| 【発明の名称】 |
移動農機の推進装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 伊佐男
【氏名】木下 栄一郎
【氏名】黒岩 二三男
【氏名】勝野 志郎
|
| 【要約】 |
【課題】傾斜地を等高線に沿って前進する移動農機において、片側の前輪と後輪を同時に昇降させて機体の水平を保つように構成すると、地面が捩れているときに1つの車輪が浮き上って農作業が安定しない。左右の前輪をセンターピボット回りに背反的に昇降させるとともに、左右の後輪を同時に昇降させると、上記の欠点は解消されるが、上記の傾斜地で機体が横に傾斜する。
【解決手段】前後にそれぞれ左右一対の前輪10L,10Rと後輪15L,15Rを備え、一方の後輪15L,15R又は前輪10L,10Rはそれぞれが駆動装置で独立して昇降し、他方の前輪10L,10R又は後輪15L,15Rはセンターピボット13の回りに揺動する横杆12で連結されて左右が背反的に昇降するように設けられている移動農機の推進装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前後にそれぞれ左右一対の前輪10L,10Rと後輪15L,15Rを備え、一方の後輪15L,15R又は前輪10L,10Rはそれぞれが駆動装置22、29で独立して昇降し、他方の前輪10L,10R又は後輪15L,15Rはセンターピボット7の回りに揺動する横杆8で連結されて左右が背反的に昇降するように設けられている移動農機の推進装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、歩行型の畑作用苗植機のような移動農機に有効に用いられるものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の移動農機における推進装置は、左右の後輪(又は前輪)が駆動装置で独立して昇降し、左右の前輪(又は後輪)がそれぞれのロッドで後方(又は前方)の後輪に連結され、圃場が横に傾斜していると、前後の車輪が駆動装置で同時に昇降して機体の水平姿勢を保つようになっている。また、左右の後輪が駆動装置で同方向に昇降し、センターピボットの回りに揺動する横杆で左右の前輪が背反的に昇降するもの(例えば特開昭56−48804)も提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前者は、左右の前輪が走行する面に対し、左右の後輪が走行する面が捩れていると、一つの車輪が地面から浮き上って安定性を欠ぐ。後者は、そのおそれは解消されるが、機体が横に傾斜して移植される苗の姿勢が傾く。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、前後にそれぞれ左右一対の前輪10L,10Rと後輪15L,15Rを備え、一方の後輪15L,15R又は前輪10L,10Rはそれぞれが駆動装置22、29で独立して昇降し、他方の前輪10L,10R又は後輪15L,15Rはセンターピボット7の回りに揺動する横杆8で連結されて左右が背反的に昇降するように設けられている移動農機の推進装置とした。 【0005】 【実施例】つぎに、この発明の実施例を説明する。図1、図2のように、前部に支持フレーム1が固定されている歯車箱2の左右から支持ケース3と支持杆4が斜後上に伸びて機体5となっている。支持フレーム1は、左右一対のパイプで構成され、それぞれの前端を結ぶ板1aに揺動箱6が前後方向のセンターピボット7でその回りに揺動するように設けられている。横杆8が揺動箱6で回動自在に支持され、その両端から斜後下に伸びた支脚9L,9Rの後端に前輪10L,10Rが取付けられている。前輪昇降シリンダ11が揺動箱6に横軸12で回動自在に取付けられ、これから下に突出したピストンロッド13と横杆8から後に突出したアーム8aの後端が接続している。そして、ピストンロッド13の出没で、左右の前輪10L,10Rが同方向に昇降し、センターピボット7回りの揺動箱6の揺動で、左右の前輪10L,10Rが背反的に昇降するように出来ている。 【0006】後下りに傾斜した一対のチエンケース14L,14Rの前部が歯車箱2の左右に回動自在に取付けられ、それぞれの後部に後輪15L,15Rが設けられている。左右の前輪10L,10Rと後輪15L,15Rは、畝Aを又ぐように配置されている。エンジン16が支持フレーム1に取付けられ、その回転動力がベルト17で歯車箱2に導入され、その中の変速機で所定の速度に調整されたのち、チエンケース14L,14R内の伝動装置を通って後輪15L,15Rに達し、これらの回転で機体5が前進するように出来ている。 【0007】一対の支持板18が支持ケース3と支持杆4から斜後上に伸び、その上端にパネル19とハンドル20が固定されている。一対の昇降支持板21が左右で平行に配置され、それぞれの上部が左右の支持板18に固定されている。後輪昇降シリンダ22が横軸23で昇降支持板21に回動自在に取付けられている。横杆24が昇降支持板21で回動自在に与えられ、これから後に突出したアーム24aの突端と後輪昇降シリンダ22から下に突出したピストンロッド25が接続している。一対のアーム26L,26Rが横杆24の両横から下に伸びている。 