| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】野坂 健吉
【氏名】福高 恭史
【氏名】福本 仁志
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| 【要約】 |
【課題】マルチフィルムの在る無しにかかわらず、苗供給位置と植付体の停止位置とを一致させて、良好な苗受け渡しの行える移植機を提供する。
【解決手段】走行体の後方に、穿孔体16と植付体とを昇降自在に支持し、穿孔体16を下降させてマルチフィルムMに接触させることによって該マルチフィルムMに植付穴を形成し、植付体を下降させて穿孔体によって形成した植付穴から畝Rに突入させることによって、畝Rに移植孔を形成すると共に該移植孔に苗を落下放出し、走行しながら畝Rに苗を植え付けるようにした移植機において、前記穿孔体16を下降させるにしたがって植付体に近接するように支持する昇降機構31を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行体の後方に、穿孔体と植付体とを昇降自在に支持し、穿孔体を下降させてマルチフィルムに接触させることによって該マルチフィルムに植付穴を形成し、植付体を下降させて穿孔体によって形成した植付穴から畝に突入させることによって、畝に移植孔を形成すると共に該移植孔に苗を落下放出し、走行しながら畝に苗を植え付けるようにした移植機において、前記穿孔体を下降させるにしたがって植付体に近接するように支持する昇降機構を設けたことを特徴とする移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行しながら野菜等の苗を畝に植え付ける移植機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】野菜等の苗を畝に植え付ける移植機として、走行体の後方に移植装置を設け、畝を跨いで走行しながら苗を植え付けるようにしたものがあり、この種の移植機の移植装置として、苗を植え付ける植付体と、畝を覆うマルチフィルムに植付用の穴を形成する穿孔装置と、多数のソイルブロック苗を育苗した苗トレイを載置する苗載せ台と、苗取出爪によって苗トレイから苗を1つずつ取り出して植付体に上方から落下供給する苗分送装置とから構成されているものがある。 【0003】前記植付体は、前後揺動する平行リンクと、上下に揺動する平行リンクとを備えてなる揺動リンク機構によって支持されていて、前後に揺動しながら昇降し、図10に示すように、植付体122は、上下に長い楕円状の運動軌跡K1上を、走行体の進行方向に対して矢示D方向に移動する。なお、前記運動軌跡K1は植付体122下端の移動軌跡を示す。 【0004】穿孔装置はバーナー等によって加熱される穿孔体123を有すると共に、この穿孔体123を平行リンク機構からなる昇降機構によって上下方向のみ昇降するように支持してなり、下降して畝を覆うマルチフィルムに接触することによって、該マルチフィルムに植付穴を形成するように構成されている。植付体122は下部に前後に開閉自在な開孔器124を有し、その運動軌跡K1の上部側で苗が落下供給され、運動軌跡K1の下部にて開孔器124が、穿孔体123によって形成された植付穴を通して畝に突入して前後に開き、畝に移植孔を形成すると共に、該移植孔に苗を落下放出するように構成されている。 【0005】また、植付体122は、運動軌跡K1の上部側で一旦停止し(その間、移植機は進行している)、その停止時間を調節することによって、株間(苗の畝長手方向の植付間隔)を調節するようにしている。図11は、前記植付体122の運動軌跡K1に進行方向の変位を加えた植付体122の対地軌跡K2を示しており、A点は植付体122に苗を供給する位置、B点は穿孔体123を落下させる位置、C点は植付体122を停止させる位置をそれぞれ示している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記従来のものにあっては、畝Rをマルチフィルムで覆わない場合には、穿孔体123は不要であるので、植付体122はA点にて停止され、植付体122がA点で停止されると、植付体122の停止と苗の受け渡しとが略同時くらいに行われるので、非常に安定した苗の受け渡しが行えるが、畝Rをマルチフィルムで覆う場合には、前述したように、植付体122は図11のC点に停止し、動き始めてA点を通過する際に、苗が落下供給されるようになっているので、苗の受け渡しが不安定であると共に、植付体122が停止位置Cに在るときは、苗は苗取出爪によって床土部が突き刺された状態で待機しているので、苗が苗取出爪から脱落したりする惧れがあるという問題がある。 