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【発明の名称】 乗用型田植機の機体構造
【発明者】 【氏名】吉田 和正

【氏名】中村 正一

【要約】 【課題】ミッドマウント施肥仕様と基準仕様との仕様変更が可能な田植機において、基準仕様時での苗補給の作業性を改善する。

【解決手段】機体後部にリンク機構3を介して昇降可能に連結された苗植付装置4と運転席67との前後間で機体上に配置される肥料ホッパ及び肥料繰出し機構、接地フロート58に備えた作溝器17、及び作溝器17と繰出し機構の繰出し口とを連結する施肥ホース21等で成る施肥装置を装備したミッドマウント施肥仕様と、施肥装置を装備しない基準仕様との仕様変更が可能に構成し、基準仕様状態では、後輪用フェンダBの後端に、そのフェンダ後端よりも後方に突出する後方延長ステップ85を装着可能に構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体後部にリンク機構を介して昇降可能に連結された苗植付装置と運転席との前後間で機体上に配置される肥料ホッパ及び肥料繰出し機構、前記苗植付装置に備えた作溝器、及びこの作溝器に前記繰出し機構から繰り出された肥料を案内する供給管路を設けて成る施肥装置を装備したミッドマウント施肥仕様と、前記施肥装置を装備しない基準仕様との仕様変更が可能に構成し、前記基準仕様状態では、後輪用フェンダの後端に、該後端よりも後方に突出する後方延長ステップを装着可能に構成してある乗用型田植機の機体構造。
【請求項2】 前記後方延長ステップを上下移動可能に構成し、前記苗植付装置を機体に対して下降させると前記後方延長ステップが下方に移動し、かつ、前記苗植付装置を機体に対して上昇させると前記後方延長ステップが上方に移動するように、前記延長ステップと前記リンク機構とを連動連結してある請求項1に記載の乗用型田植機の機体構造。
【請求項3】 前記苗植付装置が機体に対して下降した状態では、前記延長ステップ上面と、前記フェンダ後端部の上面とがほぼ同じ高さレベルとなるように構成してある請求項1又は2に記載の乗用型田植機の機体構造。
【請求項4】 前記フェンダ後部の横側に、該フェンダよりも横側方に張出た横延長ステップを設けるとともに、この横延長ステップを、これが前記フェンダ後部の下方に入込んだ収納位置と、前記フェンダの横側方に張出た突出作用位置とに亘って移動可能に構成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の乗用型田植機の機体構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機の機体構造に係り、詳しくは、運転席と苗植付装置との間の機体後部上に施肥装置の主要部を配置したミッドマウント施肥仕様と、施肥装置を装備しない基準仕様との仕様変更が可能としたものに関する。
【0002】
【従来の技術】上記ミッドマウント施肥仕様の田植機としては、先に出願した特願平9‐22447号において、運転席の直後位置に肥料ホッパや繰出し機構、並びに肥料送風移送用のブロワを備えたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】運転席直後の機体上に施肥装置の主要部分を配置したミッド施肥仕様の田植機では、その配置スペースの分、そうでない一般的な田植機に比べて苗植付装置と運転席、すなわち機体後部との前後間隔が広くなる傾向にある。そのため、ミッド施肥仕様の田植機を、施肥装置を外した状態で使用する場合には、足場となる後輪用フェンダ後端と苗載台との距離が離れ気味になり、苗載台への苗補給作業が行い難いものであった。本発明の目的は、ミッドマウント施肥仕様と基準仕様との仕様変更が可能な田植機において、基準仕様時での苗補給の作業性を改善する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、機体後部にリンク機構を介して昇降可能に連結された苗植付装置と運転席との前後間で機体上に配置される肥料ホッパ及び肥料繰出し機構、苗植付装置に備えた作溝器、及びこの作溝器に繰出し機構から繰り出された肥料を案内する供給管路を設けて成る施肥装置を装備したミッド施肥仕様と、施肥装置を装備しない基準仕様との仕様変更が可能に構成し、基準仕様状態では、後輪用フェンダの後端に、該後端よりも後方に突出する後方延長ステップを装着可能に構成してあることを特徴とする。