【0008】それぞれのチエンケース14L,14Rの前部から突起27L,27Rが上に突出し、アーム26Lと突起27Lがロッド28Lで連結されている。シリンダ29がアーム26Rの下端に取付けられ、これから突出したピストンロッド29aと突起27Rがロッド28Rで連結されている。従って、後輪昇降シリンダ22からピストンロッド25を出没させると、横杆24およびアーム26L,26Rの回動でチエンケース14L,14Rが回動し、後輪15L,15Rが昇降する。また、水平シリンダ29からピストンロッド29aを出没させると、ロッド28Rが前後に移動してチエンケース14Rのみが回動し、後輪15Rのみが昇降して機体5の横の傾きが変化する。そして、機体5が傾斜した圃場を等高線に沿って前進するようなとき、上記の変化を利用して、機体5の横の傾きを水平に保つ。 【0009】なお、ピストンロッド13およびピストンロッド25の出没は、畝Aを滑走している高さセンサ(図示していない)その他の信号で自動的に行って、苗の移植中に機体5と畝Aの上面の間隔を一定に保ち、昇降レバー30の操作で人為的に行なって、枕地での円滑な旋回が得られるようにすると良い。また、ピストンロッド29aの出没は、傾斜センサ(図示していない)その他の信号で自動的に行なって、等高線に沿って傾斜地を前進するとき、機体5に常に水平に保つようにすることができる。 【0010】苗植装置がつぎのように構成されている。中央に苗取口を有する苗受板31の両横が支持ケース3と支持杆4に固定されている。支杆32がエンジン16の上に伸び、これと苗受板31の前部で苗載台33が左右に移動自在に支持されている。苗載台33は、エンジン16の回転動力その他で左右に往復する横移動棒(図示していない)で往復駆動されている。また、ベルトコンベア34が下面に設けられ、これに載った集団苗の後端が苗受板31上に突出して左右に移動し、苗載台33が横端に来ると、モータ35その他で間欠的に回転してその集団苗を後に繰り出すようになっている。 【0011】上下に往復移動する加熱メタル36と作孔器37が苗受板31の下方で前後に配置され、加熱メタル36が下降すると、畝Aを被ったマルチフィルムを熔解して孔を開け、作孔器37が下降すると、その孔内で圃場に移植孔を作るようになっている。第1回転ケース38が支持ケース3の右に取付けられ、エンジン16の回転動力で時計方向に回転するようになっている。第2回転ケース39がその先端の右に取付けられ、上記の回転中に反時計方向に旋回するようになっている。植込ケース40がその先端の右に取付けられ、上記の旋回中に同じ姿勢を保つようになっている。左右一対の板で作られた植込爪41が植込ケース40から下方に突出し、上記の旋回で、その下端が上下に長い長円形の軌道Bを通るようになっている。そして、植込爪41は、苗受板31の上に来ると、左右が閉じて集団苗の1株分の苗を挟み、苗取口を通るときにこれを欠ぎ取り、旋回の下端で開いてその苗を前記の移植孔内に移植するように出来ている。 【0012】鎮圧輪42がその後に配置され、機体5の前進にともなって、移植孔を埋め戻して移植された苗の根元を軽く鎮圧するように出来ている。上記に加え、図3、図4のように、前輪10L,10Rを駆動式に構成することが出来る。左右対称のため、以下、左のみを説明する。チエンケース14Lの回動中心に配置されて、後輪15Lに動力を伝達する伝動軸43がL形の支杆44の外に突出し、その端に固定された傘歯車45が歯車箱46内に収容されている。傘歯車47が傘歯車45に咬み、その軸47aが前方に突出している。前輪10Lと一体の軸48の外端に傘歯車49が固定され、これに咬み合う傘歯車50の軸50aが後に伸びている。傘歯車49,50は、歯車箱51内に収容されている。伸縮軸52の両端がそれぞれ自在継手53,54で軸50aと軸47aに連結されている。 【0013】従って、後輪15Lに伝達されている動力の一部が、傘歯車45、傘歯車47、軸47a、自在継手54、伸縮軸52、自在継手53、軸50a、傘歯車50、傘歯車49および軸48をこの順に伝わって前輪10Lに達し、左右の前輪10L,10Rおよび後輪15L,15Rが共にエンジン16で駆動される4輪駆動となる。 【0014】この構成によると、機体5が4輪駆動で走行するので、その走行性能が安定することはもとより、チエンケース14L,14Rの前部の伝動軸43がそれぞれの前輪10L,10Rの軸48に軸で連結されるので、この伝動間隔が短くて安価に構成出来るうえ、その位置が高くなって畔に当るおそれが軽減される。 【0015】 【効果】以上のように、この発明によると、左右の後輪15L,15Rが独立して駆動装置22、29で昇降して傾斜地における機体5の横の傾きが除去され、併せて、左右の前輪10L,10Rがセンターピボット7回りの揺動で背反的に昇降して常に地面に接触するので、垂直な姿勢に苗を安定良く移植することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月21日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−56032 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)3月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−224703 |
|