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【発明の名称】 移植機の苗トレイ送り装置
【発明者】 【氏名】浜田 昭夫

【要約】 【課題】縦横に多数のポット部を有する苗トレイを装着した苗載せ台を横送りする横送り軸に設けたカムが、ホロワに係合することによって、苗トレイを縦方向に送るようにした移植機において、苗トレイの縦送りを確実に且つ十分に行い得、カム及びその駆動機構の負担を軽減して、苗トレイの縦送りを円滑に行えるように考慮する。

【解決手段】カム102がホロワ105の第1接当部106Aを押動した後にカム102に係合する第2接当部106Bをホロワ105に設け、この第2接当部106Bをカム102が押動することによってホロワ105を復帰させるようにして、カム102の強制送りによって苗トレイを縦送りする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 縦横に多数のポット部を有する苗トレイを縦方向に送る縦送り駆動軸と、多数の係合歯を有し縦送り駆動軸と一体回転する縦送りギヤと、縦送りギヤの係合歯に係合して縦送り駆動軸の、苗トレイ縦送り方向の回転を規制する係合部材と、回転駆動されるカムに係合するホロワとを備え、前記カムがホロワの第1接当部を押動することにより縦送りギヤに対する係合部材の係合を解除し、ホロワが復帰する際に、それに連動して縦送り駆動軸を苗トレイ縦送り方向に回転させて、苗トレイをポット部の1ピッチ分縦送りすると共に係合部材を次の係合歯に係合させるようにした移植機の苗トレイ送り装置において、カムがホロワの第1接当部を押動した後にカムに係合する第2接当部をホロワに設け、この第2接当部をカムが押動することによってホロワを復帰させるようにしたことを特徴とする移植機の苗トレイ送り装置。
【請求項2】 ホロワを復帰させる際において、縦送り駆動軸側の苗トレイ縦送り方向の回転が拘束されても、カムによるホロワの第2接当部の押動を許容する逃がし機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗トレイ送り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、走行しながら野菜等の苗を圃場に植え付ける移植機に採用される苗トレイ送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、移植機として、特開平9−74828号公報に記載されているものがある。これは、走行機体の後部に、縦横に多数のポット部を有する苗トレイを縦横に移送する苗トレイ送り装置と、ソイルブロック苗を畝に植付ける植付装置と、苗トレイのポット部内からソイルブロック苗を一つずつ取出して植付装置へと搬送する苗分送装置とを支持し、走行しながらソイルブロック苗を畝に自動的に植え付けるようにしてある。
【0003】この移植機にあっては、苗トレイを装着する苗載せ台を備え、この苗載せ台を横送り軸の回転によって苗トレイの横方向に間欠的に移動させるようにし、苗トレイを一方向に横送りする間に、ポット部から苗を一つずつ取出して植付装置へと搬送し、横一列のポット部からの苗の取り出しを終えた時点で、苗トレイをポット部の縦方向の1ピッチ分だけ縦方向に送り、その後再び苗トレイを、前記とは反対側に横送りするようにしている。
【0004】また、前記横送り軸にはカムが一体回転可能に設けられ、苗載せ台には、苗載せ台がその移動範囲の端部側にきたときに前記カムに係合するホロワと、苗トレイを縦方向に送る縦送り駆動軸とが設けられ、縦送り駆動軸には、ワンウェイクラッチを介してロック解除レバーが設けられると共に、多数の係合歯を有する縦送りギヤが一体回転可能に設けられ、また、苗載せ台には、前記縦送りギヤの係合歯に係合して苗トレイ縦送り方向の回転を規制するラチェットアームが設けられ、ホロワとロック解除レバーとは連動部材で連動連結されている。
【0005】前記構成のものにあっては、苗載せ台の移動範囲の端部側でカムがホロワを押動することにより、ロック解除レバーが縦送り駆動軸の軸心廻りに苗トレイ縦送り方向とは反対方向に相対回動し、この際にロック解除レバーに設けた係合部がラチェットアームを押動して、縦送りギヤに対するラチェットアームの係合が解除され、カムがホロワから外れてホロワが復帰する際に、これに連動してロック解除レバーが苗トレイ縦送り方向に回転されることによってワンウェイクラッチを介して縦送り駆動軸が苗トレイ縦送り方向に同行回転し、これによって、苗トレイをポット部の1ピッチ分縦送りすると共に、ラチェットアームが次の係合歯に係合するようになっている。
【0006】そして、ロック解除レバーを苗トレイ縦送り方向に付勢する引張りコイルバネによって、ホロワの復帰と、ロック解除レバー、縦送り駆動軸及び縦送りギヤの苗トレイ縦送り方向の回転とを行うようにしてり、したがって、このコイルバネの付勢力によって苗トレイの縦送りがなされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものにあっては、苗トレイの縦送りを引張りコイルバネの付勢力によって行っているので、種種の問題がある。すなわち、コイルバネがあまり伸びていない部分でも十分に苗トレイを縦送りさせる力を発生させなければならないので、余分な力を与えなければならないと共に、強力なバネが必要となる。
