| 【発明の名称】 |
乗用型苗植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】大内 建之
|
| 【要約】 |
【課題】この種の従来技術としては、機体旋回時に自動的に植付装置を上昇させる乗用型田植機があるが、旋回後に操作レバーを操作して植付装置を下降させなければならず、然も、煩雑な旋回操作時に植付装置を下降させることは非常に困難であると共に、旋回操作時に植付装置を下降させるような技術思想自体がなかった。
【解決手段】乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に苗植装置25を装着した乗用型苗植機において、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けた乗用型苗植機。及び、乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に苗植装置25を装着した乗用型苗植機において、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けると共に、耕盤深さにより適切な旋回速度または植付速度を設定する植付車速設定手段または旋回車速設定手段を設けた乗用型苗植機。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に苗植装置25を装着した乗用型苗植機において、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けたことを特徴とする乗用型苗植機。 【請求項2】 乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に苗植装置25を装着した乗用型苗植機において、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けると共に、耕盤深さにより適切な旋回速度または植付速度を設定する植付車速設定手段または旋回車速設定手段を設けたことを特徴とする乗用型苗植機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、作業性を向上した乗用型苗植機に関するものである。 【0002】 【従来技術と発明が解決しようとする課題】この種の従来技術としては、機体旋回時に自動的に植付装置を上昇させる乗用型田植機があるが、旋回後に操作レバーを操作して植付装置を下降させなければならず、然も、煩雑な旋回操作時に植付装置を下降させることは非常に困難であると共に、旋回操作時に植付装置を下降させるような技術思想自体がなかった。 【0003】 【課題を解決するための手段】前記の従来技術のもつ課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に苗植装置25を装着した乗用型苗植機において、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けた乗用型苗植機としたものであり、請求項2記載の発明は、乗用型走行車体1に昇降リンク機構23を介して昇降自在に苗植装置25を装着した乗用型苗植機において、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けると共に、耕盤深さにより適切な旋回速度または植付速度を設定する植付車速設定手段または旋回車速設定手段を設けた乗用型苗植機としたものである。 【0004】 【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けた乗用型苗植機としたものであるから、機体旋回終了前に苗植装置25を下降させる植付装置昇降手段を設けた乗用型苗植機としたものであるから、旋回時に自動的に苗植装置25が下降されるので、旋回操作に作業者は集中できて作業性良く適切な作業が行なえ、然も、旋回後すぐに苗植付け作業が行なえて、作業能率が良い。 【0005】尚、苗植装置25にフロート32・33が装着されている場合には、畦際で機体の旋回が終る前に苗植装置25が下降されるので、旋回時に車輪で荒らされた枕地をフロート32・33にて整地でき、最後の畦際の枕地植付けが良好に行なえる。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、耕盤深さにより適切な旋回速度または植付速度を設定する植付車速設定手段または旋回車速設定手段を設けた乗用型苗植機としたものであるから、作業者は作業の状況を考えながら機体の走行速度を操作することなく、適切な旋回速度または植付速度にて苗植作業が行なえて、旋回操作または植付作業に作業者は集中できて作業性良く適切な作業が行なえ、作業能率が良い。 【0006】 【実施例】この発明の一実施例である6条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。1は乗用型走行車体であって、左右フレーム2・2と該左右フレーム2・2の後部を連結する横フレーム3とで構成される機体の後部上面にエンジン4を搭載し、左右フレーム2・2の前部には走行ミッションケース5を固設している。そして、この走行ミッションケース5には、エンジン4の回転駆動力が変速される後述のHST変速装置58と前輪デフ装置と後輪デフ装置とが内蔵されているおり、HST変速装置58は、変速レバー6にて、後進と中立と前進(圃場内で植付け作業をする植付速・路上等で早く移動する為の移動速)とに変速操作される。 