに植付ける植付装置19とから主構成されている。
【0016】そして、走行車両2のPTO軸から第1伝動軸21、第2伝動軸22、電磁クラッチ23等を介して駆動主軸24に動力が伝達され、該駆動主軸24から移植部3を構成する各装置18,19,20に動力を分岐して各装置が連動するように構成されている。前記植付装置19は、畝Rに突き刺して内部に保持した苗Nを植付ける植付体25を有し、この植付体25は図外の揺動リンク機構を介して上下及び前後に揺動可能に移植フレーム15に支持されている。そして植付体25は、その軌跡の上部で苗取出装置20から苗Nが供給され、軌跡の下部で畝Rに突刺して苗Nを植付けるようになっている。
【0017】苗取出装置20は、図2にも示すように、主軸26に伝動された回転動力によって作動される爪動作機構27によって苗取出爪28を苗トレイ送り装置18上の苗トレイTと植付体25との間を往復動作させ、この苗取出爪28によって所定の苗取出位置Xに送られたポット部Pからソイルブロック苗Nを一つずつ取出して植付体25に供給するようにしている。なお、苗取出爪による苗の取出位置は、苗載せ台32の下部側で後述するトレイガイド51によって苗トレイTを湾曲させる若干手前位置に配置されている。
【0018】上記苗取出装置20としては、苗トレイ送り装置18上の苗トレイTのポット部Pに対し、底面側から苗Nを押し出す押し出し手段と、押し出された苗を受け取って植付体へ移送する移送手段とで構成されるもの、横一列のポット部Pから同時に苗Nを取り出すものなど従来公知の装置に置換可能である。前記苗トレイ送り装置18は、図1〜図4に示すように、苗トレイTの底部を横一列のポット部Pに亘って支持する支持板30とこの支持板30の左右側部に固定された左右側板31とで構成された苗載せ台32を有し、この苗載せ台32は、移植フレーム15上に案内レール33及びローラ34等を介して左右移動自在に支持されている。
【0019】また、この苗載せ台32は、苗取出爪28によってポット部Pから苗Nが取り出される間停止し、苗取出爪28が苗取出し後、該苗Nを植付体25に供給して元の位置に戻るまでに、横送り機構35によってポット部の横1ピッチ分左右方向に間欠横送りされるように構成されているとともに、苗トレイTの横一列分の苗Nを取り出した時点で苗トレイTをポット部Pの縦1ピッチ分上下方向に縦送りする縦送り機構36を備えている。
【0020】横送り機構35は、苗載せ台32の背面側に配置された左右方向の横送り軸37を備え、この横送り軸37の両端は、移植フレーム15に支持枠を介して軸心回り回転自在に支持されている。また、横送り軸37の一端部には変速ギヤボックス38が設けられ、この変速ギヤボックス38には前記駆動主軸24からの回転動力が入力されて横送り軸37が回転駆動するようになっている。
【0021】横送り軸37には、いわゆるトラバース溝37aが軸方向略全長に亘って形成されたナピヤねじが用いられており、該溝37aに係合する摺動体39が横送り軸37に外嵌され、この摺動体37は苗載せ台32の下部に連結されている。したがって、横送り軸37を間欠的に回転させることにより摺動体39が左右移動して、これに連結した苗載せ台32が間欠的に往復横送りされるようになっている。
【0022】前記苗載せ台32の側板31下部には縦送り駆動軸40が左右方向に架設されており、側板31上部には縦送り従動軸41が左右方向に架設されている。また、前記縦送り駆動軸40の両端には駆動スプロケット42が固定され、縦送り従動軸41の両端には従動スプロケット43が固定され、これら駆動スプロケット42と従動スプロケット43には無端状の搬送チェーン44が巻装されている。
【0023】搬送チェーン44には、左右内方に突出する係合ピン45が所定間隔おきに取付けられ、該係合ピン45は、支持板30上に載置した苗トレイTの前後ポットP部間の溝に嵌合される。したがって、苗トレイTを苗載せ台32の上部側から供給して係合ピンに係合させ、縦送り駆動軸40を図4に示す矢示A方向に間欠的に回転させると、搬送チェーン44が回走されて係合ピン45に係合した苗トレイTを間欠的に縦送りするようになっており、これによって、苗トレイTの横一列のポット部Pを、前記苗取出爪28による苗取出位置Xの同横列上へ順次縦送りするようにしている。
【0024】前記縦送り機構36は、横送り軸37の左右両端部に固定された縦送りカム46と、苗載せ台32の側板31間に架設された縦送り作動軸47とを有し、縦送り作動軸47の両端部には、苗載せ台32が左端又は右端まで移動したときに縦送りカム46に係合するフォロワ47aが設けられ、この縦送り作動軸47の一端は、縦送り駆動軸40の一端とともに苗載せ台32の側板31から突出している。