【0008】カムはこのコイルバネのバネ力に抗してホロワを押動させなければならないので、カムのトルクを大きくしなければならず、カムにかかる負担が大きい。また、苗トレイが縦送りされる際、コイルバネに蓄えられた大きなエネルギーが一気に放出されるので、急激に苗トレイが縦方向に移送され、苗を痛める惧れがあると共に、苗の床土が崩れて植付精度を悪くし、縦送り時に発生する音も大きいという問題もある。
【0009】さらに、苗トレイ等に通常よりも大きな抵抗が作用した場合に、コイルバネのバネ力がこれに負けて正常に苗トレイの縦送りが行えないという問題もある。なお、苗トレイの縦送りが不十分であると、苗分送装置の苗取出爪が苗トレイを突き破ることとなる。そこで、本発明は、前記問題点を解消して円滑な苗トレイの縦送りを行える移植機の苗送り装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、縦横に多数のポット部を有する苗トレイを縦方向に送る縦送り駆動軸と、多数の係合歯を有し縦送り駆動軸と一体回転する縦送りギヤと、縦送りギヤの係合歯に係合して縦送り駆動軸の、苗トレイ縦送り方向の回転を規制する係合部材と、回転駆動されるカムに係合するホロワとを備え、前記カムがホロワの第1接当部を押動することにより縦送りギヤに対する係合部材の係合を解除し、ホロワが復帰する際に、それに連動して縦送り駆動軸を苗トレイ縦送り方向に回転させて、苗トレイをポット部の1ピッチ分縦送りすると共に係合部材を次の係合歯に係合させるようにした移植機の苗トレイ送り装置において、カムがホロワの第1接当部を押動した後にカムに係合する第2接当部をホロワに設け、この第2接当部をカムが押動することによってホロワを復帰させるようにしたことを特徴とする。
【0011】また、ホロワを復帰させる際において、縦送り駆動軸側の苗トレイ縦送り方向の回転が拘束されても、カムによるホロワの第2接当部の押動を許容する逃がし機構を設けたことも特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図4において、1は野菜等の苗を畝Rに移植する移植機を示し、この移植機1は乗用型であって、走行体2の後方に移植装置3を備え、圃場に形成された畝Rを跨いでその長手方向に走行しながら、移植装置3によって畝にソイルブロック苗を所定間隔をおいて自動的に植え付けるものである。
【0013】走行体2の前部には、エンジン及びミッション等が設けられ、エンジンはボンネット4によって覆われ、該ボンネット4の上部には、操縦ハンドル5が設けられ、該操縦ハンドル5の後方には運転席6が設けられている。また、走行体2には、左右一対の前輪7と左右一対の後輪8とが設けられており、前輪7は操向輪とされ、前輪7および後輪8にはミッションを介してエンジンからの動力が伝達されて回転駆動可能とされており、これらエンジン、ミッション、運転席6、前輪7及び後輪8等は車体フレーム2Aに取り付けられて支持されている。
【0014】図5、図6及び図7に示すように、車体フレーム2Aの後部には、左右一対のトップリンク10と左右一対のロワリンク11とから主構成された昇降リンク機構12を介して装着ブラケット13が昇降自在に取り付けられ、この装着ブラケット13には、移植装置3が搭載される移植フレーム15が左右一対の平行リンク14L,14Rを介して取り付けられている。
【0015】車体フレーム2Aの後部と、トップリンク10との間には、油圧シリンダからなる昇降シリンダ16が介装されており、この昇降シリンダ16のピストンロッドの出退動作により昇降リンク機構12が上下に揺動されて、装着ブラケット13及び平行リンク14L,14Rを介して移植フレーム15が昇降可能とされ、これによって、路上走行時又は枕地での回行時等において、移植装置3を上昇させておくことができると共に、畝Rの高さ変化に対応して移植装置3の昇降制御ができるようになっている。
【0016】移植フレーム15は、前後方向に配置された左右一対の側枠材15Aと、両側枠材15Aの左右中間に位置する中間枠材15Mと、これら側枠材15A及び中間枠材15Mの前部を相互に連結する左右方向の前枠材15Bと、前枠材15Bの左右両側に上方突出状に設けられた左右一対の支柱部材15Cとから主構成されている。
【0017】左右平行リンク14L,14Rの上部は、装着ブラケット13の上部に支軸17Aを介して前後方向の軸心廻りに回転自在に支持され、左右平行リンク14L,14Rの下部は、移植フレーム15の前枠材15Bに支軸17Bを介して前後方向の軸心廻りに回転自在に枢着されている。また、装着ブラケット13の下部には、背面視下面が下方に突出する円弧状とされた支持板18が設けられ、前枠材15Bには、平行リンク14L,14Rの揺動範囲において、前記支持板18の背面に接当するローラ19が上下方向の軸心廻りに回転自在に設けられると共に、支持板18の前面に接当する係合部材20が設けらている。以上の構成によって、装着ブラケット13に対して移植フレーム15が左右方向移動自在に支持されている。
【0018】一方、平行リンク14L,14Rの一方と移植フレーム15の支柱部材15Cとの間には油圧シリンダからなる図示省略の位置調整シリンダが介装されており、このシリンダのピストンロッドの出退動作によって平行リンク14L,14Rが左右に揺動されて、移植フレームF及び移植装置3が左右方向に移動可能とされており、走行体2が蛇行等しても、畝Rに対する苗の植付位置を左右方向に関して適正な位置に修正できるようになっている。
