トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 苗供給装置
【発明者】 【氏名】樫井 秋雄

【要約】 【課題】稼働率が悪くても十分に採算が取れるように、苗を地面上に供給してゆく苗供給装置を廉価に構成する。

【解決手段】育苗箱1を載置する左右一対の苗棚2,2を上下10段備える苗貯留部3と、苗棚2,2を駆動昇降可能な昇降機構Aと、苗貯留部3の下方から育苗箱1を繰出し可能な搬出機構と、苗貯留部3が軽トラックの荷台Nに搭載された状態において搬出機構によって繰出された育苗箱1を地面上に移送する搬出レール4とを備えて苗供給装置を構成する。搬出レール4先端には、接地転動するローラ33を備えるとともに、受け台に対して旋回可能に支持される苗貯留部3に、搬出レール4を自由ローリング可能に支承する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗受け具の載置が可能な苗支持部を上下複数段に備える苗貯留部と、前記苗支持部を駆動昇降可能な昇降機構と、前記苗貯留部の下方から苗受け具を繰出し可能な搬出機構と、前記苗貯留部が自走機体に搭載された状態において前記搬出機構によって繰出された苗受け具を地面上に移送可能な搬出レールとを備えて成る苗供給装置。
【請求項2】 地面に接触しての転動移動が可能なローラを前記搬出レールの先端部に備え、該ローラが前記搬出レールよりも下方に位置する転動作用状態と、前記搬出レールよりも上方に位置して苗受け具の搬出レールからの排出移動を阻止可能な突出作用状態とに切換可能に構成してある請求項1に記載の苗供給装置。
【請求項3】 前記搬出レールを前記苗貯留部に対してローリング可能に構成してある請求項1又は2に記載の苗供給装置。
【請求項4】 前記搬出機構を逆転駆動可能に構成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の苗供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗貯留部に貯留された苗受け具を順次に地面上に置いて行くように作動する苗供給装置に係り、詳しくは、トラック自動車等の別に用意した自走機体に搭載して使用するものに関する。
【0002】
【従来の技術】苗を地面上に供給するものとしては、特開平8‐308320号公報に示された育苗箱供給・回収機が知られている。これは、台車等に積まれた緑化後の育苗箱を硬化のために地面上に置いて行く供給状態と、硬化後の育苗箱を地面から拾い上げて回収する回収状態とが可能な専用機として構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記育苗箱供給・回収機は田植機と同様に1年間における稼働時間が非常に短く、稼働率が極端に低いものであるため、割高な専用機であって経済的な面からは改善の余地があった。本発明の目的は、稼働率が悪くても十分に採算が取れるように、苗を地面上に供給してゆく苗供給装置を廉価に構成させる点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、苗受け具の載置が可能な苗支持部を上下複数段に備える苗貯留部と、苗支持部を駆動昇降可能な昇降機構と、苗貯留部の下方から苗受け具を繰出し可能な搬出機構と、苗貯留部が自走機体に搭載された状態において搬出機構によって繰出された苗受け具を地面上に移送可能な搬出レールとを備えて苗供給装置を構成することを特徴とする。
【0005】第2発明は、第1発明において、地面に接触しての転動移動が可能なローラを搬出レールの先端部に備え、該ローラが搬出レールよりも下方に位置する転動作用状態と、搬出レールよりも上方に位置して苗受け具の搬出レールからの排出移動を阻止可能な突出作用状態とに切換可能に構成してあることを特徴とする。
【0006】第3発明は、第1又は第2発明において、搬出レールを苗貯留部に対してローリング可能に構成してあることを特徴とする。
【0007】第4発明は、第1〜第3発明において、搬出機構を逆転駆動可能に構成してあることを特徴とする。