【0025】また、縦送り作動軸47の突出部分には揺動リンク48が固定され、縦送り駆動軸40の突出部分には揺動リンク48が係合する係合歯を有する左右一対の駆動ギヤ49と縦送り駆動軸40を苗トレイTの縦送り方向のみに回転させるためのワンウェイクラッチ50が固定されている。したがって、苗載せ台32が左右いずれかの移動限界に達すると、フォロワ47aが縦送りカム46に係合して縦送り作動軸47を若干回動させ、これによって揺動リンク48を揺動するとともに、揺動リン48の揺動でいずれか一方の駆動ギヤ49がその係合歯一つ分だけ回転して縦送り駆動軸40を回転駆動し、搬送チェーン44が回走されて苗トレイTのポット部Pが1ピッチ分だけ縦送りされる。
【0026】なお、前記横送り機構35及び縦送り機構36は、左右苗載せ台32にそれぞれ設けてもよいが、一方の苗載せ台32のみに横送り機構35を設けて左右の苗載せ台32を連結ロッド等で連結してやることで双方の苗載せ台32を一体的に往復横送り可能とし、また、縦送り機構36についても左右一方側(横送り機構35を設ける側)のみに設け、互いの縦送り駆動軸40を連なった一本の軸で形成してやることで、縦送り駆動軸40の回転で左右苗載せ台32の搬送チェーン44を回走して左右の苗トレイTを同時に縦送り可能である。
【0027】前記苗載せ台32の支持板30の下部側30aは、縦送り駆動軸40を略中心とする円弧状に形成されており、側板31の下部側には、前記支持板30の円弧部分30aに沿って苗トレイTを弯曲させるように上面を押さえるトレイガイド51が設けられている。また、トレイガイド51の下端に対して、その後端部が側面視でオーバーラップするように配置された排出ガイド52が苗載せ台32の背面側に設けられており、トレイガイド51によって、苗Nが取り出された苗トレイTを裏面側に弯曲させて反転し、反転した苗トレイTを排出ガイド52を介して再び苗載せ台32の上部側に送り、苗トレイTの供給側から空の苗トレイTの取り出しを行えるようにしている。
【0028】また、トレイガイド51よりも縦送り方向上流側の苗トレイTの搬送中途部においては、側板31の上縁に設けられた押さえ枠54によって苗トレイTの浮き上がりを防止している。前記トレイガイド51は、左右側板31間に架け渡した取付シャフト53に左右3つ設けられており、左右両側のトレイガイド51L,51Rは、苗トレイTの左右両側を押さえる位置に配置され、中央のトレイガイド51Mは、苗トレイTの左右中央を押さえる位置に配置されている。
【0029】左右トレイガイド51L,51Rは、取付シャフト53に取付けられる部分が側面視三日月状の縦板55に形成され、この縦板部分55の内周端からそれぞれ左右内方に、苗トレイTの上面に沿うように横板56が屈曲形成されている。前記縦板55は、苗トレイTの左右側縁の幅より狭い横幅に形成され、横板56は縦板55から左右内方に突出して縦板55よりも左右幅が広く形成されている。
【0030】前記縦板55の上端は横板56よりも上方に若干突出しており、この突出部分は、縦送り機構36によって苗取出位置Xに縦送りされたポット部Pの略側方位置で苗トレイTの左右側縁を押さえるように配置されている。従って、この突出部分は、苗トレイTの苗Nを取出していない部分の左右側縁を押さえる幅狭部57とされている。なお、この縦板55の下端は、苗載せ台32のほぼ下端位置にまで延設されている。
【0031】そして、横板56は、苗Nが取り出されあと1ピッチ縦送りされたポット部Pの側方位置から下方にいくに従い徐々に左右内方に張り出され、前記幅狭部55aよりも広い左右幅で左右両端のポット部Pにかかるように苗トレイTを押さえる幅広部とされており、この幅広部56は、縦板55の下端位置近傍では縦板55からの張出しが徐々に小さくなるように形成されている。
【0032】また、前記幅広部56及び縦板55は、その上下中途部から左右内方側に屈曲されて正面視く字状に形成されており、これによって左右トレイガイド51L,51Rの下部側では上部側よりも左右間隔が小さくなっている。中央のトレイガイド51Mは、取付シャフト53に取付られる部分が側面視三日月状の縦板55に形成されて左右中央のポット部P間に沿って配置されており、この縦板55の内周端には、左右中央のポット部P間から該ポット部Pにかかるように左右外方へ張り出した横板56が苗トレイTの上面に沿って設けられている。
