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【発明の名称】 苗植機
【発明者】 【氏名】荒木 正勝

【氏名】本多 春義

【要約】 【課題】玉葱その他の畑作物の苗が狭い2条並木に自動的に移植できる苗植機を具現する。

【解決手段】複数のポットが前後左右に並んでいる苗箱のそれぞれのポットで一株分の苗17が独立して育てられ、その苗17が前後に向いた苗箱を下に送る苗箱搬送装置と、横一列のポットから押し出された複数株の苗17を左右に分けて載せて外側に送る左右一対のベルトコンベア25と、それぞれのベルトコンベア25の下に配置されてその終端から落下した苗を受けて内側に送ったのちに下に送って移植する一対の搬送装置28を備えている苗植機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のポット16aが前後左右に並んでいる苗箱16のそれぞれのポットで一株分の苗17が独立して育てられ、その苗17が前後に向いた苗箱16を下に送る苗箱搬送装置22と、横一列のポット16aから取り出された複数株の苗17を左右に分けて載せて外側に送る左右一対のコンベア25と、それぞれのコンベア25の下に配置されてその終端から落下した苗を受けて内側に送ったのちに下に送って移植する一対の搬送装置28を備えている苗植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、玉葱その他の苗の移植に好適な苗植装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のポットが前後左右に並んでいる苗箱で育苗された苗が前後に向いた状態で苗箱搬送装置により苗箱を苗取出部に送り、苗取出部で横一列のポット16aから取り出された複数株の苗を左右に分けて載せて外側に送る左右一対のベルトコンベアの終端にそれぞれ苗植付具を設けた構成の苗植機がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の構成によると、上記苗植付具は上記ベルトコンベアの終端に配置されるので、左右一対の苗植付具の相互の間隔すなわち条間が苗箱搬送装置で送られる苗箱の左右幅と略同一かそれより広く構成されることとなる。この発明は、上記従来技術の構成の一部を利用して玉葱その他の苗が好適な条間で自動的に移植される苗植装置を具現しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、複数のポット16aが前後左右に並んでいる苗箱16のそれぞれのポットで一株分の苗17が独立して育てられ、その苗17が前後に向いた苗箱16を下に送る苗箱搬送装置22と、横一列のポット16aから取り出された複数株の苗17を左右に分けて載せて外側に送る左右一対のコンベア25と、それぞれのコンベア25の下に配置されてその終端から落下した苗を受けて内側に送ったのちに下に送って移植する一対の搬送装置28を備えている苗植機とした。
【0005】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を説明する。走行車体1に苗植装置2が装着されて畑作用の苗植機となっている(図1、図2)。走行車体1がつぎのように構成されている。フレーム3の前後に主歯車箱4と後輪歯車箱5が設けられ、それぞれの両横に一対の前輪6と後輪7が配置されている。エンジン8がフレーム3の上に取付けられ、その動力が主歯車箱4内の変速機を経由して前輪6と後輪7に伝わり、これらが回転して走行車体1が圃場内を前進するように出来ている。座席9がエンジン8の上に設けられ、その前のステアリングハンドル10を操作すると、前輪6が操縦されて走行車体1の進路が変わるように出来ている。
【0006】支柱11がフレーム3の後部から上に伸び、上下で平行なリンク12の前後の両端がこれと昇降枠13に取付けられている。油圧シリンダ14の前端がフレーム3に取付けられ、これから斜後上に突出したピストンロッドの突端と上のリンク12と一体のアーム15が接続し、油圧シリンダ14に油を送るとピストンロッドが突出して昇降枠13が上昇し、その油をタンクに戻すとピストンロッドが引き戻されて昇降枠13が下降するように出来ている。
【0007】苗植装置2は、ポット式の苗箱16(図3)で育てた苗17を移植するもので、その苗箱16がつぎのようになっている。複数のポット16aが可撓性の板16bに前後左右に並べて一体的に設けられている。ポット16aは、底に押出ピンを差す孔を有し、苗箱横列に偶数個(14個)構成され、その中間の間隔が他よりもやや広くなっている。送り孔16cが板16bの両横に縦並びのポット16aと同じ間隔で設けられている。これらは、樹脂で一体に成形される。それぞれのポット16aに床土を詰め、その上に一粒の玉葱の種子を蒔き、覆土して潅水すると、所定の日数で苗17が独立して育つ。このとき、根がポット16aの内面に沿って巻くように伸び、根鉢が形成される。
