| 【発明の名称】 |
長尺稲苗の育苗及び巻き取り方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】若松 大朔
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| 【要約】 |
【課題】長尺稲苗マットを伸ばさずに巻き取れる、育苗及び巻き取り方法【解決手段】 ポリスチレン不織布を熱ローラー等で加熱し、繊維を相互に接着した伸びがなく、稲苗の根が貫通しないシート等(以下巻き取りシート10と称する)を、長尺の連続したまま、育苗基材7の底面に敷いて育苗を行う。育苗が終了すれば、この巻き取りシート10にのみ張力をかけて、長尺稲苗マット9を、巻き取りシート10と重ねたまま巻き取る。苗倒しは、巻き取りにより同時に行われる。次に、これを巻き返しながら、巻き取りシート10を分離する。これによって、稲苗の苗倒し方向は逆となり、田植機のかきとりに適合する。この巻き取り、巻き返しは、巻き取りシート10を下敷きとして、電動無限軌道上3で、等周速度摩擦回転させることにより、長尺稲苗マット9には張力を及ぼさずに行われる。
【解決手段】ポリスチレン不織布を熱ローラー等で加熱し、繊維を相互に接着した伸びがなく、稲苗の根が貫通しないシート等(以下巻き取りシート10と称する)を、長尺の連続したまま、育苗基材7の底面に敷いて育苗を行う。育苗が終了すれば、この巻き取りシート10にのみ張力をかけて、長尺稲苗マット9を、巻き取りシート10と重ねたまま巻き取る。苗倒しは、巻き取りにより同時に行われる。次に、これを巻き返しながら、巻き取りシート10を分離する。これによって、稲苗の苗倒し方向は逆となり、田植機のかきとりに適合する。この巻き取り、巻き返しは、巻き取りシート10を下敷きとして、電動無限軌道上3で、等周速度摩擦回転させることにより、長尺稲苗マット9には張力を及ぼさずに行われる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺稲苗の育成にあたり、伸びが無く稲の根が貫通しない長尺巻き取りシートを、育苗基材の底面に敷いて育苗する、長尺稲苗の育苗方法。 【請求項2】 播種した育苗基材の底面に敷いた、伸びが無く稲の根が貫通しない長尺巻き取りシートを、下敷きとして育苗基材ともに重ねて巻き取り、次に長尺巻き取りシートを分離するように巻き返す、長尺稲苗の巻き取り方法。 【請求項3】 回転する無限軌這上に長尺稲苗マットを乗せて長尺稲苗を巻き取り、巻き返す、長尺稲苗の巻き取り方法。 【請求項4】 長尺稲苗の育成にあたり、育苗基材の底面に、伸びが無く稲の根が貫通しない長尺巻き取りシートを敷く場合、端部分を適当長さに折り込んで育苗する、長尺稲苗の育苗方法。 【請求項5】 長尺稲苗の育成にあたり、播種した育苗基材の一端の底面に、生分解性シートを一部突出させて敷いて育苗する、長尺稲苗の育苗方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、長尺稲苗の育苗終了後、長尺稲苗を輸送し、田植機に装着するための、長尺稲苗の育苗及び巻き取り方法に関する。 【0002】 【従来の技術】現用されている水稲苗の育苗法は、育苗箱に育苗培土を詰め、灌水し、浸漬・催芽した水稲種子を播種後、育苗培土で覆土して、根あがりを防ぐため育苗箱を電熱加温蒸気発生育苗器内に積み上げるか、台車に積み重ねて乗せ、育苗施設の出芽室に台車ごと入れて加温する。出芽・出根すれば、次に積み上げからおろして、ビニールハウス内等に平並べし、プラスチックフイルム保温被覆のトンネルをかけて、緑化、硬化を図り灌水・保温して育成している。 【0003】本葉1枚草丈7〜8cmの乳苗、本葉2枚〜2枚半、草丈12〜15cmの稚苗または、さらに大きい中苗にまで育てて、本田移植にあたっては、箱苗1枚1枚を手で持って、トラック荷台上のラックに棚さしして積み込んで輸送し、また棚から出して、狭い畦を歩いて本田に持ち込み、苗マットを箱から剥がして、一枚一枚田植機に搭載する。 