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【発明の名称】 苗移植機
【発明者】 【氏名】玉井 利男

【要約】 【課題】畦際での植付作業時等において一部の条だけ植付けを行う場合に、苗の未植区間が生じるのを防止する。

【解決手段】苗載台の苗載せ面が植付条数分に分かれており、これら各苗載せ面に搭載されている苗をそれぞれの苗載せ面に対応して設けた植付条数分の植付装置で圃場に植付ける複数条植えの苗移植機において、各条の植付装置の駆動を個別に入・切させられるクラッチ76と、各苗載せ面ごとに設けられ、当該苗載せ面の苗の残量が一定以下に減少したことを検知する苗減少検知手段87,…と、前記クラッチ76が入になっている条の前記苗減少検知手段87,…のうちのいずれかが苗減少を検知すると所定の方法で警告する警告手段88,…,89とを具備する構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗載台の苗載せ面が植付条数分に分かれており、これら各苗載せ面に搭載されている苗をそれぞれの苗載せ面に対応して設けた植付条数分の植付装置で圃場に植付ける複数条植えの苗移植機において、各条の植付装置の駆動を個別に入・切させられるクラッチと、各苗載せ面ごとに設けられ、当該苗載せ面の苗の残量が一定以下に減少したことを検知する苗減少検知手段と、前記クラッチが入になっている条の前記苗減少検知手段のうちのいずれかが苗減少を検知した場合に所定の方法で警告する警告手段とを具備することを特徴とする苗移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意条の苗植付けを停止させられる複数条植えの苗移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機等の複数条植え苗移植機は、苗載台の苗載せ面が植付条数分に分かれており、これら各苗載せ面に搭載されている苗をそれぞれの苗載せ面に対応して設けた植付条数分の植付装置で圃場に植付ける。各苗載せ面には苗の残量が一定以下になるとスイッチONになる苗減少スイッチが設けてあり、植付作業時に苗載せ面の苗の残量が少なくなり、上記苗減少スイッチのいずれかがONになると、ランプ、ブザー等で警告するようになっている。
【0003】また、施肥装置を装備している苗移植機については、各条の肥料ホッパに肥料の残量が一定以下になるとスイッチONになる肥料減少スイッチが設けてあり、植付作業時に肥料ホッパ内の肥料の残量が少なくなり、上記肥料減少スイッチのいずれかがONになると、ランプ、ブザー等で警告するようになっている。
【0004】この種の複数条植え苗移植機には、畦際での作業時等に使用される通常「畦クラッチ」と呼んでいるクラッチが設けられている。この畦クラッチは、各条の植付装置への伝動経路中にそれぞれ設けられ、個別に入・切操作するようになっている。畦クラッチを「切」に操作すると、その条の苗植付けが停止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】畦際での作業時等において一部の条だけ植付けを行う場合、植付けを停止している条については苗載せ面の苗を空にしたり、或は少ない残量のままで作業を行うことがある。肥料についても同様である。このような場合、従来は、当該条の苗減少スイッチ(或は肥料減少スイッチ)がONになることにより、苗減少(或は肥料減少)を知らせる警告が出力され続けた。これは、オペレータにとって目障りや耳障りであるばかりか、植付作業中の条の苗(或は肥料)の残量が少なくなってもそれが分からないので、そのまま作業を続行してしまい、苗の未植区間(或は無肥料区間)が生じるという問題を有していた。本発明は、このような問題点を解決することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は次のような構成とした。すなわち、本発明にかかる苗移植機は、苗載台の苗載せ面が植付条数分に分かれており、これら各苗載せ面に搭載されている苗をそれぞれの苗載せ面に対応して設けた植付条数分の植付装置で圃場に植付ける複数条植えの苗移植機において、各条の植付装置の駆動を個別に入・切させられるクラッチと、各苗載せ面ごとに設けられ、当該苗載せ面の苗の残量が一定以下に減少したことを検知する苗減少検知手段と、前記クラッチが入になっている条の前記苗減少検知手段のうちのいずれかが苗減少を検知した場合に所定の方法で警告する警告手段とを具備することを特徴としている。