【0005】第2発明は、第1発明において、後方延長ステップを上下移動可能に構成し、苗植付装置を機体に対して下降させると延長ステップが下方に移動し、かつ、苗植付装置を機体に対して上昇させると延長ステップが上方に移動するように、延長ステップとリンク機構とを連動連結してあることを特徴とする。
【0006】第3発明は、第1又は第2発明において、苗植付装置が機体に対して下降した状態では、延長ステップ上面と、フェンダ後端部の上面とがほぼ同じ高さレベルとなるように構成してあることを特徴とする。
【0007】第4発明は、第1〜第3発明において、フェンダ後部の横側に、フェンダよりも横側方に張出た横延長ステップを設けるとともに、この横延長ステップを、これがフェンダ後部の下方に入込んだ収納位置と、フェンダの横側方に張出た突出作用位置とに亘って移動可能に構成してあることを特徴とする。
【0008】〔作用〕請求項1の構成によれば、基準仕様状態では、後輪用フェンダよりも後方に突出する後方延長ステップを装着可能であるから、その後方延長ステップを装着すれば、作業者は後方延長ステップに載った状態で苗補給作業や苗植付装置の点検等を行うことができる。つまり、腰を折っての無理な姿勢で苗補給作業等を行わねばならない後方延長ステップの無い状態に比べて、作業を楽に行うことができる。そして、ミッドマウント施肥仕様として使うときには、後方延長ステップを取外し、代わりに施肥装置を装備すれば良い。又、後方延長ステップと施肥装置とを共に装着できる構造でも良い。
【0009】請求項2の構成によれば、次のような作用がある。すなわち、苗植付装置を植付作業状態等の低い位置とした場合には、フェンダ後端と苗載台とが前後方向に遠い状態になるが、苗植付装置を下げたときには延長ステップも下がるので、延長ステップと苗載台上端との高さが苗補給作業に適したものになる等、機体上で作業者が最も後方に寄れる位置を、苗載台との適宜な高さ間隔としながら前後方向で苗載台に近づけることができる。
【0010】そして、苗植付装置を移動走行状態等の高い位置とした場合には、フェンダ後端と苗載台とが前後及び上下に遠い状態となるが、苗植付装置を上げたときには延長ステップも上がるので、その場合でも、延長ステップと苗載台上端との高さを苗補給作業に適したものにでき、機体上で作業者が最も後方に寄れる位置を、苗載台との適宜な高さ間隔としながら前後方向で苗載台に近づけることができる。つまり、基準仕様時では、苗植付装置の昇降高さ位置如何に拘わらずに、作業性を良好なものにすることができる。
【0011】請求項3の構成によれば、苗植付装置が機体に対して下降した状態では、延長ステップ上面とフェンダ後端部の上面とがほぼ同じ高さレベルで段差の無い状態にできるから、踏み違いがなくなるとか、それを防止するための目視確認を行う手間が省け、延長ステップを用いての作業の効率が向上するようになる。
【0012】請求項4の構成によれば、フェンダよりも横側方に張出る横延長ステップを設けたので、フェンダ後端部での足場面積が増えるとともに、8条や10条等の多条植え用で左右に長い苗載台でも、横外側に移動して苗載台の左右端に近づくことができ、苗補給作業が行い易いようになる。そして、横延長ステップをフェンダ下方に入れ込んで収納できるので、枕地走行時の畦土手との接触や車庫入れ時の接触等を防止することができ、操縦し易い状態とすることが可能になる。
【0013】〔効果〕請求項1〜4のいずれに記載の乗用型田植機でも、(イ)着脱可能な後方延長ステップの採用により、ミッドマウント施肥仕様の田植機としながらも、施肥装置を用いない基準仕様時での苗載台への苗補給等のフェンダ後部での機上作業が楽に行えるようになり、使い勝っての向上する機体構造が得られた。
【0014】請求項2に記載の機体構造では、上記効果(イ)に加えて、後方延長ステップを植付部の昇降に同調して昇降移動させることにより、苗植付装置の高さ如何に拘わらずに延長ステップ上での機上作業性を改善できる利点がある。
【0015】請求項3に記載の機体構造では、延長ステップとフェンダ後端部とを段差の無いフラットな状態として、移動のし易さが改善され、上記効果(イ)をより強化できる利点がある。
