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【発明の名称】 水田作業機の機体構造
【発明者】 【氏名】杉岡 昭弘

【氏名】田中 政一

【要約】 【課題】苗補給作業等の運転席回りでの作業の支障にならないようにしながら、比較的軽く、かつ、強度十分に日除けを構成する。

【解決手段】機体前部のボンネット22と、機体後部の苗植付装置6と、運転部7とを備え、ボンネット22の左右側壁22a部分に沿った状態で起立する左右一対の前支柱14a,14aと、運転席8の後側において起立する単一の後支柱15とを配備し、両前支柱14a,14aと後支柱15との三者の上部を連結して構成される支柱フレーム16の上部に、撥ね上げ式の日除け部材17,17を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部のボンネットと、機体後部の作業装置と、これらボンネットと作業装置との間に形成される運転部とを備え、前記ボンネットの左右側壁部分に沿った状態で起立する左右一対の前支柱と、運転席の後側において起立する単一の後支柱とを配備し、これら両前支柱と後支柱との三者の上部を連結して支柱フレームを構成するとともに、この支柱フレームの上部に日除け部材を備えてある水田作業機の機体構造。
【請求項2】 前記日除け部材を、下降揺動して前記運転部に対する日除けとなる作用姿勢と、上昇揺動して起立した乗降用姿勢とに切換え可能なものに構成してある請求項1に記載の水田作業機の機体構造。
【請求項3】 前記後支柱の上部における前側に、前記運転席に着座した運転者に作用する状態に配置されるヘッドレストを設けてある請求項1又は2に記載の水田作業機の機体構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機、直播機等の水田作業機の機体構造に係り、詳しくは、後部の作業装置に関する人為作業が行い易いように、後側の支柱を1本とした3本支柱式の日除けに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水田作業機の日除けとしては、先に出願した特願平9‐38960号に示された田植機のように、左右一対の前支柱から日除けを後方に延出した片持ち式のものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】田植機では、運転席の左右横位置に立っての苗補給作業を、圃場において比較的頻繁に行うものであり、後側の支柱の無い前記提案技術による日除けでは、運転席廻りに作業者の動きに邪魔となる物が存在しない点で好都合である。しかしながら、片持ち構造であるために、前支柱及び日除けには強い強度が必要であり、重量的には不利となる傾向にあった。
【0004】本発明の目的は、苗補給作業等の運転席回りでの作業の支障にならないようにしながら、比較的軽く、かつ、強度十分に日除け及びその支持部を構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、機体前部のボンネットと、機体後部の作業装置と、これらボンネットと作業装置との間に形成される運転部とを備え、ボンネットの左右側壁部分に沿った状態で起立する左右一対の前支柱と、運転席の後側において起立する単一の後支柱とを配備し、これら両前支柱と後支柱との三者の上部を連結して支柱フレームを構成するとともに、この支柱フレームの上部に日除け部材を備えてあることを特徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明において、日除け部材を、下降揺動して運転部に対する日除けとなる作用姿勢と、上昇揺動して起立した乗降用姿勢とに切換え可能なものに構成してあることを特徴とする。
【0007】第3発明は、第1又は第2発明において、後支柱の上部における前側に、運転席に着座した運転者に作用する状態に配置されるヘッドレストを設けてあることを特徴とする。
【0008】〔作用〕請求項1の構成によれば、前側の2本の支柱と後側1本の支柱によって、日除けを前後方向で両持ち状態に支持できるようになり、片持ち式のものに比べて夫々の支柱や日除けの軽量化が可能になるとともに、支持強度も向上するようになる。苗補給作業は、後輪フェンダ上等の運転席の横側方に位置して行うものであるから、運転席の後側に起立配備されている後側の支柱が苗補給作業時に邪魔となることが先ず生じないようになる。
