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【発明の名称】 苗供給装置
【発明者】 【氏名】樫井 秋雄

【要約】 【課題】育苗箱を地面上に供給してゆく苗供給装置を廉価に構成する。

【解決手段】6個の育苗箱1を載置可能な苗棚2を上下10段備える苗貯留部と、苗棚を駆動昇降可能な昇降機構と、苗貯留部の下方から育苗箱1を繰出し可能な搬出機構Bと、搬出機構Bによって繰出された育苗箱1を地面上に移送可能な搬出レール4とを備え、搬出レール4を、育苗箱1を強制搬送する駆動搬送状態と、重力による移送が可能となる自然搬送状態とに切換える搬出クラッチGを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗受け具の載置が可能な苗支持部を上下複数段に備える苗貯留部と、前記苗支持部を駆動昇降可能な昇降機構と、前記苗貯留部の下方から苗受け具を繰出し可能な搬出機構と、前記搬出機構によって繰出された苗受け具を地面上に移送可能な搬出レールとを備えるとともに、前記搬出レールを、前記苗受け具を強制搬送する駆動搬送状態と、重力による移送が可能となる自然搬送状態とに切換自在に構成してある苗供給装置。
【請求項2】 前記搬出機構を、アクチュエータによって前記苗受け具を強制移送する駆動型に構成するとともに、前記駆動搬送状態が現出されるように前記搬出機構の動力を前記搬出レールに伝達する状態と、前記自然搬送状態が現出されるように前記搬出機構の動力を前記搬出レールに伝達しない状態との切換えが可能な搬出クラッチを備えてある請求項1に記載の苗供給装置。
【請求項3】 前記搬出レールを、搬送方向に複数並設された回転自在なローラと、これらローラに載置された苗受け具の底面に接触可能して搬送方向に強制移送可能な無端回動帯と、この無端回動帯を駆動可能な伝動機構と、搬出クラッチとで構成し、前記搬出クラッチを、前記無端回動帯が巻回される一対の輪体を上昇移動させて該無端回動帯と前記苗受け具底面とが接触する伝動状態と、前記一対の輪体を下降移動させて無端回動帯と前記苗受け具底面との接触を解除する非伝動状態とを切換え可能なものに構成してある請求項1に記載の苗供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗貯留部に貯留された苗受け具を順次に地面上に置いて行くように作動する苗供給装置に係り、詳しくは、苗受け具を苗貯留部から地面に移送する搬出レールの駆動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】苗を地面上に供給するものとしては、特開平8‐308320号公報に示された育苗箱供給・回収機が知られている。これは、台車等に積まれた緑化後の育苗箱を硬化のために地面上に置いて行く供給状態と、硬化後の育苗箱を地面から拾い上げて回収する回収状態とが可能な専用機として構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記育苗箱供給・回収機は、走行機体上に苗貯留部と搬送機構等を備えており、これ1台で作業できる便利なものであるが、専用機であって田植機と同様に1年間における稼働時間が非常に短くて稼働率の低いものであり、割高な機械であって経済的な面からは改善の余地があった。一方、先に出願した特願平9‐20169号において、トラック自動車等の自走機体搭載型の苗供給装置が提案されており、これは田植機への苗補給用として構成されているが、適宜に改造すれば苗受け具を地面に供給する装置として使えそうに見受けられる。本発明の目的は、苗を地面上に供給してゆく苗供給装置を廉価に構成させる点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、苗受け具の載置が可能な苗支持部を上下複数段に備える苗貯留部と、苗支持部を駆動昇降可能な昇降機構と、苗貯留部の下方から苗受け具を繰出し可能な搬出機構と、搬出機構によって繰出された苗受け具を地面上に移送可能な搬出レールとを備えるとともに、搬出レールを、苗受け具を強制搬送する駆動搬送状態と、重力による移送が可能となる自然搬送状態とに切換自在に構成して苗供給装置としてあることを特徴とする。
【0005】第2発明は、第1発明において、搬出機構を、アクチュエータによって苗受け具を強制移送する駆動型に構成するとともに、駆動搬送状態が現出されるように搬出機構の動力を搬出レールに伝達する状態と、自然搬送状態が現出されるように搬出機構の動力を搬出レールに伝達しない状態との切換えが可能な搬出クラッチを備えてあることを特徴とする。