【0019】なお、移植フレーム15の左右側枠材15Aにはそれぞれ畝Rの側面に接当する接当部材22Aを備えた検出手段22が設けられ、これら左右の検出手段22によって、畝Rに対する移植フレーム及び移植装置3の左右方向の位置が適正か否かを検出する。移植装置3は、多数のソイルブロック苗が育苗された苗トレイTを装着する苗載せ台23と、畝に苗を植え付ける植付装置24と、前記苗載せ台23上の苗トレイTから苗を一つずつ取り出して植付装置24へと搬送する苗分送装置25と、植え付けた苗の株際に土寄し、鎮圧するローラからなる覆土部材26と、苗分送装置25を取り付ける苗分送フレーム27と、植付装置24及び覆土部材26を取り付ける植付フレーム28から主構成されており、これらは左右一対備えられており、本実施の形態では、2条植えの移植機1とされている。
【0020】なお、苗トレイTは、プラスチック製で、薄肉に形成されて可撓性を有し、縦横に所定ピッチで碁盤目状に配列されて背面に突出する多数のポット部Pを備えており、このポット部Pに床土を供給し、そこへ播種し、育苗することで、ソイルブロック苗が育成されている。図7に示すように、苗分送フレーム27は、前部を構成する円筒状の筒状部27Aの左右両端部から後方に側枠材27Bを突出すると共に、左右の側枠材27Bの後端部を後枠材27Cで相互に連結して方形枠状に形成され、植付フレーム28は、前部を構成する円筒状の筒状部28Aの左右両端部から後方に側枠材28Bを突出すると共に、左右の側枠材28Bの後端部を後枠材28Cで相互に連結して方形枠状に形成されている。
【0021】図5及び図6に示すように、移植フレーム15の前枠材15Bの左右方向中央下部には電磁クラッチ30が装着されている。このクラッチ30の入力軸30aは前方に突出されており、該入力軸30aには、走行体2に設けられたPTO軸31からの回転動力が、第1伝動軸32、中継軸33、第2伝動軸34を介して伝動さる。なお、これら各軸30a,31,32,33,34は、自在継手、たわみ継手、カップリング等を介して適宜連結されている。
【0022】前記中継軸33は、車体フレーム2Aの後下部に設けられたブラケット35の下端部に、軸受36を介して支持され、第2伝動軸34は伸縮自在に構成されている。また、中継軸33には、該軸33の回転数を検出する回転センサ等の検出手段37が設けられている。図5、図7乃至図10に示すように、クラッチ30の後方には、移植フレーム15の中間枠材15Mに取付固定されたギアボックス38が配置されており、このギアボックス38内のベベルギヤ伝動機構にクラッチ30の出力軸30bが接続され、該ベベルギヤ伝動機構から左右方向の駆動主軸39に動力が伝動されるように構成されている。
【0023】駆動主軸39は、移植フレーム15の左右側部に取付けられた軸受40と、ギアボックス38の側部に設けられた軸受41とにより軸心廻りに回転自在に支持されているとともに、これら軸受40,41により支持されている部分を除く部位は六角軸状に形成されている。この六角軸状の駆動主軸39には、内周面が六角筒状で且つ外周面が円筒状に形成された伝動筒軸43が、軸方向摺動自在で且つ駆動主軸39と一体回転するように外嵌されている。そして、この伝動筒軸43の外周に、前記植付フレーム28前部の筒状部28Aが、ベアリングを介して回転自在に外嵌されていて、植付フレーム28が、駆動主軸39に軸方向(左右方向)に移動自在で且つ軸心廻りに相対揺動自在に支持されている。
【0024】前記構成では、植付フレーム28を左右方向に移動させると、該フレーム25と共に伝動筒軸43も一体的に移動するようになっている。駆動主軸39の前上方であって、移植フレーム15の中間枠材15Mと左右側枠材15Aとの間の前部には、円筒棒状に形成された左右一対の案内部材45が取付固定されており、左右各案内部材45には、植付フレーム28の上方に位置する左右一対の苗分送フレーム27の筒状部27Aが外嵌されていて、該苗分送フレーム27が左右方向移動(摺動)自在に支持されている。
【0025】なお、前記案内部材45は、移植フレーム15の左右側枠材15A及び中間枠材15Mに形成された支持孔50に挿通され、左右各案内部材45の左右外端部に固定された取付板46がボルト51によって側枠材15Aに固定されることで取り付けられている。また、移植フレーム15の左右側枠材15A間の後端部には、角筒状の支持部材47が固定され、この左右支持部材47間には、左右方向に配置された断面略コ字状のスライドレール48が固定されており、このレール48には、苗分送フレーム27の前後中途部にブラケットを介して取り付けられた左右一対のローラ49が左右方向転動自在に嵌合されて、苗分送フレーム27の後部が移植フレーム15に左右移動可能に支持されている。
【0026】植付フレーム28の後端部は、図5及び図12に示すように、苗分送フレーム27の後端部にリンク機構42を介して、駆動主軸39廻りの上下揺動が許容されるように連結され、植付フレーム28の左右両側枠材28Bにはブラケット44が下方突出状に固定され、このブラケット44に、覆土フレーム51の前部が左右方向の軸心廻りに回転自在に取り付けられている。
