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【発明の名称】 粉粒体繰出し装置
【発明者】 【氏名】藤田 佳久

【氏名】園田 義昭

【要約】 【課題】複数の供給管路に均等な風力を供給できる送風手段を、その騒音が軽減され、かつ、機械効率も改善されるようにする。

【解決手段】ホッパ18の肥料を繰出す繰出し機構19と、繰出された肥料をホース21始端に送風案内する送風手段Hと、送風手段Hの風力を受けるホース21終端に接続される作溝器とを備え、電動モータ86で駆動のファン87で成る送風手段Hを、各繰出し機構19毎に設ける。電動モータ86への供給電流を検出する電流検出手段を設け、検出電流値が所定値よりも減少すると、電動モータ86への供給電圧を高めるように制御させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉粒体貯留部の粉粒体を繰出す繰出し機構と、この繰出し機構で繰り出された粉粒体を供給管路の始端に送風案内する送風手段と、この送風手段の風力を受ける前記供給管路の終端に接続された状態で苗植付装置に装備される作溝器とを備えるとともに、前記送風手段を、前記苗植付装置における各植付機構毎に対応させて設けてある粉粒体繰出し装置。
【請求項2】 前記繰出し機構から繰り出された粉粒体を前記供給管路始端に導く漏斗部を設け、その漏斗部に前記送風手段を組み込んである請求項1に記載の粉粒体繰出し装置。
【請求項3】 前記供給管路の始端よりも粉粒体供給経路の下手側位置に、粉粒体の詰まりを検出可能な詰まりセンサを設けるとともに、その詰まりセンサが詰まり状態を検出すると前記送風手段の風力を増大させるように、前記詰まりセンサと前記送風手段とを連係してある請求項1又は2に記載の粉粒体繰出し装置。
【請求項4】 前記送風手段を、ファンと、このファンを駆動する電動モータとで構成するとともに、前記電動モータへの供給電流を検出する電流検出手段を設け、前記電流検出手段による検出電流値が所定値よりも減少すると、前記電動モータへの供給電圧を高めるように構成してある請求項1又は2に記載の粉粒体繰出し装置。
【請求項5】 前記植付機構への動力を断続する畦際クラッチを単位数の植付機構毎に備えるとともに、前記畦際クラッチが切り操作されると、その畦際クラッチが切られた植付機構に対応した送風手段の作動を停止するように、前記畦際クラッチと前記送風手段とを連係してある請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉粒体繰出し装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機に搭載される施肥装置等の粉粒体繰出し装置に係り、詳しくは、繰り出された粉粒体を風力移送させるものにおいて、その風力移送の効率をより良くする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】風力で粉粒体を移送するものとしては、先に出願した特願平9‐22447号において、機体の左右一側端に装備されたブロワと、このブロワの風を通す左右に向けて横臥配置された送風管とを備え、送風管に挿入した送風取り込み管を繰出し機構に導くようにした構造のものが提案されている。つまり、単一のブロワの風力を複数の繰出し機構に分散して供給するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案技術によれば、風力設備としては単一のブロワで済む利点はあるが、全ての繰出し機構に風力供給するにはかなり高出力のものが必要となるため、駆動騒音が大きい傾向にあった。又、上記提案構造では、複数の送風取り込み管を送風管の送風上手側から順次配置することになるが、上手側の取り込み管よりも下手側の取り込み管の方が風量が大になる傾向にあり、均等に風を分けて供給するのが難しいものでもあった。
【0004】上記実情に鑑みて本発明は、複数の供給管路に均等な風力を供給できる送風手段を、その騒音を抑えた状態に構成して提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、粉粒体貯留部の粉粒体を繰出す繰出し機構と、この繰出し機構で繰り出された粉粒体を供給管路の始端に送風案内する送風手段と、この送風手段の風力を受ける供給管路の終端に接続された状態で苗植付装置に装備される作溝器とを備えるとともに、送風手段を、苗植付装置における各植付機構毎に対応させて設けてあることを特徴とする。
