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【発明の名称】 種子類に対する病原菌ならびに病害虫の殺菌、駆除方法
【発明者】 【氏名】吉田 正雄

【氏名】高嶋 知巳

【要約】 【課題】イネ籾、ムギ種子、豆種子、果実種子、花木種子などの農産用、園芸用種子を含む種子一般の殺菌、防除の方法に関する。

【解決手段】農産用、園芸用を含む種子類に対して、レーザー光線を直接又は間接的に照射して、前記種子類に付着している病原菌、病害虫の殺菌、駆除を行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農産用、園芸用を含む種子類に対して、レーザー光線を直接又は間接的に照射することを特徴とする各種種子類に対する病原菌ならびに病害虫の殺菌、駆除方法。
【請求項2】 前記レーザー光線の照射に際して、照射対象としての種子類がレーザー光線の入射方向に相対する面を変化させつつ移動されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の種子類に対する病原菌ならびに病害虫の殺菌、駆除方法。
【請求項3】 前記レーザー光線を乱反射させて照射対象としての種子類に当てるようにしたことを特徴とする請求項1記載の種子類に対する病原菌ならびに病害虫の殺菌、駆除方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明はイネ籾、ムギ種子、豆種子、果実種子、花木種子などの農産用、園芸用種子を含む種子一般の殺菌、防除の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記種子一般(以下この明細書においては、簡略のため種子類と称する)に対する病原の種類としては、細菌、かび、線虫があり、イネ籾枯細菌病、イネばか苗病、イネ籾芯枯線虫病、オオムギ斑葉病、オオムギ裸黒穂病、コムギなまぐさ黒穂病などが挙げられ、いずれも株が枯死したり、生育が悪かったりして、収穫量が減少するという結果を招来している。
【0003】そこで従来、上記種子類は、播種前病害対策として、種子消毒の作業が行なわれて来た。その手順としては、塩水選、水洗い、水切り、風乾を行なったあと、袋詰めにし、所定の種類及び希釈度の薬液に24時間浸漬するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の前記技術においては、以下に列挙するような点が解決を要する課題として残されていた。すなわち、1)種類類の殺菌、消毒に多くの時間、労力及び多数の人手を要する。
2)病害菌、病害虫の種類によって、薬液を選択しなければならないため、多種の薬剤を必要とし、作業工程も複雑となる。
3)長期に亘って使用すると薬効が半減する。
4)袋詰めの状態で殺菌するので、内部の病原菌の殺菌効果が不充分になる。
5)完全な殺菌ではない(すなわち1粒1粒殺菌していない)ので菌が育った数ヶ月後でないと穂毒が発見できない。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明においては、農産用、園芸用を含む種子類に対して、レーザー光線を直接又は間接的に照射することによって各種種子類に対する病原菌ならびに病害虫を殺菌、駆除する。
【0006】請求項2の発明においては、請求項1記載の方法において、前記レーザー光線の照射に際して、照射対象としての種子類がレーザー光線の入射方向に相対する面を変化させつつ移動されるようにする。
【0007】請求項3の発明においては、請求項1記載の方法において、前記レーザー光線を乱反射させて照射対象としての種子類に当てるようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】農産用、園芸用を含む種子類例えばイネ籾、ムギ種子、豆種子、果実種子、花木種子に対して、レーザー光線を直接又は間接的に照射するに当っては、種々の方法が考慮されるがその若干例を示すと次のとおりである。
【0009】前記種子類をベルトコンベア上で搬送しつつ、レーザー装置内を通過させ、この際適宜手段で前記種子類を表裏反転させ、種子類の全面に隈なくレーザー光線を照射し、付着している病原菌や病害虫を殺菌、駆除する。
【0010】前記種子類をサイロに入れ、勾配をつけたテーブル上を滑らせながら移動する間に反転を繰り返えさせ、これにレーザー光線を照射して殺菌、駆除を行なう。
【0011】光ファイバの先端から出たレーザー光線を多数の面からなるアルミ鏡面によって乱反射させ、これを移送中の種子類に当てて、殺菌、駆除を行なう。
【0012】次にこの発明の方法を、イネ籾芯枯線虫感染種子に対するレーザー照射の防除効果試験結果を表1によって示す。
【0013】
【表1】

【0014】またこの発明の方法を、イネ籾枯細菌病保菌種子に対するレーザー照射の防除効果試験結果については表2によって示す。
【0015】
【表2】

【0016】従来は、前述したように湿式消毒法で複数の工程を必要とし、かつ日数がかかり、薬剤も多種を要したが、レーザー殺菌は乾式法で1台のシステムで、種子類の一粒一粒についてすべての病原菌、病害虫の完全除去が可能である。
【0017】また従来の方法では薬剤は鍵がかかる部屋や容器に保管しなければならなかったが、この発明の方法ではその必要がなく、また1人の作業者が一貫作業で実施できるため、時間の節約と共に、コストダウンが可能となる。
【0018】従来の薬剤による殺菌では、余った種子は廃棄処分にするほかなかったが、この発明の方法では、0℃〜5℃の冷蔵庫に保管すれば、3年位は種子としても、食用としても使用可能である。
【0019】薬剤は魚毒性があり、地中に埋めると二次環境汚染の原因となるが、この発明の方法はこの点、完全かつ衛生的である。また新たな病原菌が発生した場合に、薬剤の開発、効果の確認、安全実験のため、一品種につき30〜50億の費用がかかるが、この発明方法によればその必要性もなくなる。
【0020】
【発明の効果】この発明の上述の方法によれば、従来の方法に比して、種子類の病原菌ならびに病害虫の殺菌駆除の作業を各段と簡略化し、かつ効果を高めることができるものである。
【出願人】 【識別番号】593210525
【氏名又は名称】吉田 正雄
【出願日】 平成9年(1997)8月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石山 博 (外1名)
【公開番号】 特開平11−56014
【公開日】 平成11年(1999)3月2日
【出願番号】 特願平9−235511