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【発明の名称】 田植機の車体カバー
【発明者】 【氏名】井上 誠

【氏名】南石 俊樹

【氏名】山本 二教

【氏名】藤本 潤二郎

【要約】 【課題】田植機の走行車の車体フレーム上に載置し、走行車前部を被装する前部車体カバーと、機体後部を被装する後部車体カバーとを剛性樹脂をブロー成形し、組立性を向上すると同時に剛性を高めるようにする。

【解決手段】車体カバー12のブロー成形を行うエア吹き込み口12dを車体カバー下面に設け、中空ブロー成形した車体カバーの下面を下方に膨出させた膨出部12cを複数個成形し、車体フレーム3の前後途中位置に位置決めピンを上方に突出し、該位置決めピンに挿入される孔12eを前部車体カバー後部に開口し位置決めを良好に行い、また、該車体カバー上に凸部12mを成形し、車体ガバー上に載置するプレート80に凹部80aを成形し、プレートを載置させる際の位置決めを行っている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車前部を被装する前部車体カバーと、機体後部の運転席周りのフロアやステップを成形する後部車体カバーとを車体フレーム上に載置する田植機の走行車において、車体フレームの前後途中位置に位置決めピンを上方に突出し、該位置決めピンに挿入される孔を後部車体カバーと前部車体カバーとに開口したことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項2】 請求項1記載の位置決めピンが挿入される孔を後部車体カバー前部に開口し、位置決めピンに挿入させる孔を前部車体カバー後部に開口し、後部車体カバー前部上方に前部車体カバー後部を重ね合わせたことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項3】 中空ブロー成形によって成形した車体カバーによって走行車を被装した田植機において、ブロー成形を行うエア吹き込み口を車体カバー下面に設けたことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項4】 走行車を被装する車体カバーを車体フレーム上に載置し、該車体フレーム上に運転席を配置する構成において、前記車体フレームの前後途中部に支持フレームを立設し、該支持フレーム上部に支持ブラケットを固設し、車体カバーが支持ブラケットによって貫通し、該支持ブラケット上端部に運転席前部を枢支したことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項5】 走行車を被装する車体カバーを合成樹脂により成形し、該車体カバーのステップ上に、弾性部材によって成形したプレートを載置する構成において、ステップ上面若しくはプレート下面の何れか一方に複数個の凸部を成形し、他方に複数個の凹部を成形し、凸部と凹部とを合わせてプレートを載置したことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項6】 請求項5記載の凹部の内部形状を凸部の外部形状と合わせて、凸部を凹部に嵌合させてステップ上に載置するプレートの位置決めを行うことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項7】 走行車の車体カバーを中空ブロー成形した構成において、中空ブロー成形した車体カバーの下面を下方に膨出させた膨出部を複数個成形したことを特徴とする田植機の車体カバー。
【請求項8】 請求項7記載の中空ブロー成形した車体カバーの下面を下方に膨出させた膨出部の成形位置を、カバー下面を円錐状に上方に膨出させた補強部を成形し、複数個の補強部を列状に成形し、該列と列との間位置に膨出部を成形したことを特徴とする田植機の車体カバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行車の後部に植付け部を配置し、植付け部の苗載台に苗マットを補充したり、施肥部に肥料を補充し易くしたり、圃場内の機体と畦との間を乗り移りし易くする車体カバーを合成樹脂で中空ブロー成形する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、走行車の外装部品である車体カバーは合成樹脂を中空ブロー成形し、前後中央位置より後部を上方に膨出し、ミッションケース等を被装し、該車体カバー上に運転席が載置され、該運転席より前方にフロアが成形され、運転席より後方にフロアより一段高くした作業用ステップが成形されている。