| 【発明の名称】 |
乗用型農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】玉井 利男
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| 【要約】 |
【課題】従来の作業装置を下降接地させた状態から上昇させると、機体の後部が急に重い状態になるので、機体の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢になってしまい、旋回後に作業装置を下降させて接地させた時に、この傾斜姿勢が基準位置となるために設定感度よりも制御感度が鈍感となり、前進して作業を行なうと、所定の作業が良好に行なえない不都合があった。
【解決手段】昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器57を設けると共に、作業装置が上昇された状態から下降接地したことを検知する接地検知手段を設け、作業装置が上昇された状態から下降接地し所定時間後または所定距離走行後までの間、昇降制御感度を上記感度設定器57による設定値よりも敏感側に切換える昇降感度補正手段を設けた乗用型農作業機。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に作業装置25を装着し、圃場に対する作業装置25の位置を検出するセンサー49による検出に基づいて作業装置25を所定の位置に制御する昇降制御手段を設けた乗用型農作業機において、該昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器57を設けると共に、作業装置25が上昇された状態から下降接地したことを検知する接地検知手段を設け、作業装置25が上昇された状態から下降接地し所定時間後または所定距離走行後までの間、昇降制御感度を上記感度設定器57による設定値よりも敏感側に切換える昇降感度補正手段を設けたことを特徴とする乗用型農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、田植機や作業機を装着したトラクタに関するものであり、詳しくは、植付装置や耕耘作業装置等の作業装置を地面に対して所定高さに制御する制御感度を、状況によって自動的に補正するものである。 【0002】 【従来技術と発明が解決しようとする課題】この種の従来技術としては、水田面の泥土硬さや圃場の表土硬さに応じた昇降制御が行なえるように、昇降制御装置の感度を変更できるように感度設定器を設けたものがある。併し乍、圃場での作業においては、植付装置や耕耘作業装置等の作業装置を下降して植付け作業や耕耘作業を行なう状態と畦際で機体旋回の為に作業装置を上昇(リフト)させた状態とを繰返して作業が行なわれる。そして、この作業装置を下降接地させた状態から上昇(リフト)させて空中に持ち上げた状態にすると、機体後部が急に重い状態になるので、機体の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢になってしまう。すると、旋回後に作業装置を下降させて接地させた時に、機体の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢となっている為に、この傾斜姿勢が基準位置となるために設定感度よりも制御感度が鈍感となる。この鈍感になった状態で前進して作業を行なうと、所定の作業が良好に行なえない不都合があった。 【0003】 【課題を解決するための手段】前記の従来技術のもつ課題を解決すべく、乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に作業装置25を装着し、圃場に対する作業装置25の位置を検出するセンサー49による検出に基づいて作業装置25を所定の位置に制御する昇降制御手段を設けた乗用型農作業機において、該昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器57を設けると共に、作業装置25が上昇された状態から下降接地したことを検知する接地検知手段を設け、作業装置25が上昇された状態から下降接地し所定時間後または所定距離走行後までの間、昇降制御感度を上記感度設定器57による設定値よりも敏感側に切換える昇降感度補正手段を設けた乗用型農作業機としたものである。 【0004】 【発明の作用効果】この発明は、昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器57を設けると共に、作業装置25が上昇された状態から下降接地したことを検知する接地検知手段を設け、作業装置25が上昇された状態から下降接地し所定時間後または所定距離走行後までの間、昇降制御感度を上記感度設定器57による設定値よりも敏感側に切換える昇降感度補正手段を設けた乗用型農作業機としたものであるから、作業装置25を上昇された状態から下降接地させて作業を行なう時に、機体の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢となっていても、この前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢になっている間は昇降制御感度が敏感に補正されているので、より精度良く昇降制御が行なえて、良好な農作業が行なえる。 