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【発明の名称】 歩行型野菜移植機の苗取り駆動ケース
【発明者】 【氏名】蔵屋 芳明

【要約】 【課題】野菜移植機機の機体後部に左右摺動自在に苗載台を配し、該苗載台の横送りと縦送りによって苗載台に載置される苗トレイより苗を抜き取りを行う駆動機構の配置構成をシンプルにし、機体の全長を短くする。

【解決手段】苗載台34の横送りを行う横送り駆動機構Dと縦送りを行う縦送り駆動機構F・Cとを苗取り駆動ケース84内に配すと共に、苗取爪駆動機構155を配した苗取り駆動ケースを機体の前後中央位置に配し、苗取位置Pより前方で左右中央より一側にオフセットさせている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体後部に左右摺動自在に苗載台を配し、該苗載台の横送りと縦送りによって苗載台に載置される苗トレイより苗を抜き取り、移植爪で圃場内に植え付ける歩行型野菜移植機において、前記苗載台の横送りを行う横送り駆動機構と縦送りを行う縦送り駆動機構とを苗取り駆動ケース内に配し、該苗取り駆動ケースを苗載台前方の機体の前後中央位置に配したことを特徴とする歩行型野菜移植機の苗取り駆動ケース。
【請求項2】 機体後部に左右摺動自在に苗載台を配し、該苗載台の横送りと縦送りによって苗載台に載置される苗トレイより苗を抜き取り、移植爪で圃場内に植え付ける歩行型野菜移植機において、前記苗載台を横送りを行う横送り駆動機構と縦送りを行う縦送り駆動機構とを苗取り駆動ケース内に配し、該苗取り駆動ケースを苗取位置より前方で左右中央より一側にオフセットさせたことを特徴とする歩行型野菜移植機の苗取り駆動ケース。
【請求項3】 請求項1若しくは請求項2記載の横送り駆動機構と縦送り駆動機構とを内部に有する苗取り駆動ケースに苗取爪駆動機構を配したことを特徴とする歩行型野菜移植機の苗取り駆動ケース。
【請求項4】 請求項1若しくは請求項2記載の横苗取り駆動ケース内に、切替レバーに連動されるシフトアームを配し、該シフトアームによって横送り駆動機構の横送り変速と縦送り駆動機構の縦送り変速を行うようにしたことを特徴とする歩行型野菜移植機の苗取り駆動ケース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩行型野菜移植機の苗載台を左右方向に摺動させる横送りと、該苗載台上に載置するトレイを縦送りするための駆動力を変速して伝達する苗取り駆動ケースの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から機体の後部にスライド軸を左右方向に横設し、該スライド軸に摺動自在に苗載台を配し、該苗載台上に苗トレイが載置され、苗載台の左右往復動の終端位置で苗トレイの縦送り駆動が行われる。また、横送り駆動によって野菜苗を苗取り位置に移動し、苗取爪によって苗トレイより野菜苗を取り出し、移植爪内に投入して、該移動爪を回動させて、圃場に移植する技術は公知となっている。前記苗トレイを搬送する技術として、ミッションケースによって減速された動力が苗送り駆動ケースに伝達され、該苗送り駆動ケースに横送り軸を横設し、該横送り軸上に穿設した溝にスベリ子を嵌合し、該スベリ子を苗載台に連結して横送り軸の回動によって横送りが行なわれていた。
【0003】また、前記苗送り駆動ケースより後方の苗載台に動力が伝達され、苗載台側に配設した縦送り機構を駆動し、苗載台上に載置する苗トレイを間欠的に縦送りしていた。前記縦送り機構は、苗載台の横送り幅に合わせて、左右二箇所に縦送りカムが突出され、苗トレイを下方に搬送するチェーンの駆動軸に従動カムを固設し、苗載台の左右横送りの終端位置で従動カムと縦送りカムとが当接し、苗トレイを下方に搬送させる縦送り機構は公知となっている。更に、苗取爪によってトレイより野菜苗を抜き取り出すために、苗載台の横送り駆動を一時的に停止させて、その間に苗取爪によって野菜苗を抜き取るように、横送り軸を間欠的に駆動させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の歩行型移植機において、苗載台側に縦送り機構を配置する構成においては、苗載台の重量が重くなり、長く使用すると苗載台を横送りのために左右に円滑に摺動させることが困難となっていた。また、苗載台が重いために機体の重心が後方に偏り、前後方向のバランスが悪くなったり、機体の全長が長くなる構成となっていた。