【0006】第3発明は、第1発明において、搬出レールを、搬送方向に複数並設された回転自在なローラと、これらローラに載置された苗受け具の底面に接触可能して搬送方向に強制移送可能な無端回動帯と、この無端回動帯を駆動可能な伝動機構と、搬出クラッチとで構成し、搬出クラッチを、無端回動帯が巻回される一対の輪体を上昇移動させて該無端回動帯と苗受け具底面とが接触する伝動状態と、一対の輪体を下降移動させて無端回動帯と苗受け具底面との接触を解除する非伝動状態とを切換え可能なものに構成してあることを特徴とする。
【0007】〔作用〕請求項1の構成によれば、苗貯留部に貯留された苗受け具を、搬出機構と搬出レールを作動することによって地面上に供給できるのであり、苗貯留部を搭載する自走機体を走行させながら昇降機構と搬出機構と搬出レールとを作動すれば連続的に供給することが可能になる。
【0008】そして、搬出レールの長さや苗貯留部の高さ等により、供給時における搬出レールの傾斜角度が急になったり緩くなったりするが、搬出レールを重力で自然移動する構造に構成してある場合に、傾斜が急であると搬出レールからの苗受け具の排出速度が速くなり過ぎて、苗受け具の苗が偏るとか倒れるといった苗乱れを招く接地ショックが生じる不都合がある。又、それを防ぐべく搬出レールを駆動型に構成してある場合に高速で走行すると、今度は地面に対する排出速度が遅くなって、接地時における苗受け具の引き擦りが顕著になり、やはり前述の苗乱れを生じるおそれがある。
【0009】そこで、搬出レールを、苗受け具を強制搬送する駆動搬送状態と、重力による移送が可能となる自然搬送状態とに切換自在に構成してあるから、搬出レールの傾斜が急なときには駆動搬送状態とすることにより、接地時の苗受け具の排出速度を適宜なものにして接地ショック少なく地面上に供給できるようになる。そして、搬出レールの傾斜が緩いときには自然搬送状態として、接地ショックが無いようにしながら無駄な駆動力を使わずに済むようにできる。又、苗供給装置の移動速度が比較的速く、かつ、搬出レールの傾斜も比較的急な場合では、駆動搬送状態にするよりも自然搬送状態の方が接地ショックを軽減できることも考えられるので、これら双方の搬送状態を適宜に使い分けることにより、搬出レールの傾斜角度や走行速度の如何に因らずに苗乱れ少なく地面に苗供給することが可能である。
【0010】請求項2の構成によれば、搬出クラッチを入りとして搬出機構の動力を入力することで搬出レールを駆動搬送状態にでき、搬出クラッチを切りとして搬出機構の動力を入力しないことで搬出レールを自然搬送状態にするものであるから、搬出レール専用の駆動源を持つことなく請求項1の構成による上記作用を得ることができる。又、この構成では、搬出レールの駆動時における苗受け具の搬送速度と、搬出機構における苗植付装置受け具の搬送速度とを合わせることが容易であり、搬出機構から搬出レールに亘って一定の速度で搬送でき、搬送詰まりなく円滑に苗受け具を搬送することができる。
【0011】請求項3の構成によれば、一対の輪体を上昇させると無端回動帯と苗受け具底面とが接触しての摩擦搬送により、苗受け具を強制移送できる駆動搬送状態になり、一対の輪体を下降すれば無端回動帯と苗受け具底面との接触が断たれ、ローラの自由回転による自然搬送状態となる。この構成は、自由回転するローラとは別に駆動搬送手段を設けたものであり、次のような利点がある。
【0012】すなわち、例えば、全部のローラにベルトやチェンを巻回し、かつ、動力を断続するクラッチを設ける手段とした場合のクラッチ切りによる自然搬送状態では、苗受け具の移動でローラを回転させるときには全部のローラを回転させることになり、慣性が大となって苗受け具が容易に移動できない不都合がある。これに対して本請求項の構成では、無端回動帯を下降すれば単品毎に独立した自由回転状態のローラ上に苗受け具が載ることになり、小なる慣性によって緩い傾斜でも容易に苗受け具を移動させることができ、作動開始に時おける作動不良が解消されるようになる。
【0013】〔効果〕請求項1〜3のいずれに記載の苗供給装置でも、(イ)搬出レールが自然搬送状態と駆動搬送状態とに切換え可能であるから、搬出レールの傾斜の緩急や走行速度の速い遅い等の作業条件が異なっても、接地ショックや苗受け具の引き擦りを抑制でき、苗乱れ少なく地面上に姉供給できるようになった。