【0006】第2発明は、第1発明において、繰出し機構から繰り出された粉粒体を供給管路始端に導く漏斗部を設け、その漏斗部に送風手段を組み込んであることを特徴とする。
【0007】第3発明は、第1又は第2発明において、供給管路の始端よりも粉粒体供給経路の下手側位置に、粉粒体の詰まりを検出可能な詰まりセンサを設けるとともに、その詰まりセンサが詰まり状態を検出すると送風手段の風力を増大させるように、詰まりセンサと送風手段とを連係してあることを特徴とする。
【0008】第4発明は、第1又は第2発明において、送風手段を、ファンと、このファンを駆動する電動モータとで構成するとともに、電動モータへの供給電流を検出する電流検出手段を設け、電流検出手段による検出電流値が所定値よりも減少すると、電動モータへの供給電圧を高めるように構成してあることを特徴とする。
【0009】第5発明は、第1〜第4発明において、植付機構への動力を断続する畦際クラッチを単位数の植付機構毎に備えるとともに、畦際クラッチが切り操作されると、その畦際クラッチが切られた植付機構に対応した送風手段の作動を停止するように、畦際クラッチと送風手段とを連係してあることを特徴とする。
【0010】〔作用〕請求項1の構成によれば、苗植付装置における各植付機構毎に対応させて送風手段を設けてあるから、各供給管路への送風条件を全て等しい状態に設定することが可能になり、従来のように場所によって風力に差が出るということが解消されるようになる。そして、送風手段と供給管路始端との間隔を小さくすることが可能であるから、従来のように、ブロワと繰出し機構下部との間の長い距離を送風管で移送させることによる動力損失が無く、送風装置としての機械効率を改善することができ、その結果、単一の送風手段を各条毎の複数個に分割設定しても、却って効率を改善することができるようになる。
【0011】又、その効率が改善されること、及び送風手段1個当たりの出力は十分に小さいものにできることから、全ての送風手段を同時駆動させたときの騒音を、従来の単一のブロワの騒音に比べて軽減することが可能になる。
【0012】請求項2の構成によれば、繰出し機構から繰り出された粉粒体を供給管路始端に導く漏斗部に送風手段を組み込んであるから、送風手段と供給管路始端との間隔を必要最小限度の短いものに設定でき、送風手段の機械効率をさらに改善することが可能になる。又、送風手段と漏斗部とが一体に形成されることから、条毎の粉粒体繰出し装置をコンパクトに構成することも可能である。
【0013】請求項3の構成によれば、供給管路の始端よりも粉粒体供給経路の下手側位置に設けられた詰まりセンサが詰まり状態を検出すると、送風手段の風力を増大させるように連係してあるから、詰まりが生じると、供給管路や作溝器内面にこびり付いて堆積した粉粒体をその増大された風力で吹き飛ばすことができるようになる。つまり、詰まりが生じても、その詰まりを自動的に解消することが可能になるのである。
【0014】請求項4の構成によれば、送風手段を構成する電動モータへの供給電流を検出する電流検出手段を設け、その電流検出手段による検出電流値が所定値よりも減少すると電動モータへの供給電圧を高めるように連係するものである。つまり、電動ファンで送風させる構造では、粉粒体の堆積による管路断面積減少による抵抗増や詰まりが生じて単位時間当たりの送風量が減少するとファンの空気抵抗も減少し、その結果、電動モータの回転数が上昇するようになる。すると、電動モータへの供給電流は減少するようになるから、その供給電流の減少を検知することで風力の減少を検知することが可能になる。
【0015】従って、供給電流の減少をもって電圧を上げるようにすれば、電動モータへの供給電流を強制的に増大することができ、モータ出力を、すなわち、風力を増大させて管路内に堆積した粉粒体や詰まり箇所を吹き飛ばし、正常な風力移送状態を復元させることが可能であるとともに、それら一連の動作が自動的に行われるようになる。