該作業用ステップを踏み台にして、走行車後部に配置する施肥部に肥料を補充したり、苗載台に苗マットを供給する作業を行っていた。また、後方の車体カバーの上部には運転席が載置され、該運転席の両側には、操作レバーをガイドするガイド溝が開口されていた。また、車体カバー前部は、エンジンを被装するボンネットの左右両側にステップを成形しており、該ステップを利用して、機体前部より畦等への乗り移りができるように構成していた。また、中空ブロー成形した前記車体カバーは、下面を上方に略円錐状に膨出させて、その上部を上面に固着させた補強部を成形し、車体カバーの剛性を高めていた。更に、前記車体カバーの上面には、ゴム製のプレートが固設され、滑り止めが施されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の中空ブロー成形し、複数個の補強部を成形し、車体カバーの剛性を高める構成においては、補強部の成形が困難でありコストを高めるものとなっていた。また、前記補強部は、複数個の補強部が左右方向に一列に配置されており、この補強部によって車体カバー上に搭乗する作業者の荷重を十分に耐えることができるが、車体カバーの左右方向の撓みを抑えることができず、作業車の足元が凹むことがあった。
【0004】また、後方の前記車体カバーにおいて、車体フレーム側に位置決めピンが突出され、該ピンに車体カバーに予め開口していた位置決め孔を挿入し、位置決めが行われていた。前側の車体カバーは、後方の車体カバーに係合させて、前側の車体カバーを取り付ける構成となっていたが、係合させる位置を合わせるのが困難であり、その係合する力も弱いものとなっていたので、機体に衝撃が生じると前側の車体カバーが外れやすいものとなっていた。そこで、前側の車体カバーの取り付けが容易で、衝撃によっても外れることのない構成のものが望まれてきていた。
【0005】また、中空ブロー成形においては、エアを注入する注入口を開口する必要があり、該注入口を被装する後処理が必要であり、該注入口を上面に設けると、水や泥等の異物が内部に侵入したり、後処理したステップの足場が悪くなる場合があった。
【0006】また、中空ブロー成形を行った後方の車体カバー上に運転席を載置する構成においては、車体ガバーの変形によって、運転席が安定せずに違和感があり、運転席の揺れが、車体カバーに設けたレバーガイドに影響をもたらして、レバー位置を不安定にする場合があった。
【0007】また、前記車体カバー上面に配したゴム性のプレートは、接着部材によって接着したり、端部をピン等によって固定したりしていたが、接着が外れたりして、作業中にプレートが横ズレする等の不具合が生じていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、走行車前部を被装する前部車体カバーと、機体後部の運転席周りのフロアやステップを成形する後部車体カバーとを車体フレーム上に載置する田植機の走行車において、車体フレームの前後途中位置に位置決めピンを上方に突出し、該位置決めピンに挿入される孔を後部車体カバーと前部車体カバーとに開口している。また、前記位置決めピンが挿入される孔を後部車体カバー前部に開口し、位置決めピンに挿入させる孔を前部車体カバー後部に開口し、後部車体カバー前部上方に前部車体カバー後部を重ね合わせている。また、中空ブロー成形を行うエア吹き込み口を車体カバー下面に設けている。また、前記車体フレームの前後途中部に支持フレームを立設し、該支持フレーム上部に支持ブラケットを固設し、車体カバーが支持ブラケットによって貫通し、該支持ブラケット上端部に運転席前部を枢支させている。また、前記車体カバーのステップ上に、弾性部材によって成形したプレートを載置する構成において、ステップ上面若しくはプレート下面の何れか一方に複数個の凸部を成形し、他方に複数個の凹部を成形し、凸部と凹部とを合わせてプレートを載置させている。また、前記凹部の内部形状を凸部の外部形状と合わせて、凸部を凹部に嵌合させてステップ上に載置するプレートの位置決めを行っている。また、中空ブロー成形した前記車体カバーの下面を下方に膨出させた膨出部を複数個成形している。また、中空ブロー成形した車体カバーの下面を下方に膨出させた膨出部の配設位置を、カバー下面を上方に膨出させた補強部を成形し、該補強部を複数個の成形した列と列との間位置に膨出部を成形している。