【0008】〔作用〕請求項1の構成によれば、苗貯留部に貯留された苗受け具を、搬出機構と搬出レールとによって地面上に供給できるのであり、その供給作動は、苗貯留部を別の自走機体に搭載した状態で行えるようにしてある。すなわち、自走機体を走らせながら搬出機構を動かすことにより、苗貯留部の苗受け具を連続的に地面に置いて行くことが可能になる。これは、農家の殆どは軽トラックや運搬車等の農作業用の自走機体を所有しており、その点に着目することによって、走行機能を持たない苗供給装置としながら、苗受け具を地面上に供給し続けることが可能になったのである。
【0009】つまり、トラック自動車や運搬車等が持つ走行機能と合体させることによって初めて供給作動できるようになるが、装置を載置できて自走するものであれば機能させることが可能になるから、その点で汎用性を備えたものになる。そして、専用の走行機体が不要であり、大幅にコストダウンできるようになる。
【0010】請求項2の構成によれば、ローラを搬出レールよりも下方に位置する転動作用状態に切換えれば、苗受け具を地面上に供給するべく自走機体を走らせたときには、転がり移動するローラで搬送レール先端を支持でき、地面を引きずる状態に比べて円滑で安定した供給作動状態が得られる。そして、供給作動を停止する場合にはローラを突出作用状態に切換えることにより、搬出レール上にある苗受け具を搬出レールから排出されないように保持できるようになる。つまり、ローラの位置切換え構造により、単一のローラでもって前述した2種の機能を発揮させることが可能になる。
【0011】苗受け具を置く地面は、コンクリート等で舗装された良好な場所もあれば、未舗装地面や空き地等の比較的起伏や凹凸のある場所もあり、搬出レールから出された苗受け具と地面とが左右傾斜していると、接地ショックが生じるおそれがある。そこで、請求項3の構成によれば、搬出レールを苗貯留部に対してローリング可能としてあるから、地面が部分的左右に傾斜しているときには、搬出レールを同様の向きにローリングさせて前記接地ショックを軽減又は解消することができる。この場合、苗貯留部から搬出レールへの受渡し箇所での苗受け具の移動速度は十分に遅いので、それら両者の左右傾斜ズレがあっても搬送姿勢が乱れる等の問題は生じないので、上記対策が有効に作用するのである。
【0012】請求項4の構成によれば、搬出機構を逆転駆動可能であるから、苗受け具を外部から苗貯留部に搬入することが可能になり、昇降機構の作動と相まって、苗受け具、すなわち苗を苗貯留部に順次積み込めるようになる。つまり、複数段の苗支持部夫々に苗を積み込む操作も機械化され、地面への供給作業前の準備作業を楽に行えるようになる。
【0013】〔効果〕請求項1〜4のいずれに記載の苗供給装置でも、別の自走機体に搭載させることで専用の自走機能を省略できたので、装置をコンパクトに構成でき、しかも、自走機体が限定されないことから汎用性に優れながらコストダウン可能な合理的なものにできた。
【0014】請求項2に記載の苗供給装置では、円滑で安定した地面への苗供給作動状態と、搬出レール上で苗受け具を保持する状態とを、単一のローラを切換える比較的簡単で廉価な手段で得られる利点がある。
【0015】請求項3に記載の苗供給装置では、搬出レールのローリング機能により、地面の起伏凹凸に拘わらずに苗受け具の接地ショックを抑制又は解消でき、姿勢乱れ無く良好な状態で苗を地面に置いて行くことができるようになった。
【0016】請求項4に記載の苗供給装置では、搬出機構の正逆駆動構造により、苗供給のみならず苗貯留部への苗積み込みも行える便利なものにできた。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3,図4に示すように、苗掬い板や育苗箱等の苗受け具1の載置が可能な苗棚(苗支持部の一例)2を上下複数段(10段)に備える苗貯留部3と、苗棚2を駆動昇降可能な昇降機構Aと、苗貯留部3の下方から苗受け具1を繰出し可能な搬出機構Bと、苗貯留部3が自走機体に搭載された状態において搬出機構Bによって繰出された苗受け具1を地面上に移送可能な搬出レール4とを備えて苗供給装置を構成してある。又、苗貯留部3を、これを支える受け台5に対して縦軸心回りで回動可能な旋回機構Cを備えている。