【0016】請求項4に記載の機体構造では、横延長ステップによって多条植え用の苗植付装置でも苗補給等の機上作業性に優れるものでありながら、フェンダ下方への収納によって横延長ステップの横側方張出しを抑制又は解消でき、車庫入れ等の取扱性を損なわない実用的なものにできた。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、左右一対の前輪1及び後輪2を備えた乗用型の走行機体の後方にリンク機構3を介して植付部である苗植付装置4が昇降自在に連結され、苗植付装置4の前方側であり、かつ、運転席67の直後となる位置に施肥装置Aを装備してミッド型施肥装置付き田植機を構成してある。尚、43は肥料ホッパー18への肥料補給の労力を軽減するための肥料載台である。
【0018】この田植機は、走行機体のボンネット5内に搭載したエンジンEの動力が、前伝動ケース6を介して前輪1に伝達されるとともに、走行系伝動軸7及び後伝動ケース8を介して後輪2に伝達される四輪駆動型であり、搭乗運転部9の操縦ハンドル10の操作で左右前輪1を操舵するように構成してある。又、前伝動ケース6から植付系伝動軸であるPTO軸11を後方に向けて延設してあり、そのPTO軸11から苗植付装置4に動力を伝達することにより、圃場内を走行しながら苗植付け作業を行えるように構成してある。
【0019】苗植付装置4は、昇降用の油圧シリンダ12の伸縮操作に伴って、下端部が圃場面に接地する苗植付け用の作業位置と、大きく上方に移動する上昇位置とに亘って昇降操作自在である。そして、リンク機構3に連結支持される植付部フレーム13に対して車体横幅方向に沿って設定ピッチで往復横移動する苗のせ台14、苗のせ台14に載置された植付け対象苗の下端部から一株ずつ苗を取出して圃場に植付ける複数(6個)の植付機構15、圃場に接地しながら泥面を整地する接地フロート58等を備えた6条植え形式に構成してある。
【0020】苗載台14の苗載置部には、横移動ストロークエンドにおいて載置している苗を植付機構15に向けて設定量ずつ送り出す縦送り装置16が各植付条毎に設けられている。この縦送り装置16は、上下一対のプーリに亘って突起付きベルトが巻回され、下方側のプーリがストロークエンドにおいて接当作用により、所定量ずつ回動操作されるように構成されている。
【0021】又、この縦送り装置16には、構造は詳述しないが、2条毎に縦送り作動を行う状態と作動を停止する状態とに切り換え自在な縦送りクラッチ(図示せず)が設けられている。そして、接地フロート58には、各植付条における苗の植付け部位に隣接する夫々の箇所において、接地面よりも下方側に向けて泥土層に入り込み、泥面上に肥料を供給する為の溝を形成する作溝器17を設けてある。
【0022】次に、施肥装置Aについて説明する。図2に示すように、施肥装置Aは、粉粒状の肥料を貯溜する3条一体型の肥料ホッパー18と、そこからの肥料を所定量ずつ繰り出す繰出し機構19と、繰り出された肥料を苗植付装置4の作溝器17に向けて送る施肥ホース(流下経路の一例)21とを備えて構成してある。繰出し機構19は、肥料ホッパー18の各条用の漏斗部18aの下方に位置して、各植付条に対応して複数(6個)設けてある。各繰出し機構19から繰り出された肥料を、ブロア20の送風によって、施肥ホース21を通して各作溝器17に向けて各別に強制移送するように構成してある。
【0023】図3に示すように、繰出し機構19は、ケーシング22の内部に、肥料ホッパー18の底部開口部分に臨む状態で、繰出し軸23に一体回動自在に外嵌されるとともに、外周部に所定ピッチをあけて複数の肥料入り込み用の凹部24が形成された繰出し回転体25が設けられ、繰出し回転体25の回転に伴って凹部24内に貯められた肥料が下方側の漏斗状の案内部26に流下案内されるように構成されている。尚、凹部24内に所定量ずつ貯めるように擦り切り用のブラシ27が設けられている。
【0024】ブラシ27は、繰出し回転体25の外周面に位置する作用位置と、繰出し回転体25から離間する肥料排出位置とに亘って横軸芯P周りで揺動自在で、且つ、ケーシング22の横側外方に設けられた切換操作具31の切り換え操作に伴って一体的に揺動して、各位置にて位置保持されるようにしてある。
【0025】複数の各繰出し機構19における各ケーシング22は、機体フレームFから固定立設された縦フレーム29によって支持され、車体横方向に延設された横フレーム30によって固定支持されている。繰出し軸23は、一対の繰出し機構19毎に夫々の繰出し回転体25が一体的に回動するように三本に分割されて設けられ、6個の繰出し機構19のうち2個の繰出し機構19毎に各別に駆動並びに停止できるように構成されている。
