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【発明の名称】 田植機の昇降制御機構
【発明者】 【氏名】小山 実

【氏名】井上 輝政

【要約】 【課題】走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角の検出精度を向上し、この検出値に基づいて植付部を昇降させる。

【解決手段】前記フロート34前部を伸縮部材によって弾性支持74し、該伸縮部材の伸縮量をセンサー71で検出し、伸縮量に応じて植付部を昇降させている。また、植付部15下部に検知部材を配置し、該検知部材60(63・64)を圃場の表面内に突入させて、圃場の表面の抵抗より圃場表面の硬度を検出し、この検出値に応じて昇降機構28を作動させるフロートの傾斜角度を変更させている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、前記フロート前部を伸縮部材によって弾性支持したことを特徴とする田植機の昇降制御機構。
【請求項2】 走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、前記フロート前部を伸縮部材によって弾性支持し、該伸縮部材の伸縮量をセンサーで検出し、伸縮量に応じて植付部を昇降させたことを特徴とする田植機の昇降制御機構。
【請求項3】 走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、前記植付部下部に検知部材を配置し、該検知部材を圃場の表面内に突入させて、圃場の表面の抵抗より圃場表面の硬度を検出し、この検出値に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させたことを特徴とする田植機の昇降制御機構。
【請求項4】 走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、前記フロートに羽根車を枢支し、該羽根車の外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて羽根車を回転させて、この回転数に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させたことを特徴とする田植機の昇降制御機構。
【請求項5】 走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、車速を検出する速度センサーを配し、前記フロートに羽根車を枢支し、該羽根車の外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて羽根車を回転させて、昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を、羽根車の回転数と走行速度に応じて変更したことを特徴とする田植機の昇降制御機構。
【請求項6】 走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、前記フロートに回転トルクの異なる二個の歯車を枢支し、各歯車外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて歯車を回転させて、両歯車の回転数の差に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させたことを特徴とする田植機の昇降制御機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機における植付部を植え付け面の凹凸に合わせて昇降機構を用いて昇降させ、前記凹凸を検出するセンサーの感度を植え付け面の硬度に合わせて調整する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、田植機の植付部を走行車の後部に昇降機構を用いて昇降自在に吊設し、前記植付部下部に形成した複数個の均平用のフロートの後部を枢支し、各フロートの前部を上下に回動可能に配し、各フロートの内で左右中央に配したセンタフロートに前下がりの傾斜を検出するセンサーを配置し、該センサーによる検出感度を硬度の硬い植え付け面においては、大きい凹凸のみを検出するようにセンサーを鈍感に合わせて、硬度の軟らかい植え付け面においては、小さい凹凸も検出することができるように敏感に合わせていた。また、前記センサーの感度は、オペレータによって手動で植え付け面に合わせるように切り換え操作が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の手動によって感度を合わせるには、大区画化による条件(表面硬度、凹凸等)等の多様化に対応して、感度変更の頻度が増え、圃場条件に対応して、常に適正な感度調整をオペレエータが行うのは不可能にちかいという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、走行車に昇降自在に植付部を装着し、該植付部下部にフロートを枢支し、フロートの傾斜角に応じて植付部を昇降させる構成において、前記フロート前部を伸縮部材によって弾性支持している。