| 【発明の名称】 |
畝内条施肥機 |
| 【発明者】 |
【氏名】水野 英之
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| 【要約】 |
【課題】従来の畑への施肥法では肥料は作土全体に拡散しており、作物の根圏以外に分布する肥料は雨などで流亡し、作物が肥料を吸収する効率は必ずしも高くない。これは肥料のコストの増大を招くのみならず、環境汚染の原因となっている。これらの問題を解決するためには作物が肥料を吸収する効率の高い局所施肥、中でも畝内条施肥を行うことが有効と考えられる。これを行う作業機に求められる条件には、構造が簡単で、詰まることなく、畝の中へ、分散が少なく集中して施肥することが必要である。
【解決手段】本発明は土中へ肥料を導くチゼル及びその開口部を従来にない形状とすることで、畝内条施肥機に求められる前述の条件を満たし、さらに、耕耘・施肥・畝立ての3つの作業が1度でできることから農作業の省力化を図ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】背面に整流板を持ち、底面と整流板後部に開口部を持つ中空のチゼルを、ロータリで耕耘した土壌中に潜行させ、上部の肥料ホッパから繰り出されホースの中を通りチゼルの中へ落下した粒状肥料を、チゼルの開口部から土中に施し、成型板で畝立・成型を行うように構成された、トラクタ等の車両に装着し使用する畝内条施肥機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、畝を立てて栽培する作物への基肥の施用に利用できる。 【0002】 【従来の技術】畝を立てて栽培する作物への基肥の施用は、圃場を耕耘する前に地表全面にばら播いている。この後、ロータリで耕耘し畝立てを行うため、肥料は畝の全体に分散する(図1)。 【0003】このような施肥法では肥料は畝全体に拡散しているため、作物の根圏以外に分布する肥料は雨で流れたりガスになって空気中に逃げたりして、作物が肥料を吸収する効率は必ずしも高くない。これは農家の経営の問題としては、肥料のコストの増大、施肥作業の能率低下を招き、環境問題としては、地下水及び河川湖沼・海洋の汚染、地球温暖化ガスの放出の原因となっている。 【0004】このため、作物の根圏に集中して施肥することにより作物が肥料を吸収する効率が高くなる局所施肥を行う機械が求められている。 【0005】このような目的を持つ施肥機には、特公昭36−23665号、実公昭42−1842号、特開平4−356120号、特開平5−15220号、特開平5−84006号、特開平5−304801号などに記載された先例があるが、これらは肥料を土中に放出する部分で発生する詰まりを避けるために圧縮空気やオーガを用いて肥料を土中に導いているため構造が複雑であったり、逆に構造を単純にしたため、肥料の詰まりが発生し易かったり、肥料の土中での分散が大きく所期の目的を果たせなかったり、あるいは特殊な液肥を使用する必要があるなどの問題があった。 【0006】また、田植機に装着する構造のいわゆる側条施肥機に既知のものがあるが、いずれも水田での使用を前提としており、畑において使用できるものはない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このため、構造が簡単で、粒状肥料を詰まることなく、畝の中へ、分散が少なく集中して施肥のできる条施肥機が求められている。 【0008】 【課題を解決するための手段】土中にまで肥料を導くチゼル及びその開口部を従来にない形状(図4)とし、施肥の後で畝を立てることにより、簡単な構造でありながら、粒状肥料を詰まることなく、畝の中へ、肥料の分散の少ない条施肥を行う。 【0009】 【作用】ロータリで耕耘した土壌中にチゼルを潜行させ、上部のホッパからモーター等の駆動によって繰り出され中空のチゼルの中へ落下した粒状肥料をチゼルの開口部から土中に施し、肥料が畝の中心となるよう左右の畝立成型板で畝立・成型を行う。施用された肥料は畝の中で直径20mm程度のすじ状(図2)に分布する。 【0010】この一連の作用を持つ畝内局所施肥機はトラクタ等の農業用けん引車両の後部に装着し使用する。耕耘・施肥・畝立ての3つの作業が1度でできることから農作業の省力化を図ることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。 【0012】図3において1はロータリで、マスト2を有し、このマストをトラクタの三点リンクヒッチ3を介してトラクタ4に装着できるようになっている。マスト2には左右に長い主枠5が固着され、この主枠5の両側にはチェーンケース6及びブラケットの上端部が固定され、このチェーンケース6とブラケットの下端部間には耕耘軸7が回転自在に横架されている。