【0016】請求項5の構成によれば、単位数の植付機構毎に動力を断続する畦際クラッチを備え、畦際クラッチが切り操作された植付機構に対応した送風手段の作動を停止するように連係してあるから、畦際クラッチの切り操作で送風手段も停止させることができ、粉粒体の供給動作が停止するようになる。例えば、6条用田植機でも枕地近くでは4条や5条で植付けするといった具合の端数条植えを行う場合があるが、その場合には、使用しない植付機構での粉粒体の供給も不要であるから、その停止している植付機構用の送風手段を停止することにより、動力ロスを無くして機械効率を改善することができるとともに、その一連の動作が自動的に行われるようになる。
【0017】〔効果〕請求項1〜5のいずれに記載の粉粒体繰出し装置でも、(イ)各植付機構毎に送風手段を設けることにより、従来の単一のブロワを装備する場合に比べて、騒音を低減しながら送風効率を改善でき、作業環境の改善と省エネルギー化を図ることができた。
【0018】請求項2に記載の粉粒体繰出し装置では、送風手段と漏斗部との一体化によって送風距離を縮めることでき、上記効果(イ)をさらに強化できるとともに、装置としてコンパクトに構成できるようになった。
【0019】請求項3に記載の粉粒体繰出し装置では、粉粒体の移送経路に詰まりが生じても、増大された風力で吹き飛ばして自動的に詰まりを解消することができるから、特別な操作を要することなく、詰まりの無い良好な粉粒体の供給状態を維持できる利点がある。
【0020】請求項4に記載の粉粒体繰出し装置では、送風手段を構成する電動ファンへの供給電流の減少検出によって電圧を増やすことで、粉粒体の移送経路内での堆積や詰まりが生じても、特別な操作を行うことなく、その堆積した粉粒体や詰まり箇所を吹き飛ばして、正常な風力移送状態を自動的に維持できる利点がある。
【0021】請求項5に記載の粉粒体繰出し装置では、端数条植えを行う場合には無駄な送風手段の駆動が無く、動力ロスを無くして機械効率をさらに改善することが自動的に行われる利点がある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、左右一対の前輪1及び後輪2を備えた乗用型の走行機体の後方にリンク機構3を介して植付部である苗植付装置4が昇降自在に連結され、苗植付装置4の前方側であり、かつ、運転座席67の直後となる位置に施肥装置Aを装備して施肥装置付き田植機を構成してある。尚、43は肥料ホッパ(粉粒体貯留部の一例)18への肥料補給の労力を軽減するための肥料載台ある。
【0023】この田植機は、走行機体のボンネット5内に搭載したエンジンEの動力が、前伝動ケース6を介して前輪1に伝達されるとともに、走行系伝動軸7及び後伝動ケース8を介して後輪2に伝達される四輪駆動型であり、搭乗運転部9の操縦ハンドル10の操作で左右前輪1を操舵するように構成してある。又、前伝動ケース6から植付系伝動軸であるPTO軸11を後方に向けて延設してあり、そのPTO軸11から苗植付装置4に動力を伝達することにより、圃場内を走行しながら苗植付け作業を行えるように構成してある。
【0024】苗植付装置4は、昇降用の油圧シリンダ12の伸縮操作に伴って、下端部が圃場面に接地する苗植付け用の作業位置と、大きく上方に移動する上昇位置とに亘って昇降操作自在である。そして、リンク機構3に連結支持される植付部フレーム13に対して車体横幅方向に沿って設定ピッチで往復横移動する苗のせ台14、苗のせ台14に載置された植付け対象苗の下端部から一株ずつ苗を取出して圃場に植付ける複数(6個)の植付機構15、圃場に接地しながら泥面を整地する接地フロート58等を備えた6条植え形式に構成してある。
【0025】苗載台14の苗載置部には、横移動ストロークエンドにおいて載置している苗を植付機構15に向けて設定量ずつ送り出す縦送り装置16が各植付条毎に設けられている。この縦送り装置16は、上下一対のプーリに亘って突起付きベルトが巻回され、下方側のプーリがストロークエンドにおいて接当作用により、所定量ずつ回動操作されるように構成されている。
【0026】又、この縦送り装置16には、構造は詳述しないが、2条毎に縦送り作動を行う状態と作動を停止する状態とに切り換え自在な縦送りクラッチ16aが設けられている。そして、接地フロート58には、各植付条における苗の植付け部位に隣接する夫々の箇所において、接地面よりも下方側に向けて泥土層に入り込み、泥面上に肥料を供給する為の溝を形成する作溝器17を設けてある。