【0026】繰出し機構19の駆動構成について説明する。図2に示すように、繰出し機構19の後方側箇所に、車体横幅方向に沿って施肥装置Aのほぼ全幅に亘る長さで、且つ、両側端部にて回動自在に支持される状態で駆動軸32が配置され、この駆動軸32の横幅方向中間部にワンウェイクラッチ33を設けてある。ワンウェイクラッチ33の操作アーム34と、ベベルギア機構28を介してPTO軸11で回転駆動される横向き伝動軸35に取付られた回転アーム36とを連動ロッド37で枢支連結してあり、回転アーム36の回転に伴う操作アーム34の揺動移動を、ワンウェイクラッチ33によって駆動軸32を所定方向にのみ間欠的に回転するようにしてある。
【0027】そして、駆動軸32と三本の各繰出し軸23とは夫々に取付けられたギヤ39,40の咬合によって連動するように構成されるとともに、それら両軸32,23の間に、各別に動力を入切り自在な施肥クラッチ38を設けてある。
【0028】図2に示すように、ケーシング22の前方側に丸筒状の送風パイプ45を、その長手方向が車体横幅方向に沿う状態で配置し、かつ、両端側にて支持ブラケット46を介して横フレーム30に支持される状態で設けてあり、送風パイプ45の横一側端部に備えたブロア20の風が送風パイプ45内部に供給されるようになっている。
【0029】図3に示すように、漏斗状の案内部26の下端出口50に連通して機体後方に向けて開口する施肥供給部51を形成し、そこに施肥ホース21を差込み装着する。そして、施肥供給部51の前方側には、下端出口50と送風パイプ45の内部とを連通接続するエアー供給部52が形成されており、エアー供給部52と施肥供給部51とを、車体前後方向に沿って略一直線状に連なるように形成してある。又、下端出口50の下側には、それと排出パイプ48の内部とを連通接続する排出経路53を構成するための排出部54を形成してある。尚、送風パイプ45の他端を、開閉自在な蓋体45aで通常は閉塞してある。
【0030】繰出し機構19から繰り出された粉粒状の肥料を、施肥ホース21に案内する供給作用状態と、排出経路53に向けて案内する排出状態とに切り換え自在な経路切換板55を、繰出し機構19の夫々に対応して設けてある。経路切換板55は左右軸芯X周りで揺動自在に枢支されており、案内部26の外部に設けられた切換レバー(図示せず)の操作によって、供給位置と排出位置とに切換可能である。供給位置は、排出経路53を閉塞して下端出口50に対して、施肥供給部51、即ち、施肥ホース21及び送風パイプ45を連通する位置であり、排出位置は、施肥供給部51の内部通路を閉塞して下端出口50に対して、排出経路53及び送風パイプ45を連通する位置である。
【0031】各排出部54の夫々には、排出される肥料を機体前方下方に向けて案内排出する排出管路48を連通接続する状態で設け、各排出管路48は、図1,図2に示すように、左右両側の3本ずつのものが、夫々、肥料案内方向下手側部分において大径の1本の合流管路48aに合流して左右両側部に振り分けてあり、共通の肥料排出口49から肥料を排出するように構成してある。
【0032】苗植付作業時に施肥を行う場合には、経路切換板55を供給位置に切換えるとともに、ブロア20の送風作動を開始し、繰出し機構19から所定量ずつ繰り出された肥料を、風力によって下端出口50から施肥供給部51及び施肥ホース21を通過して作溝器17に向けて送り出して圃場に供給するのである。
【0033】植付作業終了後において、肥料ホッパー18内に残った肥料を回収する場合には、切換レバー56を排出位置に切り換えるとともに、繰出し機構19におけるブラシ27を繰出し回転体25から離間した肥料排出位置に切換えて肥料を排出させ、かつ、ブロア20による送風を実行して、排出された肥料を下端出口50から排出経路53及び排出パイプ48を通過させて、肥料排出口49から外部に排出するようななる。従って、肥料排出口49に対応して回収容器等を位置させれば肥料回収が可能である。
【0034】図2に示すように、各繰出し機構19毎の繰出し量調節機構(図示せず)を操作するギヤ状の回転調節具70夫々に対して係合及び離脱可能な6個のギヤ状の駆動回転体71を、回動自在な操作ロッド72に連結する。操作ロッド72の左方向へのスライド移動によって各駆動回転体71と各回転調節具70とが咬合する調節作用状態と、操作ロッド72の右方向へのスライド移動によって各駆動回転体71と各回転調節具70との係合が解除される非作用状態とを現出可能に構成してある。そして、操作ロッド72の右端には、回動操作用のハンドル75を装備してあるとともに、ハンドル75による全繰出し機構19の繰出し量調節時に駆動軸32に作用して繰出し軸23を固定するための切換レバー76を備えている。