【0005】また、苗載台上の苗トレイとして、野菜の種類によって苗トレイの苗を生育させている穴数が異なっており、この数に合わせるように横送り量と縦送り量を調整する必要があり、この調整を行うための横送り変速操作レバーは、横送り駆動機構が配設される苗送り駆動ケースの側方に配設され、縦送り変速を行う操作レバーは、縦送り機構が配設される苗載台側部に配設されていたので、苗トレイの孔数に合わせて横送りと縦送りの変速を行うには、両方のレバーを操作する必要があり煩雑な操作となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即ち、機体後部に左右摺動自在に苗載台を配し、該苗載台の横送りと縦送りによって苗載台に載置される苗トレイより苗を抜き取り、移植爪で圃場内に植え付ける歩行型野菜移植機において、前記苗載台の横送りを行う横送り駆動機構と縦送りを行う縦送り駆動機構とを苗取り駆動ケース内に配し、該苗取り駆動ケースを苗載台前方の機体の前後中央位置に配している。また、前記苗載台を横送りを行う横送り駆動機構と縦送りを行う縦送り駆動機構とを苗取り駆動ケース内に配し、該苗取り駆動ケースを苗取位置より前方で左右中央より一側にオフセットさせている。また、前記横送り駆動機構と縦送り駆動機構とを内部に有する苗取り駆動ケースに苗取爪駆動機構を配している。また、前記横苗取り駆動ケース内に、切替レバーに連動されるシフトアームを配し、該シフトアームによって横送り駆動機構の横送り変速と縦送り駆動機構の縦送り変速を行うようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を、添付の図面を用いて説明する。図1は行型野菜移植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は本発明の苗台駆動ケースの側面断面図、図4は苗台駆動ケース内のギア構成を示す断面図、図5は駆動機構を配した苗台駆動ケース内の部分断面図、図6は同じく部分断面図、図7は変速機構を配した苗台駆動ケース内の部分断面図、図8は縦送り間欠駆動ギア機構を示す展開図、図9は縦送り間欠駆動ギアの側面図、図10は同じく側面図、図11は他の縦送り間欠駆動ギアの側面図、図12は他の縦送り間欠駆動ギアの側面図である。
【0008】次に、本発明の野菜移植機について全体構成から説明する。図1、図2に示すように、メインフレーム1が前低後高に配置されて、該メインフレーム1の前部にエンジンフレーム2を固設し、該エンジンフレーム2上にエンジンEを載置し、前記エンジンフレーム2の後部とメインフレーム1の前下部にミッションケース3が固定され、メインフレーム1後部の内側に移植部Aが配置され、メインフレーム1後端に操作部Bが配設されている。該操作部Bには走行クラッチレバーや作業クラッチレバー等が配置されている。該エンジンEやミッションケース3の上方や側方はカバー9によって覆われている。
【0009】前記メインフレーム1は鋼管等からなるパイプ部材を折り曲げて、側面視で「へ」字状に、平面視で前方を開放した略コ字状に構成され、平面視において、前部の幅は狭く後部の幅は広くして、後部のメインフレーム1の幅は車幅と略一致させて、側部を障害物から保護できるようにし、メインフレーム1が斜め上後方へ延出するように配設されている。
