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【発明の名称】 農用資材の施行装置及び資材袋
【発明者】 【氏名】梶谷 博正

【要約】 【課題】農用資材を収容した資材袋をそのまま資材タンク内に投入し補給作業を簡単に行うと共に、資材袋を農用資材に混入させて施工することができる農用資材の施行装置を提供する。

【解決手段】肥料或いは薬剤等の農用資材Wを、走行機体1に装着した資材タンク50内に収容して圃場に供給施行する際に、前記農用資材Wを収容する資材袋8を生分解性材で形成すると共に、該資材袋8に農用資材Wを収容したまま資材タンク50内に収容させて、資材袋8を農用資材Wに混入させて圃場に供給施行するように構成した農用資材の施行装置としている。また、資材袋8は生分解性の合成樹脂材、又は生分解性の紙材で形成すると共に、資材タンク50内で破砕しながら農用資材Wと混合させて圃場に供給施行するようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肥料或いは薬剤等の農用資材を、走行機体に装着した資材タンク内に収容して圃場に供給施行するようにした施行装置において、前記農用資材を収容する資材袋を生分解性材で形成すると共に、該資材袋に農用資材を収容したまま資材タンク内に収容させて、資材袋を農用資材に混入させて圃場に供給施行するように構成した農用資材の施行装置。
【請求項2】 資材袋を資材タンク内で破砕しながら農用資材と混合させて圃場に供給施行する請求項1の農用資材の施行装置。
【請求項3】 生分解性の合成樹脂材、又は生分解性の紙材で形成してなる資材袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、資材袋に収容されたペースト肥料や粒状肥料或いは薬剤等の農用資材を圃場に供給施行する農用資材の施行装置及び資材袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、苗を圃場に植え付ける田植作業と同時に、ペースト肥料を植付苗条の側方の土中に供給施行する農用資材の施行装置付の田植機は、ペースト肥料をペーストタンク(資材タンク)内に補給する際に、該ペースト肥料が収容されている資材袋の口栓を開いた状態で、資材袋をペーストタンク内に臨ませてペースト肥料を取り出し補給するようにしている。また、前記ペースト肥料を収容する資材袋はビニール等の生分解不可能な合成樹脂材によって形成されているので、空になった資材袋は焼却等の手段によって廃棄処分されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し、上記従来の手段によるペースト肥料の施行作業は、ペースト肥料をペー資材タンク内に補給する際に、資材袋の口栓を開封したのち内部のペースト肥料を絞り出して移し換える等の煩雑な作業と手間を要するため、ペースト肥料の圃場への供給施行作業が非能率になる等の問題がある。また、空になった資材袋はその廃棄処理が困難であると共に、安易に焼却されたりすると環境を汚染する等の問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の農用資材の施行装置は、第1に、肥料或いは薬剤等の農用資材を、走行機体に装着した資材タンク内に収容して圃場に供給施行するようにした施行装置において、前記農用資材を収容する資材袋を生分解性材で形成すると共に、該資材袋に農用資材を収容したまま資材タンク内に収容させて、資材袋を農用資材に混入させて圃場に供給施行するように構成したことを特徴としている。
【0005】第2に、資材袋を資材タンク内で破砕しながら農用資材と混合させて圃場に供給施行することを特徴としている。
【0006】第3に、生分解性の合成樹脂材、又は生分解性の紙材で形成した資材袋にすることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。Aは前輪1a及び後輪1bを有する乗用型の走行機体1の後部に移植装置2を昇降可能に装着すると共に、農用資材Wの施行装置5を設置してなる移植機であり、図示例の移植装置2は植付機体20の下部に滑走用の接地フロート21を有すると共に、上部に苗機台22を備え、後方の植付爪23の作動によって該苗機台22に載置されたマット状苗を一株づつ掻取って圃場に植え付ける田植装置を示している。