【0035】次に、後輪用フェンダBの構造について説明する。図4,図6,図7に示すように、後輪用のフェンダBは、左右の後輪2,2の泥除け部41,41と、フロアステップ42の後部に相当するフロアステップ部分44を含んだ樹脂製の一体部材で構成されており、その後部中央に運転席67が配置されている。左右の泥除け部41,41の後部は、フロアステップ42面から上方に高く立ち上がった位置においてほぼ水平な足置き用の載置面47に形成されており、その載置面47の後端に、上方に突出した凸部56を形成してある。
【0036】つまり、フェンダBの成形時に、載置面47後端を盛り上げて凸部56を一体形成してあり、足を載置面47の後方に踏み外し難いように規制する作用と、載置面47の強度を改善する作用とを備えている。載置面47には、足が滑り難くなるように滑り止め材57を貼着してある。
【0037】又、図6,図8に示すように、フェンダBの載置面47の左右両横外側に補助ステップ(横延長ステップの一例)60を配備し、機体フレームFに支持された左右に長い単一材である支持パイプ(支持部材の一例)61の両端部で左右の補助ステップ60,60を取付支持してあるとともに、その支持パイプ61にフェンダB後部を取付けてある。補助ステップ60は、板材で成る平面視で矩形の枠60a内に、前後向き帯鋼60bと複数の左右向き帯鋼60cを固着して成り、支持パイプ61に溶着固定されている。又、前伝動ケース6と後伝動ケース8とを連結して機体フレームFを補強する連結パイプ64と、補助ステップ60の左右向き帯鋼60cの一つに固定されたブラケット60Aとに亘って補強パイプ65を架設してあり、補助ステップ60の強度を改善してある。
【0038】支持パイプ61は、これに固着された左右一対の支持ステー61a,61aを介して機体フレームFの上部にボルト止めされている。そして、フェンダBの後端部に設けた取付け座62,62を、支持パイプ61のブラケット63,63に前後向きでボルト止めしてある。補助ステップ60は載置面47と同一の高さレベルに設定されており、図8に示すように、育苗箱や苗掬い板等の苗受け具bを載置面47と補助ステップ60とに亘る横向き姿勢で安定的に載置できるようになっている。
【0039】又、支持パイプ61には、フェンダB後端よりも後方に突出する後方延長ステップ85を装着してある。すなわち、ステー85aと、これにボルト止めされる踏面85bとから成る後方延長ステップ85を支持パイプ61の後面側に固着してあり、踏面85bは、左右の補助ステップ60,60の左右端とほぼ同じ左右幅を有した幅広のものに形成されている。そして、施肥ホース21を通すための複数の孔85cを形成してあり、施肥装置Aの有無に拘わらずに繰出し機構19の下方に配置するようにしてある。
【0040】踏面85bは載置面47よりやや低い程度でほぼ同じ高さレベルに設定されており、図5に示す施肥装置Aを搭載しない基準仕様において、フェンダの載置面47、補助ステップ60、及び後方延長ステップ85の三者を、苗載台14への苗補給作業時における足場として使い易いようにしてある。又、施肥装置Aを搭載したミッドマウント施肥仕様でも、補助ステップ60と後方延長ステップ85を装着したままにでき、取り外す手間を省略してある。
【0041】次に、ボンネット横の延長ステップ68について説明する。図9〜図11に示すように、ボンネット5の左右に、フロアステップ42に続く前部ステップ(ラウンドステップとも言う)73,73を備えてあり、それら前部ステップ73,73の横外側部分に、その横外側縁よりも横外側方に張出る延長ステップ68を着脱可能に取付けてある。延長ステップ68の横外側部に予備苗載台66を支持してあり、又、延長ステップ68は、その上方からステップ下方に向かう方向視では透視可能となるように構成されている。
【0042】すなわち、延長ステップ68は、板材を矩形に折曲げた枠体74と、足置き用のステップ面77とで構成されており、ステップ面77をパンチングメタルで形成することにより、上下方向に透視可能としてある。前部ステップ68下方の機体フレーム側部材78に枠体74を前後のボルト79,79で取付けるとともに、予備苗載台66の2本の縦支柱66a,66aを枠体74の外側面の内側に差し込み装着し、かつ、ボルト止めすることにより、延長ステップ68に予備苗載台66を取付けてある。尚、80は予備苗台、81はマーカアームである。