【0010】前記メインフレーム1の前端がエンジンフレーム2の中途部の側方に位置し、メインフレーム1の前部途中位置より内側方向に固定アーム80・80を左右対向させて固設し、該固定アーム80・80内側端部にエンジンフレーム2後上部を固定している。該エンジンフレーム2の前部上にはエンジンEが載置固定され、該エンジンフレーム2内には駆動力の大きい昇降用油圧シリンダーが配設されている。
【0011】前記エンジンEの出力軸5上に出力プーリー6が固定され、該出力プーリー6よりベルト50を介してエンジンE後上方に配置する発電機4に動力が伝えられ、出力プーリー6よりベルト51を介してミッションケース3に動力が伝えられ、該ベルト51はメインフレーム1を横切るようになる。
【0012】そして、前記ミッションケース3の下部両側より走行駆動軸10・10が突出され、該走行駆動軸10・10に前輪支持体52・52と、その内側に後走行駆動ケース12・12がそれぞれ上下回動自在に枢支され、側面視「入」状に配置されている。該後走行駆動ケース12内の走行駆動軸10上にはスプロケットが固設され、後走行駆動ケース12の他側に車軸14が軸支されて、該後走行駆動ケース12内の車軸14上にはそれぞれスプロケットが固定され、走行駆動軸10よりプロケット、チェーンを介して車軸14を駆動できるようにしている。該後走行駆動ケース12の車軸14上に後輪16が固定されて、前輪支持体52端部に前輪15が枢支され、後輪駆動で走行している。
【0013】前記メインフレーム1の左右両側上に、予備苗台30・30が前後方向に固定され、メインフレーム1の前後中央部の間に移植爪31の昇降開閉機構32や苗取り駆動機構65が配置され、メインフレーム1の後部の間に苗載台34が配置され、メインフレーム1後端に平面視コ字状に構成したハンドル36が設けられ、該ハンドル36は上下高さ調整可能に設けて、オペレーターの身長に合わせて変更でき、作業性を向上している。また、前記ミッションケース3の後部側面より後方に下部フレーム37を突出し、該下部フレーム37の後下部に覆土輪39を配置している。また、前記覆土輪39の上方に植深さレバー70や、主変速レバー、株間変速レバー、覆土圧調整レバー73を有する第二操作部が配設されている。
【0014】前記移植爪31の昇降開閉機構32はミッションケース3一側(本実施例では右側)より後方へ突出した植付伝動ケース45の後部に配置され、チェーンやスプロケット等を介して動力が伝達されている。前記苗取り駆動機構65にも前記ミッションケース3からチェーン67やスプロケット等を介して動力が伝達されている。前記苗載台34には、苗取り駆動機構65よりスプロケット、チェーン69を介して縦送り駆動力が伝達されている。この縦送り駆動力によって苗トレーが下方へ一定量ずつ搬送されて、苗取り駆動機構65によって駆動される苗取り爪によって、苗トレーから苗を一つずつ移植爪31に搬送して、該移植爪31を下降して畝上で開き落下させて植え付け、覆土輪39によって両側の土を押さえつけて移植するのである。
【0015】次に、本発明の苗取り駆動機構65について説明する。図3、図4に示すように、前記苗取り駆動機構65は、苗載台34を左右往復動させる横送り軸85、苗載台34に載置する苗トレイTを縦送り駆動する縦送り軸86、苗取爪66を駆動させる苗取入力軸159等を軸支する苗台駆動ケース84等より構成され、苗取り位置で苗トレイTの搬送を一時的に停止させて、苗取爪66を用いて苗を取り出すようにしている。
【0016】図2に示すように、前記苗台駆動ケース84は、左側のメインフレーム1の前後方向中央部に配したことで、機体の前後の重量バランスを良好に保っている。更に、前記苗台駆動ケース84は、左右中央位置より左側位置にオフセットさせた位置に配され、該苗台駆動ケース84より右側に横送り軸85が突出され、右側のメインフレーム1に固設されるブラケット79に横送り軸85端部が枢支されている。前記縦送り軸86は、苗台駆動ケース84左端部より左側に突出されている。苗台駆動ケース84は機体の左右中心Oに対して左側にオフセットさせて、苗載台34からの苗取位置Pより前方に配置しており、苗載台34の配設位置が規制されることなく、苗載台34前端を側面視で苗台駆動ケース84後部にラップさせて配することができ、前後方向長さを短くしている。