【0004】慣行の床土を用いる方法では、稚苗の完成重量は1箱当たり約6kgに達する。必要量は10a当たり20〜24箱、1haでは200〜240箱に達し、重量換算で最大1、440kgである。播種から移植までは、農作業のピークで大変な労働量を集中して必要とし、育苗箱を、播種から移植までに6回運搬するから、約8、000kgの人力運搬を行うことになる。農家の主婦は、このため腱鞘炎、腰痛に悩む人が多い。 【0005】現用されている育苗箱による稲箱苗育成移植方法において、育苗箱は、内径縦(長さ)581±2mm、横(幅)281±2mmに規格化されている。育苗培土や育苗箱によらずに、水耕等により育苗した長尺稲苗をロール状に巻き取り、これを田植機の苗乗せ台(苗タンクとも称する)に搭載して、巻きほごしながら繰り出してかきとり田植えすれば、連続して苗補給無しに10〜30aの田植えが可能になる。詳細は「農業および園芸」第71巻・第6号(平成8年7月刊)に「水稲の育苗・移植作業の軽作業化−水稲ロングマット水耕苗の誕生と展望」田坂幸平として報告されている。 【0006】 【発明が解決しょうとする課題】通常の長尺稲苗の育苗は、m2当たり重量が60g〜30gの網状綿不織布を育苗基材として、これを前記稲育苗箱の内径横幅と同寸法で、縦長さは長尺(約6〜10m)の水耕培養槽内に敷いて、網状綿不織布上に浸漬・催芽した水稲種子を播種後、適温の培養液循環を行い、出芽育苗して、長尺稲苗マットを作る。 【0007】他に育苗培土代替成形資材のロックウール等の育苗基材を長尺の育苗箱、または長尺の育苗平板等に並べ、灌水して、根上がり防止に板等で播種した水稲種子上から抑えるか、積み重ねて出芽させ、平並べするか出芽器中で棚さして緑化・硬化する長尺稲苗の育苗方法もある。育苗培土代替成形資材は水稲苗の根の生長・発達によるルートマット(根がらみ)により相互に連結されて、長尺稲苗マットとなる。 【0008】この網状綿不織布の育苗基材による長尺稲苗マットはもちろん、育苗培土代替成形資材を育苗基材とした長尺稲苗マットでも、大量に水分を含むために、稚苗状態まで育ててルートマットを極力発達させても、軟弱で微小の張力によって、縦に伸び幅が狭くなりやすい。。長尺稲苗マットは幅が狭くなると、田植機に搭載しても、狭くなった部分は、空所となって、稲苗は植えつけられず、欠株が生じて減収する。 【0009】長尺稲苗マットを巻き取るには、まず田植機のかきとり爪による損傷を避けるために、人力で稲苗を巻き取り方向と逆方向にロールで平たく倒し、鉄板等で押さえる。稲苗が起き上がらぬように、長尺稲苗マットが縦に伸びぬように、押さえの鉄板を一枚づつ水平に少しづつずらしながら、長尺稲苗マット上を慎重に下方にのみ力を加えて、硬質塩化ビニール管等の巻き取りロールを、人力で転がして、固く巻き取って行く。 【0010】苗倒しは一部自動化されておるが、巻き取り作業は人力による他は無い。長尺稲苗マットに張力を加えずに巻き取る技術と、長尺稲苗マットの伸びを少なくするための、育苗後期には灌水を控えて水分を少なくしながら、苗の根を極力発達させてルートマットを固く形成させる育苗管理技術・環境制御技術は、大変な熟練と経験を要する。 【0011】したがって、育苗基材敷こみ、播種、培養液循環等育苗過程を全自動化した長尺稲苗マット育苗施設でも、水切りしながらのルートマット発達形成技術と、最後の人力による巻き上げ工程が隘路になり、長尺稲苗の持つ省力育苗、省力移植の特性を充分には発揮出来ない。 【0012】 【課題を解決するための手段】ポリスチレン不織布を熱ローラー等で加熱し、繊維を相互に接着した伸びがなく、稲苗の根が貫通しないシート(以下巻き取りシートと称する)を、長尺の連続したまま育苗基材の底面に敷いて育苗を行う。本発明では、育苗培土の替わりに、ロックウールシート・連続気泡尿素樹脂シート・木材パルプ成形シート等の、軽量な市販稲育苗培土代替成形資材を育苗基材として用いて育苗するのが望ましい。 【0013】育苗が終了すれば、この巻き取りシートにのみ張力をかけて、長尺稲苗マットを巻き取りシートと重ねて巻き取る。