【0005】 【実施例】この発明の一実施例として、乗用型農作業機の一種である6条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。1は乗用型走行車体であって、左右フレーム2・2と該左右フレーム2・2の後部を連結する横フレーム3とで構成される機体の後部上面にエンジン4を搭載し、左右フレーム2・2の前部には走行ミッションケース5を固設している。そして、この走行ミッションケース5には、エンジン4の回転駆動力が変速されるHST変速装置と前輪デフ装置と後輪デフ装置とが内蔵されているおり、HST変速装置は、変速レバー6にて、後進と中立と前進(圃場内で植付け作業をする植付速・路上等で早く移動する為の移動速)とに変速操作される。 【0006】7・7は左右フロントアクスルケースであって、前記走行ミッションケース5の前輪デフ装置より左右駆動軸8・8を介して動力が伝動されるように構成されている。9・9は操向自在の左右駆動前輪であって、左右フロントアクスルケース7・7の下部に嵌合され操縦ハンドル10にて回動される操向ケース11・11に軸架されている。 【0007】12は内部に変速歯車を有する操縦用伝動ケースであって、左右フレーム2・2両者の前端部に固着されており、その上部にはハンドルポスト13が固着され、ハンドルポスト13の上端部には操縦ハンドル10が設けられている。そして、操縦用伝動ケース12の下部には、その後端が左右操向ケース11・11に連結された操向伝達機構としてのリンク14が設けられており、操縦ハンドル10を回すと操縦用伝動ケース12内の変速歯車・リンク14を介して左右操向ケース11・11が縦軸回りに回動し左右駆動前輪9・9が向きを変えるように構成されている。 【0008】15・15は左右後輪駆動ケースであって連結枠16で一体に連結されており、該連結枠16が横フレーム3にロリング軸17にてロリング自在に設けられており、その左右両側部に軸架された左右駆動後輪18・18が上下揺動できるように構成されている。19・19は、走行ミッションケース5の後輪デフ装置から左右後輪駆動ケース15・15に動力を伝える伝動軸である。 【0009】そして、後輪駆動ケース15内部の伝動機構中には左右駆動後輪18・18に対する左右サイドクラッチと左右サイドブレーキとが内蔵されており、エンジン4の前方に設けられた左右クラッチペダル20・20の踏込操作により該左右サイドクラッチが切れ且つ左右サイドブレーキが利くように構成されている。即ち、左右クラッチペダル20・20の踏込操作をした側の駆動後輪18・18の駆動が停止されブレーキが利くようになっている。 【0010】21はFRPにて成型された車体カバ−であって、エンジン4の周囲を覆うエンジンカバ−部21aと、前記エンジン4の前方及び左右側方に設けられたステップ21bと、ハンドルポストカバー21cと、エンジン4の後方に設けられたステップ21dとが一体形成され、左右フレーム2・2上に固定されている。22は操縦座席で、前記車体カバー21上面に設置固定されている。 【0011】23は上部リンク23aと下部リンク23bとにより構成される昇降リンク機構であって、上部リンク23aと下部リンク23bの基端部は左右フレーム2・2の後部に固着された支持フレーム24に各々枢着され、後端部は後述の作業装置としての苗植装置25をローリング自在に支持するローリング軸26が設けられた縦枠27に枢着されている。 【0012】28は油圧シリンダーであって、シリンダーの基部が左右フレーム2・2に枢着され、ピストン28aの後端が上部リンク23aと一体の揺動アーム23cに枢着されている。苗植装置25は、前記縦枠27のローリング軸26にローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース29と、該植付伝動ケース29に設けられた左右支持部材29a・29aに支持されて機体左右方向に往復動する苗載台30と、植付伝動ケース29の後端部に装着され前記苗載台30の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具31…と、植付伝動ケース29の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート32・左右サイドフロート33・33等にて構成されている。左右サイドフロート33・33は、各々左右駆動後輪18・18の後方に配置されており、該左右駆動後輪18・18にて掻き乱された圃場を整地すると共に苗植付け具31にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。 【0013】40は施肥装置であって、前記支持フレーム24の上端部に固着されており、施肥タンク41…と、該各施肥タンク41…の下部に装着され施肥タンク41内の粒状肥料を一定量づつ繰り出す肥料繰出装置42…と、該肥料繰出装置42にて繰り出された肥料を案内する透明の施肥パイプ43…と、センターフロート32・左右サイドフロート33・33に固着され苗植付け位置側方の圃場に施肥溝を掘り施肥パイプ43にて案内された粒状肥料を該施肥溝内に落下案内する作溝器44…とにより構成されている。尚、45は肥料繰出装置42…を駆動する駆動アームであって、左右フレーム2・2上に固設の施肥駆動ケ−ス46に連結されており、施肥駆動ケ−ス46には走行ミッションケース5より駆動軸47にて動力が伝達されるように構成されている。 