【0018】先ず、この苗供給装置の使い方を説明すると、苗貯留部3に貯留した苗Wを硬化処理のために育苗施設の舗装されたヤードに並べるとか、補給用の予備苗として枕地に置いて行くといった地面上への地面供給作業が主であり、枕地から田植機に苗補給する苗補給作業も可能である。又、そのために、前もって苗Wの載置された苗受け具1を苗棚2に積込んで行く前処理作業もある。
【0019】地面供給作業は、図1に示すように、苗供給装置を軽トラックKの荷台N等の別途用意した自走機体に載せた状態で行うものであり、搬出レール4後端を地面に接地させた状態で苗受け具1を排出駆動しながら低速走行することにより、苗受け具1を地面上に連続又は間欠的に置いてゆくことができる。このとき、後述のローラ33は転動作用状態にしておく。
【0020】そして、図2に示すように、軽トラックKを枕地に停めて、苗貯留部3を旋回移動させて横向きとすれば、搬出レール4先端から田植機に苗補給することができる。このとき、後述のローラ33は突出作用状態にしておく。又、搬出レール4を逆転駆動させるとか、非駆動タイプで搬出レール4を苗貯留部3側が低くなる傾斜として、外部から苗受け具1を苗貯留部3に搬入することができる。
【0021】以下に、各部の構造や機能について説明する。
【0022】図1〜図4に示すように、苗貯留部3は、前後左右の4本の縦支柱6とこれら各縦支柱6どうしを連結する前後上下の計4箇所の横支柱7Aと、上側左右の計2箇所の連結支柱7Bとからなる枠フレームとして構成され、各縦支柱6には苗棚2昇降用の昇降チェン8が装備されるとともに、その4箇所の昇降チェン8と、それらを同時駆動するための昇降電動モータ9等から成る昇降機構Aを苗貯留部3の底枠3a部位に配備してある。苗貯留部3の平面視における長手方向で隣合う昇降チェン8,8に亘って断面略L字形状のアングル材を架設することで一方の苗棚2を構成してあり、同構造の他方の苗棚2とに跨がって苗受け具1を、その長手方向両端でもって載置するようにしてある。つまり、6個の苗受け具1が載置できる苗棚2を10段設けてあり、苗貯留部3には合計60枚のマット苗Wを貯留することができる。
【0023】図6,図7に示すように、昇降チェン8のチェンリンク8aの突出折曲げ部分に、姿勢補助板10を介して苗棚2をボルト止めしてある。左右の苗棚2,2が向かい合う載置状態においては、姿勢補助板10が苗棚2より下方に延びることにより、苗受け具1の重みが作用しても載置面2aが傾かないようになっている。
【0024】昇降機構Aの伝動系を説明する。図4,図5に示すように、昇降チェン8は上下のスプロケット11,12に巻回されており、左右夫々の前後の昇降チェン8,8の下側のスプロケット12,12に跨がる長い駆動軸13,13夫々にチェン連動機構14,14が装備されている。各チェン連動機構14に駆動スプロケット軸どうしに取付けられた同一のギヤ15,15を咬合させてあり、前後左右の昇降チェン8が同速度かつ同方向に同調駆動するようにしてあるとともに、一方のギヤ15と、減速機付きの昇降電動モータ9とをチェン連動させてある。昇降電動モータ9は正逆転駆動可能であり、苗棚2の駆動上昇及び駆動下降が行える。
【0025】昇降電動モータ9の直ぐ上には、昇降機構Aで下降されてきた苗受け具1を受止めて苗棚2の長手方向に移送する搬出機構Bを備えている。すなわち、図8,図9に示すように、左右の支持フレーム16,16と中央の支持板17とによって、回転ローラ18を2列で多数並べて支持し、支持板17上を移動する駆動可能な搬送ベルト19とその駆動機構20を設けて搬出機構Bを構成してある。駆動機構20としては、一方の転輪(歯付きドラム、プーリ、スプロケット等)21に連動する搬出電動モータを設けて構成する。