【0009】又、直播機の場合における種籾の補給作業も、運転席の横位置において行うものであり、1本の後支柱が作業の妨げになり難い上記作用を発揮することができるものである。
【0010】請求項2の構成によれば、日除けを作用姿勢にすれば運転者に対する有効な日除け作用が得られるとともに、機体の高さを低く抑えることができて、倉庫への格納等に有効である。そして、起立した乗降用姿勢にすれば、運転部への乗り降りの際に日除けが邪魔になり難く、良好な乗降性が得られるようになるとともに、苗補給等の機上作業のときに日除けが邪魔になる可能性をより低くすることができる。加えて、その日除けの姿勢切換えを揺動によって行うので、平行移動やスライド移動させる手段に比べて比較的構造簡単に構成できるようになる。
【0011】請求項3の構成によれば、1本の後支柱は左右方向でほぼ中央に配置されることになるから、その後支柱の上部前側部分に単に取付けることによって運転姿勢にある運転者に対して作用するヘッドレストを装備することができる。つまり、後1本の支柱構造を利用して構造簡単にヘッドレストを装備でき、運転時の居住性を向上することができる。
【0012】〔効果〕請求項1〜3のいずれに記載の水田作業機でも、運転席の後側に1本の後支柱を配備しての支柱フレームの採用により、苗補給等の水田作業機故の機上作業に妨げとなることなく日除けの前後方向での支持強度を強化でき、日除け作用を損なうことなく軽量化や強度向上が図れる機体構造を提供できた。
【0013】請求項2に記載の機体構造では、日除けの揺動昇降による姿勢切換えにより、比較的簡単な構造としながら、良好な乗降性及び格納性と良好な日除け作用とが得られるものにできた。
【0014】請求項3に記載の機体構造では、運転時の居住性向上に寄与するヘッドレストを、1本の後支柱を利用して構造簡単に装備することができる利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に乗用型田植機が示され、1は操向前輪、2は駆動後輪、3はエンジン、4は前部ミッション、5は昇降リンク機構、6は苗植付装置(作業装置の一例)、7は運転部、8は運転席、9は施肥装置、10は苗載台、11は予備苗台、12はキャノピ、13は操縦ハンドルである。
【0016】図1,図2に示すように、キャノピ12は、U字状に曲げたパイプを下向きにして成る前フレーム14と、運転席8の直後に配置された後支柱15とから成る支柱フレーム16と、左右一対の日除け部材17,17とから構成されている。前フレーム14は、左右の前支柱14a,14aと横支柱部14bとを備えるとともに、後支柱15における前方に曲げられた支柱上部15aの前端を横支柱部14bにボルト連結して、3柱式の支柱フレーム16を構成してある。
【0017】図3,図4に示すように、左右の日除け部材17,17は側面視でやや前下がり形状であるとともに、機体の左右中心に位置する支柱上部15a脇の前後方向の各支点P回りで揺動昇降可能な撥ね上げ式に構成されている。すなわち、下降揺動すれば正面視でほぼ水平となって運転者の日除けとなる作用姿勢になり、上昇揺動すれば起立した乗降姿勢になり、頭部等が当たり難くなって乗り降りに適した状態にできる。又、フェンダ18後端に立っての苗載台10への苗補給作業を行う際にも日除け部材17を乗降姿勢にすれば邪魔にならずに済む。
【0018】支柱上部15aは、その後部の方を高くして運転席8に着座した状態での運転者の頭部上端とのクリアランスを十分に取ってあり、かつ、前部をやや低めとして有効な日除け効果を出している。前支柱14の上端部には、左右の前支柱14a,14aに跨がる状態のサンバイザ19と、左右中央に配置のバックミラー20とが装備されるとともに、後支柱15の前側上部にはヘッドレスト21を装備してある。
【0019】前支柱14a,14aは、ボンネット22の左右側壁22a,22a部分に沿った状態で起立するように、かつ、後支柱15は運転席8の後側において起立するように夫々機体フレームFに取付けられている。後支柱15の下部は機体フレームFにボルト止めされており、そのボルトと横支柱部14bへのボルトの操作により、後支柱15をこれ単品で取外すことが可能である。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−46525
【公開日】 平成11年(1999)2月23日
【出願番号】 特願平9−204198