【0007】7・7は左右フロントアクスルケースであって、前記走行ミッションケース5の前輪デフ装置より左右駆動軸8・8を介して動力が伝動されるように構成されている。9・9は操向自在の左右駆動前輪であって、左右フロントアクスルケース7・7の下部に嵌合され操縦ハンドル10にて回動される操向ケース11・11に軸架されている。 【0008】12は内部に変速歯車を有する操縦用伝動ケースであって、左右フレーム2・2両者の前端部に固着されており、その上部にはハンドルポスト13が固着され、ハンドルポスト13の上端部には操縦ハンドル10が設けられている。そして、操縦用伝動ケース12の下部には、その後端が左右操向ケース11・11に連結された操向伝達機構としてのリンク14が設けられており、操縦ハンドル10を回すと操縦用伝動ケース12内の変速歯車・リンク14を介して左右操向ケース11・11が縦軸回りに回動し左右駆動前輪9・9が向きを変えるように構成されている。 【0009】15・15は左右後輪駆動ケースであって連結枠16で一体に連結されており、該連結枠16が横フレーム3にロリング軸17にてロリング自在に設けられており、その左右両側部に軸架された左右駆動後輪18・18が上下揺動できるように構成されている。19・19は、走行ミッションケース5の後輪デフ装置から左右後輪駆動ケース15・15に動力を伝える伝動軸である。 【0010】そして、後輪駆動ケース15内部の伝動機構中には左右駆動後輪18・18に対する左右サイドクラッチと左右サイドブレーキとが内蔵されており、エンジン4の前方に設けられた左右クラッチペダル20・20の踏込操作により該左右サイドクラッチが切れ且つ左右サイドブレーキが利くように構成されている。即ち、左右クラッチペダル20・20の踏込操作をした側の駆動後輪18・18の駆動が停止されブレーキが利くようになっている。 【0011】21はFRPにて成型された車体カバ−であって、エンジン4の周囲を覆うエンジンカバ−部21aと、前記エンジン4の前方及び左右側方に設けられたステップ21bと、ハンドルポストカバー21cと、エンジン4の後方に設けられたステップ21dとが一体形成され、左右フレーム2・2上に固定されている。22は操縦座席で、前記車体カバー21上面に設置固定されている。 【0012】23は上部リンク23aと下部リンク23bとにより構成される昇降リンク機構であって、上部リンク23aと下部リンク23bの基端部は左右フレーム2・2の後部に固着された支持フレーム24に各々枢着され、後端部は後述の苗植装置25をローリング自在に支持するローリング軸26が設けられた縦枠27に枢着されている。 【0013】28は油圧シリンダーであって、シリンダーの基部が左右フレーム2・2に枢着され、ピストン28aの後端が上部リンク23aと一体の揺動アーム23cに枢着されている。苗植装置25は、前記縦枠27のローリング軸26にローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース29と、該植付伝動ケース29に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台30と、植付伝動ケース29の後端部に装着され前記苗載台30の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具31…と、植付伝動ケース29の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート32・左右サイドフロート33・33等にて構成されている。左右サイドフロート33・33は、各々左右駆動後輪18・18の後方に配置されており、該左右駆動後輪18・18にて掻き乱された圃場を整地すると共に苗植付け具31にて苗が植付けられる圃場の前方を整地すべく設けられている。 【0014】40は施肥装置であって、前記支持フレーム24の上端部に固着されており、施肥タンク41…と、該各施肥タンク41…の下部に装着され施肥タンク41内の粒状肥料を一定量づつ繰り出す肥料繰出装置42…と、該肥料繰出装置42にて繰り出された肥料を案内する透明の施肥パイプ43…と、センターフロート32・左右サイドフロート33・33に固着され苗植付け位置側方の圃場に施肥溝を掘り施肥パイプ43にて案内された粒状肥料を該施肥溝内に落下案内する作溝器44…とにより構成されている。尚、45は肥料繰出装置42…を駆動する駆動アームであって、左右フレーム2・2上に固設の施肥駆動ケ−ス46に連結されており、施肥駆動ケ−ス46には走行ミッションケース5より駆動軸47にて動力が伝達されるように構成されている。 【0015】48は両端にユニバーサルジョイントを有するPTO伝動軸であって、施肥駆動ケース46の動力を苗植装置25の植付伝動ケース29に伝達すべく設けている。49はセンターフロート32前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成されるセンターフロートセンサーであって、センターフロート32の前部上面とリンク50により連携されている。そして、センターフロートセンサー49のセンターフロート32前部の上下位置検出に基づいて、制御装置51の植付装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ52を制御して油圧シリンダー28にて苗植装置25の上下位置を制御するように構成されている。 