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の車体カバーを有する田植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は車体フレーム上に載置した車体カバーを示す側面図、図4は前部車体カバーの平面図、図5は後部車体カバーを示す平面図、図6は本発明の運転席載置部を有する後部車体カバーの部分平面図、図7は同じく後部車体カバーの部分側面図、図8は車体カバーの位置決めを行う構成を示す側面図一部断面図、図9は膨出部を有する前部車体カバーの左側面断面図、図10は膨出部を有する前部車体カバーの部分下面斜視図、図11はエア吹き込み口を有する前部車体カバーの側面断面図、図12は前部車体カバー後部を示す側面断面図、図13は前部車体カバー後部の位置に合わせ孔を示す側面断面図、図14は前部車体カバーに載置するプレートの平面図、図15は前部車体カバーに載置するプレートの部分側面断面図、図16はボンネットを示す平面図、図17は後部車体カバーの側面断面図、図18は後部車体カバーの位置に合わせ孔を示す側面断面図、図19は後部車体カバーの係止構成を示す側面図である。
【0010】まず、乗用田植機について図1、図2より全体構成から説明する。作業者等が搭乗する走行車1の車体フレーム3前部上方にエンジンEを搭載し、ミッションケース4の前方にフロントアクスルケース5を介して前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4の後部にリヤアクスルケース7を連設し、該リヤアクスルケース7に後輪8を支持させる。そして、前記エンジンEを覆うボンネット9の両側に前部フロア12a・12aを有する前部車体カバー12形成され、該前部フロア12a・12a側上方に予備苗載台10・10を配設し、ステップ11を介して作業者等が搭乗する後部車体カバー2によって前記ミッションケース4等を覆い、前記後部車体カバー2上部に運転席13を取り付け、該運転席13の前方の前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を配設している。
【0011】また、植付け部15は八条植え用の苗載台16や複数の植付け爪17等から構成されており、前高後低に配設した苗載台16を下部レール18及びガイドレール19を介して植付けケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転するロータリーケース21を前記植付けケース20に回転自在にさせ、該ロータリーケース21の回転軸芯を中心にして対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、該爪ケース22・22の先端に植付け爪17・17を固設する。
【0012】また、前記植付けケース20の前部にローリング支点軸23を介して支持フレーム24を設け、トップリンク25及びロワーリンク26を含むリンク機構27を介して走行車1後部に前記支持フレーム24を連結し、前記リンク機構27を介して植付け部15を昇降させる昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結している。そして、前記前輪6・6及び後輪8・8を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動可能な苗載台16から一株分の苗を植付け爪17によって取り出し、連続的に苗植え作業を行うように構成している。
【0013】また、前記リンク機構27後部に支持フレーム24が連結され、該支持フレーム24上部に左右水平制御機構60が配設されている。該左右水平制御機構60は、苗載台16の裏側面の左右側部に固設した図示せぬバネを左右中央側で締結し、左右水平制御機構60を駆動し、締結位置を左右に移動させて、苗載台16の左右の傾きを補正するようにしている。
【0014】また、前記運転席13等が設置された運転部には走行変速レバー29、植付け昇降兼作業走行変速用副変速レバー30、植付け感度調節レバー31、主クラッチペダル32、左右ブレーキペダル33・33が配設され、前記植付け部15下部には均平用センタフロート34、均平用サイドフロート35が配設され、前記運転席13後方には八条用の施肥部36が配設されている。