【0027】この覆土フレーム51に苗植付部分を挟むように配置された左右一対の覆土部材26が回転自在に取付支持されると共に、覆土フレーム51の後部に固定した係止板52が苗分送フレーム27の後端に固定された係止レバー53に係止されていて、覆土部材26が畝R上を転動することによって、植付フレーム28が畝Rの高さ変化に追従して上下揺動可能に支持されている。
【0028】なお、係止板52の係止レバー53に対する係止位置は上下方向に位置変更自在に構成されており、この係止板52の係止レバー53に対する係止位置を変更することによって、植付フレーム28の後部と覆土部材26との上下方向の間隔が調節可能とされていて、植付装置24による苗の植付深さが調節できるように構成されている。
【0029】図10に示すように、苗分送フレーム27の筒状部27Aには、植付フレーム28の筒状部28Aに向けて延びる連係ブラケット54が固定され、植付フレーム28の筒状部28Aには、連係ブラケット54の先端部が嵌まる左右対向状の一対の係合片55が設けられていて、左右同側にある苗分送フレーム27と植付フレーム28とが一体的に左右移動可能とされている。
【0030】一方、植付フレーム28が駆動主軸39廻りに揺動するときには、連係ブラケット54の先端部は一対の係合片55間を前後方向に移動自在となるので、植付フレーム28の揺動動作を妨げることはない。前記苗分送フレーム27の上方には、図7、図8、図9及び図11に示すように、左右苗載せ台23が配置され、移植フレーム15前端の左右支柱部材15Cの上端部間に断面コ字状の支持レール57が架設されると共に、移植フレーム15の左右側枠材15A間に前後一対の断面コ字状の支持レール58が架設されており、これら支持レール57,58に、苗載せ台23側の適宜の箇所に設けたローラ59が係合されて、該苗載せ台23が左右方向へは円滑に摺動するが、前後方向及び上下方向には移動しないように支持されている。
【0031】左右の苗載せ台23は、左右方向の連結ロッド60によって互いに連結されていて、一体的に左右方向に移動するようになっている。この連結ロッド60は、中央部が六角軸となされ、左右両端側にはねじ部60L,60Rが形成され、左端側のねじ部60Lと右端側のねじ部60Rは互いに逆ねじとなされ、これらねじ部60L,60Rに、左右の苗載せ台23の底面部に設けられたナット部材61がそれぞれ螺合されている。従って、連結ロッド60を回転駆動することにより、左右の苗載せ台23の左右方向の間隔が調節可能である。
【0032】また、連結ロッド60の中央部の六角軸部には、スプロケット62が軸方向相対移動自在で一体回転自在に外嵌され、このスプロケット62は移植フレーム15の中間枠材15Mに回転自在に支持されている。この連結ロッド60と平行として配置された調節駆動軸63が移植フレーム15に軸心廻りに回転可能に支持され、この調節駆動軸63の一端部には、電動モータ65が連結されており、該モータ65によって駆動軸63が正逆回転可能とされている。
【0033】この駆動軸63の軸方向略中央にはスプロケット66が固定され、このスプロケット66と連結ロッド60に外嵌されたスプロケット62とに亘ってチェーン67が掛装されており、調節駆動軸63と連結ロッド60とが同期的に回転するようになっている。また、駆動軸63の外周には、軸中央から右側方と左側方とで互いに逆ねじとなるねじ溝が刻設され、このねじ溝のピッチは、連結ロッド60に形成したねじ溝のピッチと同じとなされている。そして、駆動軸63の右側ねじ部には、右側の苗分送フレーム27に固着されたブラケット54の上端部が螺合され、駆動軸63の左側ねじ部には、左側の苗分送フレーム27に固着されたブラケット54の上端部が螺合されている。
【0034】したがって、電動モータ65により調節駆動軸63を回転駆動すると、左右の苗分送フレーム27及び苗分送装置25が互いに近接又は離反する方向に左右移動するとともに、左右の植付フレーム28及び植付装置24も苗分送装置25と一体的に左右移動し、さらに、調節駆動軸63の回転動力がチェーン67を介して連結ロッド60に伝動されているので、苗分送装置25の移動量と同じ量だけ左右の苗載せ台23も左右に移動する。
【0035】次に、移植装置3の構成及び動力伝達について説明する。各植付装置24は、図5及び図12に示すように、苗を植付けるべく畝Rに突入される植付体68と、この植付体68を昇降自在に支持する揺動リンク機構69とを備えてなる。植付体68は、上部が上下開口状の筒体69Aで構成され、下部に前後に開閉自在なくちばし状の開孔器69Bが設けられてなる。
【0036】揺動リンク機構69は、植付フレーム28に固定のブラケット69Aに前後揺動自在に支持された第1平行リンク69Bと、中継プレート69Cと、この中継プレート69Cに上下揺動自在に枢着された第2平行リンク69Dとを備えて構成され、第2平行リンク69Dの後端部に植付体68の筒体69Aが枢着されている。
【0037】第2平行リンク69Bの上側のリンクには軸受69Eが固定され、この軸受69Eには、植付フレーム28に左右軸廻りに回転自在に支持されたクランク軸70のクランクアーム70A間のクランクピン70Bが挿通されており、クランク軸70が図12の反時計方向に回転することによって、植付体68が前後に揺動しながら昇降して、上下に長い略楕円軌道を描きながら運動し、上昇した際に苗分送装置25から苗が供給されると共に下降して畝Rに突入し、突入後、連動具によって開孔器68Bが前後に開かされて、畝Rに植付孔が形成されると共に、該植付孔に苗が落下放出されるようになっている。