育苗基材上に播種された水稲種子から出芽し、育苗基材を貫通して出根して、生育した水稲苗と、育苗基材とが一体化した長尺稲苗マットには、張力はかからず、幅がせまくなることは無い。 【0014】苗倒しは、巻き取りにより同時に行われる、が方向は逆になる。次に、巻き返しながら、巻き取りシートを分離する。これによって、稲苗の苗倒し方向は正しくなり、田植機に搭載した場合、長尺稲苗マットの繰り出し方向に対して、反対の上方を向いて倒れた形となって、かきとりによる損傷を受けなくなる。 【0015】この巻き返した長尺稲苗マットロールを前記の巻き取りシートと同材質のシートでくるみ、粘着テープで端を留めて貯蔵・輸送する。 【0016】 【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例にもとづき、図面を参照して説明する。図1及び図2において、1は無限軌道式の巻き取り機で、電動機2によってベルト駆動される誘導輪により回転する突起つきゴムベルトの無限軌道3、と苗倒しローラー4、長尺稲苗マット巻き取り軸受け枠5、苗押さえトンネル6が図のように備えられている。 【0017】図1及び図2のように、育苗基材7上に播種された水稲種子8が出芽・出根して形成された長尺稲苗マット9は、下敷きに巻き取りシート10を敷いて育苗平板11上で育苗される。育苗が完了すると、図5の左のように、予め巻き取り用に端部を折り込んで余らせておいた巻き取りシート10を、鋼鉄等の巻き取り管12に巻きつけて、長尺稲苗マット巻き取り軸受け枠5にはめ込む。 【0018】と巻き取り管12は、無限軌道3の上に乗り無限軌道3の駆動により回転し、下敷きの巻き取りシート10を重ねて、長尺稲苗マット9を巻き取って、長尺稲苗マット巻き取り13を形作る。 【0019】長尺稲苗マット巻き取り13は、無限軌道3の駆動により回転するため、長尺稲苗マット巻き取り13の直径が変化しても巻き取り速度は変化せずに、一定の速度で巻き取る。巻き取り圧力は、長尺稲苗マット巻き取り13と鋼鉄等の巻き取り管12の重量によるため、始めは弱く、終わりには強くなる。 【0020】無限軌道3と苗倒しローラー4の周速度は等しいかあるいは、苗倒しローラー4の周速度がわずかに遅く設定されている。巻き取りに当たって、長尺稲苗マットは、平らな上部が長尺稲苗マットの進行方向に傾斜して低くなっている苗押さえトンネル6により、巻き取りに従って順次、図1に示すように進行方向と逆に傾けられる。 【0021】次いで長尺稲苗マット9は、苗倒しローラー4に挟まれて圧縮され、育苗基材7からの脱水とともに、稲苗は進行方向と逆に倒される。乳苗等の場合で、長尺稲苗マット9の水分含有量が少なければ、苗倒しローラー4は、省略してもよい。 【0022】長尺稲苗マット巻き取り13が完成すれば、図3及び図4に示す無限軌道式の巻き返し機14に長尺稲苗マット巻き取り13を乗せ、巻き返しながら、巻き取りシート10を分離する。 【0023】図3及び図4において、鋼鉄等の巻き取り管12を長尺稲苗マット巻き返し軸受け枠16間に挟さんで、長尺稲苗マット巻き取り13を、電動機15によって、ベルト駆動される誘導輪により、回転する突起つきゴムベルトの無限軌道17上に乗せる。 【0024】図5の右のように、長尺稲苗マット9の巻き取りの一端には、綿不織布等の生分解性の布またはシート18を、長尺稲苗マット9から充分長さはみ出すように、育苗基材7の底面と巻き取りシート10の間に挿んで育苗されている。この生分解性の布またはシート18は、育苗基材7の底面に接する部分は、水稲種子8の出根した根により貫通されて、育苗基材7と一体化している。 【0025】この綿不織布等の生分解性の布またはシート18のはみ出し部分を、図7のように硬質塩化ビニール管等の巻き返し管19に巻きつけ、長尺稲苗マットロール軸受け枠20に図3、図4のように入れ、無限軌道17上に乗せる。 【0026】巻き取りシート10は、同様に巻き取りシート巻き取り管21に巻き取り、巻き取りシート巻き取り管軸受け枠22に図3、図4のように入れ、無限軌道17上に乗せる。これだけでは重量が軽いので、図3、図4のように鉄等の荷重ロール23をその上から乗せて、巻き取りシート10の巻き取りを確実にする。 