【0015】前記ボンネット9上部には操作パネル61が配設されている。図16に示すように、該操作パネル61には、苗つぎ警報ランプ62、肥料補給ランプ63、肥料補給ランプ64、植付けクラッチ警報ランプ65、燃料計66等が配設されている。操作パネル61の後方位置に、前記左右水平制御機構60を操作する水平制御部67が配設されている。該水平制御操作部67は、調整ダイヤル68、切替スイッチ69等が配設されている。該水平制御部67後方のボンネット9後部には凹部9aが形成され、凹部9a内に図1に示すステアリングコラム70が嵌合され、水平制御部はオペレータからステアリングコラム70の裏側に配置され、作業時に誤って操作することのない配置としている。
【0016】また、前記後部車体カバー2内に、傾斜センサー120が設けられている。該後部車体カバー2の内部空間は、ミッションケース4や、油圧シリンダー等が被装されているが、隙間を多く有するものであり、該隙間を利用して傾斜センサー120が配置される。該傾斜センサー120は、運転席13の直下方の側面視において後部車体カバー2の上部に配置されている。該後部車体カバー2の上部位置は、機体の揺れが大きく、傾斜センサー120に検出される揺幅が大きくなっている。前記傾斜センサー120によって、一定角度以上の傾き(例えば、10°以上)が検出されると、警報を発信するように構成されている。
【0017】前記多条苗載台16は、図1、図2に示すように、左右最外端の各二条分の苗載台を分割して分割苗載台16a・16aとし、機体中央の四条を固定側苗載台16bとし、該固定側苗載台16bの左右端部の条に並行折畳み機構37を設け、前記分割苗載台16a・16aと固定側苗載台16bとを並行折畳み機構37を介して連結し、固定側苗載台16bの上方に略平行に分割苗載台16a・16aを折畳み可能に構成している。
【0018】次に、前記前部車体カバー12と後部車体カバー2とが載置される車体フレーム3の構成について図2、図3を用いて説明する。前記車体フレーム3は、前後方向に配置されるメインフレーム3aと、該メインフレーム3a前部を連結する連結フレーム3b、メインフレーム3a前後途中位置に横設されている横フレーム3c、車体フレーム3後部に立設する垂直フレーム3d、該垂直フレーム3d前面に前低後高に配される傾斜フレーム3eより構成されている。前記横フレーム3cは、ボンネット9の直後方位置に横設されている。また、前記傾斜フレーム3e後部にはサイドフレーム99が固設され、該サイドフレーム99を左右外側に延出し、途中部を前方に屈曲させて、サイドフレーム99前端部を前下方に延出させている。
【0019】そして、前記前部連結フレーム3b上に前部車体カバー12前部を載置し、該前部車体カバー12後部を横フレーム3c上に載置している。また、前記横フレーム3c上面には後部車体カバー2の前部が載置され、後部車体カバー2側部をサイドフレーム99上に載置し、後部車体カバー2後部を傾斜フレーム3e上に載置させている。
【0020】次に、前記後部車体カバー2の着脱構成について説明する。図2に示すように、前記後部車体カバー2の下面には、係合部材71が配設され、車体フレーム3側に係合されている。即ち、前記係合部材71は、後部車体カバー2下面の前部左右両側と、後部左右両側の4ヵ所に配設されている。該係合部材71・71・・・を操作する操作レバー72を後部車体カバー2後部左右中央部に配している。前記係合部材71は、図19に示すように、車体カバー2下面側に固設される係合ピン73と、車体フレーム3側に枢支される係合フック74等より構成されている。前記係合フック74は、機体側に固設される枢支ピン75に係合フック74途中部が枢支され、該枢支ピン75外周面にトグルバネ76が巻回されている。該トグルバネ76の一端は枢支ピン75に固設され、トグルバネ76の他端を係合フック74前面に係止している。このトグルバネ76の付勢力によって、係合フック74上部を後方に回動させている。
【0021】また、後方に配した前記係合フック74の後方にアウターケース77の一端が固設されている。該アウターケース77内部にワイヤー78が摺動自在に支持されている。該ワイヤー78をアウターケース77前端部より前方に延出し、ワイヤー78途中部を後方の係合フック74下部に連結し、さらにワイヤー78を前方に延出し、ワイヤー78前端部を前方の係合フック74下部に連結している。前記アウターケース77後端は、後部車体カバー2後部まで延出され、該アウターケース77後端よりワイヤー78の他端(後端)を後方に突出している。