【0027】図3に示すように、PTO軸11の動力は苗植付装置4におけるフィードケース81に入力され、そこから3箇所の植付伝動ケース82を介して各植付機構15に動力伝達されるのであり、フィードケース81の出力軸81a上に各植付伝動ケース82毎に作用する畦際クラッチ83が構成されている。そして、畦際クラッチ83を入切り操作する3個の畦際クラッチレバー84が装備されるとともに、その畦際クラッチレバー84が切り操作されると作動する畦際クラッチスイッチ85を各レバー84毎に設けてある。尚、畦際クラッチは、特開平7‐8042号公報や、特開平6‐141634号公報等で知られた周知のものであり、詳細説明は割愛する。
【0028】次に、施肥装置Aについて説明する。図2に示すように、施肥装置Aは、粉粒状の肥料を貯溜する3条一体型肥料ホッパ18と、そこから肥料を所定量ずつ繰り出す繰出し機構19と、繰り出された肥料を苗植付装置4の作溝器17に送る施肥ホース(供給管路の一例)21とを備えて構成してある。繰出し機構19は、肥料ホッパ18の各条用の漏斗部18aの下方に位置して、各植付条に対応して複数(6個)設けてある。各繰出し機構19から繰り出された肥料を、送風手段20の送風によって、施肥ホース21を通して各作溝器17に向けて各別に強制移送するように構成してある。
【0029】図4に示すように、繰出し機構19は、ケーシング22の内部に、肥料ホッパ18の底部開口部分に臨む状態で、繰出し軸23に一体回動自在に外嵌されるとともに、外周部に所定ピッチをあけて複数の肥料入り込み用の凹部24が形成された繰出し回転体25が設けられ、繰出し回転体25の回転に伴って凹部24内に貯められた肥料が下方側の漏斗状の案内部26に流下案内されるように構成されている。尚、凹部24内に所定量ずつ貯めるように擦り切り用のブラシ27が設けられている。
【0030】ブラシ27は、繰出し回転体25の外周面に位置する作用位置と、繰出し回転体25から離間する肥料排出位置とに亘って横軸芯P周りで揺動自在で、且つ、ケーシング22の横側外方に設けられた切換操作具31の切り換え操作に伴って一体的に揺動して、各位置にて位置保持されるようにしてある。
【0031】複数の各繰出し機構19における各ケーシング22は、機体フレームFから固定立設された縦フレーム29によって支持され、車体横方向に延設された横フレーム30によって固定支持されている。繰出し軸23は、一対の繰出し機構19毎に夫々の繰出し回転体25が一体的に回動するように三本に分割されて設けられ、6個の繰出し機構19のうち2個の繰出し機構19毎に各別に駆動並びに停止できるように構成されている。
【0032】繰出し機構19の駆動構成について説明する。図2に示すように、繰出し機構19の後方側箇所に、車体横幅方向に沿って施肥装置Aのほぼ全幅に亘る長さで、且つ、両側端部にて回動自在に支持される状態で駆動軸32が配置され、この駆動軸32の横幅方向中間部にワンウェイクラッチ33を設けてある。ワンウェイクラッチ33の操作アーム34と、ベベルギア機構28を介してPTO軸11で回転駆動される横向き伝動軸35に取付られた回転アーム36とを連動ロッド37で枢支連結してあり、回転アーム36の回転に伴う操作アーム34の揺動移動を、ワンウェイクラッチ33によって駆動軸32を所定方向にのみ間欠的に回転するようにしてある。
【0033】そして、この駆動軸32と三本の各繰出し軸23との間に、各別に動力を入切り自在な施肥クラッチ38を夫々設けてある。施肥クラッチ38は、図6,図7に示すように、駆動軸32に相対回動自在に外嵌されたギア39と、各繰出し軸23に一体回動自在に外嵌されたギア40とを噛合う状態で設け、駆動軸32側のギア39の横側に、駆動軸32に一体回動自在でかつ回転軸芯方向にスライド操作自在なクラッチ片41をギア39に近接する方向に向けてバネ付勢する状態で外嵌し、そのクラッチ片41とギア39の対向する箇所に、噛合部kを形成し、この噛合部kが噛み合うことでそれらが一体回動するようになっている。