【0016】即ち、センターフロート32の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプ53にて走行ミッションケ−ス5内から汲み出された圧油を油圧シリンダー28に送り込んでピストンを突出させ昇降リンク機構23を上動させて苗植装置25を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート32の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー28内の圧油を走行ミッションケ−ス5内に戻して昇降リンク機構23を下動させて苗植装置25を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート32の前部が適正範囲にあるとき(苗植装置25が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめるべく設けられている。このように、センターフロート32を植付装置25の自動高さ制御のための接地センサーとして用いている。 【0017】54は車体カバ−21より突出して操縦座席22の右側方に設けられた昇降レバーであって、該昇降レバー54を操作するとポテンショメータにより構成される昇降レバー位置センサー55にて操作位置が検出されて、制御装置51のPTOクラッチ作動手段によりPTOクラッチ作動SOL56を操作して、走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置51の植付装置昇降手段により、ソレノイド油圧バルブ52を操作して手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。 【0018】即ち、昇降レバー54を前方に倒して「自動位置」にすると、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。逆に、昇降レバー54を後方に引いて「上昇位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられ、苗植装置25が上昇される。そして、昇降レバー54をその操作ストロークの中間位置の「固定位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が油圧シリンダー28内の圧油の出入りを止めて苗植装置25を一定位置に保持せしめる位置に切換えられ、苗植装置25が昇降レバー54を「固定位置」に操作したときの位置に保持され苗植装置25は上昇も下降もしない。また、昇降レバー54を「下げ位置」にすると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。 【0019】57はHST変速装置58のトラニオン軸58aを操作する電動シリンダであり、該電動シリンダ57と変速レバー6の操作位置を検出するポテンショメータにより構成される変速位置センサーP1とHST変速位置を検出するフィードバック用の直線式のポテンショメータP2とを制御装置51に接続し、変速レバー6の操作に応じて電動シリンダ57にてトラニオン軸58aが操作されて変速操作できるように変速手段にて制御される。即ち、変速レバー6を中立位置にするとHST変速装置58は中立となり機体は停止する。そして、中立位置から移動速位置までイ方向へ操作するほど徐々に前進速度が早くなり、逆に、中立位置から後進位置までロ方向へ操作するほど徐々に後進速度が早くなる。 【0020】59は操縦ハンドル10の下方に配置されたフィンガーレバーであって、該フィンガーレバー59を上下方向に操作するとポテンショメータにより構成されるフィンガーレバースイッチ60が作動されて、制御装置51のPTOクラッチ作動手段によりPTOクラッチ作動SOL56を操作して、走行ミッションケ−ス5内に設けられた駆動軸47を駆動回転する動力を断接するPTOクラッチを操作して施肥装置40及び苗植装置25への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、制御装置51の植付装置昇降手段により、ソレノイド油圧バルブ52を操作して手動にて苗植装置25を上下動できるように構成されている。 【0021】即ち、フィンガーレバー59を「上」に操作すると、PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し且つソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられる。そして、後述のモードスイッチ62をOFFにした場合には、フィンガーレバー59を「上」に操作した後に、フィンガーレバー59を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となり、苗植装置25が上昇された状態であればセンターフロート32が接地して適正姿勢になるまで苗植装置25は下降する。更にもう一回、フィンガーレバー59を「下」に操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。以降、フィンガーレバー59を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。 