【0008】苗植装置2がつぎのように構成されている。機枠18が昇降枠13に着脱自在に取付けられている。苗植歯車箱19が機枠18の下部に取付けられ、これに一対の苗植ユニット20が横並びに設けられている。苗植ユニット20がつぎのように出来ている。後下りに傾斜した苗載板21上に苗箱16が載るように出来ている。一対のレール(苗箱搬送装置)22が苗載板21の左右の後部から下に伸びたのち、Uの字形に前に曲って受箱35に達し、苗箱16の両横を抱えて間欠的に送るようになっている。苗箱16は、苗17を上に向けて苗載台21に載り、レール22の後部でその苗17が後を向く。横並びのポット16aと同数の押出ピン(図示していない)がそれらのポット16aと同じ間隔に設けられ、エンジン8の動力で前後に往復移動してポット16aに前から出没し、ポット16aから苗17を根鉢17aとともに後に押し出すようになっている。押し出された苗17を受けるキャリア23がレール22の後に配置され、左右が一対の平行リンク24で支持されて、載った苗17をその作動で同じ姿勢に保ってレール22の下方に運ぶようになっている。上面が互に離れる方向に旋回する一対のベルトコンベア25が左右に並べて配置され、キャリア23の苗17が押出具(図示していない)でその上に移されるようになっている。すなわち、横並びで偶数の一列の苗17は、半数づつが左右のベルトコンベア25に載って互に外に向って送られる。送られている苗17の後には、上記のポット16aの上のポット16aから同じようにして押し出されて運ばれて来た苗17が同じ間隔で載る。以上が従来の苗植機の一部と共通する構成である。
【0009】横棒26が苗植歯車箱19の下に固定して設けられ、これに一対の取付枠27が左右に移動自在に取付けられている(図4,図5)。後から見て、直角三角形に配置された三角ベルト28aの垂直辺の横に垂直ベルト28bが添えられて一対の搬送装置28が構成され、その水平辺がそれぞれのベルトコンベア25の外端の下に来るとともに垂直辺が互に向き合うようにしてそれぞれの取付枠27に取付けられている。これらの三角ベルト28aは、それぞれの上のベルトコンベア25に対して反対方向に旋回し、ベルトコンベア25の外端から落下した苗17を載せて内側に運んだのち、その苗17を垂直ベルト28bで挟んで保持して下方に送るようになっている。なお、苗17を下方に送るとき、その根鉢17aの部分が挟まれ、他が後に突出する。
【0010】植付ディスク29がそれぞれの取付枠27の水平部に取付けられて、搬送装置28の後に下端がこれよりも下に突出するように配置されている。それぞれの植付ディスク29は、2枚の可撓性(ゴム製)の円板29aで構成されてその周速が走行車体1の前進速度に一致するように設けられ、杆やローラで案内され下部が互に近寄り、その前方に配置された作溝器30が作った移植溝内を下端が通過するようになっている。そして、搬送装置28の垂直部が送っている苗17の葉の部分を一対の円板29aで挟み、上記の回転でその苗17を上向きにして移植溝内に位置させる。
【0011】その後に配置された覆土器31が取付枠27の水平部に取付けられている。覆土器31は、一対の車輪31aで構成され、それぞれの車輪31aが円板29aの外に斜に配置されて下端で近寄り、前進にともなって、上向きになった上記の苗17の下部に移植溝の両側の土を埋め戻すように掛けて移植する。すなわち、苗箱16における横並びの複数のポット16aの横巾が30cmとすると、一対のベルトコンベア25の両外から落下した苗17は、そのまま移植すると、条間が30cm以上になる。ここに、玉葱その他の苗は、慣行上又は作物の生理上30cm以下の狭い2条並木に移植したい。上記の構成によると、一つの苗植ユニット20において、一対のベルトコンベア25の両外から落下した苗17が一対の搬送装置28で内側に送られたのち、下に送られて移植されるから、所望の狭巾の2条並木植が得られる。
【0012】また、図4のように、一組の搬送装置28、植付ディスク29、作溝器30および覆土器31などを取付枠27に取付け、これを左右に摺動させると、前記の2条並木の条間が調節できる。さらに、苗植ユニット20を複数で構成すると、左右の苗植ユニット20が移植する苗17の条間も調節できる。
【0013】
【効果】以上のように、この発明によると、一つの苗植ユニット20で得られる2条の苗17の条間につき、苗箱16の横並びの複数のポット16aの外巾よりも狭い条間が得られて、その作物の生理や慣行に対応させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月1日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−18519
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−175716