【0034】又、各クラッチ片41が操作ワイヤ41aの引き操作によって各別に切り操作可能に構成されている。つまり、横フレーム30側の部材に揺動自在に支持されるL字状のクランクアーム(符記なし)の一端に操作ワイヤ41aを、他端にクラッチ片41を連動させてあり、バネ付勢力によって噛合部kが噛み合うクラッチ入状態になり、操作ワイヤ41aの引き操作によって、バネ力に抗して噛合部kが離間してクラッチ切り状態に切り換えられるようになっている。
【0035】尚、各施肥クラッチ38における操作ワイヤ41aは、それに対応する畦際クラッチレバー84に連係接続されており、畦際クラッチレバー84の入り操作で施肥クラッチ38も入りになり、畦際クラッチレバー84の切り操作で施肥クラッチ38も切りになるように構成されている。
【0036】繰出し量の調節構造について説明する。図2、図5に示すように、各繰出し機構19毎に繰出し量調節機構Dを設け、各繰出し量調節機構Dを操作するギヤ状の回転調節具70夫々に対して係合及び離脱可能な6個のギヤ状の駆動回転体71を、左右方向に沿う姿勢の回動操作自在な操作ロッド72に連結する。操作ロッド72の左方向へのスライド移動によって各駆動回転体71と各回転調節具70とが咬合する調節作用状態と、操作ロッド72の右方向へのスライド移動によって各駆動回転体71と各回転調節具70との係合が解除される非作用状態とを現出可能に構成してある。操作ロッド72の右端には、操作ロッドを屈曲して成るハンドル75を装備してある。
【0037】繰出し量調節機構Dは、固定ロール25aに対して可動ロール25bを遠近移動させることで凹部24の肥料入れ込み幅を可変設定する公知の構造であり、これら固定ロール25aと可動ロール25bとで繰出し回転体25を構成している。そして、可動ロールをスライド操作するのが回転調節具70である。
【0038】尚、図2に示す76は、ハンドル75による全繰出し機構19の繰出し量調節時に駆動軸32に作用して繰出し軸23を固定するための切換レバーであり、この切換えレバー76を、駆動軸32に係合して固定する作用状態では、全ての駆動回転体71と回転調節具70とが咬合している。又、図6に示す79は、6個の繰出し機構19の一部の繰出し量調節を行うために、先端の挟み部79aが繰出し軸23に直接係合作用して固定可能なロック具である。
【0039】図4に示すように、漏斗部26の下端出口50に連通して機体後方に向けて開口する施肥供給部(供給管路の始端に相当)51を形成し、そこに施肥ホース(供給管路の一例)21を差込み装着する。そして、施肥供給部51の前方側には、下端出口50に繰り出された肥料を風力で強制的に施肥ホース21に送り込むための送風手段Hを装備してある。
【0040】すなわち、送風手段Hは、送風ケース部52内に、電動モータ86で駆動されるファン87を配置して構成してある。つまり、送風手段Hを、苗植付装置4における各植付機構15毎に対応させて設けてあるとともに、繰出し機構19から繰り出された肥料を施肥供給部51に導く漏斗部26に組み込んである。
【0041】そして、図9に示すように、施肥供給部51よりも肥料供給経路の下手側位置である作溝器17部位に、肥料の詰まりを検出可能な詰まりセンサ89を設けるとともに、その詰まりセンサ89が詰まり状態を検出すると送風手段Hの風力を増大させるように、詰まりセンサ89と電動モータ86とを連係する詰り解除制御手段Iを制御装置90に設けてある。又、電動モータ86への供給電流を検出する電流検出手段91を各電動モータ86毎に設け、その電流検出手段91による検出電流値が所定値よりも減少すると、電動モータ86への供給電圧を高めるように制御する風力強化制御手段Jを制御装置90に設けてある。
【0042】図9に示すように、苗植付装置4への動力断続を司る植付クラッチレバー42の入切りを検出する植付クラッチスイッチ44と、3個の畦際クラッチスイッチ85、電動モータ86に接続される3個の電流検出手段91、6個の詰まりセンサ89、及びバッテリー92が制御装置90に接続してあり、クラッチスイッチ85の作動に伴ってその条に対応する電動モータ86への電力供給を断つクラッチ連係制御手段Kも制御装置90に設けてある。
【0043】図8に示すように、詰まりセンサ89は、作溝器17における上ケース部17Aから下ケース部17Bに向けて吊設された一対の電極板89a,89aで構成されており、肥料堆積による電極板89a,89a間の導通による抵抗値の減少によって判断するものである。尚、詰まりセンサ89は、特開平9‐84415号公報等で知られた公知のものであり、これ以上の詳細説明は割愛する。
