| 【発明の名称】 |
田植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 伊佐男
【氏名】仲 弘和
【氏名】渡部 一郎
【氏名】名本 学
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| 【要約】 |
【課題】最外側のフロートの形状を変更しても、フロート支持アームによるフロートの支点位置が変わらず、フロートを安定状態で支持できるようにする。
【解決手段】左右並列に配置された複数のフロート70,70,71,71が左右方向の軸75回りに回動自在なフロート支持アーム76,…の先端側に支持されたフロート取付脚77,…にそれぞれ取り付けられている田植機において、前記フロート支持アーム76,…による前記フロート取付脚77Cの支持位置と当該フロート取付脚77Cのフロート取付位置とを互いに前後にずらした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右並列に配置された複数のフロートが左右方向の軸回りに回動自在なフロート支持アームの先端側に支持されたフロート取付脚にそれぞれ取り付けられている田植機において、前記フロート支持アームによる前記フロート取付脚の支持位置と当該フロート取付脚のフロート取付位置とを互いに前後にずらしたことを特徴とする田植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、田植機におけるフロート支持部の構造に関する。 【0002】 【従来の技術】植付部の前側に耕起装置が設けられ、耕起されていない圃場を耕起装置で地面を適当幅だけ耕起し、その耕起跡に苗を植付ける田植え方法か、耕起装置を作動させず、予め耕起、代掻等がされている圃場に苗を植付ける田植え方法かのいずれかを選択して行える田植機が開発されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この種の田植機において、前者の方法で田植え作業を行う場合は、圃場に張られた水に泥があまり含まれず、機体の進行に伴いフロートによって外側に押される水が隣接する既植条の苗に与える影響が少ないので、整地性を重視して最外側のフロートは最外側の植付条よりも外側に張出した形状であるのがよい。これに対し、後者の方法で田植え作業を行う場合は、圃場に張られた水が泥状となっており、この泥水が既植条の苗側に押されると苗を押し倒すことがあるので、最外側のフロートが泥水をあまり既植条の苗側に押さないように、最外側のフロートは最外側の植付条よりも必要以上に外側に張出していない形状であるのがよい。このように、田植え作業の形態に応じて最外側のフロートをそれに適した形状に変更するのが望ましい。 【0004】ところで、各フロートは、左右方向の軸回りに回動自在なフロート支持アームの先端側に支持されたフロート取付脚にそれぞれ取り付けられ、フロート支持アームを回動させることにより機体に対する高さを調節するようになっている。各フロートが同量だけ高さ調節されるためには、フロート支持アームによる各フロートの支点を側面視で同位置に設けなければならない。本発明は、前記の如く田植え作業の形態に応じて最外側のフロートの形状を変更しても、フロート支持アームによるフロートの支点位置が変わらず、フロートを安定状態で支持できるようにすることを課題としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる田植機は、左右並列に配置された複数のフロートが左右方向の軸回りに回動自在なフロート支持アームの先端側に支持されたフロート取付脚にそれぞれ取り付けられている田植機において、前記フロート支持アームによる前記フロート取付脚の支持位置と当該フロート取付脚のフロート取付位置とを互いに前後にずらしたことを特徴としている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。この田植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して植付部4が昇降可能に装着され、その植付部4の前側にこれと一体に昇降するように耕起装置5が設けられている。 【0007】走行車体2は、各左右一対の前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車両である。機体の前部に配したミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、その前輪ファイナルケース13,13の下部から外向きに突出する前輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にはメインフレーム15の前端部が固着され、そのメインフレーム15の後端左右中央部に回動中心としてローリング自在に設けられた後輪ギヤケース17,17から外向きに突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられている。メインフレーム15の上にエンジン20は搭載され、そのエンジン20の上側に座席21が設置されている。座席21の前方には、左右の前輪10,10を操向操作する操向ハンドル23が設けられている。 【0008】昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク30と左右一対の下リンク31,31を備えている。これらリンク30,31,31は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設したリンクベースフレーム32に回動自在に取り付けられ、その先端部にリンク側ヒッチ33が連結されている。リンク側ヒッチ33に着脱可能に装着される植付部側ヒッチ34と一体に連結枠35が設けられ、該連結枠に植付部4から前方に突出するローリング軸36の前端部を連結されている。