【0022】一方、前記後部車体カバー2後部下方に操作レバー72基部が回動自在に枢支されている。該操作レバー72の途中位置にアーム79が枢支されている。該アーム79は、略円弧状に形成され、該アーム79の円弧の開放側を操作レバー72基部に向けて配設されている。前記アーム79の端部に、前記ワイヤー78後端部が連結されている。
【0023】そして、前記操作レバー72を上方に回動させると、アーム79が上方に移動され、略円弧状のアーム79内にレバー基部が配され、アーム79を介してワイヤー78を引っ張り、係合フック74下部をトグルバネ76の付勢力に抗して後方に移動させた状態に位置させている。この時、円弧状の前記アーム79による死点越えによって、操作レバー72は上方回動させた位置に保持され、係合フック74は、上部が前方に回動し、車体カバー2側の係合ピン73を係合フック74で係止した状態に保持されている。
【0024】そして、前記操作レバー72を下方に回動させると、円弧状のアーム79が下前方に移動し、ワイヤー78が前記トグルバネ76の付勢力に従って、アウターケース77内を前方に移動し、アーム79を前方に引っ張り、操作レバー72が、アーム79による死点越えによって、下方回動した図9の二点鎖線72’位置で保持されている。この時、前記係合フック74下部が前方に移動され、係合フック74上部が図中に二点鎖線74’に示すように後方に回動し、係合ピン73と係合フック74との係合が外れ、後部車体カバー2を取り外すことができる。
【0025】次に、前記前部車体カバー12と後部車体カバー2の形状に付いて図3〜図5を用いて説明する。前記前部車体カバー12と後部車体カバー2とは、各々中空ブロー成形によって一体成形されている。前記前部カバー12は、左右中央部にボンネット9の配置されるボンネット配置口12bが開口され、該ボンネット配置口12bの左右両側にフロア12a・12aが形成されている。該フロア12aは前後途中部より後方側に傾斜面が形成され、フロア12a後部をボンネット9後端部の直後方位置まで延出している。前記フロア12aの上面にはゴム製のプレート80が貼設されている。また、右側の前記フロア12aの後部に、ブレーキペダル33・33を配置する孔部12fが開口され、左側の前記フロア12aの後部に、主クラッチペダル32を配置する孔部12gが開口されている。
【0026】また、前記後部車体カバー2は、ボンネット9後部より、車体フレーム3の後端部まで延出されている。該後部車体カバー2は、前部は平状にフロア2aが形成され、後部車体カバー2後部は上方に一段高く膨出され、運転席載置部2bと作業用ステップ2cとが成形されている。該運転席載置部2b及び作業用ステップ2c内部には、ミッションケース4等を被装している。前記フロア2aの上面にはゴム製のプレート56が貼設されている。
【0027】また、図2、図3、図5に示すように、前記後部車体カバー2のフロア2a後端部から運転席載置部2b前部若しくは作業用ステップ2c前部にかけて傾斜状に前部壁2dが成形されている。該前部壁2dの左右方向の内側位置にデフロックペダルと増速ペダルを突出する孔部が左右に開口されている。該孔部の開口位置下方のフロア後端部に、ペダル当接部2f・2fが形成されている。
【0028】また、前記後部車体カバー2の上方に膨出した運転席載置部2bの左側には走行変速レバー29のガイド溝2hが穿孔され、運転席載置部2bの右側に昇降兼作業走行変速用副変速レバー30のガイド溝2iが穿孔され、該ガイド溝2iの後側方に植付け感度調節レバー31用の孔部2jが開口されている。また、前記ガイド溝2i後方の作業用ステップ2c上には、図示せぬ植付け株数変更レバーをガイドするガイド溝2kが穿孔されている。
【0029】また、後部に成形した作業用ステップ2cの左右両側部が上方に膨出されたスベリガイド部2L・2Lが成形されており、苗載台16への苗マット51を継ぎ足す際に、作業用ステップ2cを踏み台として使用した場合に、作業者の足元が作業用ステップ2cより外側に滑ることが防がれている。
【0030】また、前記作業用ステップ2cには、中空ブロー成形された上面を上方に突出させた、滑り止め用の凸部2m・2m・・・が突出されている。前記作業用ステップ2cが左右及び前後方向に一定の間隔を設けて千鳥状に配置されている。