【0014】48は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース46の動力を苗植装置25の植付伝動ケース29に伝達すべく設けている。49は圃場に対する苗植装置25の位置を検出するセンサーとしてのセンターフロートセンサーであって、センターフロート32前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成され、センターフロート32の前部上面とリンク50により連携されている。そして、センターフロートセンサー49のセンターフロート32前部の上下位置検出に基づいて、制御装置51の昇降制御手段によりソレノイド油圧バルブ52を制御して油圧シリンダー28にて苗植装置25の上下位置を制御するように構成されている。尚、センターフロート32の前部はバネ50aにより下方に向けて付勢されている。 【0015】即ち、センターフロート32が泥面に接地した状態でその前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ53にて走行ミッションケ−ス5内から汲み出された圧油を油圧シリンダー28に送り込んでピストンを突出させ昇降リンク機構23を上動させて苗植装置25を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート32の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー28内の圧油を走行ミッションケ−ス5内に戻して昇降リンク機構23を下動させて苗植装置25を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート32の前部が適正範囲にあるとき(苗植装置25が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめるべく設けられている。 【0016】54は車体カバ−21より突出して操縦座席22の右側方に設けられた昇降レバーであって、該昇降レバー54を操作することにより、制御装置51のPTOクラッチ作動手段にて走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを作動させて施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置51の昇降制御手段にてソレノイド油圧バルブ52を作動させて手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。 【0017】即ち、昇降レバー54を前方に倒して「自動位置」にすると、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。逆に、昇降レバー54を後方に引いて「上昇位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられ、苗植装置25が上昇される。そして、昇降レバー54をその操作ストロークの中間位置の「固定位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめる位置に切換えられ、苗植装置25が昇降レバー54を「固定位置」に操作したときの位置に保持され苗植装置25は上昇も下降もしない。また、昇降レバー54を「下げ位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。 【0018】55は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー55を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ56が作動されて、制御装置51のPTOクラッチ作動手段により、走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置51の昇降制御手段により、ソレノイド油圧バルブ52を操作して手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。 【0019】即ち、フィンガーレバー55を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられる。そして、フィンガーレバー55を「上」に操作した後に、フィンガーレバー55を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、苗植装置25が上昇された状態であればセンターフロート32が接地して適正姿勢になるまで苗植装置25は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー55を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。以降、フィンガーレバー55を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。 【0020】57は制御装置51の昇降制御手段の昇降制御感度を設定する感度設定器であり、前記センターフロート32の上下動の量をセンターフロートセンサー49で検出し、その検出情報によって油圧シリンダー28のソレノイド油圧バルブ52を切換え操作する昇降制御手段の昇降制御を行う上でのセンターフロートセンサー49の基準位置を調節することで、昇降制御の感度を調節する一般的なものである。 