【0022】また、モードスイッチ62を自動にした場合には、フィンガーレバー59を「上」に操作した後に機体旋回により自動的に植付装置25は下降されているので、フィンガーレバー59を「下」に1回操作すると、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。以降、フィンガーレバー59を「下」に操作する度に、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチが入りと切りに交互に切り換えられる。 【0023】61は機体の走行方位の変位を角速度情報として検出するジャイロセンサーであって、該ジャイロセンサー61の検出値に基づいて、制御装置51の方向変位角算出手段により機体の方向が変化した角度が算出される。62はモードスイッチで、旋回時に植付装置25を自動的に下降させる制御モード(自動位置)と該制御を働かせないモード(OFF位置)とに切り換えれる構成となっている。 【0024】ここで、図3の制御系のブロック回路図及び図4・図5の制御動作のフローチャートについて、実際の田植作業に基づいて説明する。水田で田植作業を行うには、先ず、圃場の植付け開始位置まで機体を移動する。そして、モードスイッチ62を自動位置にし、苗載台30に苗を載置し、施肥タンク41に粒状肥料を入れて、エンジン4を始動し、変速レバー6を植付速位置にし、昇降レバー54を自動位置にして、各部を駆動し機体を前進せしめれば、苗植装置25は自動的に適正位置に上下制御され田植作業が行われる。そのとき、同時に施肥装置40により苗植付位置の側方の圃場中に粒状肥料が施肥される。 【0025】そして、畦際まで植付走行して、フィンガーレバー59を「上」に操作すると(STEP1)、昇降レバー54は「自動位置」であるから(STEP2)、PTOクラッチ作動SOL56に通電され(STEP3)PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し、植付装置25の「上昇」の指令が出力されて(STEP4)制御装置51の植付装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられる。そして、苗植装置25が最大限まで上昇されると(STEP5)、植付装置25の「固定」の指令が出力されて(STEP6)ソレノイド油圧バルブ52が強制的に中立に切換えられ苗植装置25は固定される。 【0026】その後、変速レバー6を低速に操作して、操縦ハンドル10をいっぱい切って機体を旋回させて、ジャイロセンサー61の検出値に基づいて制御装置51の方向変位角算出手段により機体の方向が135度以上変化したことを算出すると(STEP7)、モードスイッチ62は「自動」であるから(STEP8)、植付装置25の「下降」の指令が出力されて(STEP9)制御装置51の植付装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を下降する側に切換えられる。そして、苗植装置25のセンターフロート32が接地して適正姿勢になってセンターフロートセンサー49が「中立」になるまで苗植装置25が下降すると(STEP10)、植付装置25の「下降」の指令が停止されて(STEP11)ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。 【0027】そして、旋回が終了すると、既植付け苗条に対する適正な位置に進路を補正して条合わせし、フィンガーレバー59を「下」に操作すると(STEP13)、昇降レバー54は「自動位置」でありモードスイッチ62は「自動」であるから(STEP14〜15)、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチ作動SOL56への通電が停止され(STEP16)PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。そこで、変速レバー6を作業者の任意の速度まで増速操作すれば、前行程と同様に植付作業が行なわれる。 【0028】このようにして、往復植付走行し、最後に、畦際の枕地を植付走行して、田植え作業を終える。以上のように、畦際での機体旋回時に機体が135度旋回した時点で(即ち、機体の旋回が終る前に)苗植装置25が下降されるので、旋回時に車輪で荒らされた枕地をセンターフロート32・左右サイドフロート33・33にて整地できる。従って、最後の畦際の枕地植付けが良好に行なえる。 【0029】また、旋回時に自動的に苗植装置25が下降されるので、旋回操作に作業者は集中できて作業性良く適切な作業が行なえ、然も、旋回終了時には苗植装置25の下降が終了しているので、旋回後即座に次行程の苗植付け作業が行なえ、作業能率が良い。一方、フィンガーレバー59を「上」若しくは「下」に操作した時に、昇降レバー54が「自動位置」でない場合には、モニター制御手段によりモニター63に「昇降レバー54が自動位置でない」旨のエラー表示がされる(STEP12・20・26・31)。 【0030】そして、モードスイッチ62が「自動」でない場合には、機体旋回時に植付装置25の自動下降はされない。また、フィンガーレバー59を「下」に1回操作した時に、モードスイッチ62が「自動」でない場合には、植付装置25の「下降」の指令が出力されて(STEP17)ソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を下降する側に切換えられる。