【0043】図9に示すように、フロアステップ42及び前部ステップ73によるステップ外端縁ラインaは前方程幅狭の先細り湾曲形状に形成されており、平面視では前輪1の後部はフロアステップ42下方に位置して隠れており、前輪1の前部は辛うじて前部ステップ73より外側に張出すような状況にある。延長ステップ73は、前輪1の外端縁ラインaより横に出た前部の真上に位置しているが、パンチングメタルの多数の孔により、操縦部から前輪1の前端部を見通すことが可能である。
【0044】従って、図10に示すように、歩み板82を使ってトラック荷台に積み込むようなときには、ステップフロア42上に立った操縦者は延長ステップ73越しに前輪1の前端位置を見ることができ、歩み板82と前輪1との左右位置が合っているかどうかの目視確認ができるのである。又、延長ステップ68のステップ面77がパンチングメタルであるから、泥や土が抜け落ちて堆積し難く、それによって滑り止め作用が期待できるものである。
【0045】図6に示すように、フロアステップ42への乗降ステップ69を、フロアステップ42の後部下方と、フェンダB前部に形成されたフロアステップ部分44の下方とに跨がる状態の側面視上向きコ字状部材としてで配備してある。フロアステップ42は、その下方のフロアフレーム部84に被せるようにして装着してあるとともに、そのフロアフレーム部84の一部に、乗降ステップ69前部を支持する前支持アーム69fをボルト止めしてある。
【0046】そして、乗降ステップ69後部を支持する後支持アーム69rは、フロアフレーム84から後方延出されたステー83にボルト止めしてあり、そのステー83は、フロアステップ42からフロアステップ部分44に侵入する状態に設けられている。つまり、乗降ステップ69はフロアフレーム84のみで支持してあり、フェンダB及びその着脱手段とは無関係である。
【0047】〔別実施形態〕
■ 図12に示すように、後方延長ステップ85を前部の支点Yで揺動昇降可能に支承するとともに、リンク機構3における上側の昇降リンク3aとロッド86で連動連結し、苗植付装置4を機体に対して下降させると後方延長ステップ85が下方に移動し、かつ、苗植付装置4を機体に対して上昇させると後方延長ステップ85が上方に移動するように構成しても良い。
【0048】つまり、苗植付装置4を下降しての植付作業状態では、後方延長ステップ85の踏面85bがほぼ水平となり、かつ、フェンダBの載置面47と同じ高さレベルとなるように設定されるとともに、苗植付装置4を上昇しての移動走行状態では、後方延長ステップ85がおよそ90度前方回動し、ステップ後部の折曲げ部85dが新たな踏面となるように設定されている。その高くなった踏面85dにより、通常の植付作業状態のときよりも上方に位置する苗載台14に届きやすくなり、その苗植付装置4の上昇状態でも苗補給作業が容易となっている。
【0049】■ 図13,図14に示すように、横延長ステップ60を、これがフェンダB後部の下方に入込んだ収納位置と、フェンダBの横側方に張出た突出作用位置とに亘って移動可能に構成しても良い。すなわち、横延長ステップ60の支持部材86を、左右スライド自在に支持するレール部材87をフェンダB後部の下方に装備してあり、横に引張りだして突出作用位置に操作でき、押し込めば収納位置に操作できるようにしてある。
【0050】■ 図15,図16に示すように、図13に示す横方向で出退可能な横延長ステップ60において、パイプ製の支持部材86を機体側の筒部材88に内嵌合させてスライド自在に構成し、かつ、横延長ステップ60を突出作用位置に付勢する巻きバネ89を筒部材88内に備えた構造でも良い。これによれば、通常は横延長ステップ60は突出作用位置にあり、畦の法面や車庫の壁等に横側方から接当した場合には収納方向に移動でき、横延長ステップ60の破損が防止されるとともに、フェンダB後部のガード部材として機能する。
【0051】■ 後方延長ステップ85を装着した基準仕様からミッドマウント施肥仕様にするには、後方延長ステップ85を取外して施肥装置Aと付け換えることで可能となる構造でも良い。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−18523
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−183803