【0021】即ち、仮に感度設定器13を標準の「5」の位置から鈍感側「7」に操作すると、センターフロートセンサー49の基準位置が「5」位置から少し上がった「7」位置に変更される。すると、センターフロート32の姿勢が標準の「5」のときの姿勢よりも上向きになって接地面積が減少し、かつ、バネ50aがより圧縮されて基準位置での付勢力が増すので、田面の起伏に追従し難い状態となり、昇降制御感度が鈍感側に調節される。逆に、感度設定器13を標準の「5」の位置から敏感側「3」に操作すると、センターフロートセンサー49の基準位置が「5」位置から少し下がった「3」位置に変更される。すると、センターフロート32の姿勢が下向きになって接地面積が増加し、かつ、バネ50aの付勢力が減るので、田面の起伏に追従し易い状態となり、昇降制御感度が敏感側に調節される。 【0022】そして、乗用型田植機においては、田植作業時に圃場で苗植付作業を行なうべく苗植装置25を泥面に接地させた状態と畦際で機体を旋回させる為に苗植装置25を上昇(リフト)させて苗植装置25を空中に持ち上げた状態にする。そして、この苗植装置25を泥面に接地させて苗植付作業を行なっている状態から苗植装置25を上昇(リフト)させて苗植装置25を空中に持ち上げた状態にすると、機体の後部が急に重い状態になるので、乗用型田植機の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢になってしまう。すると、旋回後に苗植装置25を下降させて泥面に接地させた時に、乗用型田植機の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢となっている為に、センターフロート32も前部が上がった傾斜姿勢が基準位置となるために設定感度よりも制御感度が鈍感となる。この鈍感になった状態で前進して苗植付けを行なうと、各センターフロート32・左右サイドフロート33・33前部にて泥土を押し、苗の植付けが良好に行なえず、また、押した泥土にて既植苗を押し倒す等の不都合があった。 【0023】そこで、制御装置51には、作業状況に応じて昇降制御感度を自動的に変更調節する昇降感度補正手段が設けられており、苗植付け精度の向上が図られるようになっている。この昇降感度補正手段について詳しく説明すると、例えば、感度設定器13を標準の「5」の位置に設定して苗植付け作業をする場合の例で以下に説明すると、苗植装置25を下降させて苗植付作業を行なっていて畦際で機体を旋回させる為に、フィンガーレバー55を「上」に操作して強制的に苗植装置25を上昇すると、センターフロート32は空中に持ち上げられた状態となるので、その前部が重みで植付け作動領域を大きく外れて下動する。その植付け作動領域を大きく外れて再下端まで下動したことをセンターフロートセンサー49が検出して、制御装置51のリフト検知手段が苗植装置25がリフトされたことを判断すると、昇降制御感度を感度設定器13による設定値「5」よりも敏感側「4」に切換える。そして、機体の旋回が終了して再び苗を植付けるべくフィンガーレバー55を「下」に操作して苗植装置25を下降させると、センターフロート32が泥面に接地した状態となるので、その前部が上動して植付け作動領域になる。その植付け作動領域になったことをセンターフロートセンサー49が検出して、制御装置51の接地検知手段が苗植装置25のセンターフロート32が接地したことを判断すると、その判断時点から作動するタイマー58によって3秒後に昇降制御感度を感度設定器13による設定値「5」に戻す。 【0024】上記の昇降感度補正手段の働きを図4のグラフにて説明すると、感度設定器13を標準の「5」の位置に設定して苗植付け作業をしていて畦際で機体を旋回させる為に苗植装置25をリフトすると、昇降制御感度が敏感側「4」に変わり、旋回後苗植装置25を下降させてセンターフロート32が接地し設定時間後(3秒後)に昇降制御感度が感度設定器13による設定値「5」に戻る。 【0025】従って、畦際で苗植装置25をリフトして機体を旋回させた後に苗植装置25を下降させて泥面に接地させて苗植付けを行なう時に、乗用型田植機の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢となっていても、この乗用型田植機の前部が少し浮きぎみの傾斜姿勢になっている間は昇降制御感度が敏感側になっているので、各センターフロート32・左右サイドフロート33・33前部にて泥土を押すことがなく、更に、所定時間経過後に乗用型田植機が所定の姿勢に戻った頃には、感度設定器13により設定された元の制御感度に戻るので、良好な苗の植付けが行なえる。 【0026】尚、タイマー58の設定時間は3秒に限ることはなく、機体が所定の姿勢に戻る時間に設定すれば良いから、機体の性能及び構成により適切な時間を設定すると良い。また、タイマー58による一定時間経過後に代えて、機体が一定距離走行したら感度を元に戻すものでも良く、更に、機体の姿勢が適正な姿勢(例えば、水平状態)に復帰したことを機体に水平センサーを設けて検出して、感度を元に戻すようにしても良い。 