【0031】同様に前部カバー12にも滑り止め用の凸部12m・12m・・・が突出され、左右及び前後方向に一定の間隔を設けて千鳥状に配置されている。
【0032】そして、本発明において、前述したように、前部車体カバー12のフロア12a前部の上面にゴム性のプレート80が配設されている。該プレート80は、図14、図15に示すように形成されている。該プレート80端部は、図4に示すように、固定ピン81・81・・・によって固定されている。前記プレート80下面には、上方に突出させたスベリ止め凹部80a・80a・・・が複数設けられている。該凹部80a・80a・・・の内で複数個は、凸部12m・12m・・・の配設位置に合わせて形成されている。前記スベリ止め凹部80aは、凸部12mの形状に合わせた円状に形成され、該凹部80aの内径は、凸部12mの外径と略等しく形成され、スベリ止め凹部80aによって凸部12mが嵌合され、フロア12aに対してプレート80の横スベリが防止されている。更に、前記スベリ止め凹部80a・80a・・・の内で凸部12m・12m・・・を嵌合することのないものは、凹部80aの内周面上部に突起80bが下方に突出されている。従って、前記凹部80aによって凸部12mを嵌合しない場合には、突起80bがフロア12a上面に当接されており、凹部80aの剛性を高めて、プレート80を足場として使用する作業者によって、安定して作業が行われる。
【0033】同様に、前記後部車体カバー2のフロア2a上面に配設したゴム製のプレート56下面にも図5に示すように、複数個の凹部56aを成形し、該凹部56aによってフロア2a上面の凸部2mを嵌合し、プレート56の横スベリを防止する構成にすることもできる。尚、前記フロア12a(2a)に凸部12m(2m)を成形し、プレート56側に凹部80a(56a)を形成しているが、プレート12a(2a)側に凸部を成形し、フロア12a(2a)側に凹部を成形し、該凹部内に凸部を嵌合させて、滑り止めを行う構成にすることもできる。
【0034】次に、前記後部車体カバー2と前部車体カバー12とをフレーム上の適所位置に容易に載置させる構成について説明する。前記横フレーム3cの左右端部には、図2に示すように、上方に位置決めピン92・92が突出されている。また、前記後部車体カバー2のフロア2a前部には、図5、図18に示すように、フロア2a上面より一段低く載置面2uが形成され、該載置面2uには位置決めピン92・92と一致する位置に位置決め用の合わせ、左右に合わせ孔2v・2vが開口されている。同様に、図4、図13に示すように、前記前部車体カバー12の後部には、位置決めピン92・92と一致する位置に合わせ孔12e・12eが開口されている。
【0035】従って、前記後部車体カバー2をフレーム上に載置する際に、位置決めピン92・92にフロア2a前部の合わせ孔2v・2vを挿入することで、後部車体カバー2の載置位置を合わせている。そして、前記合わせ孔2v・2vより上方に突出している位置決めピン92・92に前部車体カバー12の合わせ孔12e・12eに挿入することで、前部車体カバー12の載置位置が合わされている。そして、図8に示すように、前部車体カバー12後部を、後部車体カバー2前部上に載置されている。この車体カバー12後部の載置される前記載置面2uは、フロア2a面より一段低く形成されており、車体カバー12後部(フロア12a後部)とフロア2a面とが略同一平面上に配される。更に、前記位置決めピン92・92に前部車体カバー12の合わせ孔12e・12eを嵌合し、位置決めピン92・92の上方より止め部材を嵌合させることで、衝撃等によって前部車体カバー12の外れることのない構成にすることができる。
【0036】次に、前記後部車体カバー2の運転席載置部2bに配される運転席13の支持構成について図5〜図7に用いて説明する。本発明において、前記後部車体カバー2の運転席載置部2bの左右中央部に開口部2qが形成されている。該開口部2qの前部には、溝2r・2rが成形されている。前記運転席載置部2b左右側部に孔2s、孔2tが前後に開口されている。
【0037】また、左右の前記傾斜フレーム3e・3e前部上面に固定板85が固設されている。該固定板85前部に門型の支持フレーム84下部が立設され、該支持フレーム84上部が溝2r・2r直下方まで延出されている。前記固定板86後部に門型の支持フレーム86が立設され、該支持フレーム86上端部を運転席載置部2b後部下面に当接させている。前記支持フレーム86上部と支持フレーム84とは連結体95によって連結されている。更に、前記支持フレーム84上部の左右途中位置より上方に支持ブラケット93・93が固設されている。該支持ブラケット93・93が溝2r・2r内を貫通し、支持ブラケット93・93上部が後部車体カバー2より上方に突出されている。一方、前記運転席13前下面にブラケット98が固設され、該ブラケット98に支持ブラケット93・93上端部が枢支されている。