【0017】次に、前記苗台駆動ケース84の内部構成について説明する。図3、図4に示すように、前記苗台駆動ケース84に入力軸88が軸支され、苗台駆動ケース84側面より入力軸88端部が突出され、端部にスプロケット89が固設され、前述したようにミッションケース3の動力がチェーンを介して入力されている。
【0018】また、図5に示すように、前記苗台駆動ケース84内において、入力軸88の左右途中位置にはスプロケット150と間欠ギア90とが固設され、該スプロケット150にチェーン151が巻回され、間欠ギア90を介して横送り駆動機構と縦送り駆動機構に動力が伝達され、前記スプロケット150にチェーン151を介して苗取爪駆動機構に動力が伝達されている。前記間欠ギア90と噛合する従動ギア91が横送り中間軸92に固設されている。前記間欠ギア90は、入力軸88に固設したボス部90a外周面に、左右両側に円弧状のギア90b・90bを固設している。前記従動ギア91には、ギア90b・90bと噛合するギア91a・91aが形成されており、入力軸88の動力が横送り中間軸92に間欠的に伝達されており、苗取爪66による苗取り駆動に同調させて、横送り中間軸92の回転を間欠的に停止するようにしている。
【0019】前記苗取爪駆動機構について説明する。前記苗台駆動ケース84内側面(図4の紙面上の右側)に苗取爪駆動機構155が配設されている。該苗取爪駆動機構155は、苗台駆動ケース84側面に枢支される揺動駆動ケース156、該揺動駆動ケース156端部に回動自在に連結されるクランクアーム157、該クランクアーム157端部に枢支される揺動体158、該揺動体158後部に固設される植付爪66より構成されている。前記揺動駆動ケース156の枢支位置に苗取り入力軸159が軸支され、該苗取り入力軸159端部が苗台駆動ケース84内に挿入され、端部にスプロケット160が固設され、前述した入力軸88に固設したスプロケット150との間にチェーン151が巻回され、揺動駆動ケース156内に苗取り駆動力が伝達されている。
【0020】一方、前記揺動駆動ケース156端部には、回転軸162が枢支され、カウンター軸161上の歯車を介して動力が伝達されている。前記回転軸162の端部が揺動駆動ケース156より内側(図4の紙面上右側)に突出され、端部にクランクアーム157の一端が固設され、クランクアーム157の他端に揺動体158の前後中央部が枢支されている。該揺動体158の前部が揺動駆動ケース156側に枢支され、揺動体158後部に植付爪66が固設されている。よって、前記苗台駆動ケース84内に伝達された動力が、チェーン151を介して苗取り入力軸159に伝達され、揺動駆動ケース156内に入力されると、回転軸162が回転し、揺動駆動ケース156を揺動させながらクランクアーム157が回動し、揺動体158が揺動され、苗取爪66が苗取り駆動される。
【0021】次に、横送り駆動機構について説明する。横送り間欠駆動されている横送り中間軸92の動力は、横送り変速機構Dによって苗トレイTに合わせて横送り変速され、横送り軸85を変速した回転ピッチに合わせて間欠回転させている。該横送り軸85は、苗台駆動ケース84内側面(図4の紙面上の右側)より内側に突出し、該横送り軸85に穿設した図示せぬ溝に沿ってスベリ子164を左右に摺動させて、該スベリ子164に連結される苗載台34を間欠的に横送りしている。前記横送り軸85を規定回転(本実施例において十六回転)させることで、スベリ子164を溝の一側端部より他側端部まで移動させている。更に、図2の平面視のように、前記横送り軸85は、苗取爪66の近傍位置に配されており、組み立て作業において、スベリ子164の位置に合わせて、苗取爪66を合わせて配置し、横送りと苗取り動作とを同調させることを容易にしている。