【0044】詰り解除制御手段Iは、いずれかの詰まりセンサ89からの詰まり検出情報が出ると、それに対応する電動モータ86への供給電圧を高くして、ファン87の回転数を速くすることで風力を増大させるものである。又、湿度等の影響により、施肥ホース21内に肥料が付着堆積して管路断面積が縮小されると、風の通りが悪くなって風力作用が減少するが、そうなるとファン87による単位時間当たりの送風量が少なくなって空気抵抗が減り、電動モータ86の回転数が上昇するようになる。
【0045】すると、電動モータ86での消費電流が少なくなるので、その電流の減少量が所定量よりも多くなったことの電流検出手段91の検出により、その電流の少なくなった電動モータ86への供給電圧を高めて送風作用を強化させるのが風力強化制御手段Jである。つまり、肥料堆積によってある程度以上風の通りが悪くなると(勿論詰まりが生じても)、電動モータ86への供給電圧を高めるように制御されるのである。
【0046】そして、クラッチ連係制御手段Kは、植付クラッチレバー42の入り切り操作に拘わらずに、畦際クラッチレバー84を切り操作すると、その操作対象となる植付機構15の畦際クラッチ83と、前述した縦送りクラッチ16aと、施肥クラッチ38の3者が切り操作され、かつ、電動モータ86への供給電流を断つように制御するのである。そして、植付クラッチレバー42を入り操作し、かつ、畦際クラッチレバー84を入り操作すると、前記3者のクラッチが入りになるとともに、電動モータ86に電流供給されるようになる。尚、畦際クラッチ83としては、図示のように2組の植付機構15,15に同時作用する2条分のものでも、単一の植付機構15の作用する各条分のものでも良い。
【0047】図4に示すように、繰出し機構19から繰り出された粉粒状の肥料を、施肥ホース21に案内する供給作用状態と、排出経路53に向けて案内する排出状態とに切換え自在な経路切換板55を、繰出し機構19の夫々に対応して設けてある。経路切換板55は左右軸芯X周りで揺動自在に枢支されており、漏斗部26の外部に設けられた切換レバー56の操作によって、供給位置と排出位置とに切換可能である。供給位置では、排出経路53を閉塞して下端出口50に対して、施肥ホース21と送風手段Hとを連通し、排出位置では、施肥供給部51への通路を閉塞して下端出口50に対して、排出経路53と送風手段Hとを連通する。
【0048】各排出部54の夫々には、排出される肥料を機体前方下方に向けて案内排出する排出管路48を連通接続する状態で設け、各排出管路48は、図1、図2に示すように、左右両側の3本ずつのものが、夫々、肥料案内方向下手側部分において大径の1本の合流管路48aに合流して左右両側部に振り分けてあり、共通の肥料排出口49から肥料を排出するように構成してある。
【0049】苗植付作業時に施肥を行う場合には、経路切換板55を供給位置に切換えるとともに、送風手段Hの送風作動を開始し、繰出し機構19から所定量ずつ繰り出された肥料を、風力によって下端出口50から施肥供給部51及び施肥ホース21を通過して作溝器17に向けて送り出して圃場に供給するのである。
【0050】植付作業終了後において、肥料ホッパ18内に残った肥料を回収する場合には、切換レバー56を排出位置に切り換えるとともに、繰出し機構19におけるブラシ27を繰出し回転体25から離間した肥料排出位置に切換えて肥料を排出して、下端出口50から排出経路53及び排出パイプ48を通過させて肥料排出口49から外部に排出させる。尚、このときに送風手段Hによる送風を実行して、肥料の排出作用を強化しても良い。
【0051】〔別実施形態〕送風手段Hとしては、PTO軸11からの動力でファン87を回転させる機械駆動式のもので良く、この場合ではPTO軸11とファン87との間に、ギヤ変速機構やベルト無段変速機構等の風力を変更可能な変速機構と、動力を断続するクラッチとを介装させておくのである。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)7月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−18518
【公開日】 平成11年(1999)1月26日
【出願番号】 特願平9−176877