【0026】搬出電動モータ20は正逆転駆動可能であり、苗受け具1の苗貯留部3から外部への搬出、及び外部から苗貯留部3への搬入の双方が可能である。又、搬送ベルト19の苗受け具載置表面は滑らかな状態に仕上げてあり、搬送ベルト19と苗受け具1との摩擦抵抗によって苗受け具1を搬送するものでありながら、苗貯留部3の内壁面等の障害物に当たると搬送ベルト19と苗受け具1底面とがスリップして、各部に損傷が生じないようにしてある。
【0027】図3,図4,図11に示すように、受け台5は、縦向きの支点P回りで苗貯留部3を旋回可能に支持するとともに、軽トラックKの荷台Nに安定載置できるように構成されている。すなわち、前後左右の計4個の支持ローラ22をその回転軸心が90度ずつ異なる状態で支点P回りに配置してあるとともに、支点Pを有した回転軸23を受け台5と苗貯留部3とに亘って設けて旋回機構Cを構成してあり、苗貯留部3を手で押しての人為操作で旋回移動させることができる。勿論、電動モータ等のアクチュエータで駆動旋回させるようにしても良い。
【0028】受け台5は移動できるようにキャスター輪24を備えており、又、荷台Nにしっかりと支持できるように、荷台Nの左右のあおり板a,a、後部の開閉扉b、及び運転室との隔壁cに対して作用可能な突っ張り部材25を備えてある。つまり、軽トラック荷台Nに搭載するときには、各突っ張り部材25を延ばしてあおり板a等に密着又は付勢接当させることにより、受け台5を、すなわち苗供給装置を倒れることなく荷台Nに固定できるのである。
【0029】図1〜図3,図5,図10に示すように、搬出レール4は、根元の左右向き支点X回りで揺動可能な左右の支持枠4a,4a間に多数の転動ローラ26を支持して構成され、電動式のウィンチDの作動により、上昇揺動して苗貯留部3の側面に沿うように起立した格納状態と、先端が地面付近に位置しての作用状態とに亘って揺動移動自在である。転動ローラ26は搬送電動モータ44とチェン等による伝動機構45とによる正逆駆動型に構成され、苗受け具1の搬出移送及び搬入移送が行えるようになっている。又、ベルトやチェン等の伝動機構によって搬出機構Bから動力を取るようにして、搬送電動モータ44を省略する構造も可である。
【0030】そして、支点Xで支持枠4a,4aを支承する基部4Aを、前後向き軸心Zでローリング可能に苗貯留部3に支持するとともに、搬出レール4の先端に、地面に接触しての転動移動が可能なローラ33を備えてある。図1,図2に示すように、左右のローラ33は、支持枠4aに上下揺動可能に枢支され左右のステー34に支承してあり、枢支軸35に取付けた切換レバー36の操作により、ローラ33が搬出レール4よりも下方に位置する転動作用状態と、搬出レール4よりも上方に位置して苗受け具1の搬出レール4からの排出移動を阻止可能な突出作用状態とに切換可能に構成してある。つまり、図1に示すように、軽トラックKを走らせながら地面上に苗受け具1を置いて行く作業のときには、ローラ33を転動作用状態にして接地させる。そして、図2に示すように、圃場の田植機Tに苗補給する作業のときには、ローラ33を突出作用状態にして苗受け具1のストッパーとする。
【0031】図3,図10に示すように、搬出機構Bによる苗受け具の排出方向下手側となる苗貯留部3の側面(以下、出口側面と略称する)の下部に設けた支点Xに支持枠4a,4aの一端を枢支させ、巻上げモータ部27による2本のワイヤロープ28,28を他端に取付けてある。各ワイヤーロープ28,28は、出口側面の縦支柱6,6の上部に備えたガイドローラ29と、下部の2種の横向きガイド30a,30bとを用いて巻上げモータ部27に導いてあり、巻上げモータ部27の正逆駆動によって搬出レール4を揺動昇降させるウィンチDを構成する。
【0032】地面への苗受け具1の供給作業において、地面の起伏や凹凸があるときには、ローラ33を接地させた状態からさらにワイヤロープ28を繰り出して若干弛み気味にセットすることにより、軽トラックKの走行に伴って搬出レール4が地面に追従してローリングし、接地ショック少なく苗受け具1を地面上に供給することができる。