【0007】クラッチが切になっている条の苗減少検知手段の情報は無視し、クラッチが入になっている条の苗減少検知手段の情報に基づいて警告手段を出力させるので、一部の条だけ植付けを行う場合、苗減少を知らせる警告が出力され続けられることがなく、植付作業中の条の苗が残り少なくなった時に適切に警告が出力される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は苗移植機の1例である田植機の全体図である。この田植機1は、走行車両2の後側に昇降リンク装置3を介して6条植の植付部4が昇降可能に装着されていると共に、各植付条の側部近傍に肥料を散布する施肥装置5が設けられており、全体で乗用施肥田植機として構成されている。
【0009】走行車両2は、駆動輪である各左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両である。機体の前部に配したミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、その前輪ファイナルケース13,13の下部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にはメインフレーム15の前端部が固着され、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にしてローリング自在に後輪ギヤケース18,18が設けられ、その後輪ギヤケースから外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。
【0010】エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されている。エンジン20の左側面に突出するエンジン出力軸20aに取り出される回転動力が、第一ベルト伝動装置21を介して油圧ポンプ22の駆動軸22aに伝達され、更にその油圧ポンプ駆動軸22aから無段変速操作可能な第二ベルト伝動装置23を介してミッションケース12の前部左側に突出するミッション入力軸12aに伝達される。
【0011】ミッション入力軸12aよりミッションケース12に入力された回転動力は、該ケース内の主変速装置を経由した後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチ28に伝達され、それから植付部4と施肥装置5に伝達されて両者の駆動部を駆動する。
【0012】エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32が配置され、その上部に各種計器類を取り付けたパネル33が設けられ、更にその上方に前輪10,10を操向操作するハンドル34が設けられている。また、座席31の近傍には、主変速装置を操作する主変速レバー35、副変速装置である第二ベルト伝動装置23を操作する副変速レバー36、その他の各種レバー及びペダル、各種制御全般を司る制御部37a(図3参照)を内蔵した制御ボックス37等が設けられている。図の符号38は補給用の苗を載せておく予備苗載台で、走行車両2の前部左右両側に水平面内で回動可能に設けられている。
【0013】第二ベルト伝動装置23は、図4に示すように、油圧ポンプ駆動軸22aに嵌着する駆動側割りプーリ120とミッション入力軸12aに主クラッチCを介して嵌着する従動側割りプーリ121とに伝動ベルト122が掛けられている。従動側割りプーリ121の一方の構成部材121aはミッション入力軸12aに固定、他方の構成部材121bはミッション入力軸12aに対して軸方向に摺動自在となっていて、その可動構成部材121bは軸受123を介して相互回転自在な変速操作カム124によって位置規制されている。変速操作カム124の外面側には円周方向に傾斜状となった突条124a,124aが形成されており、その突条124a,124aが固定カム125に設けたローラ125a,125aに当接している。そして、変速操作カム124のアーム124bに変速操作ロッド126が連結されている。この変速操作ロッド126を前後(紙面の上下方向)に移動させると、変速操作カム124が回動してローラ125a,125aへの突条124a,124aの接点が変わり、変速操作カム124とそれに位置規制されている可動構成部材121bが伝動ベルト122の張力に応じて軸方向へ移動することにより、従動側割りプーリ121の有効径が変化する。