【0014】請求項2に記載の苗供給装置では、搬出レール専用の駆動源が不要であり、かつ、搬出機構と搬出レールの同調駆動がし易く、経済的・合理的に上記効果(イ)を得る利点がある。
【0015】請求項3に記載の苗供給装置では、ローラと無端回動帯とに機能を完全に分離させることにより、自然搬送状態における作動開始時の作動不完全現象のない良好な状態で、上記効果(イ)を得る利点がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3、図4に示すように、苗掬い板や育苗箱等の苗受け具1の載置が可能な苗棚(苗支持部の一例)2を上下複数段(10段)に備える苗貯留部3と、苗棚2を駆動昇降可能な昇降機構Aと、苗貯留部3の下方から苗受け具1を繰出し可能な搬出機構Bと、苗貯留部3が自走機体に搭載された状態において搬出機構Bによって繰出された苗受け具1を地面上に移送可能な搬出レール4とを備えて苗供給装置を構成してある。又、苗貯留部3を、これを支える受け台5に対して縦軸心回りで回動可能な旋回機構Cを備えている。
【0017】先ず、この苗供給装置の使い方を説明すると、苗貯留部3に貯留した苗Wを硬化処理のために育苗施設の舗装されたヤードに並べるとか、補給用の予備苗として枕地に置いて行くといった地面上への地面供給作業が主であり、枕地から田植機に苗補給する苗補給作業も可能である。又、そのために、前もって苗Wの載置された苗受け具1を苗棚2に積込んで行く前処理作業もある。
【0018】地面供給作業は、図1に示すように、苗供給装置を軽トラックKの荷台N等の別途用意した自走機体に載せた状態で行うものであり、搬出レール4後端を地面に接地させた状態で苗受け具1を排出駆動しながら低速走行することにより、苗受け具1を地面上に連続又は間欠的に置いてゆくことができる。このとき、後述のローラ33は転動作用状態にしておく。
【0019】そして、図2に示すように、軽トラックKを枕地に停めて、苗貯留部3を旋回移動させて横向きとすれば、搬出レール4先端から田植機に苗補給することができる。このとき、後述のローラ33は突出作用状態にしておく。又、搬出レール4を逆転駆動させるとか、非駆動タイプで搬出レール4を苗貯留部3側が低くなる傾斜として、外部から苗受け具1を苗貯留部3に搬入することができる。
【0020】以下に、各部の構造や機能について説明する。
【0021】図1〜図4に示すように、苗貯留部3は、前後左右の4本の縦支柱6とこれら各縦支柱6どうしを連結する前後上下の計4箇所の横支柱7Aと、上側左右の計2箇所の連結支柱7Bとからなる枠フレームとして構成され、各縦支柱6には苗棚2昇降用の昇降チェン8が装備されるとともに、その4箇所の昇降チェン8と、それらを同時駆動するための昇降電動モータ9等から成る昇降機構Aを苗貯留部3の底枠3a部位に配備してある。苗貯留部3の平面視における長手方向で隣合う昇降チェン8,8に亘って断面略L字形状のアングル材を架設することで一方の苗棚2を構成してあり、同構造の他方の苗棚2とに跨がって苗受け具1を、その長手方向両端でもって載置するようにしてある。つまり、6個の苗受け具1が載置できる苗棚2を10段設けてあり、苗貯留部3には合計60枚のマット苗Wを貯留することができる。
【0022】図8、図9に示すように、昇降チェン8のチェンリンク8aの突出折曲げ部分に、姿勢補助板10を介して苗棚2をボルト止めしてある。左右の苗棚2,2が向かい合う載置状態においては、姿勢補助板10が苗棚2より下方に延びることにより、苗受け具1の重みが作用しても載置面2aが傾かないようになっている。
【0023】昇降機構Aの伝動系を説明する。図4、図5に示すように、昇降チェン8は上下のスプロケット11,12に巻回されており、左右夫々の前後の昇降チェン8,8の下側のスプロケット12,12に跨がる長い駆動軸13,13夫々にチェン連動機構14,14が装備されている。各チェン連動機構14に駆動スプロケット軸どうしに取付けられた同一のギヤ15,15を咬合させてあり、前後左右の昇降チェン8が同速度かつ同方向に同調駆動するようにしてあるとともに、一方のギヤ15と、減速機付きの昇降電動モータ9とをチェン連動させてある。昇降電動モータ9は正逆転駆動可能であり、苗棚2の駆動上昇及び駆動下降が行える。