【0007】これは、A点から植付体122の畝突入位置までの前後方向の距離L2が、植付体122の運動軌跡K1の下端位置と穿孔体123の落下位置との前後方向の距離L1よりも短いために、畝Rをマルチフィルムで覆う場合において、植付体122をA点で停止させると、植付体122が畝に突入するときに、穿孔体123でマルチフィルムに穿孔した植付穴の手前に突入してしまう(走行速度を速くすれば植付体122の対地軌跡K2が変わってしまい植付不良を生じる)からであり、したがって、対地軌跡K2上の穿孔体123の落下位置から植付体122の突入位置までの前後方向の距離L3を、植付体122の運動軌跡K1の下端位置と穿孔体123の落下位置との前後方向の距離L1と同じ距離となる位置に、穿孔体123の落下位置を採ると、図11に示すように、穿孔体123の落下位置はA点よりも後方のB点となり、植付体122の停止位置は、それよりも後方のC点となる。 【0008】なお、植付体122の運動軌跡K1の下端位置と穿孔体123の落下位置との前後方向の距離L1を縮めてL2と同じ距離にすればよいが、植付体122は楕円軌跡を描き、穿孔体123は上下方向に昇降するので、L1の距離を縮めると、穿孔体123と植付体122とが干渉してしまうこととなる。また、植付体122を平行リンク機構によって上下方向のみに昇降する、すなわち、穿孔体123と略平行に昇降するようにすると、進行方向の変位によって、植付体122は後方から斜め方向に畝に突入し、斜め前方に畝から抜け出ることとなり、苗の植付姿勢に悪影響を及ぼすこととなる。 【0009】さらに、苗の落下供給位置をC点にすればよいが、C点では植付体122の開孔器124が完全に閉じていないので、苗を供給することができない。そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、穿孔体が有る無しに係わらず、苗の受け渡しを良好に行える移植機を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、走行体の後方に、穿孔体と植付体とを昇降自在に支持し、穿孔体を下降させてマルチフィルムに接触させることによって該マルチフィルムに植付穴を形成し、植付体を下降させて穿孔体によって形成した植付穴から畝に突入させることによって、畝に移植孔を形成すると共に該移植孔に苗を落下放出し、走行しながら畝に苗を植え付けるようにした移植機において、前記穿孔体を下降させるにしたがって植付体に近接するように支持する昇降機構を設けたことを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3は野菜等の苗を畝Rに移植する移植機1を示し、同図において、野菜移植機1は、走行体2の後方に移植装置3および操縦ハンドル4を有する歩行型であって、畝Rを跨いでその長手方向に走行しながら、ソイルブロック苗を畝Rに所定間隔をおいて自動的に植付けるものである。 【0012】なお、移植機1の進行方向を前後方向といい、進行方向に直交する横方向を左右方向という。走行体2は、ミッションケース5の前部に架台6を前方突出状に取付固定すると共に、この架台6上にエンジン7等を搭載して主構成された走行機体8を有すると共に、この走行機体8を左右両側に備えた前輪10および後輪11によって走行可能に支持してなる。 【0013】移植装置3は、走行機体8の後方に装着された移植フレーム12に設けられており、苗を畝Rに植え付ける植付体13と、この植付体13に苗を供給する苗供給装置14と、植え付けた苗の根本を覆土・鎮圧する覆土輪15と、畝Rを被覆するマルチフィルムに植付用の穴を形成する穿孔体16とを備えて主構成されている。 【0014】移植フレーム12は、走行機体8の後方に配置されていて前部がミッションケース5に取付固定された固定フレーム12Aと、この固定フレーム12Aの下方側に配置されていて前部がミッションケース5に左右軸廻りに回動自在に枢着されて上下揺動自在に支持された可動フレーム12Bとから構成され、固定フレーム12A上に苗供給装置14が設けられると共に、固定フレーム12Aの後端部に操縦ハンドル4が取付けられ、可動フレーム12Bに植付体13、覆土輪15および穿孔体16が支持されている。 【0015】なお、固定フレーム12Aは左右一対の側部枠と左右側部枠を連結する前後の枠材とから平面視矩形状に形成され、可動フレーム12Bは左右一対の側部枠と左右側部枠の後端側を連結する後部枠とから平面視前方に開放状のコ字形に形成されている。植付体13は、図2及び図4に示すように、上部が上下開口状の筒体からなり、下部に前後に開閉自在なくちばし状の開孔器13Aが備えられてなり、揺動リンク機構18によって昇降自在に支持されている。 【0016】揺動リンク機構18は、上端部が可動フレーム12Bに固定のブラケット19に軸支されて前後揺動する第1平行リンク20と、第1平行リンク20の下端部に枢結された中継プレート21と、中継プレート21に前端部が軸支されて上下揺動する第2平行リンク22とから構成され、この第2平行リンク22の後端部に前記植付体13の筒部分が枢結されている。 