この耕耘軸7には多数の耕耘爪8が放射状に突設される。主枠5の両端部のやや内側に支柱9及びフレーム10が相対して固定される。 【0013】前記主枠5の中間部にはミッションが設けられ、このミッションの入力軸が前方に向かって回転自在に突設される。トラクタのPTO軸からプロペラシャフトを介したこの軸への入力が、ミッションさらに主枠内の軸、チェーンケース内のチェーンを介し耕耘軸7を回転させ、耕耘爪8により圃場の土壌を耕耘する。 【0014】前記主枠5の左右に立設された支柱9の上端部には水平に連結フレーム11を固定し、これに肥料ホッパ12を取り付ける。肥料ホッパ12の下端部にはモータ駆動による繰り出し部13が固定される。繰り出し部にはホース14の上端が連通接続され、ホース14の内部を繰り出された肥料が自重で落下し、肥料をチゼル17へ導く。 【0015】左右のフレーム10の後方中程には連結フレーム15の両端が固着され、連結フレーム15には下向きに支柱16が固定され、支柱16の下端には中空のチゼル17が固着される。施肥深さの調節はチゼル17を上下して行うことから、連結フレーム15と支柱16とはボルト等によって固定され容易に位置が変えられる構造とする。さらに左右のフレーム10の後端には左右に長い連結フレーム18が固定され、連結フレーム18には下向きに支柱19が固定され、支柱19の下端には畝立成型板20と前後方向に自在に回転するゲージホイル21が固定される。耕深の調節はゲージホイル21を上下して行うため、支柱19とゲージホイル21の固定はボルト等によってなされる。また、畝の高さの調節を行うため連結フレーム18と支柱19はボルト等によって固定される。 【0016】図3及び図4において、17で表すチゼルは、ロータリで耕耘された土壌中を潜りながら進行させるのに抵抗が少なくなるよう、チゼル本体22を、一つの角が鋭角な二等辺三角形の断面とし、鋭角方向を前方とし、底辺方向を後方とする。チゼル本体後方下部の左右には側方整流板23が固着され、側方整流板23の上部前方に上方整流板24が固着される。これにより、チゼル本体22の底面及び左右の側方整流板23の間の底面、左右の側方整流板23の間の上部後端部が一体となって開口する構造となる。また、チゼル本体22上端部には接続導管25が固着され、ホース14の下端が連通接続される。 【0017】肥料ホッパ12から繰り出され、ホース14の内部、さらにチゼル本体22の内部を通りチゼル本体22の底面開口部までに落下した肥料は、側方及び上部の整流板によって空間が確保されることによって土による詰まりがなく、トラクタが前進することによって順次確実に土中へすじ状に施肥される。 【0018】チゼル17の左右後方には必要な畝幅、畝高さに調整された畝立成型板20が固定され、トラクタが前進することによって、すじ状に施された肥料が畝の中央にくるよう畝が立てられる。 【0019】 【発明の効果】本発明を試作してトラクタに装着し、畑で耕耘・施肥・畝立て作業を行ったところ、畝の中の任意な深さで直径24mmから13mmのすじ状に施肥ができることが確認され、目的外の土壌中への肥料の分散はほとんど見られなかった。 【0020】また、従来の畑全面に肥料をばらまく施肥法と本発明による畝内条施肥法の二つの施肥法によりキャベツを栽培したところ、両施肥法ともに標準的な施肥量であれば畝内条施肥の方が統計的に明らかに収量が多くなった。畝内条施肥であれば標準的な施肥量より20%肥料を少なくしても従来の施肥法で標準的な施肥量を与えた場合と収量に統計的な差はなかった。 【0021】従来の畑全面に肥料をばらまく施肥法と本発明による畝内条施肥法により施した肥料(特に窒素肥料)のうちキャベツに吸収された割合(施肥窒素利用率)を測定したところ、従来法では59%であったが、畝内施肥法では72%で、作物が効率よく肥料を吸収利用できることが確認された。 【0022】以上の試験結果から、本発明を用いることで、少ない肥料を有効に作物に吸収させ、肥料コストを抑えることができ、かつ、肥料の流亡の少ない環境保全型の農業を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116622 【氏名又は名称】愛知県
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月11日 |
| 【代理人】 |
【氏名又は名称】馬杉 晶爾
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| 【公開番号】 |
特開平11−28008 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−220582 |
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