【0033】この縦板55及び横板56は、縦送り機構36によって苗取出位置Xの列を通り過ぎたポット部P位置から苗載せ台32の略下端位置にまで延設され、苗取出位置X及びこれよりも上方位置には、縦板55に固定のガイド棒57を配置している。前記ガイド棒57は、苗トレイTの左右中央のポット部P間にほぼ収まる幅に形成され、苗トレイTのポット部Pが苗取出位置X(苗取出位置Xの横列上)に送られるまで、苗トレイTの上面を押さえる幅狭部とされている。そして、苗が取り出されたあと1ピッチ縦送りされたポット部P位置から前記横板56が、苗トレイ中央のポット部P間から左右外方に徐々に張り出してガイド棒よりも広い幅で苗トレイを押さえる幅広部とされている。
【0034】苗トレイTの苗取出位置X(苗取出位置の横列上)に到らない部分は、中央のトレイガイド51Mの幅狭部(ガイド棒)57によって左右中央のポット部P間を押さえ、苗取出位置Xに縦送りされた部分は、左右及び中央のトレイガイド51の幅狭部55a,57によって苗トレイTの左右側縁及び中央の左右ポット部Pを押さえることで、縦送りされるポット部Pの苗Nにトレイガイド51が接触するようなことも少なく、苗の損傷を防止する。
【0035】また、苗トレイTの苗取出位置Xを過ぎた部分では、左右及び中央のトレイガイド51の幅広部56によって、左右側縁及びポット部間だけでなく、これよりはみ出してポット部Pにかかる広い幅で苗トレイを押さえており、トレイガイド51の苗トレイTに対する接触面積が大きくなって押さえつける圧力が小さくなり、苗トレイTを傷めるようなことも少なく、また縦送りの抵抗も小さくなる。
【0036】そして、苗トレイTが苗載せ台32上で左右に位置ずれしても、左右トレイガイド51L,51Rの幅広部56によって苗トレイTが左右トレイガイド51L,51Rから外れるようなことも少なくなり、確実に苗トレイTを弯曲、反転させて排出ガイド52に受け渡すことができる。また、前記幅広部56では、幅狭部55a,57よりも広い範囲で苗トレイTを押さえることとなるため、トレイガイド51で押さえていない範囲が従来よりも少なくなって苗トレイTの弾性復帰による撓みを抑え、更に、左右トレイガイド51L,51Rの幅広部56が、その下部側を左右内方へ屈曲して下方にいくに従って苗トレイTの中央寄りを押さえるように形成していることによっても、トレイガイド51L,51Rによって押さえていない部分の左右幅を小さくして苗トレイTの弾性復帰による撓みをより確実に抑えている。
【0037】また、幅広部56において、その上部側を徐々に左右方向に張り出すようにしているため、苗載せ台32の上部側から土が流れて落ちてきても幅広部56の上縁に溜まりにくく、土溜まりによる縦送りの抵抗増大を防止し、また幅広部56の下部側の張出しを徐々に小さくしていることで、反転された苗トレイTのポット部Pから残土が落下して、幅広部56と苗トレイTとの間に詰まることも少なくなり、これによっても縦送りの抵抗増を抑えている。
【0038】なお、上記した中央のトレイガイド51Mは、ガイド棒57を設けずに、その縦板55部分を上方に延設して幅狭部としてもよく、反対に左右トレイガイド51L,51Rの縦板55を横板56から上方に突出せずに縦板55にガイド棒を設けてこれを幅狭部として上方に延設してもよい。また、幅狭部の左右幅は、苗トレイの側縁又は左右ポット部間の幅と同じか狭い幅とするのが好ましいが、苗に接触しない程度に広幅に形成してもよい。
【0039】本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく適宜設計変更でき、例えば、苗トレイ送り装置を搭載する移植機としては、上記実施形態の乗用型多条植え移植機に限らず歩行型の移植機であってもよく、また、1条植え若しくは3条植え以上の移植機であってもよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、苗トレイのポット部から苗が取り出されるまでは、トレイガイドの幅狭部で苗トレイの左右ポット部間又は左右側縁に略対応して押さえることで縦送りされるポット部の苗にトレイガイドが接触して苗を傷めるようなことも殆どなく、また、ポット部から苗が取り出されたあとは、幅狭部よりも広い幅の幅広部で苗トレイを押さえることで、苗トレイの左右位置ずれによるトレイガイドからの外れを防止して確実な苗トレイの縦送りと苗取出しを可能とし、また苗トレイの撓みや損傷を防止して耐久性の向上を図るとともに、縦送り抵抗を小さくできる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)9月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平11−75432
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−251121