【0038】なお、苗放出後は、前記覆土部材26によって株際に土寄せされると共に株際が鎮圧される。クランク軸70にはスプロケット71が設けられ、このスプロケット71と、前記駆動主軸39に外嵌している伝動筒軸43に一体形成されたスプロケット72とがチェーン73を介して連動連結されており、駆動主軸39の回転動力によって植付体24が昇降される。
【0039】苗分送装置25は、苗分送フレーム27の移植フレーム15から後方に突出した部分に配置され、主軸74の回転によって作動される爪動作機構75によって、前記植付体68と苗載せ台23との間で苗取出爪76を往復動作させ、この苗取出爪76により苗載せ台23に装着された苗トレイTのポット部Pからソイルブロック苗を一つずつ取出して植付体68に供給するものである。
【0040】左右各苗分送装置25の主軸74への動力伝動系は、図3に示すように、伝動筒軸43に一体形成されたギヤ77を備え、このギヤ77は、苗分送フレーム27の前部側に回転自在に支持されたギヤ78に噛合されている。このギヤ78にはスプロケット79が一体形成され、該スプロケット79と、苗分送フレーム27の後部側に回転自在に支持されたスプロケット80とに亘ってチェーン81が巻回されている。また、スプロケット80には同軸上にスプロケット82が一体的に設けられており、該スプロケット82と、主軸74に一体のスプロケット83とに亘ってチェーン84が掛装されている。これによって駆動主軸39の回転動力によって主軸74を回転し、苗分送装置25を駆動可能としている。
【0041】図5、図8、図10及び図11に示すように、各苗載せ台23は、苗トレイTの底部を横一列のポット部Pに亘って支持する支持板23Aを備え、この支持板23Aは左右側板23B間に取付固定されている。また、この苗載せ台23は、苗取出爪76によってポット部Pから苗が取り出される間、停止し、苗取出爪76が苗取出後該苗を植付体68に供給して元の位置の戻るまでに、ポット部Pの横1ピッチ分左右方向に横送りされるように、横送り機構85によって往復間欠横送りされるように構成されていると共に、苗トレイTの横一列分の苗を取り出した時点で苗トレイTをポット部Pの縦1ピッチ分上下方向に縦送りする縦送り機構86を備えている。
【0042】横送り機構85は、左側の苗載せ台23の下方に配置された左右方向の横送り軸87を備えている。この横送り軸87の内端部(右端部)は、左側の苗分送フレーム27に設けた支持枠88に軸受を介して回転自在に支持されているとともに、横送り軸87の外端部(左端部)は、左側の苗分送フレーム27にブラケット89を介して取付けられた変速ギアボックス90の出力軸90aに連結されている。
【0043】このギアボックス90の入力軸90bにはスプロケット91が設けられ、該スプロケット91と、左側の苗分送フレーム27の前側部に支持されたギア78と一体回転するスプロケット92とが、チェーン93を介して連動連結されており、駆動主軸39の回転動力により横送り軸87が回転駆動されるようになっている。
【0044】横送り軸87には、いわゆるトラバース溝87aが軸方向略全長にわたって形成されたナピヤねじが用いられており、該溝87aに係合する摺動体94が横送り軸87に外嵌され、この摺動体94は、左側の苗載せ台23の下部に連結されている。左右の苗載せ台23は前述したように連結ロッド60によって一体連結されているので、横送り軸87を回転させることにより左右の苗載せ台23が左右方向に往復移動動可能となっている。
【0045】なお、ギアボックス90の動力伝達機構は、ポット部Pの大きさの異なる(ポット部Pの中心間のピッチの異なる)2種類の苗トレイTを横送りできるように、苗載せ台23の横送り量を変更できるように構成されている。次に縦送り機構86について説明する。左右側板23A間下部には、左右の苗載せ台23に亘って配置された縦送り駆動軸96が左右方向に配置されて設けられ、左右側板23A間上部には、左右各苗載せ台23にそれぞれ設けられた縦送り従動軸97が左右方向に配置されて設けられ、駆動軸96には左右各側板23Aの内面側に配置されていて左右各苗載せ台23にそれぞれ一対設けられた駆動スプロケット98が固定され、左右各従動軸97には左右各側板23Aの内面側に配置された一対の従動スプロケット99が固定されている。
【0046】また、駆動スプロケット98と従動スプロケット99との間には、これらに亘ってエンドレスチェーン100が掛装され、このチェーン100に、縦方向のポット部P間の間隙に係合する搬送ピン101が取付けられている。したがって、駆動軸96が、図11に矢示Aで示す方向に回転動作することによって苗トレイTが縦送り可能とされている。
【0047】なお、この搬送ピン101は、ポット部Pの間隔が異なる2種の苗トレイTのポット部P間のピッチに合う位置に設けられるか或いは取付位置が変更可能とされる。また、縦送り駆動軸96は左右の苗載せ台23の間隔調節に対応して伸縮自在に構成されている。横送り軸87の左右両側には縦送りカム102が固定され、図1乃至図3に示すように、左側の苗載せ台23の下部の下面側には、左右方向に配置された支軸104が横送り軸87と平行状に配置され、この支軸104は、苗載せ台23の外面下部に固定された支持板103に軸心廻りに回転自在に支持されると共に、支軸104の左右両側には、それぞれ苗載せ台23がその移動範囲の最左端又は最右端にまで移動したときに縦送りカム102に係合するホロワ105が固定されている。