これにより、植付部4は進行方向に対してローリング自在に支持される。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク30に一体形成したスイングアーム37の先端部との間に昇降用油圧シリンダ38が介装されており、該シリンダを油圧で伸縮作動させることにより、上リンク30が上下に回動し、植付部4及び耕起装置5がほぼ一定姿勢のまま昇降する。油圧シリンダ38は、走行車体2の後部に設けた油圧バルブ39により伸縮制御される。 【0009】植付部4は6条植えの構成となっていて、フレームを兼ねる伝動ケース40、公知構成の苗載台41、植付装置42,…等を備えている。伝動ケース40には、植付伝動軸43を介して走行車体2から動力が伝達される。苗載台41の上に苗を載せて植付部各部を駆動すると、苗載台41が左右に往復動して苗受板41aに形成された苗取口に苗を1株づつ供給し、その苗を植付装置42,…が圃場表土面に植え付ける。苗載台41が左右行程の端部まで移動すると、苗送りベルト41b,…が作動して台上の苗を下方へ移送する。なお、符号44は苗載台41を支持する苗載台支持フレームである。 【0010】耕起装置5は、左右水平な耕起装置フレーム50を備え、その耕起装置フレームの左右中心から左側にずれた位置に、走行車体2から耕起装置伝動軸51を介して動力が伝達されるチェーンケース52が固定して設けられている。チェーンケース52の下端部から左右に突出する耕起駆動軸54にカップリング55,55を介して回転軸56,56の内端部が連結され、該回転軸の各植付条PL1〜PL6に対応するそれぞれの位置に、4枚づつの耕起爪57,…が互いに90度の間隔で放射状に取り付けられている。回転軸56,56の外端部近くは、耕起装置フレーム50に垂設した軸受部材58,58によって回転自在に支承されている。耕起爪57,…の先端部が表土部に没入する状態で回転軸56,56を回転させると、植付装置42,…による苗移植に先行して表土部を苗移植に必要幅分耕起する。 【0011】回転軸56,56の耕起爪57,…が設けられていない部分には、回転軸56,56への藁等の巻付きを防止するためのローラ60,…が遊転状態で回転軸56,56に嵌合している。また、カップリング55,55には、外周部が側面視で歯車状に形成され、チェーンケース52に藁等が巻きつくのを防止する円板61,61が一体に取り付けられている。さらに、耕起装置フレーム50には、耕起爪57,…よって後方に跳ね上げられる泥や土が後記フロート70,70,71,71にかからないように、耕起爪57,…の上方部から後方部にかけてを覆うカバー62が取り付けられている。このカバー62の下端部には、作業時においてその下端が表土面に接地するように設けた均平ゴム62bが取り付けられている。 【0012】耕起装置フレーム50は、伝動ケース40に基部側を枢着した平行リンク装置63,63の先端側に連結されており、前記苗載台支持フレーム44に固定したマスト64の先端部に設けた横フレーム65に伸縮可能な吊下げロッド66で吊られている。左右片側(図示例では右側)の横フレーム65と耕起装置フレーム50の間には、平行リンク装置63,63のガタ等による耕起装置フレーム50の左右バランスのくずれを防止する引張りスプリング67が張設されている。耕起装置昇降ハンドル68を回して吊下げロッド66を伸縮させることにより、植付部4に対して耕起装置5が昇降する。 【0013】植付部4の下側には、機体の進行に伴って圃場面上を滑走し苗植付け前の圃場面を整地するセンターフロート70,70とサイドフロート71,71が左右並列に設けられている。センターフロート70は、前後に長い条間整地部70aの左右両側に植付条整地部70b,70bが形成されており、中央の植付条PL2,3(或はPL4,5)を整地するようになっている。サイドフロート71は、前後に長い内側条間整地部71aと外側条間整地部71bの間に植付条整地部71cが形成されており、左右最外側の植付条PL1(或はPL6)を整地するようになっている。サイドフロート71は、外側条間整地部71bと植付条整地部71cの境界部で分割され、必要に応じて外側条間整地部71bを取り外せるようになっている。また、センターフロート70,70の前部同士が連結板72で連結され、その連結板72にセンターフロート70,70の間に位置する表土面を均すレーキ73が取り付けられている。 【0014】伝動ケース40の下部に左右方向の植付深さ調節軸75が軸心回りに回動自在に支持されており、この軸と一体に設けたフロート支持アーム76,…の後端部が、フロート上面に固着して取り付けたフロート取付脚77(A,B,C),…に枢支ピン78,…によって回動自在に連結されている。よって、各フロートは表土面の凹凸に応じて前部が上下に回動するよう支持されている。植付深さ調節レバー79を操作して植付深さ調節軸75を回動させることにより、各フロートの植付部4に対する取付高さが変更され、それにより苗の植付深さが調節される。植付深さ調節レバー79の操作位置は、植付深さレバーガイド80によって複数段階に固定できるようになっている。 【0015】各フロートは、左右傾斜方向のガタつきが生じないように、左右一対のフロート支持アーム76,76に支持されている。センターフロート70を支持するフロート支持アーム76,76は互いに平行に真っ直ぐ後方へ延出しており、その後端部が条間整地部70aの後部に取り付けたフロート取付脚77Aの左右両端部にそれぞれ連結されている。サイドフロート71を支持するフロート支持アーム76,76は、内側のものは真っ直ぐ後方へ延出し、外側のものは斜め外向きに後方へ延出しており、前者の後端部が内側条間整地部71aの後部に取り付けたフロート取付脚77Bに連結され、また後者の後端部が植付条整地部71cに取り付けたフロート取付脚77Cに連結されている。