【0027】一方、苗植装置25のリフト及びセンターフロート32の接地を検知する手段として、センターフロート32の前部の上下位置を検出するセンターフロートセンサー49を用いたが、フィンガーレバー55の「上」「下」操作にて苗植装置25のリフト及びセンターフロート32の接地を判断しても良く(フィンガーレバー55を「上」操作すれば、必然的に所定時間後には苗植装置25は最上リフト位置となり、フィンガーレバー55を「下」操作すれば、必然的に所定時間後には苗植装置25のセンターフロート32は接地状態になる)、また、昇降リンク機構23の角度を検出するセンサーを設けて苗植装置25のリフトと苗植装置25のセンターフロート32が接地状態の苗植付け位置にあることを判断しても良い。 【0028】次に、ローリング制御機構59について説明する。60は縦枠27の上部に固設された電動モータであって、該電動モータ60の回転駆動軸61の先端に回動アーム62の基部を固着し、該回動アーム62の上端と前記植付伝動ケース29の左右部にその基部が固着された左右支持部材29a・29aの上部との間にバネ63・63が係着されている。もって、電動モータ60の回転駆動軸61の正逆転によって、回動アーム62がイ−ロ方向に揺動し、バネ63・63を介して苗植装置23を乗用型走行車体1に対してローリング作動できるようにしてある。 【0029】64は植付伝動ケース29の上部の機体左右方向中央位置に設けられた水平センサーであって、苗植装置23の水平に対する左右傾斜を電気信号の変動として検出し、機体正面視で水平時に3Vの電圧を出力し、右傾斜するほど出力電圧は5Vまで大きくなり、逆に、左傾斜するほど出力電圧は0Vまで小さくなる。そして、制御装置51のローリング制御手段にてこの水平センサー64の出力電圧に応じてローリング作動モータ65を正逆転制御して苗植装置23を水平に制御するようになっている。 【0030】ところが、乗用型田植機においては、苗植装置25の苗載台30が左右に往復移動して苗植付け作業が行なわれる為に、苗載台30が中央部に位置する時と右端に位置する時と左端に位置する時とでは、苗植装置25の重心が左右に大きく変動する為に、ローリング制御機構による制御が適正に行ない難い不都合があった。 【0031】そこで、制御装置51には、苗載台30の位置に応じてローリング制御感度を自動的に変更調節するローリング感度補正手段が設けられており、苗植付け精度の向上が図られるようになっている。このローリング感度補正手段について詳しく説明すると、図6に示すニュートラルゾーンは苗植装置23が水平から左右に傾斜してもローリング作動モータ65を駆動しない領域であり、例えば、苗載台30が中央部付近に位置するときは苗植装置23が水平から右傾斜(正面視で右側が低くなるような傾斜)して水平センサー64が3.5Vまでの電圧を出力してもローリング作動モータ65は駆動されず、出力電圧が3.5Vを超えて傾斜するとローリング作動モータ65を作動させて回動アーム62をロ方向に揺動させバネ63を介して苗植装置23の右側を引き上げて苗植装置23を水平方向に戻す。逆に、苗植装置23が水平から左傾斜(正面視で左側が低くなるような傾斜)して水平センサー64の出力電圧が2.5Vまで下がってもローリング作動モータ65は駆動されず、出力電圧が2.5Vよりも小さくまで傾斜するとローリング作動モータ65を作動させて回動アーム62をイ方向に揺動させバネ63を介して苗植装置23の左側を引き上げて苗植装置23を水平方向に戻す。 【0032】そして、ローリング感度補正手段が、苗載台30の左右位置を検出するポテンショメータより構成される苗載台位置検出手段66にて苗載台30が左端付近及び右端付近に移動していることを検出するとニュートラルゾーンを変更してローリング制御感度を補正する。即ち、苗載台30が左端付近に移動しているときは左傾斜側のニュートラルゾーンが狭くなり右傾斜側のニュートラルゾーンが広くなる。また、苗載台30が右端付近に移動しているときは右傾斜側のニュートラルゾーンが狭くなり左傾斜側のニュートラルゾーンが広くなる。 【0033】これは、苗載台30が左端付近及び右端付近に移動しているときは苗載台30の重みで、苗植装置23の苗載台30が移動している側が下がりぎみになっているが、前記のように苗載台30が移動して下がりぎみになっている側を上げる方向の制御が利き易くニュートラルゾーンを補正することにより、苗載台30の左右移動によるローリング制御の不安定さを解消できて、ローリング制御が適正に行なえ、良好な苗植付け作業ができる。 【0034】尚、上記の実施例においては、苗載台30が左端付近及び右端付近に移動しているときに左傾斜側のニュートラルゾーンと右傾斜側のニュートラルゾーンの両方を補正するようにしたが、図7に示すように、苗載台30が左端付近に移動しているときは左傾斜側のニュートラルゾーンのみが狭くなり、苗載台30が右端付近に移動しているときは右傾斜側のニュートラルゾーンのみが狭くなように補正しても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)8月5日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−46528 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−210662 |
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