【0038】また、前記開口部2qは上方より被装板87によって被装され、該被装板87の左右端部は開口部2qより側方に延出され、前記孔2s・2sを被装している。更に、前記孔2s、孔2tの開口部下面には、当て板90が当接されている。前記被装板87上の孔87aと、運転席載置部2bの孔2sとを止めボルト94を貫通させて、当て板90に開口したネジ孔に止めボルト94を螺合して、左右の当て板90・90と被装板87とで運転席載置部2bが挟装されている。
【0039】また、前記運転席13後部には、左右に2個の弾性支持部材88・88が固設されている。該弾性支持部材88は、ゴムや樹脂等の弾性部材を略円筒状に形成し、弾性支持部材88内部にボルト89が内装される孔88aが開口されている。そして、前記弾性支持部材88・88を運転席載置部2bの挿入孔2t・2tに位置を合わせて載置し、弾性支持部材88の孔88aと前記挿入孔2tとの軸心を一致させている。よって、前記弾性支持部材88の孔88aと挿入孔2tと、前記当て板90に開口した図示せぬネジ孔内とを、ボルト89を介して螺合させている。従って、前記運転席13後部が弾性支持部材88・88を介して運転席載置部2b上に弾性支持されている。このように、前記運転席13前部が傾斜フレーム3e・3eに強固に固設され、運転席13後部が弾性支持部材88・88を介して後部車体フレーム2に弾性支持されており、運転席13の揺れが後部車体フレーム2に伝達されることがない。
【0040】次に、中空ブロー成形した前記後部車体カバー2と前部車体カバー12との、剛性を高める構成について説明する。剛性を高めるために、中空ブロー成形した下面を上方に膨出させている。即ち、図17、図18に示すように、前記後部車体カバー2の作業用ステップ2cの下面は、一部が上方に膨出され複数個の補強部2p・2p・・・が成形されている。前記補強部2pは、円錐状に成形され、円錐頂部が中空一体成形の上面に固設され、作業用ステップ2cの断面係数が高められ、剛性のある踏み台が構成されている。同様に、図9、図12に示すように、前部車体カバー12の下面にも、一部が上方に膨出され複数個の補強部12p・12p・・・が成形されている。前記補強部12pは、円錐状に成形され、円錐頂部が中空一体成形の上面に固設され、前部車体カバー12の断面係数が高められ、剛性のある踏み台が構成されている。
【0041】また、前記補強部12pや補強部2pを形成し、中空ブロー成形した後部車体カバー2や前部車体カバー12の剛性は高められているが、更に剛性を高めるようにカバーの下面に凸部が形成されている。図9、図10に示すフロア12aのように、複数個の補強部12p・12p・12pを左右方向に列状に成形し、この補強部12p・12pが成形される列と列との間位置の下面を下方に膨出させた膨出部12cが形成されている。よって、前後の補強部12p・12pの間位置の断面係数を高くすることができ、フロア12aの左右方向(補強部12p・12pを左右に配設した方向)の、ねじりに対する剛性も高められている。また、図11、図12に示すように、補強部12p・12pの形成されていないフロア12a下面にも、膨出部12cを成形することもできる。同様に前記後部車体カバー2のフロア2aの下面にも、図18に示すように膨出部2wが形成され、フロア2aのねじりに対する剛性が高められている。
【0042】次に、前記前部車体カバー12を中空ブロー成形するために設けたエア吹き込み口12dの後処理構成について説明する。図4、図11に示すように、前部車体カバー12を中空ブロー成形するために、前部車体カバー12の前部下面にエア吹き込み口12d・12dが左右対象位置に開口されている。該エア吹き込み口12dよりエアを吹き込み、合成樹脂を型に合わせてブロー成形するようにしている。成形後は、前部車体カバー12下面に開口したエア吹き込み口12dに、被装ピン83を挿入し、異物の侵入を防いでいる。該被装ピン83を下面に設けており、前部車体カバー12上面に不必要な突起物がなくなり、作業者の足場として邪魔となることがなく、美観に優れた構成としている。