【0033】入口及び出口の各側面の横支柱7Aは平面視で略U字状に形成されて、下から2段目の苗棚2と3段目の苗棚2との間、及び最上段の苗棚2の直下となる2箇所に取付けてあり、それら上下の横支柱7A,7Aどうしに亘って苗受け具1の落下防止用部材31を架設連結してある。又、入口側面における落下防止用部材31の下端部には、上部に設けた支点Yで揺動可能なドア32を設けてあり、垂下されて下から2段の苗棚2に対する苗受け具1の飛び出しを防止する作用姿勢と、その作用姿勢から約90度上昇揺動して苗受け具1の出し入れが可能となる退避姿勢とに切換え自在である。
【0034】つまり、図3に示すように、搬出レール4を前にして苗供給装置を荷台Nに搭載したような状態(搬出レール4は格納状態である)では、入口側面(荷台後方)のドア32の開閉によって苗受け具1の出し入れが可能である。又、図2に示すように、搬出レール4を作用状態にすれば、出口側面からの苗受け具1の出し入れも可能である。
【0035】図13,図14に示すように、苗貯留部3の前後左右側面、及び上面の5面夫々を覆い板37〜41でカバー可能に構成しても良い。すなわち、各縦支柱6の外側下方の四隅に下受け具42を、かつ、外側上方の四隅に上受け具43をステー等を介して固定してあり、左右覆い板37,38、及び前後覆い板39,40は延べ上下4個の上及び下受け具43,43,42,42の溝部43a,42aに上方からスライドによって嵌め入れるとともに、上面覆い板41を各上受け具43の横溝部43bに側方からスライドさせることで嵌め入れるのである。尚、下受け具42には覆い板支持用の底面42bが存在している。
【0036】上記覆い板37〜41の使い方は以下のようである。すなわち、作業待ち等によって苗受け具1を苗貯留部3に載置したまま放置すると、風や日光に晒され過ぎて枯れやすいとともに、苗供給装置各部の駆動機構や電気部品が雨に濡れて作動不良を招き易いことが考えられる。従って、前後左右及び上面の覆い板37〜41の全部又は複数又は単数を装着することにより、風、雨、日光を防いで苗Wや苗供給装置の状態維持管理を簡単に行えるとともに、5面共覆った状態では苗の運搬用台車として活用できるようにもなる。
【0037】次に、地面供給作業における各種の作動制御について簡単に説明するが、最初に、各種制御に必要な要素について述べる。図3,図4に示すように、搬出機構B上での苗受け具1の有無を検出する存否スイッチ46と、棚満載リミットスイッチ47と、排出完了リミットスイッチ48と、棚上昇感知リミットスイッチ49と、棚下降感知リミットスイッチ50とが苗貯留部3に備えてある。
【0038】存否スイッチ46は、左右の支持フレーム16,16の一方に6個設けてあり、回転ローラ18上に苗受け具1が存在するか否かを検出する。棚満載リミットスイッチ49は、苗受け具1が搭載された最上段の苗棚2,2が上限まで上昇したときに、その最上段の苗棚2で押されて作動する高さ位置に配設してある。そして、図12に示すように、各スイッチ46〜50、及び各電動モータ9,20,44を制御装置53に接続してある。
【0039】排出完了リミットスイッチ47は、最上段の苗棚2,2が下降移動するときにのみ反応して作動するものであり、最上段の直下に位置する上から2番目の苗棚2,2が搬出機構Bに苗受け具1を受け渡す高さにあるときに、その2番目の苗棚2と最上段の苗棚2との上下間となる高さ位置に排出完了リミットスイッチ48を配設する。つまり、最上段の苗棚2が排出完了リミットスイッチ48を通過して下降すれば、その直後に最上段の苗棚2上の苗受け具1が搬出機構Bで駆動排出されてしまうので、その最上段の苗棚2が下限下降位置の手前から下限下降位置に移動することの検出により、苗貯留部3の苗受け具1の排出が完了したと見なすものである。この排出完了リミットスイッチ80が作動し、かつ、6個の存否スイッチ46が全て非存在検出すると動きを止めるようにしても良い。
【0040】棚上昇感知リミットスイッチ49は、排出完了リミットスイッチ48の直下に配置され、搬出機構Bから苗受け具1を受け渡された苗棚2,2が、該苗棚2,2が搬出機構Bの高さ位置から上昇移動してから、その下方で隣合う苗棚2,2が搬出機構Bの高さ位置に上昇してくる迄の間に作動するものとして設定されている。棚下降感知リミットスイッチ50は、棚上昇感知リミットスイッチ49とほぼ同じ高さレベルでもって配置され、苗受け具1Aの載置された苗棚2,2を搬出機構Bに苗受け具1を渡すべく下降移動すると作動する。