【0017】第2平行リンク22の上側リンク22aには軸受23が固定され、この軸受23には、可動フレーム12Bに左右軸廻りに回動自在に支持されたクランク軸24のクランクアーム24a間のクランクピン24bが挿通されている。したがって、ミッションケース5からの動力により、クランク軸24が図2において反時計回りに回転することで、第1,第2平行リンク20,22の揺動により植付体13が前後に揺動しながら昇降して、該植付体13が走行体2に対して、図4に示すように、縦長の略楕円状の運動軌跡K1を描くように矢示方向に運動する。そして、植付体13にはその運動軌跡K1の上端側で苗Sが落下供給され、植付体13は下部の開孔器13aを閉じた状態で下降されて、穿孔体16によってマルチフィルムMに形成された植付穴H1を通して開孔器13aが畝Rに突入し、突入後、連動具25によって開孔器13aが前後に開かされて、畝Rに移植孔H2が形成されると共に、該移植孔H2に植付体13内部に収納していた苗Sが落下放出される。 【0018】移植孔H2に苗Sが放出された後は、植付体13の後方に位置して畝R上を転動する左右一対の覆土輪15によって、苗植付部分の株際に左右両側から土寄せされると共に該株際が鎮圧されるようになっている。苗供給装置14は、図3に示すように、多数のソイルブロック苗を縦横に収容した苗トレイTを後傾状に載置支持すると共に横送りすべく左右方向に間欠移動する苗載せ台27と、この苗載せ台27の前方側に配置されていて苗トレイTから苗を一つずつ取出して植付体13へと搬送する苗分送装置28とから構成されている。 【0019】苗分送装置28は、図4に示すように、運動機構29によって支持された苗取出爪30を有しており、苗トレイTのポット部P内の床土部を苗取出爪30で突き刺し、該突き刺した状態で苗取出爪30を前方移動させることにより苗Sをポット部P内から取り出し、取り出した後、苗取出爪30の先端部を前下方に揺動させることによって、苗Sを床土部が下側となるように姿勢変更させ、この状態で下方側に在る植付体13へと苗Sを落下放出するように構成されている。苗Sを放出した後は、苗取出爪30はもとの位置に戻り、前記動作を繰返す。 【0020】苗載せ台27は苗分送装置28による苗取り出しの間は停止されており、苗Sが取り出されると苗トレイTのポット部Pの横方向の1ピッチに相当する分左右方向に移動する。また、苗載せ台27には横1列の苗が取り出された後苗トレイTをポット部の1ピッチ分縦送りする縦送り機構が備えられている。なお、苗トレイTは樹脂製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部Pが背面に突出して備えられており、各ポット部Pにソイルブロック苗Sが育苗されている。 【0021】前記クランク軸24の回転は、植付体13が図4に実線で示すように、運動軌跡K1の上端(又は上端から若干下降した位置)の苗供給位置に在るときに停止(クランク軸24への動力伝達をクラッチにより切断する)されるようになっており、この停止時間を調節(停止時間を長くしたり短くしたり)することによって、株間の調節が行えるように構成されている。このとき、苗分送装置28及び苗載せ台27への動力伝達も切断されるようになっており、苗取出爪30は、苗放出後停止するようになっている。 【0022】前述したように、植付体13が、苗取出爪30から苗Sが落下供給される苗供給位置で停止するようになっているので、安定した苗Sの受け渡しが行われるようになっている。前記穿孔体16は、ガスバーナー又は電熱体等によって加熱されるように構成されており、図1及び図2に示すように、該穿孔体16はリンク機構からなる昇降機構31によって可動フレーム12Bに支持され、走行体2に対して昇降自在とされている。 【0023】なお、穿孔体16としては、マルチフィルムを打ち抜く又はマルチフィルムに切り込みを入れるものであってもよい。昇降機構31は、上下一対のリンク32,33と、円板状のカム34とを備えている。上側リンク32はく字形に形成されていて、前側は可動フレーム12Bに固定された軸受35に支軸36を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持され、後側には取付部材37が支軸38を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されている。また、上側リンク33の中途部にはローラ39が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されている。 【0024】下側リンク33は、前側が可動フレーム12Bに下方突出状に固定されたブラケット40に支軸41を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持され、後側は取付部材37に支軸42を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されている。