【0014】また、駆動側割りプーリ120の一方の構成部材120aは油圧ポンプ駆動軸22aに固定、他方の構成部材120bは油圧ポンプ駆動軸22aに対して軸方向に摺動自在となっていて、その可動構成部材120bは軸受127を介して相互回転自在な変速操作カム128によって位置規制されている。変速操作カム128の外面側には円周方向に傾斜状となった突条128aが形成されており、その突条128aにミッションケース10の外面部に設けたローラ129が当接している。そして、従動側変速操作カム124のもうひとつのアーム124cと駆動側変速操作カム128のアーム128bとが連結部材130で連結されている。これにより、従動側割りプーリ121の有効径が大きくなるときには駆動側割りプーリ120の有効径が小さくなり、従動側割りプーリ121の有効径が小さくなるときには駆動側割りプーリ120の有効径が大きくなるようになっている。
【0015】第二ベルト伝動装置23の変速操作機構は、図5のように構成されている。すなわち、機体フレームに固定したレバー軸支持筒41にレバー軸42が回転自在に支承されており、該レバー軸の一方の端部に副変速レバー36が回転自在に嵌合している。副変速レバー36の操作位置は、副変速レバーセンサ43に検出される。また、レバー軸42の他方の端部にはボス45が取り付けられ、そのボスと一体の回動プレート46の先端部に前記変速操作ロッド126が連結されている。副変速モータ47でレバー軸42を回転させることにより、変速操作ロッド126を介して第二ベルト伝動装置23が変速操作される。その変速位置は、副変速モータセンサ48に検出される。
【0016】通常の作業時や走行時には、副変速レバーセンサ43の検出値で表される変速位置の制御目標値と副変速モータセンサ48の検出値で示される実際の変速位置が合致するように、制御部37aが副変速モータ47に出力する。これにより、副変速レバー36の操作位置に応じた走行速度制御がなされる。
【0017】また、機体旋回時には、副変速レバーセンサ43の検出値とエンジン回転センサ50の検出値から算出される機体の絶対走行速度が所定の減速速度となるように、制御部37aが副変速モータ47に出力する。例えば、後記フィンガアップレバー101を植付部「上げ」に操作すると自動減速し、該レバーを植付部「下げ」に操作してから所定時間後、もしくは植付部「下げ」操作により植付クラッチ28が「入」になると元の速度に復帰するように制御するとよい。これにより、副変速レバー36の操作位置にかかわらず、旋回に適した一定速度まで自動減速されるので、安全に旋回することができる。減速速度は、自動減速調節レバー51で調節することができる。自動減速調節レバー51の操作位置は自動減速調節レバーセンサ51aによって制御部37aに入力される。
【0018】なお、上記自動減速制御において、副変速モータ47が増速側に出力される時には速度制御は行わず、また、副変速モータ47による変速範囲の最低速よりも低速に制御目標値が設定された時には、副変速モータ47を最低速に制御する。
【0019】昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク60と左右一対の下リンク61,61を備えている。これらリンク60,61,61は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設したリンクベースフレーム62に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク63が連結されている。そして、縦リンク63に植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク60に一体形成したスイングアーム64の先端部との間に油圧昇降シリンダ65が介装されており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク60が上下に回動し、縦リンク63に装着した植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。油圧昇降シリンダ65は、走行車両2に設けた油圧昇降バルブ66によって伸縮制御される。
【0020】植付部4は6条植えの構成で、フレームを兼ねる伝動ケース70を備え、その伝動ケースの植付伝動部70a,70,70aの後端部左右両側に計6組の植付装置71,…が設けられている。植付クラッチ28から植付伝動軸73を介して伝動ケース70の植付駆動軸74に動力が伝達され、該植付駆動軸から植付伝動部70a,70,70a内のチェーン75,75,75を介して各植付装置71,…に動力が伝達される。植付駆動軸74とチェーン75,75,75の伝動部には畦クラッチ76,76,76が設けられている。畦クラッチ76,…のクラッチピン76a,…は、ワイヤ77,…を介して畦クラッチ操作モータ78,…で操作される。畦クラッチレバー79の操作位置がセンサ79aに検出され、そのセンサ情報に基づいて、制御部37aが畦クラッチ操作モータ78,…に出力するようになっている。よって、畦クラッチレバー79を操作することにより、植付装置71の駆動を隣接する2条づつの単位で入・切することができる。
