トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 補助車輪
【発明者】 【氏名】青木 伸浩

【氏名】中村 葉子

【氏名】芝田 哲男

【要約】 【課題】補助車輪2を軽量化し、車輪3への装着時に轍跡を小幅に形成するものでありながら、大きな駆動力を得ることができる走行補助車輪を提供する。

【解決手段】リング部20の周側面に複数の補助ラグ22を一側方に突設した補助車輪2を、タイヤ部30の周側面に複数のラグ35を突設した車輪3の側面に、接当させた状態で取付可能に構成するとともに、前記補助ラグ22をラグ35間に位置させた取付姿勢で、正面視において前記補助ラグ22の長さをラグ35よりも長く側方に突出するように形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リング部20の周側面に複数の補助ラグ22を一側方に突設した補助車輪2を、タイヤ部30の周側面に複数のラグ35を突設した車輪3の側面に、接当させた状態で取付可能に構成するとともに、前記補助ラグ22をラグ35間に位置させた取付姿勢で、正面視において前記補助ラグ22の長さをラグ35よりも長く側方に突出するように形成した補助車輪。
【請求項2】 補助車輪2の補助ラグ22の外径を車輪3の外径より小径に形成した請求項1の補助車輪。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の走行作業機に構成される車輪の側面に取付可能な補助車輪に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、前記のような田植機等の走行作業機の車輪は、車軸に嵌挿装着される車輪ボスから放射方向に突設したスポークでリング状のリムを支持するとともに、このリムに周側面に複数の可撓性を有するゴム製のラグを所定の傾斜(斜設角度)で一体的に突出した状態で形成したタイヤ部を嵌着して構成されている。
【0003】そしてこのような構成の車輪で水田等の圃場内走行を行なうとき、機体の沈下を防止したり車輪の土中スリップ等による駆動力の不足を補うために補助ラグを持つ補助車輪を車輪に一体的に固定して走行するようにしている。従来、この補助車輪の構造は、実開平1−154901号公報に示されるように、車輪と同様なスポークを有するリムに複数の補助ラグを周方向に突出して構成されており、車輪への取付けに当たっては、そのボス部を車軸に取付固定するか、或いは両者のリム同志を互いに連結して固定することによって行なわれているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような従来の構成の補助車輪は、車輪への取付部材として利用されるスポーク等を有しているので、構造が複雑化すると共に重量が重くなって機体の沈下や走行抵抗を増大させる。また、この補助車輪のリムが車輪のタイヤ部の側方にかなりの距離を離して取付けられるので、車輪及び補助車輪の両者で形成される轍跡が広幅になって圃場面を大きく乱す等の問題があると共に、両車輪のラグと補助ラグとによる土の持ち回りが多くなる等の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題を解決するために本発明の補助車輪は、リング部20の周側面に複数の補助ラグ22を一側方に突設し、タイヤ部30の周側面に複数のラグ35を突設した車輪3の側面に、接当させた状態で取付可能に構成するとともに、前記補助ラグ22をラグ35間に位置させた取付姿勢で、正面視において補助ラグ22の長さをラグ35よりも長く側方に突出するように形成している。
【0006】また、補助車輪2の補助ラグ22の外径を車輪3の外径より小径に形成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明による補助車輪の一実施例を説明する。1は前輪1fと本発明に係る補助車輪2を取付可能な後輪(以下車輪という)3を有する走行機体1aの後部に、昇降リンク機構1bを介して植付装置4を昇降可能に装着した乗用型の移植機であり、従来の装置と同様な構成で走行機体1aは前方よりエンジン部1c及び操縦部1dを配置し、更に植付装置4は植付部伝動枠4aの下方に、図2に示すようにセンターフロート4S、左右のサイドフロート4R,4Lのそり体を支持するとともに、各フロートの両側に植付爪4bを等間隔な6条分の植付苗条を形成するように配置し、この上方に6条分のマット苗を載置する苗載台4cを前傾状に設けている。