そして、苗植装置25のセンターフロート32が接地して適正姿勢になってセンターフロートセンサー49が「中立」になるまで苗植装置25が下降すると(STEP18)、植付装置25の「下降」の指令が停止されて(STEP19)ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。 【0031】また、フィンガーレバー59を連続して2回・4回・6回…と偶数回(2n回)「下」に操作した時には(STEP21)、モードスイッチ62が「自動」であれば(STEP21)PTOクラッチ作動SOL56に通電され(STEP24)PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し、モードスイッチ62が「自動」でない場合にはPTOクラッチ作動SOL56への通電が停止され(STEP25)PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。そして、フィンガーレバー59を連続して3回・5回・7回…と3回以上の奇数回「下」に操作した時には、モードスイッチ62が「自動」であれば(STEP28)PTOクラッチ作動SOL56への通電が停止され(STEP29)PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され、モードスイッチ62が「自動」でない場合にはPTOクラッチ作動SOL56に通電され(STEP30)PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止される。 【0032】尚、上記の実施例は、ジャイロセンサー61と方向変位角算出手段による旋回角度の算出により旋回の終了前を検知する手段を用いた(STEP7)が、旋回時に操縦ハンドル10を切ってその戻し操作により旋回の終了前を検知するようにしても良い。即ち、旋回時には操縦ハンドル10をいっぱい切った後に旋回が終了する直前に操縦ハンドル10を戻すが、その操縦ハンドル10の戻し操作をハンドル切角センサーにて検出して旋回終了直前と判断する手段としても良い。 【0033】また、フィンガーレバー59を「上」に操作した(STEP1)時に、制御装置51の変速手段にて電動シリンダ57を操作してHST変速装置58を一定速度まで減速するようにすれば、旋回時の減速操作が不要となり、作業能率が向上する。更に、フィンガーレバー59を「下」に操作した(STEP13)時に、制御装置51の変速手段にて電動シリンダ57を操作してHST変速装置58を徐々に変速レバー6の操作位置まで増速するようにすれば、更に、作業能率が向上する。 【0034】次に、図6〜図11に基づいて、第2実施例を説明する。先ず、64は機体を水平面上に置いた時の水平面に対する昇降リンク機構23の角度を検出する昇降リンクセンサーであり、昇降リンク機構23が水平の時に0度とし、水平から下方に傾斜したときにプラス側の角度とし、水平から上方に傾斜したときにマイナス側の角度として検出するように構成されている。 【0035】そして、この第2実施例は、昇降リンク機構23の角度によって算出された耕盤深さによる植付車速及び旋回車速の制御を、上記の第1実施例に付加したものである。即ち、第1実施例と同様に、モードスイッチ62を自動位置にし、変速レバー6を植付速位置にし、昇降レバー54を自動位置にして、田植作業を行う。そして、畦際まで植付走行して、フィンガーレバー59を「上」に操作すると(STEP1)、昇降レバー54は「自動位置」であるから(STEP2)、PTOクラッチ作動SOL56に通電され(STEP3)PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し、植付装置25の「上昇」の指令が出力されて(STEP4)制御装置51の植付装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を上昇する側に切換えられる。そして、苗植装置25が最大限まで上昇されると(STEP5)、植付装置25の「固定」の指令が出力されて(STEP6)ソレノイド油圧バルブ52が強制的に中立に切換えられ苗植装置25は固定される。 【0036】一方、昇降レバー54を自動位置にしてからの実際に苗を植付けている苗植付行程中の昇降リンクセンサー64にて検出した昇降リンク機構23の角度の平均値を制御装置51の昇降リンク角度平均値算出手段にて計算し、該昇降リンク角度平均値により図11に基づいて耕盤深さAを設定(例えば、昇降リンク角度平均値が−20度であれば、耕盤深さAは10cmになる)する(STEP7)。また、該設定された耕盤深さAにより図11に基づいて制御装置51の旋回車速設定手段にて旋回車速Cを設定(例えば、耕盤深さAが10cmであれば、旋回車速Cは0.75m/sになる)する(STEP8)。そして、変速レバー6の操作位置がこの車速Cよりも早い速度に操作されていることを変速位置センサーP1が検出すると(STEP9)、制御装置51の変速手段にて電動シリンダ57を作動させてHST変速装置58を車速Cまで減速する(STEP10)。尚、操縦者が旋回の為に旋回前に車速をCと同じにするか若しくはCよりも遅くなるように操作している場合には、その操作された車速のままである。 【0037】その後、操縦ハンドル10をいっぱい切って機体を旋回させて、ジャイロセンサー61の検出値に基づいて制御装置51の方向変位角算出手段により機体の方向が135度以上変化したことを算出すると(STEP11)、モードスイッチ62は「自動」であるから(STEP12)、植付装置25の「下降」の指令が出力されて(STEP13)制御装置51の植付装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を下降する側に切換えられる。