【0048】前記カム102は、小判型を呈しており、ホロワ105は、支軸104に対する固定部分から支軸104の径方向外方に延びる一対の第1・2アーム部105A,105Bを備えたベルクランク状に形成され、第1・2アーム部105A,105Bの先端側にはカム102が接当するローラからなる第1・2接当部106A,106Bが左右方向の軸心廻りに回転自在に設けられている。
【0049】また、支軸104の左端側には第1リンク部材107の下端側が固定され、この第1リンク部材107の上部には支軸108を介して押引部材109の前端側が左右方向の軸心廻りに回転自在に支持され、支持板103の上部には支軸110を介して第2リンク部材111の上端側が左右方向の軸心廻りに回転自在に支持され前後揺動自在とされている。
【0050】第2リンク部材111の中途部にはローラ(ベアリング)112が左右方向の軸心廻りに回転自在に枢着され、このローラ112は第1リンク部材107上部に設けられた接当面113に接当している。また、第2リンク部材111の下端側には引張りコイルバネからなる付勢部材114の一端側が掛止され、この付勢部材114の他端側は、支持板103下部の掛止部103Aに掛止されていて、この付勢部材114によって前記ローラ112を接当面113に押し付けるように第2リンク部材111を付勢している。
【0051】前記接当面113は、第1接当面113Aと第2接当面とから「く」字形に形成されている。押引部材109は、支軸110に枢着された筒体115と、前部側が筒体115から出退可能に挿入されたロッド部材116と、このロッド部材116の後部側に形成されたネジ部116Aに螺合された継手部材117とから主構成されている。前記支軸110には筒体115内においてカラー118が外嵌され、ロッド部材116には、筒体115内に収納された圧縮コイルバネからなる付勢部材119が套嵌され、この付勢部材119はロッド部材116の前端側に固定されたバネ受120と、筒体115の後端部に固定されたバネ受121との間に圧縮状に介在されている。
【0052】前記押引部材109は継手部材117をネジ部116Aに対して螺進・螺退させることによって、長さ調節自在とされ、ネジ部116Aに螺合されたロックナット122によって伸縮規制がなされる。前記押引部材109の継手部材117の後端側は、中途部が縦送り駆動軸96に、ワンウェイクラッチ123を介して支持されたロック解除レバー124の下端側に左右方向の軸心廻りに回転自在に枢着され、このロック解除レバー124の上部には、係合ピン124Aが設けられている。
【0053】また、縦送り駆動軸96の左端側には多数の係合歯125a,126aを備えていて左右方向に並設された第1,第2の縦送りギヤ125,126が一体回転可能に外嵌されている。前記ロック解除レバー124は、図1及び図11において示す矢示A方向(苗トレイTを縦送りする方向)には、ワンウェイクラッチ123を介して縦送り駆動軸96と同行回転(一体回転)し、反矢示A方向には、ワンウェイクラッチ123が空回りして、縦送り駆動軸96とは一体に回転しないように構成されている。また、第1,第2の縦送りギヤ125,126は径が異なると共に、第1の縦送りギヤ125の係合歯125aと第2の縦送りギヤ126の係合歯126aとは異なるピッチに形成されている。
【0054】第1,第2の縦送りギヤ125,126の上方側には、これら縦送りギヤ125,126の苗トレイ縦送り方向Aの回転を規制する第1,第2のラチェットアーム(係合部材)127,128が配置されている。これら第1,第2のラチェットアーム127,128は、対応する縦送りギヤ125,126の係合歯125a,126aに係合する係合部127a,128aを有すると共に、それぞれ前部側が側板23Bに固定の支持板129に左右方向の支軸130を介して左右方向の軸心廻りに回転自在に枢支されて上下揺動自在とされ、各々引張りコイルバネ131によって下方に揺動するように付勢されていて、それぞれの係合部127a,128aが第1・2縦送りギヤ125,126の係合歯125a,126aに係合するように付勢されている。
【0055】また、各ラチェットアーム127,128には、ロック解除レバー124の係合ピン124aに係合する係合面127b,128bが形成されている。第1,第2のラチェットアーム127,128の後部側には、選択部材133が設けられている。この選択部材133は、前記支持板129に枢軸134を介して左右方向の軸心廻り回転自在に支持されて揺動自在とされ、その枢軸134廻りの揺動操作により、第1のラチェットアーム127に接当して係合部127aが第1の縦送りギヤ125の係合歯125aから離反するように第1のラチェットアーム127を押し上げるか、又は、第2のラチェットアーム128に接当して係合部128aが第2の縦送りギヤ126の係合歯126aから離反するように第2のラチェットアーム128を押し上げる。そして、どちらか一方のラチェットアーム127,128を押し上げた所で、固定ボルト135によって支持板129に対して位置固定できるようになっている。
【0056】次に、前記構成における苗トレイ13の縦送り機構86の動作を説明する。先ず、選択部材133によって、第1,2のラチェットアーム127,128のいずれか一方の係合部127a,128aが第1,2の縦送りギヤ125,126の係合歯125a,126aに係合し、他方の係合部127a,128aが係合歯125a,126aから離反するように、第1,2のラチェットアーム127,128の他方を押し上げておく。