【0021】また、伝動ケース70の上側には、苗載台80が前側が上位となるよう傾斜して設けられている。苗載台80の上面は植付条数分の苗載せ面80a,…に仕切られており、各苗載せ面80a,…の上に土付きのマット状苗が搭載される。伝動ケース70内の横送り機構により苗載台80が左右往復動させられ、その左右往復動によって各苗載せ面80a,…上の苗が、苗載台80の下端近傍に位置する苗受枠81の苗取出口81a,…に一株づつ供給される。それを植付装置71,…が取り出して圃場に植付ける。各苗載せ面80a,…の下部にはベルト式苗縦送り装置82,…が左右一対づつ設けてあり、苗載せ面80a,…の下端部に位置する横1列分の苗が全て取り出されると、苗縦送り装置82,…が作動して苗を下方に移送する。
【0022】苗縦送り装置82は、駆動ローラ82aと従動ローラ82bに無端ベルト82cが掛けられ、苗載台80の左右往復動に連動して駆動ローラ82aを回転させることで、無端ベルト82cを間欠的に移動させる構成となっている。駆動ローラ82a,…は各条共通の軸に取り付けられ、各条の駆動ローラが一体に回転するようになっている。これに対し、従動ローラ82b,…は2条分づつがそれぞれ異なる軸に取り付けられている。この従動ローラ軸は、両端が軸受プレート83,83によって苗載せ面と平行に上下動自在に支持され、中央部が従動ローラ規制具84によって位置規制されている。ワイヤ85を介して従動ローラ規制具84は対応する畦クラッチ操作モータ78の回転に連動するようになっており、畦クラッチ76が切になると従動ローラ規制具84が駆動ローラ側へ移動し、ベルト82cが弛んで駆動ローラ82aが空回りする状態となり、苗縦送り装置82が苗を移送しなくなる。
【0023】一対の苗縦送り装置82,82,…の間には、苗載せ面80a,…上の苗の残量が一定以下になったことを検出する苗減少センサ(苗減少検知手段)87,…が取り付けられている。これら苗減少センサ87,…は制御部37aに接続されており、いずれかのセンサが苗減少を検出すると、制御部37aが苗減少警告ランプ88と苗減少警告ブザー89に出力する。但し、畦クラッチ76が「切」になっている条の苗減少センサ87の情報は無視し、残りの畦クラッチ76が「入」になっている条の苗減少センサ87のうちのいずれかが苗減少を検出した場合に警告を出力するようになっている。
【0024】植付部4の下側にはセンターフロート90と左右一対のサイドフロート91,91が設けられている。これらフロートは圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、各フロートを接地させた状態で機体を進行させると、フロートが泥面を整地しつつ滑走する。その整地跡に植付装置71,…により苗が植付けられる。
【0025】また、植付部4の左右両側には、線引きマーカ93,93が起立・転倒可能に設けられている。この線引きマーカ93,93は、図8に示すように、機体の旋回動作に連動して左右交互に起立・転倒を行い、転倒した線引きマーカが次行程における機体進路を圃場表土面に線引きするようになっている。線引きマーカ作動スイッチ94(図3参照)によって、上記線引きマーカの作動を入・切させられる。また、運搬時や格納時には、線引きマーカ93,93を収納位置にフック95で固定させることができる。
【0026】植付部4の昇降制御は、植付ポジションレバー100の操作位置を検出する植付ポジションレバーセンサ100a、フィンガアップレバー101の操作位置を検出するフィンガアップレバーセンサ101a、上リンク61の回動量を検出する昇降リンクセンサ102、センターフロート90の迎い角(フロートの水平面に対する角度)を検出するフロート迎い角センサ103、前記畦クラッチレバーセンサ79a,…、前記線引きマーカ作動スイッチ94、及び線引きマーカ93,93が収納位置にあることを検出する線引きマーカ収納センサ104の情報が制御部37aに入力され、これらの情報に基づいて制御部37aが油圧昇降バルブ68に出力する。具体的には、以下のように制御する。