そして、苗植装置25のセンターフロート32が接地して適正姿勢になってセンターフロートセンサー49が「中立」になるまで苗植装置25が下降すると(STEP14)、植付装置25の「下降」の指令が停止されて(STEP15)ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。 【0038】そして、旋回が終了すると、既植付け苗条に対する適正な位置に進路を補正して条合わせし、フィンガーレバー59を「下」に操作すると(STEP17)、昇降レバー54は「自動位置」でありモードスイッチ62は「自動」であるから(STEP18〜19)、ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態のままで、PTOクラッチ作動SOL56への通電が停止され(STEP20)PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され、前行程と同様に植付作業が行なわれる。 【0039】この時、STEP7と同様にして耕盤深さAを設定し(STEP36)、該設定された耕盤深さAにより図11に基づいて制御装置51の植付車速設定手段にて植付車速Bを設定(例えば、耕盤深さAが10cmであれば、植付車速Bは1.3m/sになる)する(STEP37)。そして、変速レバー6の操作位置がこの車速Bと同じかそれよりも早い速度に操作されていることを変速位置センサーP1が検出すると(STEP38)、制御装置51の変速手段にて電動シリンダ57を作動させてHST変速装置58を車速Bまで徐々に増速する(STEP39)。尚、操縦者が車速をBよりも遅くなるように操作している場合には、その操作された車速まで徐々に増速する(STEP40)。 【0040】このようにして、往復植付走行し、最後に、畦際の枕地を植付走行して、田植え作業を終える。以上のように、圃場の耕盤深さを判断して自動的に最適の旋回車速と植付車速になるので、非常に適切で然も作業能率良く田植作業が行なえる。然も、作業者が、設定された車速よりも遅い車速を変速レバー6にて操作しているときには、その車速で作業が行なえるので、不慣れな作業者も自分に適した作業速度で田植作業が行なえる。また、畦際での機体旋回時に機体が135度旋回した時点で(即ち、機体の旋回が終る前に)苗植装置25が下降されるので、旋回時に車輪で荒らされた枕地をセンターフロート32・左右サイドフロート33・33にて整地できる。従って、最後の畦際の枕地植付けが良好に行なえる。 【0041】一方、フィンガーレバー59を「上」若しくは「下」に操作した時に、昇降レバー54が「自動位置」でない場合には、モニター制御手段によりモニター63に「昇降レバー54が自動位置でない」旨のエラー表示がされる(STEP16・24・30・35)。そして、モードスイッチ62が「自動」でない場合には、機体旋回時に植付装置25の自動下降はされない。また、フィンガーレバー59を「下」に1回操作した時に、モードスイッチ62が「自動」でない場合には、植付装置25の「下降」の指令が出力されて(STEP21)ソレノイド油圧バルブ52が強制的に苗植装置25を下降する側に切換えられる。そして、苗植装置25のセンターフロート32が接地して適正姿勢になってセンターフロートセンサー49が「中立」になるまで苗植装置25が下降すると(STEP22)、植付装置25の「下降」の指令が停止されて(STEP23)ソレノイド油圧バルブ52がセンターフロート32の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。 【0042】また、フィンガーレバー59を連続して2回・4回・6回…と偶数回(2n回)「下」に操作した時には(STEP25)、モードスイッチ62が「自動」であれば(STEP27)PTOクラッチ作動SOL56に通電され(STEP28)PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止し、モードスイッチ62が「自動」でない場合にはPTOクラッチ作動SOL56への通電が停止され(STEP29)PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動される。そして、フィンガーレバー59を連続して3回・5回・7回…と3回以上の奇数回「下」に操作した時には、モードスイッチ62が「自動」であれば(STEP32)PTOクラッチ作動SOL56への通電が停止され(STEP33)PTOクラッチが入り施肥装置40及び苗植装置25が駆動され、モードスイッチ62が「自動」でない場合にはPTOクラッチ作動SOL56に通電され(STEP34)PTOクラッチが切れ施肥装置40及び苗植装置25の作動が停止される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月14日 |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開平11−28007 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)2月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−188256 |
|