【0057】図例では、第1のラチェットアーム127が押し上げられて、第2のラチェットアーム128の係合部128aが第2の縦送りギヤ126の係合歯126aに係合している。また、縦送りカム102は、横送り軸87と共に矢示B方向に間欠回転している。また、苗載せ台23が移動範囲の端部に位置しないときには、図1に示すように、ローラ112が第1接当面113Aに接当していて、第1リンク部材107を支軸104を中心として反矢示C方向に押圧している。
【0058】そして、苗載せ台23が横送りされて移動範囲の左右の端部まで移動したときに、図1に示すように、カム102が回転方向B前面側からホロワ105の第1接当部106Aに接当し始めて、該ホロワ105を図1の矢示C方向に押動する。このホロワ105の矢示C方向の揺動により、支軸104が回転して第1リンク部材107を矢示C方向に揺動させる。
【0059】第1リンク部材107が矢示C方向に揺動すると、支軸108に外嵌されたカラー118がロッド部材116を押圧し、押引部材109が図1の矢示D方向に押動され、図2に示すように、ロック解除レバー124が縦送り駆動軸96の軸心廻りに図1の反矢示A方向に回転され、係合ピン124Aが第2のラチェットアーム128の係合面128bを押圧して該第2のラチェットアーム128を押し上げることにより、係合部128aが第2の縦送りギヤ126の係合歯126aから外れる。このとき、ワンウェイクラッチ123は空回りして第1,第2の縦送りギヤ125,126及び縦送り駆動軸96は回転しない。
【0060】このとき、ローラ112は第1接当面113Aから第2接当面113Bに乗り上げており、付勢部材114は伸びるが、該付勢部材114の付勢力は第1リンク部材107を支軸104廻りに揺動させる方向にはほとんど作用しないようになっている。次に、図2の状態から、カム102がさらにB方向に回転すると、カム102はホロワ105の第2接当部106Bに接当してこれを押圧し、ホロワ105を図1の反矢示C方向に押動して復帰させる。ホロワ105が反矢示C方向に押動(復帰)されると、前記とは逆に、第1リンク部材107が反矢示C方向に揺動すると共に、ローラ112が第2接当面113Bから第1接当面113Aに移って付勢部材114の付勢力によって第1リンク部材107を反矢示C方向に補助的に押動し、押引部材117が反矢示D方向に引動され、ロック解除レバー124が縦送り駆動軸96廻りに矢示A方向に回転する。
【0061】ロック解除レバー124が矢示A方向に回転すると、第1,第2の縦送りギヤ125,126及び縦送り駆動軸96が、ワンウェイクラッチ123を介してロック解除レバー124と矢示A方向に一体回転して、苗トレイTが縦送りされる。そして、第2のラチェットアーム128がコイルバネ131の付勢力によって下降して、その係合部128aが第2の縦送りギヤ126の次の係合歯126aに係合すると、縦送り駆動軸96の回転が規制され、この時点で苗トレイTがポット部Pの縦方向の1ピッチ分縦送りされることとなる。
【0062】このとき、苗トレイTの強制縦送りが完全に行われるようにするため、第2のラチェットアーム128によってロック解除レバー124、第1,第2の縦送りギヤ125,126及び縦送り駆動軸96の回転が規制された後も、カム102がホロワ105の第2接当部106Bを押動するようになっており(すなわち、カム102によってホロワ105を余分に押し戻している)、このため図3に示すように、ロック解除レバー124によってロッド部材116及び継手部材117の反矢示D方向の移動が拘束されても、付勢部材119が圧縮されることにより、第1リンク部材107及びホロワ105の揺動が許容されるようになっている。
【0063】なお、前記状態からカム102が第2接当部106Bから外れると、付勢部材119の付勢力によって、カラー118がロッド部材116の前端部に接当するまで、ホロワ105及び第1リンク部材107等が付勢部材114の付勢力に抗して矢示C方向に揺動する。以上のようにして、横一列のポット部Pからのソイルブロック苗の取出しを終えた時点で、苗トレイTがポット部Pの縦方向の間隔に相当する分縦送りされる。すなわち、第1,2の縦送りギヤ125,126の係合歯125a,126aの間隔が、苗載せ台23に載せる苗トレイTを、ポット部Pの縦方向の1ピッチに相当する分縦送りする間隔に形成されている。したがって、本実施の形態では、ポット部Pの中心間のピッチの異なる2種類の苗トレイTに対応できるようになっている。
【0064】前記構成のものにあっては、前述したように、ロッド部材116及び継手部材117の反矢示D方向の移動が拘束されても、付勢部材119が圧縮されることにより、第1リンク部材107及びホロワ105の揺動が許容されるようになっているので、苗トレイT等が縦送り機構86又はガイド機構等にかみ込んだり、縦送り機構86に異物が絡まったりして苗トレイT、縦送り駆動軸96、縦送り従動軸97、駆動スプロケット98、従動スプロケット99、チェーン100等の苗トレイ縦送り方向の移動が拘束されても(苗トレイTに反縦送り方向の過度な抵抗が作用した状態)、カム102によるホロワ105の矢示C方向の押動は許容され、部材の変形、損傷等が起こらず、前記かみ込み又は異物の絡まりを解消した後は、再び正常に植付作業が行えるようになっている。