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載するように、前後の車体カバーの載置される車体フレーム上に位置決めピンを突出し、該ピンが挿入される孔を前後の車体カバーに開口したことによって、車体カバー上に車体カバーを固定する際に、このピンに車体カバーの孔を合わせることのみで、車体フレーム上の適正位置に前部及び後部両方の車体カバーの位置決めを行うことができ、車体カバーの組立を容易におこなうことができ、工場における組立作業や、メンテナンス終了後の組立作業が簡単に行うことができ、作業性を向上することができる。また、ピンに車体カバーの孔を挿入し、ナット等によっ固定することで、衝撃によっても外れることのない強固な支持構成となっている。
【0044】また、請求項2記載の如く、後方の車体カバー前部上面に前方の車体カバー後部を載置させて、同一のピンによって位置決めを行う構成にしており、後方の車体カバーを取り外すことなく、前方の車体カバーを取り外すことができ、前方の車体カバー内部のフロントアクスルケースや、ブレーキペダル等のメンテナンス作業を容易に行うことができ、メンテナンス性能を向上することができる。
【0045】また、請求項3記載の如く、車体カバーの中空ブロー成形を行うためのエアー吹き込み口を下面に設けたことによって、車体カバー上面に設ける構成に比べて、車体カバー上に溜まった水、泥等の異物を中空ブロー成形した車体カバー内部に侵入させることがない。また、前記吹き込み口をピンによって被装して後処理を行ったとしても、車体カバー下面に配されるので、車体カバー上面に不必要な突起物がなくなり、作業者の足場として邪魔となることがなく、美観に優れた構成としている。
【0046】また、請求項4記載の如く、運転席を車体フレームに支持フレームを介して固設しており、車体カバーの固設した場合の、車体カバーの弾性によって運転席に揺れを生じたり、運転席に搭乗する作業者の体重が車体カバーにかかり、車体カバーを変形させることで、車体カバーに形成した操作レバーをガイドする溝が変形し、レバー位置を不安定にする不具合を解消することができ、車体カバーへの負担を低減することができる。また、機体を支持する車体フレームの支持させることで、運転席の剛性が高められ、該運転席に搭乗する作業者によって安定して作業することができる。
【0047】また、請求項5記載の如く、車体カバーのステップ上面と、該ステップを被装するプレートの下面との何れかに複数個の凸部を成形し、他方に該凸部を被装する複数個の凹部を成形して、プレートとステップとの接触面積を増加させて、プレートの横ズレを防止することができ、該ステップ上に搭乗する作業者によって安定して作業を行うことができる。
【0048】また、請求項6記載の如く、車体カバーのステップ上面と、該ステップを被装するプレートの下面との何れかに複数個の凸部を成形し、他方に該凸部を被装する複数個の凹部を成形して、該凹部の内部形状を凸部の外部形状に合わせて成形することで、凹部内に凸部を嵌合させることができ、プレートをフロアに対して位置を容易に合わせることができ、組立性を向上することができる。更に、凹部内に凸部を嵌合させることで、プレートの横ズレが確実に防止することができ、該ステップ上に搭乗する作業者によって安定して作業を行うことができる。
【0049】また、請求項7記載の如く、中空ブロー成形した車体カバーの下面に下方に膨出した膨出部を設けたことによって、簡単な構成によって車体カバーの断面係数を増加することができ、車体カバーを製造するコストを増加させることなく、剛性の高い構成にすることができ、該車体カバー上に搭乗する作業者は安定して作業を行うことができる。
【0050】また、請求項8記載の如く、中空ブロー成形した車体カバーの下面に上方に円錐状に膨出させた複数個の補強部の間位置に設けており、補強部の配されることがなく、複数個の補強部の間の応力が集中する位置に膨出部を設けており、剛性をさらに高めることができる。また、複数個の補強部の配される列に沿って、膨出部が成形されており、補強部の配される列方向のねじりに対しても剛性を高めることができ、該車体カバー上に搭乗する作業者は安定して作業を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−9030
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−164634