カム34は、前記クランク軸24に一体回動するように固定され、前記ローラ39は、このカム35の外周を転動するようになっており、穿孔体16の自重によって、ローラ34がカム35の外周に押し付けられるようになっている。また、カム34の外周にはローラ34が落ち込む凹部43が形成されている。 【0025】取付部材37の下部には中間プレート44がボルト45・ナットによって取付固定され、中間プレート44に穿孔体16に固定された取付プレート46がボルト47・ナットによって取付固定されている。前記中間プレート44の、ボルト45を挿通するボルト挿通孔48は前後方向に関して長い長孔状に形成され、穿孔体16の前後方向の取付位置が変更可能とされている。また、取付プレート46は中間プレート46に対して上下方向に関して取付位置が変更可能とされていて、穿孔体16の上下方向の取付位置が変更可能とされている。 【0026】前記構成の昇降機構31にあっては、カム34の凹部43にローラ39が落ち込むことによって、上下リンク32,33が自重によって下方に揺動し、自重によって穿孔体16が下降し、該穿孔体16がマルチフィルムMに接触して該接触した部分を熱の作用によって消失させて、マルチフィルムに植付穴を形成するようになっている。 【0027】このとき、支軸41,42間の距離が支軸36,38間の距離よりも長く、穿孔体16が下降するにしたがって、支軸42が支軸38よりも後方に移動するので、穿孔体16が下降するにしたがって後方、すなわち植付体13側へと近接するように構成されており、穿孔体16が植付体13の外延の軌跡K3に入り込むように移動するよう構成されている。 【0028】その後は、カム34の図1の反時計方向の回転によって、ローラ39が凹部43の案内面43aによってカム34の凹部43以外の外周面に案内されて、穿孔体16が植付体13から離反するように上昇し、穿孔体16が下降してくる植付体13に干渉しないようになっている。カム34の凹部43以外の外周面は、穿孔体16を上昇限の待機位置で保持するべくクランク軸24の軸心からの距離が略一定の円形状に形成されている。 【0029】この穿孔体16及び昇降機構31は、植付体13が苗供給位置で停止しているときにあっては、図1の実線で示す状態とされ、植付体13が苗供給位置から動き出して少し移動した位置で、ローラ39が凹部43に落ち込んで穿孔体16が下降するように構成されている。このように、植付体13が停止位置から動きだして、畝Rに突入するまでの前後方向の距離よりも、植付体13の運動軌跡K1の下端から上昇位置にある穿孔体16までの前後方向の距離が長い場合であっても、植付体13の開孔器13aの下部を穿孔体16で形成した植付穴に突入させることができる。 【0030】なお、前記カム34は、穿孔体16を待機位置(図3参照)で保持する第1カム34aと、穿孔体16を待機位置から下降させて再度待機位置まで上昇させるべく凹部43が形成された第2カム34bとからなり、第1カム34aはクランク軸24に固定されており、この第1カム34aに第2カム34bがクランク軸24の軸心廻りに相対角度調節自在に連結されていて、ローラ39の落ち込む位置が調節可能とされている。 【0031】図2、図3、図7、図8及び図10に示すように、覆土輪15は、可動フレーム12Bの後部に固定のブラケット49に支軸50を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に軸支された覆土フレーム51の後部に回転自在に支持されている。覆土フレーム51は植付深さ調節機構52を介して可動フレーム12Bに連結されており、覆土部材15によって、可動フレーム12Bの後部が支持されていて、該可動フレーム12Bが畝Rの高さ変化に追従上下動するようになっている。 【0032】この植付深さ調節機構52は、植付深さ調節レバー53と、この植付深さ調節レバー53を係止する係止部材54と、植付深さ調節レバー53と覆土フレーム51とを連結する連結部材55とから主構成されている。係止部材54は板材によって形成され、可動フレーム12Bの後端部に固定の取付部材56に取り付けられた左右一対のブラケット57に固定されている。取付部材56には左右方向の軸心を有する支軸58が軸心廻りに回動自在に支持され、この支軸58に一体回動自在に外嵌固定されたボス59に取付板60を介して取付固定されており、植付深さ調節レバー53が支軸58の軸心廻りに揺動操作可能とされている。 【0033】連結部材55の上部には前記取付板60の前部が左右方向の軸心廻りに回動材に枢着され、連結55の下部には、覆土フレーム51の後部が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されている。また、係止部材54には、植付深さ調節レバー53の揺動を許容するガイド溝が形成されていると共に、このガイド溝には、植付深さ調節レバー53の揺動を規制する係止部が植付深さ調節レバー53の揺動方向に間隔をおいて複数形成されている。 