【0065】したがって、筒体115、ロッド部材116及び付勢部材119等によって、ホロワ105を復帰させる際において、縦送り駆動軸96側の苗トレイ縦送り方向Aの回転が拘束されても、カム102によるホロワ105の第2接当部106Bの押動を許容する逃がし機構が構成されている。また、カム102によって、強制的に苗トレイTを縦送りする(バネの付勢力によって縦送りしない)ので、従来のように縦送りバネの付勢力に抗してホロワを回転させる必要がなく、縦送りに必要なカム102のトルクを小さくでき、低回転でも円滑な縦送りができ、また、エンジン回転が低くても確実に作動すると共に、縦送り時に発生する音も小さくできる。
【0066】さらに、バネで縦送りするのに比べて、確実にポット部Pの縦方向の1ピッチ分苗トレイTを縦送りでき、また、苗トレイTが急激な縦送り運動をしないため、苗を痛めず、ポット部P内の床土が崩れることもないため植付精度が安定する。なお、第1接当面106Aを、支軸104を中心とする円弧状に形成することによって、付勢部材114による第1リンク部材107への反矢示C方向の付勢力を略一定にすることができる。
【0067】図13及び図14は縦送り機構86の他の実施の形態を示しており、前記実施の形態と異なる点を説明すると、第1リンク部材107の上部の左右側壁17A,107Bには、押引部材109の押引方向に長い長孔138が形成され、この左右長孔138に亘ってピン139が挿通され、このピン139に引張りコイルバネからなる付勢部材137の一端が掛止され、付勢部材137の他端側は第1リンク部材107の右側壁107Bに固定のピン140に掛止されていて、付勢部材137によってピン139を反矢示D方向に付勢している。
【0068】また、押引部材109は第1リンク部材の左右側壁17A,107Bに矢示D方向に摺動自在に介在されて前記ピン139に固定されたU字形金具141と、このU字形金具141に固定された第1ロッド部材142と、ロック解除レバー124に枢着された継手部材143と、この継手部材143に固定された第2ロッド部材144、第1ロッド部材142に形成したネジ部142Aと第2ロッド部材144に形成したネジ部144Aとに亘って螺合された筒状の連結部材146とから主構成されている。前記ネジ部142Aとネジ部144Aとは互いに逆ねじとなされ、連結部材146を軸心廻りに回転させることによって、押引部材109の長さが調節可能とされている。
【0069】また、第2リンク部材111はその長手方向中途部が支軸110によって枢支され、付勢部材114の掛止部分と反対側の端部に第1リンク部材107の接当面113に接当するローラ112が枢支されている。前記構成のものにあっては、苗載せ台23が移動範囲の端部にきて、カム102がホロワ105の第1接当部106Aに接当してこれを矢示C方向に押動すると、第1リンク部材107が矢示C方向に揺動して、長孔138の前端側でピン139を押動し、押引部材109が矢示D方向に押動される。押引部材109が矢示D方向に押動されると、前記実施の形態と同様、ロック解除レバー124が反矢示A方向に回転して第2のラチェットアーム128を押し上げる。
【0070】次に、カム102がホロワ105の第2接当部106Bに接当してこれを反矢示C方向に押動すると、第1リンク部材107が反矢示C方向に揺動して押引部材109が反矢示D方向に引動され、ロック解除レバー124、第1,第2の縦送りギヤ125,126及び縦送り駆動軸96が、ワンウェイクラッチ123を介してロック解除レバー124と矢示A方向に一体回転して、苗トレイTが縦送りされる。
【0071】そして、何らかの原因で苗トレイTがロック状態(苗トレイT等に過度な抵抗が作用した状態)のときに、カム102によりホロワ105が反矢示C方向に回転されても、付勢部材137が伸長すると共にピン139が長孔138内を矢示D方向に相対的に摺動して、ホロワ105及び第1リンク部材107の矢示C方向の揺動を許容するようになっている。
【0072】この実施の形態にあっては、付勢部材137、長孔138、ピン139等によって逃がし機構が構成されている。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、カムがホロワの第1接当部を押動した後にカムに係合する第2接当部をホロワに設け、この第2接当部をカムが押動することによってホロワを復帰させるようにしており、すなわち、従来のようにコイルバネの付勢力によって苗トレイを縦送りするのではなく、カムによって苗トレイを強制的に縦送りするようにしているので、苗トレイを確実に且つ十分に縦送りすることができると共に、苗トレイを縦送りする際においてホロワを押動させるカムのトルクを小さくでき、カム及びその駆動機構にかかる負担を軽減できる。
【0074】また、ホロワを復帰させる際において、縦送り駆動軸側の苗トレイ縦送り方向の回転が拘束されても、カムによるホロワの第2接当部の押動を許容する逃がし機構を設けることによって、何らかの原因で苗トレイに縦送り方向に対する過度な抵抗が作用した場合であっても、カムによる第2接当部の押動が許容され、カムの縦送り力による部材の変形、損傷等を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平11−32522
【公開日】 平成11年(1999)2月9日
【出願番号】 特願平9−191637