【0008】また、施行装置5は、農用資材Wとしてのペースト肥料を後述する資材袋8に収容させた状態で、該資材袋8をそのまま投入可能な蓋51付の資材タンク50と、該資材タンク50の下部に設けた破砕装置6及び送給装置7と、該送給装置7から送給されるペースト肥料Wを破砕された資材袋8と共に圃場に注入供給する施行部(施肥部)9とから構成し、苗の植え付けを行う際にペースト肥料Wを土壌中に同時に供給施行することができるようにしている。
【0009】前記破砕装置6は、資材タンク50内の底部において周面に掻込歯60aを形成した一対の掻込ロール60,60を互いに内向き回転駆動可能に横架すると共に、その下方にカッタ61を縦軸回転駆動可能に設けた切断部62とによって構成している。また、送給装置7は前記破砕装置6の下方において繰出ケース70で中空室状に形成された繰出室71と、該繰出室71に通じその一側で繰出ケース70と一体的に形成した筒穴状のシリンダ室72内に、スクリュウ73を一方向回転駆動可能に内装してなる送給ポンプ75とから構成している。尚、76は破砕装置6及び送給ポンプ75等を駆動する伝動機構である。
【0010】また、施行部9は鋼管部材でノズル状に形成し、その先端部が土中に所定深さに突入するように接地フロート2に取り付けると共に、前記送給ポンプ75と可撓性を有する送給管90を介して連結している。そして、該送給管90の中途には流量調節及び視認可能なインジケータ91と還流管92を設け、送給ポンプ75から圧送されるペースト肥料W及び資材袋8が破砕された砕片8aを、施行部9の先端から吐出させて土中に供給施行するようにしている。また、この実施形態では前記ペースト肥料Wを収容する資材袋8は、生分解性の合成樹脂材で形成することにより、資材袋8にペースト肥料Wを収容したまま開封することなく資材タンク50内に投入させて、資材袋8を破砕装置6で破砕処理しその砕片8aをペースト肥料Wに混入させた状態で圃場に同時供給施行可能に構成している。
【0011】即ち、前記生分解性の合成樹脂材としては、天然の高分子物質である澱粉と、親水性で且つ生分解性を有する変性ポリビニルアルコールを主成分とする複合樹脂からなる合成樹脂材を用いるとよく、この場合生分解性の合成樹脂材を構成する高分子物質である澱粉と変性ポリビニルアルコール等の主成分の混合比率を調節することにより、ペースト肥料Wを適切に収容しながら破砕処理後において土中での分解時間を良好に制御することができるものである。また、資材袋8はパルプ等の天然繊維に動物繊維や有機肥料並びに糊材等を適宜の割合で混合して紙状のシート材を構成し、これによって生分解性の紙製袋となした容器を形成するようなものであってもよい。尚、この場合の紙製の資材袋は粒状の肥料や薬剤を好適に収容すると共に、砕片にした状態で農用資材と共に散布を良好に行うことができるものである。
【0012】次に、以上のように構成した移植機Aによる作業の態様について説明する。先ず、移植装置2の苗載台22上にマット状苗を供給載置すると共に、図2に示すように施行装置5の資材タンク50内に蓋51を開けて資材袋8を挿入供給し、この施行装置5のみを予備駆動させる。即ち、この予備駆動によって資材袋8は、互いに内向き回転される一対の掻込ロール60,60によってその下端部を挟持状に掻込まれながら、周面の掻込歯60aで掻き破られ徐々に下方に繰り出されて切断部62に至ると、資材袋8の繰り出された部分が回転しているカッタ61によって細片状に裁断され、その破砕された砕片8aが繰出室71内に分散されながら流下しているペースト肥料W内に混入する。
【0013】このとき、資材袋8の破砕作用が開始されると内部のペースト肥料Wは、破られた部分から流出して掻込ロール60及び切断部62等によって掻き回しされながら下方の繰出室71内に充満するので、ペースト肥料Wと砕片8aは均一に混合した状態になって、一方向回転しているスクリュウ73で送給ポンプ75から圧送されてインジケータ91を経て施行部9に至り吐出開始態勢になる。