また、前記フロート前部を伸縮部材によって弾性支持し、該伸縮部材の伸縮量をセンサーで検出し、伸縮量に応じて植付部を昇降させている。また、前記植付部下部に検知部材を配置し、該検知部材を圃場の表面内に突入させて、圃場の表面の抵抗より圃場表面の硬度を検出し、この検出値に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させている。また、前記フロートに羽根車を枢支し、該羽根車の外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて羽根車を回転させて、この回転数に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させている。また、車速を検出する速度センサーを配し、前記フロートに羽根車を枢支し、該羽根車の外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて羽根車を回転させて、昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を、羽根車の回転数と走行速度に応じて変更させている。また、前記フロートに回転トルクの異なる二個の歯車を枢支し、各歯車外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて歯車を回転させて、両歯車の回転数の差に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させている。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は乗用田植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は植付部の昇降機構を示す側面図、図4は本発明の植付部の昇降制御機構のブロック図、図5は感度の調整構成を示す説明図、図6は圃場の硬度を検出する検知部材を配したセンタフロートの平面図、図7は同じく側面図部分断面図、図8は硬度を検出する検知部材の第二実施例を配したセンタフロートの平面図、図9は検知部材としての歯車の側面図、図10は歯車の断面図、図11は検知部材としての歯車の側面図、図12は歯車の断面図、図13は感度調整機構のブロック図、図14はセンタフロートの傾斜を検知する第一実施例の側面図、図15は同じく後面断面図、図16は硬度を検出する検知部材の第三実施例の側面図、図17はセンタフロートの傾斜を検知する第三実施例の側面図、図18はセンタフロートの傾斜を検知する第二実施例の側面図、図19は第二実施例の検知部材の側面図である。
【0006】まず、電子ガバナー機構を搭載型走行車として本実施例において乗用田植機が用いられている。該乗用田植機は、図1、図2に示すように構成されている。作業者等が搭乗する走行車の機体フレーム3前部上方に電子ガバナー機構付エンジンEを搭載し、機体フレーム3後部にミッションケース4を配している。前記ミッションケース4の前方にフロントアクスルケース5を介して前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4の後部にリヤアクスルケース7を連設し、該リヤアクスルケース7に後輪8を支持させる。そして、前記エンジンEを覆うボンネット9の側上方に予備苗載台10・10を配設し、ステップ11を介して作業者等が搭乗する車体カバー2によって前記ミッションケース4等を覆い、前記車体カバー2上部に運転席13を取り付け、該運転席13の前方の前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を配設している。
【0007】また、植付部15は六条植え用の苗載台16や複数の植付爪17等から構成されており、前高後低に配設した苗載台16を下部レール18及びガイドレールを介して植付ケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転するロータリーケース21を前記植付ケース20に回転自在にさせ、該ロータリーケース21の回転軸芯を中心にして対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、該爪ケース22・22の先端に植付爪17・17を固設する。
【0008】また、図3に示すように、前記植付ケース20の前部に支持フレーム24を設け、トップリンク25及びロワーリンク26を含むリンク機構27を介して作業車後部に連結し、前記リンク機構27を介して植付部15を昇降させる昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結している。そして、前記前輪6・6及び後輪8・8を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動可能な苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取り出し、連続的に苗植え作業を行うように構成している。
【0009】また、前記リンク機構27のロワーリンク26前端部に、アーム121が固定され、一方、機体フレーム3後部上にポテンショメーター等からなる角度センサー120が設けられ、該角度センサー120のセンサーアーム120a先端の長孔が前記アーム121と連結されている。この角度センサー120を図4に示すように、コントローラCに接続し、植付部15の高さを検知し、植付部15の昇降位置を確認することもできる。