【0027】突起つきゴムベルトの無限軌道17が回転すれば、その上にある、長尺稲苗マット巻き取り13、長尺稲苗マットロール24、巻き取りシート巻き取り25は摩擦力により、巻き取り径には関係無く同一周速度で回転する。これによって、長尺稲苗マット9は巻きかえされて長尺稲苗マットロール24となり、巻き取りシート10は巻き取りシート巻き取り管21に巻かれて分離される。長尺稲苗マットロール24の重量が軽い場合は、荷重ロールを長尺稲苗マットロール軸受け枠20にはめて、長尺稲苗マットロール24の上に乗せても良い。 【0028】図5は、長尺稲苗マット9の両端部に設けられた巻き取り用の端部を余らせておく状況を示すものである。育苗が完了した場合には、図5の左のように、予め巻き取り用に端部を折り込んで余らせておいた巻き取りシート10を、図6のように鋼鉄等の巻き取り管12に巻きつける。 【0029】巻き取り管12の外周には、図6に示すように直線状の切れ目26を設けておき、予め端部を台形に整形しておいた巻き取りシート10の端部を差し込んでまきとれば、簡単に巻き取りを開始出来る。 【0030】巻き取り管12には、巻き取り管12の内径に適合する十字型の突起をもうけた軸27を挿入すれば、簡単にどの巻き取り管12とも着脱が可能となる。 【0031】前記綿不織布等の生分解性の布またはシート18のはみ出し部分を、図7のように、硬質塩化ビニール管等の巻き返し管19に巻きつける。 【0032】予め端部を台形に整形しておいた生分解性の布またはシート18の端部を、巻き返し管19の外周に設けた直線状の切れ目26に差し込んで巻き取れば、簡単に長尺稲苗マット9の巻き返しを開始出来ることは、前記と同様である。 【0033】巻き返し管19には、その内径に適合する十字型の突起をもうけた軸27を挿入すれば、簡単に着脱が可能となることは、前記と同様である。 【0034】 【発明の効果】本発明は以上のように構成実施されるので、以下に記載されるような効果を生ずる。 【0035】熟練した人力作業によらずに、長尺稲苗マットを機械的に巻き取ることが出来る。この際張力は、巻き取りシートにのみかかるので、長尺稲苗マットが伸びて、幅が狭くなることは生じない。また苗倒しも同時に機械的に行うことが出来る。 【0036】これにより長尺稲苗の育成、巻き取り、包装が完全に機械化・施設化出来る。 【0037】長尺育苗箱水抜き穴からの根の逸出、育苗平板への根の固着が、巻き取りシート敷設により防止出来る。これにより逸出または固着した根を切る作業、箱・板洗いの手間が省ける。 【0038】田植機に長尺稲苗マットロールを搭載して田植えした場合、通常では最後端部分は、巻き返し管から離れて、支持がなくなり、かきとりが不安定になる。が本発明では、綿不織布等の生分解性の布またはシートのはみ出し部分を設けてあるので、これが巻き返し管の直線状の切れ目に差し込まれて固定されいるため、最後まで長尺稲苗のかきとりが安定し、欠株・損傷株が生じ無い。 【0039】長尺稲苗マットロールは、巻き取りシートと同材質のシートでくるんである。輸送・貯蔵にあたって、巻き取りシートは、蒸気化した水分をある程度透過するので、この蒸発潜熱により長尺稲苗マットの呼吸熱の蓄積による昇温を防いで、しかも過度の乾燥は防止出来る。 【0040】
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| 【出願人】 |
【識別番号】596090823 【氏名又は名称】若松 大朔
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月24日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−32513 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−233243 |
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