【0008】そして上記のように構成された移植機1は、補助車輪2を後述する構成により取付ける左右の車輪3を、走行機体1aの後部の伝動ケースから左右の側方に向けて突設した車軸1eにそれぞれ固定し、その幅位置をそれぞれ前記サイドフロート4R,4Lの略中心位置に配置させている。その結果、走行に伴って形成される轍跡を圃場面を滑走する上記サイドフロート4R,4Lによって平滑に均して消すことができるようにしている。
【0009】また、この車輪3は、図3に示すように空気入りラグ付のゴム製タイヤ部30を、車軸1eに取付けるボス部31から放射方向に突出させたスポーク32,32・・の端部にリム33を固定して構成している。そしてこのタイヤ部30はその外周に接地用のラグ34を接地間隔をあけて多数突設しているとともに、タイヤの両周側面に前記ラグ34の適数ピッチ(図示例では2ピッチ)毎に4角形片状に形成した可撓性を有する駆動用の側面ラグ35を一体的に突設している。
【0010】そして上記スポーク32とリム33とは、3角形状の補強板36で連結補強するとともに、中央部に後述するUボルト50を挿通する取付孔37を開口している。次に補助車輪2の構成について説明する。この補助車輪2は図4及び図5に示すように鉄製の丸パイプを前記リム33の内周部分に沿って内接可能な径でリング状に形成されたリング部20と、このリング部20の周囲の側面に上方に向けて起立状に突設した台形状の支持板21と、この支持板21に形成された回転方向に後退する斜面に沿って取付けられた4角形片状のラグ板(補助ラグ)22とで構成している。
【0011】そして、図5に示すように支持板21がタイヤ3のラグ35と等間隔でリング部20に取付けられており、ラグ板22は支持板21に対してラグ35の背面に沿って重合するように取付けられ、且つその外径をラグ35の外径よりも小径となるように内径側に設け、その横幅をラグ35の2倍程度の幅に形成している。次に、前記補助車輪2をタイヤ3に取付ける取付手段の一実施形態について図5を参照し説明する。
【0012】5は、補助車輪2をタイヤ3に対して各スポーク32の位置において強固に取付挟持する取付具であり、U字状の取付ネジ(Uボルト)50と、その両端のネジ部に螺合するナット51と、このネジ部を挿通する通孔とスポーク32側に接当する接当部と、その他側でリング部20に接当する接当部とを有する取付片52とから構成している。
【0013】次に上記のように構成された補助車輪2を取付具5を介してタイヤ3に取付ける態様について説明する。補助車輪2の取付作業は、先ずそのリング部20をタイヤ3のリム33の内周に接当させた状態で、内側からUボルト50を補強板36の取付孔37内に挿通してそのネジ部に取付片52を挿入する。
【0014】次いで、Uボルト50のネジ部にナット51を螺合して取付片52を、スポーク32とリング部20とに適正位置に位置決めした状態において仮締めし、他のスポーク32部分に対しても各取付片52を同様に仮締取付け(仮保持状態)する。このとき取付片52はUボルト50が補強板36の取付孔37に挿入して保持されていることにより取付けを簡単且つ速やかに行なうことができるものである。
【0015】そして、補助車輪2の位置決め固定を図5のように行なって粘土質土壌の圃場における走行を良好に行なうようにする。即ち、図5に示すように補助車輪2は、タイヤ3のリム33に対して仮止状のリング部20を周方向にスライド回転させ、各補助ラグ22を対応する車輪3のラグ35の背面に接合させた位置(図5−A)に位置決めしたのち、各ナット51を本締めすることによってタイヤ3への取付けを完了させる。
【0016】このようにして補助車輪2を左右の車輪3に取付けた図2の状態で機体を走行させながら田植作業を行なうと、補助車輪2はリング部20がリム33の側面に接合させ、更に補助ラグ22をラグ35に重合させているので、車輪3と共に回転するので、従来の補助車輪のように圃場面に形成する轍跡を車輪3の側方にかなり離れた位置に形成することなく、サイドフロート4L,4R内において可及的に小幅にすることができるので、後方から滑走するサイドフロート4L,4Rによってその轍跡を押し均して平坦面状に消すことができる。