【0022】前記横送り変速機構Dは、図5に示すように、横送り中間軸92に変速ギア93・94・95が遊嵌され、該変速ギア93・94・95が常時横送り軸85上に固設した変速従動ギア96・97・98に各々噛合される。また、前記変速ギア93・94・95の基部にはキー溝93a・94a・95aが形成され、横送り中間軸92外周面に溝92aが軸芯方向に形成され、該溝92a内にシフトキー99が摺動自在に嵌入されている。該シフトキー99は板バネ102によって外方に付勢されている。該シフトキー99を変速位置に摺動させると、板バネ102によってシフトキー99が溝92a外側に向けて付勢され、何れかのキー溝93a・94a・95aと溝92aとに跨がって係合される。
【0023】一方、前記シフトキー99の端部上にシフター100が係合され、該シフター100は横送り中間軸92の外周面に左右摺動自在に遊嵌されている。該シフター100外周面は、後述する本発明のシフトフォーク165が係合され、該シフトフォーク165が切替レバー167と連動連結されている。
【0024】次に、縦送り駆動機構について説明する。図4〜図6に示すように、前記横送り軸85の動力は、縦送り変速軸170と横送り軸85に配設する縦送り間欠駆動ギア機構Fを介して縦送り中間軸111に伝えられて間欠駆動する。即ち、前記横送り軸85の図5における紙面右側の外周面上には、ギア173と間欠駆動ギア180を設けたボス171と、間欠従動ギア183と間欠駆動ギア184を設けたボス172が遊嵌されている。
【0025】また、前記縦送り変速軸170上にはギア174・175が固設され、更に、間欠従動ギア181と間欠駆動ギア182とを固設したボス176が遊嵌されている。前記ギア174は前記横送り軸85上に固設した変速従動ギア98と噛合し、ギア174は前記ギア173に噛合され、間欠従動ギア181は間欠駆動ギア180と噛合され、間欠駆動ギア182は間欠従動ギア183と噛合されている。また、前記間欠駆動ギア184は縦送り中間軸111の端部に設けた間欠従動ギア185と噛合されている。
【0026】そして、図8〜図11に示すように、前記間欠駆動ギア180・182は、ギアの外周面の一部に噛合歯180a(182a)を構成し、他の外周面は外径を短くしたカム部180b(182b)とし、該間欠駆動ギア180と間欠駆動ギア182とは同形状に形成している。前記間欠従動ギア181・183は、一定間隔で前記間欠駆動ギア180・182と噛合する噛合歯を構成し、その他の部分はカムの外周に摺接する係合部181a(183a)としている。尚、本実施例において歯数二十が形成されており、外周面の90°の範囲に、数本(本実施例において三本)の歯の外周側を円弧状に欠切している。
【0027】よって、前記間欠駆動ギア180(182)を回転させると、間欠駆動ギア180(182)のカム部180b(182b)が間欠従動ギア181(183)の係合部181a(183b)と摺接している間は、間欠従動ギア181(182)は駆動されず停止している。さらに回動されると、前記噛合歯180a(182a)が係合部181aの端側の歯に当接され、間欠従動ギア181が回動され、図9の印aが図10の印a位置に移動される。本実施例において、前記間欠駆動ギア180(182)を一回転させると、間欠従動ギア181(183)が四分の一回転される。
【0028】また、図11に示すように、前記間欠駆動ギア184は、噛合歯184a・184aを180°間隔をおいた対称位置に数本(本実施例において二本)形成され、それ以外の外周面にカム部184bが形成されている。前記間欠従動ギア185には、前記ギアより歯数の多い(本実施例において32本)ものが用いられ、45°毎に係合部185a・185a・・・が形成されている。