【0010】また、前記運転席13等が設置された運転部には走行変速レバー29、植付け昇降兼作業走行変速用の副変速レバー30、植付け感度調節レバー31、主クラッチペダル32、左右ブレーキペダル33・33が配設され、前記植付部15下部には均平用センタフロート34、均平用サイドフロート35が配設され、前記運転席13後方には六条用の施肥部36が配設されている。前記ボンネット9には、アクセルレバー1が配設されている。
【0011】次に、前記植付部15を自動的に昇降させる構成について説明する。図5に示すように、前記植付部15は、圃場の表面の凹凸を検出し、昇降シリンダ28を伸縮させることでリンク機構27を介して植付部15を昇降させていた。圃場の表面の凹凸を検出する構成として、傾斜検出手段をセンタフロート34に配設している。前記センタフロート34の後部上面にブラケット90を設け、前記植付ケース20に回動自在に支持する植付深さ調節支点軸91に、植付深さ調節リンク92の基端を固設し、該植付深さ調節リンク92先端に前記ブラケット90を支点軸93を介して枢支して、センタフロート34を回動自在に支持している。
【0012】そして、前記植付ケース20側に固定支持する支軸94にリンク95の中間を回動自在に枢支し、前記植付深さ調節支点軸91に基端を固設したアーム96の先端に前記リンク95の後部を枢結している。該植付深さ調節支点軸91には植深レバー85を固設して植付深さを設定できるようにしている。また、前記リンク95前端には係合ピンを設けてセンサーリンク98の長孔内に挿入されている。該センサーリンク98の下端はセンタフロート34前部に枢支されている。
【0013】前記センサーリンク98の上端にはセンサーワイヤー99のアウターワイヤー99aが連結され、インナーワイヤー99bはリンク95の係止ピンに連結されている。該アウターワイヤー99aの他端は前記植付感度調整レバー31と連結され、インナーワイヤー99bの他端はアーム87と連結され、該アーム87は昇降バルブ86のスプールに当接させている。該昇降バルブ86を介して圧油が前記昇降シリンダ28に送油されている。よって、植付感度調整レバー31を後方に倒すとインナーワイヤー99bの弛みが少なくなり、センタフロート34の少しの上昇で昇降バルブ86が上昇側に切り換えられて感度が上げられている。植付感度調整レバー31を前方に倒すと前記と逆にインナーワイヤー99bの弛みが大きくなり、センタフロート34の少しの上昇に反応することがなく、感度が鈍くなるようにしている。前記植付感度調整レバー31基部には、レバー位置を検出する位置センサー31aが配設され、該位置センサー31aが図4に示すように、コントローラCに接続されている。
【0014】更に、前記植付感度調整レバー31基部にセクタギヤ82を固設している。該セクタギヤ82にはギヤ81を介して感度補正モータ80が連動されている。該感度補正モータ80が図4に示すように、リレーを介してコントローラCに接続されている。この場合には、コントローラCに、予め圃場表面の硬度に対する植付感度調整レバー31の位置をマップとして記憶させている。このマップには、圃場表面の硬度が硬い場合には、感度補正モータ80を駆動してレバー31が前方傾倒され、感度を鈍感にしている。圃場表面の硬度が軟弱な場合には、感度補正モータ80を駆動してレバー31が後方傾倒され、感度を敏感にしている。
【0015】そして、圃場表面の硬度を検出する第一実施例として図6、図7に示すように構成されている。センタフロート34の前後中央部に配置口34aが開口され、該センサー配置口34a内に検知部材として羽根車60が配設されている。該羽根車60の回動軸60aは、配置口34aの左右側面に軸支されている。前記回動軸60aの外周面には複数個の羽根が半径方向に固設されている。前記羽根車60の羽根はセンタフロート34底面より下方に突出され、センタフロート34によって圃場の表面を均平させた場合に、羽根車60の羽根を圃場の表面内に突入させている。また、前記回動軸60aの一端には回転数センサー61が配設されている。該回転数センサー61が図4に示すように、コントローラCに接続されている。
【0016】よって、前記センタフロート34を圃場の表面に沿って進行させると、圃場の表面の泥が羽根に当たり羽根車60を回動させているが、この羽根車60の回転数は羽根車60の羽根が受ける泥の抵抗によって増減される。圃場の表面の硬度が硬い場合には、羽根車60に大きな抵抗を与えて羽根車60を高回転で回転させている。これとは逆に、圃場の表面の硬度が軟弱である場合には、羽根車60に与える抵抗が小さくなっており、羽根車60を低回転で回転させている。即ち、圃場の表面の硬度が硬く、センタフロート34の進行速度が早い程、羽根車60に与える抵抗が大きくなり、羽根車60が高回転が回転され、圃場の表面の硬度が軟弱で、センタフロート34の進行速度が遅い程、羽根車60が低回転で回転される。