【0027】植付ポジションレバー100を操作範囲の一端部に位置する「植付」に操作すると、植付部4が作業位置へ下降し、後述する対地昇降制御を行う。植付ポジションレバー100を上記「植付」以外の「ポジション」に操作すると、その操作位置に対応する位置へ植付部4が昇降する。植付部4の位置は昇降リンクセンサ102の値から読み取る。なお、植付ポジションレバー100が「植付」に操作されている時は、植付クラッチ28が「入」になり、植付ポジションレバー100が「ポジション」に操作されている時は植付クラッチ28が「切」になる。
【0028】フィンガアップレバー101は、中立位置を起点に「上げ」側または「下げ」側に指で操作を行い、該レバーから指を離すと中立位置に自動復帰するように構成されている。このフィンガアップレバー101を「上げ」に操作すると、植付部4が最上位置へ上昇する。また、「下げ」に操作すると、植付部4が作業位置へ下降し、後述する対地昇降制御を行う。なお、植付部4が作業位置にある時は植付クラッチ28が「入」になり、それ以外の位置にある時は植付クラッチ28が「切」になる。
【0029】植付部4が作業位置にある場合は、フロート迎い角103の情報に基づく対地昇降制御を行う。すなわち、センターフロート90の前部が上動して迎い角が小さくなると、油圧昇降シリンダ65を伸ばす方向に油圧昇降バルブ66が作動され、逆にセンターフロート90の前部が下動して迎い角が大きくなると、油圧昇降シリンダ65を縮める方向に油圧昇降バルブ66が作動される。これにより、植付作業時には植付部4が圃場面に対し常に一定の高さに維持される。
【0030】また、いずれかの畦クラッチ76が「切」になっているか、線引きマーカ作動スイッチ94が「切」になっているか、或は線引きマーカ93,93が収納されている場合には、上昇は速く下降は遅くなるように植付部4の昇降速度を自動的に変更する。上記の各場合は枕地での作業中であると判断されるので、急激に植付部4を下降させて植付部4を畦等に衝突させないように昇降制御を鈍感にするのである。
【0031】施肥装置5は、走行車両2の後部上側に肥料貯蔵部110と肥料繰出部111,…を設け、肥料貯蔵部110に貯えられている粒状の肥料を肥料繰出部111,…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を肥料移送管112,…を通してフロート90,91,91に取り付けた施肥ガイド113,…へ移送し、その施肥ガイドの前側に設けた作溝体114,…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に肥料を落とし込む構成となっている。
【0032】肥料繰出部111,…は、植付クラッチ28から伝動される図示しない施肥駆動機構によって駆動する。この施肥駆動機構には、2条づつの単位で入・切できる施肥クラッチが設けられている。施肥クラッチは、ワイヤ115,…を介して対応する前記畦クラッチ操作モータ78の回転に連動するようになっている。
【0033】肥料貯蔵部110の下部は各条ごとにホッパ状になっており、そのホッパ状部分に肥料の残量が一定以下に減少したことを検出する肥料減少センサ(肥料減少検知手段)116,…が取り付けられている。これら肥料減少センサ116,…は制御部37aに接続されており、いずれかのセンサが肥料減少を検出すると、制御部37aが肥料減少警告ランプ(警告手段)117と肥料減少警告ブザー(警告手段)118に出力する。但し、畦クラッチ76が「切」になっている条の肥料減少センサ117の情報は無視し、残りの畦クラッチ76が「入」になっている条の肥料減少センサ117のうちのいずれかが苗減少を検出した場合に警告を出力するようになっている。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明にかかる苗移植機は、各条の植付装置の駆動を個別に入・切させるクラッチが「切」になっている条の苗減少検知手段の情報は無視し、上記クラッチが「入」になっている条の苗減少検知手段のうちのいずれかが苗減少を検出した時に所定の方法で警告するように構成されているので、例えば枕地での作業時において、植付けを停止している条については苗載せ面の苗を空にしたり、或は少ない残量のままで作業を行う場合に、警告が出力されっぱなしになることが防止され、植付作業中の条の苗の残量が少なくなった場合にそれを確実にオペレータに知らせられるようになった。
【0035】また、本発明は、苗減少に対する警告に限らず、肥料或はそれ以外の散布物が減少した時に出力する警告についても応用できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 弘志
【公開番号】 特開平11−56036
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−230353