【0024】昇降電動モータ9の直ぐ上には、昇降機構Aで下降されてきた苗受け具1を受止めて苗棚2の長手方向に移送する搬出機構Bを備えている。すなわち、図10、図11に示すように、左右の支持フレーム16,16と中央の支持板17とによって、回転ローラ18を2列で多数並べて支持し、支持板17上を移動する駆動可能な突起付き搬送チェン19と一対のスプロケット19a,19bのうちの一方のスプロケット19aを駆動する搬出電動モータ(請求項2におけるアクチュエータの一例)20を設けて搬出機構Bを構成してある。つまり、適宜の間隔を空けて搬送チェン19に装備された突起19cが苗受け具1を後押しすることで強制搬送するものである。搬出電動モータ20は正逆転駆動可能であり、苗受け具1の苗貯留部3から外部への搬出、及び外部から苗貯留部3への搬入の双方が可能である。
【0025】図3、図4、図13に示すように、受け台5は、縦向きの支点P回りで苗貯留部3を旋回可能に支持するとともに、軽トラックKの荷台Nに安定載置できるように構成されている。すなわち、前後左右の計4個の支持ローラ22をその回転軸心が90度ずつ異なる状態で支点P回りに配置してあるとともに、支点Pを有した回転軸23を受け台5と苗貯留部3とに亘って設けて旋回機構Cを構成してあり、苗貯留部3を手で押しての人為操作で旋回移動させることができる。勿論、電動モータ等のアクチュエータで駆動旋回させるようにしても良い。
【0026】受け台5は移動できるようにキャスター輪24を備えており、又、荷台Nにしっかりと支持できるように、荷台Nの左右のあおり板a,a、後部の開閉扉b、及び運転室との隔壁cに対して作用可能な突っ張り部材25を備えてある。つまり、軽トラック荷台Nに搭載するときには、各突っ張り部材25を延ばしてあおり板a等に密着又は付勢接当させることにより、受け台5を、すなわち苗供給装置を倒れることなく荷台Nに固定できるのである。
【0027】図5に示すように、搬出レール4は、根元の左右向き支点X回りで揺動可能な左右の支持枠4a,4a間に多数の転動ローラ26と、搬出ベルト機構Fと搬出クラッチGとを支持して構成されるとともに、電動式のウィンチDの作動により、上昇揺動して苗貯留部3の側面に沿うように起立した格納状態と、先端が地面付近に位置しての作用状態とに亘って揺動移動自在である。
【0028】図6、図7に示すように、転動ローラ26は、左右の支持枠4a,4a夫々に自由回転するように片持ち支持された左右分離型に構成されている。搬出ベルト機構Fは、一対の回転軸61,62夫々に取付けられたスプロケット(請求項3における輪体の一例)63,64にゴムベルト(請求項3における無端回動帯の一例)65を巻回して構成されるとともに、各回転軸61,62を、左右一対の支持ステー66,67によって横向き支点Qで揺動可能に支持枠4a,4aに支承してある。そして、前後の支持ステー66,67を連動ロッド68で連結するとともに、一方の支持枠4aに枢支されたクラッチレバー69と、前支持ステー66とをワイヤー70連結してある。
【0029】さらに、駆動側スプロケット63が上昇移動する方向に前支持ステー66を付勢するバネ71を設けるとともに、前支持ステー66の揺動による昇降移動を規制する上下のストッパー72a,72bを設けてある。そして、前回転軸61に装着した従動プーリ73と、搬出機構Bにおける転動スプロケット19bの軸に装備された駆動プーリ74とにベルト(請求項3における伝動機構の一例)75を巻回するとともに、前述したクラッチレバー69先端のテンションローラ69aでベルト75の緊張及び弛緩可能として、ベルトテンション式の搬出クラッチGを構成してある。
【0030】搬出クラッチGの作用を説明すると、苗受け具1が強制搬送されるように搬出レール4を駆動搬送状態とするには、クラッチレバー69を図7において時計回り方向に操作し、テンションローラ69aでベルト75を緊張して伝動状態にする〔図7(イ)の状態〕。すると、ワイヤー70が弛んでバネ71が前支持ステー66を引張り、支持ステー66が上ストッパー72aと接当する迄一対のスプロケット63,64を連動させて支持枠4aに対して揺動上昇させる。この状態では、ゴムベルト65上面が転動ローラ26の頂部よりも僅かに上に突出しており、苗受け具1を、その底面との接触によって強制搬送する状態がもたらされる。
【0031】次に、苗受け具1が重力で自然に移動するように搬出レール4自然搬送状態とするには、クラッチレバー69を図7において反時計回り方向に操作し、テンションローラ69aを退避移動させてベルト75が弛んだ非伝動状態にする〔図7(ロ)の状態〕。すると、ワイヤー70を引張ってバネ71の付勢力に抗して前支持ステー66を下ストッパー72bに接当する迄引張り、一対のスプロケット63,64を連動して支持枠4aに対して揺動下降させる。この状態では、ゴムベルト65上面が転動ローラ26の頂部よりも下方に下がっており、苗受け具1との接触が断たれた状態となる。従って、苗受け具1は自由回転する転動ローラ26による転がりで移動するようになるのである。