【0029】よって、前記間欠駆動ギア184を回転させると、間欠駆動ギア184のカム部184bが間欠従動ギア185の係合部185aに摺接されている間は、間欠従動ギア185は駆動されず停止している。さらに間欠駆動ギア184が回動され、前記噛合歯184aが係合部185aの端側の歯に当接させると、間欠従動ギア185が回動される。本実施例において、前記間欠駆動ギア184が二分の一回転させることで、間欠従動ギア185が始めて駆動され、間欠駆動ギア184を一回転させると、間欠従動ギア185が四分の一回転される。
【0030】この様に構成し、前記横送り軸85を規定回転数(十六回転)の半分回転させると、ボス171には二分の一に減速された間欠駆動が伝達され、該ボス171が間欠的に四回転される。該ボス171が四回転されると、一組目の間欠ギアである間欠駆動ギア180より間欠従動ギア181に伴われてボス176が一回転され、該ボス176と一体的に間欠駆動ギア182が一回転することで、始めて間欠従動ギア183が四分の一回転される。間欠従動ギア183と共に間欠駆動ギア184が四分の一回転され、図12に示すように、噛合歯184aが係合部185aの端側の歯に当接する直前位置で停止され、間欠従動ギア185を停止させている。
【0031】そして、前記横送り軸85をさらに規定回転数(十六回転)回転させて、苗載台34を横送りの終端まで移動させると、該ボス171が間欠的に四回転され、合計で八回転される。該ボス171がさらに四回転されると、間欠駆動ギア180より間欠従動ギア181がさらに一回転される。同様に、間欠駆動ギア182が一回転すると、間欠従動ギア183が四分の一回転される。間欠駆動ギア184が二分の一回転されると、図11に示すように、間欠従動ギア185が八分の一回転(45°回転)され、縦送り中間軸111が駆動される。即ち、前記横送り軸85上のスベリ子164を左右終端位置に横送りさせた規定回転数(十六回転)さらた時点で、縦送り中間軸111が駆動され、後述する縦送り変速ギア機構Cを介して縦送り軸86を駆動し、縦送りが行われる。
【0032】そして、前記縦送り中間軸111の駆動力は、縦送り変速ギア機構Cで変速されて縦送り軸86に動力が伝達される。前記縦送り軸86の端部は、苗台駆動ケース84外側面より外側に突出され、端部に固設したスプロケットにチェーンが巻回され、苗載台34に動力を伝達し、苗載台34に載置する苗トレイTを縦送りしている。
【0033】前記縦送り変速ギア機構Cに付いて図6を用いて説明する。前記縦送り中間軸111には、左側に変速ギア187が固設され、左右中央に変速ギア188が固設され、右側(間欠従動ギア185の直左側位置)に変速ギア189が固設されている。一方、前記苗台駆動ケース84内の縦送り軸86には、変速ギア187と噛合する従動ギア190が左側に固設され、変速ギア189に噛合する従動ギア191が右側に固設されている。該従動ギア191の左側面に内接型ギア191aが形成され、従動ギア190の右側面に内接型ギア190aが形成されている。また、前記縦送り軸86外周面上の、従動ギア191と従動ギア190とが固設された間には、スプライン溝が形成され、この溝上を変速スライドギア192が左右に摺動自在に嵌合されている。該変速スライドギア192は、縦送り軸86に外嵌する筒体であり、該筒体の左端部に内接型ギア190aに噛合するギア192aが形成され、筒体の左右中央位置に変速ギア188に噛合するギア192bが形成され、右端部に内接型ギア190aに噛合されるギア192cが形成されている。
【0034】次に、前記変速スライドギア192をスライド操作する構成について説明する。前記変速スライドギア192は、前述した横送り変速操作を行う切替レバー167に連動するスライド軸166を摺動させることで、縦送り変速の切り替え操作が行われる。即ち、図3、図7に示すように、シフトフォーク165の一側端部が縦送り軸86側に延出され、変速スライドギア192のギア192aとギア192bとの間位置にシフトフォーク65が係合されている。