【0014】次いで、前述のような準備作業を以てペースト肥料Wの吐出開始態勢にしたのち移植機Aを走行させ苗植付施肥同時作業を行うと、植付爪23は苗機台22からマット状苗を一株づつの苗に掻取って圃場に順次植え付け植付苗条を形成すると共に、同時に施行装置5によってその施行部9から植付苗条の苗の側方で土中に所定の深さを以て、ペースト肥料Wと砕片8aを混合状態で供給施行することができる。このような作業において、苗載台22上のマット状苗の残量が少なくなると在来のものと同様に順次苗補給をして植付作業を継続させると共に、資材タンク50内のペースト肥料Wが少なくなると、ペースト肥料Wが収容された資材袋8をそのま前述の態様を以て速やかに補給することができ、施肥作業を連続的に行うことができるものである。
【0015】そして、ペースト肥料W内に混合した状態で土中に供給施行された生分解性の砕片8aは、土中の水分並びに微生物等によって設定された所定期間の経時後に砕片8aの姿をとどめることなく分解することになって、作物に対する発育障害や土中への長期の残留等を良好に防止することが可能になる。従って、施肥作業においてペースト肥料Wの補給を、従来のもののように機体停止状態において開封した資材袋8からペースト肥料Wを絞り出して補給を行う等の煩雑な工程を経ることなく、ペースト肥料Wを収容した資材袋8を封止したまま、これを資材タンク50内に直接投入するだけで補給作業を行うことができるので施肥作業を簡単且つ高能率に行うことができる。
【0016】また、資材袋8は例えば有機肥料等の還元可能部材で形成することにより、資材袋8は圃場中で生分解が行われて作物及至土壌に対する補助肥料として効果的に供給施行することができると共に、在来のペースト肥料Wを収容する資材袋のような口栓構造の形成を不要にすることもでき、安価な簡易袋の採用を可能にすることができる等の利点がある。尚、図示例では移植機Aに肥料用の施行装置5を併設しペースト肥料Wを施肥する態様について説明したが、これに限ることなく例えば、移植装置2を取り外した状態の走行機体1に防除用の施行装置5(図示せず)を装着し,この施行装置5の資材タンク50に粒状の薬剤を収容した前述の材質からなる資材袋8を投入することによって、資材袋8を破砕して薬剤と共に圃場に散布させるようにしてもよいものである。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので次のような効果を奏することができる。肥料或いは薬剤等の農用資材を生分解性材で形成した資材袋に収容したまま資材タンク内に収容して、資材袋を農用資材に混入させながら圃場に供給施行するようにしたことにより、農用資材と共に圃場に供給施行された生分解性の資材袋は土中の水分並びに微生物等によって所定期間の経時後に分解するので、作物に対する発育障害や土中への長期の残留等を良好に防止することができると共に、資材袋の処理を適切に行うことができる。また、農用資材の補給を、従来のもののように開封した資材袋から農用資材を取り出して補給を行う等の煩雑な工程を経ることなく、農用資材を収容した資材袋を封止したままでも資材タンク内に直接投入することができるので、施肥作業を簡単且つ能率よく行うことができる。
【0018】またこの際、資材袋を資材タンク内で砕片状に破砕しながら農用資材と混合させるようにすると、資材袋の砕片を農用資材内に均一に混入することができ圃場への供給施行を良好に行うことができる。
【0019】さらに、前記資材袋は生分解性の合成樹脂材、又は生分解性の紙材で形成することにより、資材袋の製作を簡単に行うことができると共に、資材袋を農用資材と共に土中に供給して良好に分解させることができるので、資材袋の廃棄処理も環境を損なうことなく簡単に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−9041
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−172033