【0032】又、転動スプロケット19bの軸には手動操作可能なハンドル76が装備してあり、人為操作で搬出機構Bと搬出ベルト機構Fとを駆動させて苗受け具1を搬出可能としてある。例えば、畦から田植機に苗補給する場合にその人為排出操作状態を用いることができる。
【0033】図1、図2に示すように、搬出レール4の先端に、地面に接触しての転動移動が可能なローラ33を備えてある。左右のローラ33は、支持枠4aに上下揺動可能に枢支された左右のステー34に支承してあり、枢支軸35に取付けた切換レバー36の操作により、ローラ33が搬出レール4よりも下方に位置する転動作用状態と、搬出レール4よりも上方に位置して苗受け具1の搬出レール4からの排出移動を阻止可能な突出作用状態とに切換可能に構成してある。つまり、図1に示すように、軽トラックKを走らせながら地面上に苗受け具1を置いて行く作業のときには、ローラ33を転動作用状態にして接地させる。そして、図2に示すように、圃場の田植機Tに苗補給するときには、ローラ33を突出作用状態にして苗受け具1のストッパーとする。
【0034】図3、図12に示すように、搬出機構Bによる苗受け具の排出方向下手側となる苗貯留部3の側面(以下、出口側面と略称する)の下部に設けた支点Xに支持枠4a,4aの一端を枢支させ、巻上げモータ部27による2本のワイヤロープ28,28を他端に取付けてある。各ワイヤーロープ28,28は、出口側面の縦支柱6,6の上部に備えたガイドローラ29と、下部の2種の横向きガイド30a,30bとを用いて巻上げモータ部27に導いてあり、巻上げモータ部27の正逆駆動によって搬出レール4を揺動昇降させるウィンチDを構成する。
【0035】入口及び出口の各側面の横支柱7Aは平面視で略U字状に形成されて、下から2段目の苗棚2と3段目の苗棚2との間、及び最上段の苗棚2の直下となる2箇所に取付けてあり、それら上下の横支柱7A,7Aどうしに亘って苗受け具1の落下防止用部材31を架設連結してある。又、入口側面における落下防止用部材31の下端部には、上部に設けた支点Yで揺動可能なドア32を設けてあり、垂下されて下から2段の苗棚2に対する苗受け具1の飛び出しを防止する作用姿勢と、その作用姿勢から約90度上昇揺動して苗受け具1の出し入れが可能となる退避姿勢とに切換え自在である。
【0036】つまり、図3に示すように、搬出レール4を前にして苗供給装置を荷台Nに搭載したような状態(搬出レール4は格納状態である)では、入口側面(荷台後方)のドア32の開閉によって苗受け具1の出し入れが可能である。又、図2に示すように、搬出レール4を作用状態にすれば、出口側面からの苗受け具1の出し入れも可能である。
【0037】〔別実施形態〕図14に示すように、搬出ベルト機構Fに代えて、搬出レール4の転動ローラ26の全部をゴムベルト65に対して昇降させるようにしても良い。即ち、転動ローラ26を支持する左右の支持板77,77が一体揺動するように、一対の回動軸78,79と4個のリンク80とで連動連結し、そのうち1個のリンクにセットレバー81を形成する。つまり、セットレバー81を操作して、転動ローラ26の頂部をゴムベルト65の上面よりも上方に位置させれば自然搬送状態になり、転動ローラ26の頂部をゴムベルト65の上面よりも下方に位置させれば駆動搬送状態になるのである。
【0038】搬出レール4を、搬出電動モータ20とは別の専用の電動モータにより、ワンウェイクラッチを介して全転動ローラ26を駆動回転させるようにしても良い。ワンウェイクラッチは、搬出レール4が先上がり傾斜して苗貯留部3に苗を取り込み移動させるときに転動ローラ26が自由回転する状態にセットしてあり、搬出レール4が先下がり傾斜しての地面供給時には、電動モータによる転動ローラ26の駆動速度に拘束される駆動搬送状態となる。そして、重力による苗受け具1の移動速度よりも転動ローラ26を高速回転させると、自然搬送状態を現出させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−32518
【公開日】 平成11年(1999)2月9日
【出願番号】 特願平9−191358