【0035】この様に構成して、前記切替レバー167を操作して、スライド軸166をデテント位置に合わせて最左側に操作すると、シフトキー99が左側に移動し、変速ギア93と変速従動ギア96とが動力伝達状態に切り替わり、横送り変速が行われると同時に、変速スライドギア192が最左位置にスライドし、ギア192aが内接型ギア190aに噛合され、縦送り中間軸111の動力が従動ギア190を介して伝達され、縦送り軸86を駆動している。
【0036】そして、前記切替レバー167を操作して、スライド軸166を右側に一段移動させると、変速スライドギア192が何れのギアにも噛合されず、動力伝達が切断される、この時横送り変速は、変速ギア93と変速ギア94、変速従動ギア96と変速従動ギア97との間隔を広げることで、動力伝達の切断位置が形成されており、横送り動力が切断される。
【0037】そして、前記切替レバー166を操作して、スライド軸166を更に右側に一段操作すると、横送りの変速ギア94と変速従動ギア97とが動力伝達状態となり、横送り変速されると同時に、変速スライドギア192のギア192bと変速ギア188とが噛合され、縦送り変速が行われる。更に切替レバー166を右側に操作することで、横送りの変速ギア94と変速従動ギア97とが動力伝達状態となり同時に、変速スライドギア192が最右位置に移動し、ギア192cと内接型ギア191aとが噛合し、縦送り変速が行われている。よって、単一の切替レバー166によって、縦送りと横送りとの変速操作を、三段階に分けて操作することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。即ち、請求項1記載の如く、機体後部の苗載台側に縦送り駆動機構を配置する構成となっておらず、機体の前後中央位置に横送り駆動機構を有する苗取り駆動ケース内に縦送り駆動機構を配置したので、機体の前後バランスを良好に保つことができる。また、苗載台に縦送り機構を配していないので、苗載台の軽量化が図られ、横送りさせても、機体の左右方向のバランスを良好に保っている。該苗載台の軽量化によって横送り駆動機構に負担がかかることがなく、動力伝達機構の耐久性を向上することができ、苗載台がコンパクトになり、苗載台下方の空間にレバー等を配置することができる空間が設けられている。更に、縦送り駆動機構が苗載台とともに左右に摺動することがないので、動力伝達の安定性が良くなっている。
【0039】また、請求項2記載の如く、苗載台を横送りを行う横送り駆動機構と縦送りを行う縦送り駆動機構とを苗取り駆動ケース内に配し、該苗取り駆動ケースを苗載台より前方位置で左右中央位置より一側にオフセットさせたことで、該苗取り駆動ケースより横方向に横送り軸を突出させても、左右幅を縮小することができ、更に、苗載台を前側に配置することができ、機体の全長を短くすることができ、コンパクトな機体を構成することができる。
【0040】請求項3記載の如く、横送り駆動機構と縦送り駆動機構とを内部に有する苗取り駆動ケースに、さらに横送り駆動機構を配したことで、三つの動作を行う駆動機構を同一のケース内に納めており機能的な苗取り駆動ケースが形成され、駆動機構を別々の箇所に設ける構成に比べて、機体全体をコンパクトな構成とすることができる。更に、苗取り駆動ケースより側方に横送り軸が突出され、該横送り軸の近傍位置に苗取爪を配置することができるので、横送りと苗取爪とを同調させ易い構成となっている。
【0041】請求項4記載のように、横送り駆動機構と縦送り駆動機構とを同一の苗取り駆動ケース内に配したことによって、横送り変速をと縦送り変速とを同一のシフトアームによって連動させることができ、該シフトレバーを操作する切替レバーによって、横送り変速と縦送り変速とを同時に行うことができ、切替操作が容易に、確実に行われる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−9027
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−168205