フロート取付脚77Cは、フロート取付基部から外方に延びてから後方に屈曲する平面視L形をしており、その後端部にフロート支持アーム76との連結部が設けられている。これにより、各フロート支持アーム76,…と各フロート取付脚77,…の連結位置は側面視で同位置に設定されている。このため、フロートの取付高さを変更する場合に、各フロートが同量だけ取付高さが変更される。 【0016】伝動ケース40に固着のリンク支持ステー83に回動自在に支持された上リンク84と下リンク85の前端部に植付部側ワイヤステー86が取り付けられており、そのワイヤステー86の上端部に植付部対地制御用感知ワイヤ87のアウタ87aの植付部側端部が取り付けられている。また、上リンク84とワイヤステー86を連結するピン89にはカウンタアーム90が回動自在に取り付けられ、その後端部と前記センターフロート連結板72とが連結リンク92で連結されている。そして、カウンタアーム90の前端部に、感知ワイヤ87のインナ87bがスプリング93を介して繋いである。一方、リンクベースフレーム32に固着のブラケット94にバルブ側ワイヤステー96が取り付けられており、そのワイヤステー96に感知ワイヤ87のアウタ87aのバルブ側端部が取り付けられ、またインナ87bが油圧バルブ39のスプール39aを作動させるアーム96に接続されている。 【0017】よって、表土面の凹凸に応じて上下に回動するセンターフロート70,70の動きが感知ワイヤ87を介して油圧バルブ39に伝えられ、油圧バルブ39が適宜切り替えられる。例えば、表土面が高くなってセンターフロート70,70の前部が押し上げられると、油圧バルブ39が油圧シリンダ38を伸ばす側に切り替わり、植付部4及び耕起装置5を上昇させる。逆に、表土面が低くなってセンターフロート70,70の前部が沈み込むと、油圧バルブ39が油圧シリンダ38を縮める側に切り替わり、植付部4及び耕起装置5を下降させる。このように、表土面の高低変化に応じて植付部4及び耕起装置5を昇降制御することにより、苗の植付深さと耕起深さを常に一定に維持する。 【0018】バルブ側ワイヤステー95はブラケット94に前後に回動自在に取り付けられており、ノブ97で操作するワイヤステー側のピンをブラケット94と一体のプレート98に穿孔された2個の孔のいずれか挿入することにより、ワイヤステー95の位置を前側位置と後側位置とに変更できるようになっている。図5(a)において実線で示すように、ワイヤステー95が前側位置にある場合は、センターフロート70,70の向い角(水平面に対するフロートの角度)が大きくなり、前記昇降制御の感度が敏感となる。また、同図において鎖線で示すように、ワイヤステー95が後側位置にある場合は、向い角が小さくなり、昇降制御の感度が鈍感となる。 【0019】さらに、リンク支持ステー83と上リンク84を連結するピン100にはアーム101が固着されていて、このアーム101と植付深さ調節軸75に固着のアーム102とがロッド103で連結されている。よって、植付深さ調節レバー79によって植付深さを調節すると、それに連動してリンク84,85が上下に回動し、フロートの取付高さの変化分に相当する量だけセンターフロート70,70の前部も上下動する。上リンク84と下リンク85は平行リンクを構成しているので、これらリンクが回動してもワイヤステー86は一定姿勢のままに維持され、感知ワイヤ87が伸びたり縮んだりすることはない。このため、植付深さを調節しても、昇降制御の感度は一定に維持される。 【0020】この田植機1は、耕起されていない圃場に苗を植付ける不耕起田植え方法か、予め耕起、代掻等がされている圃場に苗を植付ける慣行田植え方法かのいずれかを選択して行える。 【0021】不耕起田植えを行う場合は、耕起装置5を植付部4に対し所定の高さまで下降させ、植付部4と耕起装置5の両方を駆動しながら機体を走行させる。すると、苗移植に先行して耕起装置5が表土部に移植に必要幅分耕起し、その耕起跡に植付装置42,…が苗を植付ける。この不耕起田植えの時には、サイドフロート71,71の外側条間整地部71b,71bを装着しておく。また、耕起されていない表土面は硬いので、センターフロート70,70が表土面の凹凸に過敏に反応しないように、バルブ側ワイヤステー95を後側位置に操作して、昇降制御の感度を鈍感にしておく。昇降制御感度の調節部が座席21の後側に設けられているので、この調節操作を容易に行える。 【0022】一方、慣行田植えを行う場合は、耕起装置5を植付部4に対し上昇させ、植付部4だけを駆動しながら機体を走行させる。この慣行田植えの時には、サイドフロート71,71の外側条間整地部71b,71bを取り外し、サイドフロート71,71によって外側へ押される泥水が既植条の苗に影響を与えないようにする。また、耕起、代掻等がされている表土面は軟弱で、表土面の凹凸に対するセンターフロート70,70の応答性が悪いので、バルブ側ワイヤステー95を前側位置に操作して、昇降制御の感度を敏感にしておく。 【0023】 【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる田植機は、フロート支持アームによる前記フロート取付脚の支持位置と当該フロート取付脚のフロート取付位置とが互いに前後にずらしてあるので、田植え作業の形態に応じて最外側のフロートの形状を変更しても、フロート支持アームによるフロートの支点位置が変わらず、フロートを安定状態で支持できるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月16日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開平11−32526 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−208701 |
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