【0017】また、図1に示すように、前記後輪8の車軸には、速度センサー113が配設され、走行速度が検出されている。該速度センサー113も図4に示すようにコントローラCに接続されている。前記速度センサー113と回転数センサー61とは同一のロータリエンコーダ等より構成されている。そして、前記コントローラCによって、図13に示すように制御されている。前記昇降シリンダ28を伸縮させるリンク機構27に配設した角度センサー120によって植付部15が作業位置に配置されていることを検出する。次に、前記速度センサー113の検出値に対して回転数センサー61の検出値の割合を演算することで、車速に対しての羽根車60の回転数の割合が比較され、この比較した割合によって圃場の表面の硬度が判断される。
【0018】前記コントローラCによって、圃場の表面の硬度が判断されると、続いてコントローラCに予め記憶した圃場表面の硬度に対する感度調整レバー31の位置に基づいて、感度調整レバー31の位置が決定される。次に、前記感度補正モータ80が駆動される。該感度補正モータ80を駆動して感度調整レバー31が回動され、該感度調整レバー31の回動位置を位置センサー31aによって判断している。決定された適正位置まで感度調整レバー31が回動されたことを検知すると、感度補正モータ80の駆動が停止され、インナーワイヤー99bの弛みが調整制御される。
【0019】そして、圃場表面の硬度を検出する第二実施例として図8に示すように構成されている。前記センタフロート34の左右両側の前後途中位置に検知部材としての歯車63・64が配設されている。該歯車63・64の回転軸63a・64aがセンタフロート34側面に軸支されている。該歯車63・64の外周面を形成する歯は、センタフロート34底面より下方に突出されている。
【0020】また、左右の前記歯車63・64の内一側の歯車63は、図9、図10に示すように歯数が多く形成され、さらに歯幅も大きく形成されている。圃場の表面内に該歯車63の歯を突入させると、歯車63の歯によって圃場の泥等の抵抗を大きく受けることができ、歯車63を高速で回転させている。また、他方の歯車64は、図11、図12に示すように歯車63の歯数より少なく形成し、さらに歯車64の歯幅が先端側を細くした先細に形成されている。該歯車64の歯を圃場の表面内に突入させると、圃場の泥等より受ける抵抗を少なくしている。従って、前記センタフロート34を進行させると、歯車63は大きな抵抗を受けて高速で回転されるのに対し、歯車64は小さな抵抗を受けており低速で回転される。
【0021】前記歯車63と歯車64との回転数の差は、圃場の表面の硬度が硬い場合には、回転数に差は生じることはないが、圃場の表面の硬度が軟らかくなってくると、回転数の差が大きくなっている。更に、この回転数の差は、センタフロート34の進行速度に応じて変わるもので、高速で進行する程、回転数の差が大きくなっている。
【0022】また、前記回転軸63a・64aの端部は各々回転センサー65・66に接続されている。該回転センサー65・66は、図4に示すようにコントローラCに接続されている。
【0023】更に、前記コントローラCには、前述した後輪8等の車軸に配した速度センサー113による検出値が入力されている。コントローラCに、前記回転センサー65・66からの出力値が入力され、前記速度センサー113からの出力値が入力され、現時点の走行速度と、左右の歯車63・64の回転数の差より圃場面の硬度を判断している。この判断結果に基づいて前述したように、感度補正モータ80を駆動し、感度調節制御が行われている。
【0024】尚、前記歯車63・64を異なる形状にして、圃場の表面より受ける抵抗を異なるように構成しているが、同形状の歯車63・64を用い、何方か一方の歯車63・64の回転軸63a(64a)に、予め抵抗を設けて、圃場面から歯車63・64が同じ抵抗を受けても、歯車63・64の回転数に差が生じる構成にすることもできる。
【0025】また、圃場表面の硬度を検出する第三実施例として図16に示す傾斜センサー67を用いることもできる。該傾斜センサー67は、検知部材としての重り体68と一体的に吊設されている。該重り体68は、円錐形に形成され、頂部を下方に向けて吊設し、円錐の底面を上方に向け、この底面に傾斜センサー67を載置したものである。前記重り体68はアーム69を用いて植付部15若しくはセンタフロート34より吊設され、重り体68頂部を圃場の表面内に突入させたものである。前記傾斜センサー67は、図4に示すようにコントローラCに接続されている。
【0026】前記重り体68は、走行車の走行に伴われて進行し、圃場の表面より抵抗を受け、図16の二点鎖線68’のように傾斜して進行されている。この重り体68の受ける抵抗は、圃場の表面の硬度によって変化し、硬度が硬い場合には抵抗が大きくなり、重り体68の傾斜が大きくなっている。硬度が軟らかい場合には抵抗が小さくなり、重り体68の傾斜が小さくなっている。この傾斜を前記傾斜センサー67によって検出し、コントローラCに出力している。
【0027】更に、前記コントローラCには、前述した後輪8等の車軸に配した速度センサー113による検出値が入力されている。コントローラCに、前記傾斜センサー67からの出力値が入力され、前記速度センサー113からの出力値が入力され、現時点の走行速度と、重り体68の傾斜角度より圃場面の硬度を判断している。この判断結果に基づいて前述したように、感度補正モータ80を駆動し、感度調節が行なわれている。