【0041】図5に示すように、縦支柱6の側面に着脱自在なコントロールボックス51が装備され、そこに装備された各種スイッチ類(図示せず)の操作によって、昇降機構A、搬出機構B、搬出レール4のマニュアル操作、及び各種制御手段の起動等が行えるようにしてある。このコントロールボックス51、及びウィンチD専用の操作具52の夫々は長いリード線を介して装置本体に接続されており、荷台N横に立っての操縦形態と、トラックキャビン内に着座した走行運転状態での操縦形態とが可能である。
【0042】■ 連続繰出し制御この制御は、苗受け具1を地面上に連続的に置いてゆく連続繰出し制御手段54によるものであり、軽トラックKの走行開始と同時に制御も開始させる。搬出及び搬送モータ20,44が駆動されて、搬出機構B上の苗受け具1が搬出レール4先端から地面に順次繰り出され、最奥列(最前列)の苗受け具1が搬出されて搬出機構B上に苗受け具1が無くなると、6個の存否スイッチ46が全てOFFになり、昇降機構Aが苗棚2の1段分だけ下降し、新たに6個の苗受け具1が搬出機構B上に載置されるのである。
【0043】この一連の動作を、10段の苗棚2が空になるまで続けることにより、図1に示すように、苗受け具1を連続的に地面に置いて行けるのである。但し、速度計Vを制御装置53に接続して、走行速度と搬出速度との関係によっては、苗棚2が1段分昇降動する間を除いて、隣合う苗受け具1,1間に隙間が無い状態や、一定の間隔を開けたりする制御を行うことも可能である。
【0044】■ 間欠繰出し制御例えば、前記連続繰出し制御における、苗棚2の1段分の昇降速度を明確に遅くすれば、地面に連続供給された6個の苗受け具1による供給群を走行方向で間隔を空けて排出することができる手段、すなわち、間欠繰出し制御手段55である。又、タイマー等によって、搬出機構B及び搬出レール4との駆動状態と停止状態とを交互に現出させることにより、間欠的に苗受け具1を地面供給させるものでも良い。
【0045】■ 搬入制御これは、各機構類を逆転駆動させて、搬出レール4先端に供給される苗受け具1を苗貯留部3に自動積み込みするものである。この搬入制御手段56による制御では、棚満載リミットスイッチ47が作動し、かつ、6個の存否スイッチ46が全てONになると動作が停止する。
【0046】〔別実施形態〕図15に示すように、6個の苗受け具1が載置可能な苗棚2,2を左右に2列備えた苗貯留部3とした苗供給装置でも良い。そして、搬出レール4を左右方向にスライドさせての2位置に切換え可能とすることにより、苗棚2,2を左右2列備えながら単一の搬出レール4で事足りるようにしてある。
【0047】ウィンチDは、巻上げ駆動部27と3種のガイドフック29,30a,30bは固定してあるため、搬出レール4を左右にスライド移動すると一方のワイヤロープ28は引張られ、かつ、他方のワイヤロープ28は弛んでしまう。そこで、最上部のガイドローラ29よりも巻上げ駆動部27側の位置における各ワイヤロープ28に作用する緊緩機構Eを設けてある。
【0048】すなわち、図16〜図18に示すように、ワイヤロープ28に摺接するローラ57を先端に備えた支持棒58を、ハンドル59で操作されるネジ送り機構60によって出退移動できるようにして緊緩機構Eを構成する。つまり、搬出レール4の横移動によって引張られる側の緊緩機構Eはローラ57を退入移動してワイヤロープ28を弛ませるとともに、弛む側の緊緩機構Eはローラ57をより突出させてワイヤロープ28を引張ることにより、双方のロープ長さの変動を相殺できるのである。
【0049】尚、ハンドルで回動されるネジ軸59aと咬合する支持棒58にはガイド部材58aが取付けられ、そのガイド部材58aによって支持棒58の回り止めとしてある。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−32517
【公開日】 平成11年(1999)2月9日
【出願番号】 特願平9−191357