【0017】従って、本発明によれば特別な轍消装置等の設置を要することなく、植付装置4が本来的に有するフロート装置を利用して轍跡を簡単に消し去ることができるものである。また、このとき車輪3のラグ35は粘性の高い粘土質土壌の大きな走行抵抗によって反回転方向に大きく折曲り変形しようとするが、この背後に近設して位置する補助ラグ22が同斜設角度でラグ35の背面を具合よく支えるので、大きな変形を的確に防止することができて、ラグ35の保護を良好に図りながら走行を円滑に行なうことができるものである。
【0018】また、この状態で補助ラグ22はラグ35と同様な斜設角度で背後に近接している。従って従来の装置のように補助ラグ22そのものが土付着を生じて土の持ち上げや持ち回りを生じることなく、走行抵抗が少なくまた広幅で深い轍跡を残すことのない良好な走行を行なうことができる。また、補助ラグ22はラグ35の横側方に長く突出しているので、ラグ35と重接していても十分な駆動力を得ることができ、粘土質土壌の圃場内走行を良好に行なうことができるものである。
【0019】また、補助車輪2の外径は車輪3の外径よりも小径となるように補助ラグ22を設けているので、硬い路面の路上走行時において、この補助ラグ22が路面に直接的に接することがないので、走行振動の少ない路上走行を良好に行なうことができるものである。なお、この際、図5に示すように金属製の補助ラグ22の外径部の先端をタイヤ30と一体成形したゴム製のラグ35の先端より内側に位置させて、このラグ35の先端部を自由にしてその可撓性による緩衝作用を発揮させることができ、石等との接当による補助ラグ22の損傷等も防止することができるものである。
【0020】また前記のように車輪3の側面に取付けられた補助車輪2は、粘性の少ない砂地等の圃場を走行する際には、補助ラグ22を車輪3の相隣るラグ35,35の中程位置となるように補助車輪2を周方向に移動調節して車輪3に固定することにより、駆動力を周方向に単独に位置させた各ラグ35と補助ラグ22によってそれぞれ得ることができるので、砂地圃場の走行を土中のスリップ等を伴うことなく行なうことができるものである。
【0021】また、この補助車輪2の切換調節における位置決め固定は、補助車輪2はスポーク等を有しないリング状であるため、前記取付具5を仮保持状態にした後、補助車輪2はスポーク等を有しないリング状であるため、このまま周方向へ簡単にスライド回転移動させることによって容易、且つ迅速に行なうことができる。また、補助車輪2はリング部20の周側に一側方に補助ラグ22を突設した簡単な構成であるため、廉価で軽量なものとすることができる等の利点がある。
【0022】なお、前記補助車輪2と車輪3との取付固定手段は前記の構造に限るものではなく、補助車輪2のリング部20に設けたブラケット(図示せず)を車輪3に設けた取付部に対してボルト等によって固定するようにしてもよいものである。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明による補助車輪は、リング部20の周側面に複数の補助ラグ22を一側方に突設した補助車輪2を、タイヤ部30の周側面に複数のラグ35を突設した車輪3の側面に接当させた状態で取付可能に構成するとともに、前記補助ラグ22をラグ35間に位置させた取付姿勢で、正面視において前記補助ラグ22の長さをラグ35よりも長く側方に突出するように形成している。
【0024】従って、圃場面に形成される轍跡を可及的に小幅にしながら、大きな駆動力を得ることができる。また、この補助車輪2の補助ラグ22の外径を車輪3の外径より小径に形成ししているので、硬い地面にこの補助ラグ22を直接当接させない状態に保ちながら車輪3によって路上走行等を良好にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開平11−56039
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−225261