【0028】この第一実施例、第二実施例、第三実施例に示した検知部材を用いて圃場の表面の硬度を検出し、この検出値に対して感度調整レバー31を自動制御を行うことで、オペレータは圃場の硬度の状態を把握する必要がなくなり、オペレータの負担が低減されている。また、手動により感度調整を行うことなく、植付部を圃場の状態に合わせて適切に昇降させることができ、正確な植付け作業を行うことができる。
【0029】また、前記植付部15を昇降する昇降シリンダ28は、前記昇降バルブ86によって圧油の送油方向が切り換えられていた。前記昇降バルブ86では、センサーワイヤー99を介してセンタフロート34の前下がり傾斜が検出されていた。そして、本発明においては、前記昇降バルブ86のソレノイドを図4に示すようにコントローラCに接続している。該コントローラCに、センタフロート34の傾斜角度を検出する手段を接続し、センタフロート34の傾斜に応じて、コントローラCを用いて昇降バルブ86を伸縮し、植付部15を昇降制御している。
【0030】前記センタフロート34の傾斜角度を検出する別形態の第一実施例として、図14、図15を用いて説明する。前記リンク95の前端部にセンサーリンク98の代わりに、伸縮部材70を配設している。該伸縮部材70は、ロッド70aと該ロッド70aを伸縮自在に遊嵌する筒部70bより成り、筒部70b内に図示せぬ付勢部材を介在してロッド70aを伸長する側に付勢しており、伸縮部材70がダンパーの如く構成されている。そして、前記伸縮部材70の筒部70b端部をリンク95先端部に枢支し、ロッド70a端部をセンタフロート34前部に枢支している。センタフロート34を圃場表面に沿って進行させて、表面が凸凹している場合には、伸縮部材70を伸縮し、センタフロート34が傾斜される。
【0031】また、前記伸縮部材70の直後方に角度センサー71が配設されている。該角度センサー71は、センタフロート34上面にステー72を立設し、該ステー72側面に角度センサー71を固設したものである。該角度センサー71のセンシングアームを筒部70b底面に当接させている。従って、伸縮部材70を収縮させながら、センタフロート34前部を上方に回動させると、角度センサー71も一体的に上昇され、センシングアームが筒部70b底面に当接しながら下方に回動されている。前記角度センサー71によって伸縮部材70の伸縮が検出されている。
【0032】また、前記角度センサー71は、図4に示すようにコントローラCに接続されている。前記角度センサー71によって、伸縮部材70の伸縮量をコントローラCに出力し、該コントローラCによって、センタフロート34の傾斜角度が演算される。該コントローラCによって、センタフロート34の傾斜角度が一定の範囲以上に回動されたと判断すると、前記昇降バルブ86のソレノイドを励磁して昇降シリンダ28を伸縮させて、植付部15を所定の位置まで昇降させている。該植付部15が昇降され、センタフロート34がもとの傾斜角度に戻ったことを角度センサー71によって検出されると、昇降バルブ86のソレノイドを励磁し、昇降シリンダ28の駆動を停止し、植付部15の昇降を所定位置で停止させる昇降制御が行われる。尚、前述したリンク機構27に配した角度センサー120によって植付部15の高さを検知し、植付部15の昇降位置を確認し、昇降シリンダ28の駆動を停止することもできる。
【0033】また、前記センタフロート34の傾斜角度を検出する別形態の第二実施例として、図18、図19を用いて説明する。第二実施例においては、前記リンク95の前端部にセンサーリンク98を介してセンタフロート34前部を吊設している。前記リンク95の後部に、ステー73上部を枢支し、該ステー73下部に位置検出用センサー74を固設している。
【0034】該位置検出用センサー74は、センシングロッド74aと該センシングロッド74aを伸縮自在に収納する収納部74bより構成されている。前記収納部74b底面とセンシングロッド74a先端部との間にスプリング75が巻回され、センシングロッド74a下部を下方に付勢している。前記位置検出用センサー74は、センシングロッド74aの伸縮量を検出することで、センシングロッド74a先端部が当接される対象物の移動量を検出している。更に、前記収納部74b下部の外周面にはネジ溝が穿設され、該ネジ溝内の一定位置が前記ステー73に係合され、位置検出用センサー74の上下位置が調整される。
【0035】前記ステー73に、位置検出用センサー74を固定する際には、センシングロッド74aの下端をセンタフロート34上面に当接し、センシングロッド74aを若干量で収縮する位置で位置検出用センサー74をステー73に固定している。そして、前記センタフロート34前部が回動されると、位置検出用センサー74のセンシングロッド74aが伸縮されることで、センタフロート34の傾斜角度が判断される。この傾斜角度が一定の範囲以上に回動されたと判断すると、前記昇降バルブ86のソレノイドを励磁して昇降シリンダ28を伸縮させて、植付部15を所定の位置まで昇降させている。
【0036】また、前記センタフロート34の傾斜角度を検出する別形態の第三実施例として、図17を用いて説明する。第三実施例においては、前輪6・6と後輪8・8との間の走行車の腹部の、左右中央位置にセンタフロート34’を配設している。前記機体フレーム3の前後途中部より略下方に支持アーム76と突出し、該支持アーム76下部に回動アーム77を枢支している。一方、前記センタフロート34の前後略中央の重心位置にブラケット90が立設され、ブラケット90上部の支点軸93を固設し、該支点軸93に前記回動アーム77が枢支されている。
【0037】また、前記支持アーム76下部にポテンショメータ等よりなる角度センサー123が配設され、該角度センサー123のセンシングアーム123aを回動アーム77に設けた長孔に連結している。
【0038】そして、前記センタフロート34が圃場の表面の凹凸によって上下動されると、回動アーム77が回動し、角度センサー123によって回動アーム77の回動量が検出され、この回動量をセンタフロート34’の浮上量としている。この回動量が一定範囲より越えると、即ち、センタフロート34’の浮上量が一定範囲より回動されると、一定時間後に前記昇降バルブ86のソレノイドを励磁して昇降シリンダ28を伸縮させて、植付部15を所定の位置まで昇降させている。
【0039】前記センタフロート34を機体の腹部に配置する構成にすることで、植付部15の前方位置で圃場面の凹凸を検出することができ、凹凸を検出してから昇降シリンダ28を駆動させて、植付部15を適正位置まで昇降させるまでのタイムラグをなくすことができる。更に、植付部15に配設する複数のフロートの内でセンタフロート34を配設することがない構成とすることができ、植付部15の重量を低減することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載するように、植付部下部にフロートを枢支し、フロート前部を伸縮部材によって弾性支持したことによって、車輪によるわだち等によってフロートが傾斜されることがなく、フロートによって圃場面を均平している。該フロートは、植付部を昇降させる為に必要な圃場面の凹凸のみ傾斜し、圃場面の凹凸を正確に検出して、植付部を昇降させることができ、昇降機構を誤作動させることのなく、正確な植付け作業を行うことができる。
【0041】また、請求項2記載の如く、フロート前部を伸縮部材によって弾性支持し、該伸縮部材の伸縮量をセンサーで検出し、伸縮量に応じて植付部を昇降させたことで、植付部を昇降させる圃場面の凹凸量を正確に検出することができ、検出の精度が向上され、圃場面に合わせて正確な植付け作業を行うことができる。
【0042】また、請求項3記載の如く、植付け作業時に圃場の表面から検知部材に抵抗が生じ、その抵抗を検出することで、圃場の表面の硬度を検出することができ、該硬度に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を自動的に変更させることができ、オペレータによって圃場の硬度の状態を把握する必要がなくなり、オペレータの負担を低減すると同時に、オペレータは手動により感度調整を行うことなく、植付部を圃場の状態に合わせて適切に昇降させることができ、正確な植付け作業を行うことができる。
【0043】また、請求項4記載の如く、フロートに羽根車を枢支し、該羽根車の外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて羽根車を回転させて、この回転数によって、圃場の表面の硬度を検出することができ、この回転数に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させており、オペレータによって圃場の硬度の状態を把握する必要がなくなり、オペレータの負担を低減すると同時に、オペレータは手動により感度調整を行うことなく、植付部を圃場の状態に合わせて適切に昇降させることができ、正確な植付け作業を行うことができる。
【0044】また、請求項5記載の如く、フロートに羽根車を枢支し、該羽根車の外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて羽根車を回転させて、該回転数より圃場の表面の硬度を演算し、この演算値を車速を検出する速度センサーの値によって補正し、圃場の表面の硬度が走行速度に合わせた正確なものとなり、昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度の変更をさらに正確に行うことができる。従って、オペレータによって圃場の硬度の状態を把握する必要がなくなり、オペレータの負担を低減すると同時に、オペレータは手動により感度調整を行うことなく、植付部を圃場の状態に合わせて適切に昇降させることができ、正確な植付け作業を行うことができる。
【0045】また、請求項6記載の如く、前記フロートに回転トルクの異なる二個の歯車を枢支し、各歯車外周端部を圃場表面内に突入させて、圃場表面から抵抗を受けて歯車を回転させて、両歯車の回転数の差より、圃場の表面の硬度を検出することができ、この回転数の差に応じて昇降機構を作動させるフロートの傾斜角度を変更させており、オペレータによって圃場の硬度の状態を把握する必要がなくなり、オペレータの負担を低減すると同時に、オペレータは手動により感度調整を行うことなく、植付部を圃場の状態に合わせて適切に昇降させることができ、正確な植付け作業を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−42006
【公開日】 平成11年(1999)2月16日
【出願番号】 特願平9−201118