【0034】したがって、植付深さ調節レバー53を後方側に揺動させることによって、可動フレーム12Bに対して覆土部材15が持ち上げられて可動フレーム12Bとの間隔が狭くなり、逆に植付深さ調節レバー53を前方側に揺動させることによって、可動フレーム12Bに対して覆土部材15が下げられて可動フレーム12Bとの間隔が広くなり(したがって、覆土部材15の可動フレーム12Bに対する上下揺動位置が調節可能とされ)、結果として、可動フレーム12Bが上下に揺動することとなり、植付体13の畝Rへの突入深さ、すなわち苗の植え付け深さが変更できるようになっている。 【0035】なお、図例のものでは、植付深さ調節レバー53の係止位置が前方に行くほど可動フレーム12Bの高さが高くなって植え付け深さが浅くなり、後方に行くほど深くなるようになっている。また、可動フレーム12Bの後部側上部には固定フレーム12Aに接当可能な棒材からなる接当部材26Aが固定され、固定フレーム12Aの後端部には可動フレーム12Bが接当可能な棒材からなる接当部材26Bが固定されており、接当部材26Aが固定フレーム12Bに接当する位置と、可動フレーム12Bが接当部材26Aに接当する位置との間で、可動フレーム12Bが固定フレームに対して上下の揺動調節が可能とされている。 【0036】一方、図3、図5及び図6に示すように、前記走行機体8は昇降自在に支持されている。すなわち、架台6の前部には、左右方向の軸心を有する支持筒6Aが固定され、この支持筒6Aには左右一対の前輪支軸61の左右方向内端側が左右軸廻りに回動自在に挿通されおり、左右各前輪支軸61の左右方向外端側には取付筒62が外嵌されている。 【0037】左右各取付筒62には前輪支持アーム63の上端側が連結固定され、各前輪支持アーム63の下端側に前輪10が車軸を介して左右軸廻りに回転自在に取付けられている。前記左右前輪支軸61の外端側と取付筒62とは、断面六角形状に形成されていて一体回動するように構成されており、左右の前輪10が前輪支軸61廻りに上下揺動自在とされている。 【0038】なお、左右前輪支軸61の外端側と取付筒62とは、両者を貫通するピンによって固定され、左右前輪支軸61の外端側に形成されるピンの挿通孔は軸心方向に複数形成されていて、前輪10の左右位置が位置調節可能(すなわち前輪10の輪距調節が可能)とされている。前記エンジン7の回転動力はミッションケース5内の動力伝達装置に入力され、ミッションケース5の左右に突出する出力軸64から走行系動力が変速可能に出力される。なお、ミッションケース5からは、PTOクラッチによって動力が断接自在なPTO系動力が出力されるPTO軸が突出され、このPTO軸から移植装置3の各駆動部に動力が伝達されるように構成されている。 【0039】前記ミッションケース5の左右両側には、下部に後輪11を支持した伝動ケース65の上部が前記出力軸64廻りに回動自在に支持されている。この、伝動ケース65内には、チェーン巻掛け伝動機構66が設けられていて、出力軸64から車軸67に動力が伝達され、エンジン7の動力により後輪11が回転駆動されるように構成されている。 【0040】なお、左右の伝動ケース65はそれぞれ独立して左右方向2位置に位置変更自在とされており、伝動ケース65を左右移動させることによって後輪11の輪距調節が可能とされており、全面マルチ畝と露地高畝との畝幅の違い(広狭)に対応できるようになっている。また、図例では、右側の前後輪10,11が、伝動ケース65を広幅位置にしたときの位置とされ、左側の前後輪10,11が、伝動ケース65を狭幅位置にしたときの位置とされているが、通常の使用時は、左右とも広幅位置かあるいは狭幅位置とされる。 【0041】また、左右後輪11は車軸67にピンによって固定され、車軸67に形成されるピン挿通孔は軸心方向に複数形成されており、これによっても後輪11の左右位置が調節可能とされている。架台6の前後中間部には、左右方向に配置されたローリング軸68が軸受体69を介して左右軸廻りに回動自在で且つ前後移動自在に支持され、このローリング軸68の左右方向中間部前方には、油圧シリンダからなる昇降シリンダ70が配置されて架台6に固定されている。この昇降シリンダ70のピストンロッド70Aはローリング軸68に、該軸68に相対回動自在に外嵌される筒体等を介して連結され、このピストンロッド70Aの出退によってローリング軸68が前後に移動可能とされている。 【0042】なお、ローリング軸68は架台6に対して固定手段によって固定できるようになっている。ローリング軸68の左右両側にはブラケット71L,71Rが固定され、左右各前輪支軸61には前側連結ブラケット72L,72Rが固定され、左右各伝動ケース65には後側連結ブラケット73L,73Rが固定され、右側のブラケット71Rは下方側に突出状とされ、左側のブラケット71Lおよび前後の連結ブラケット72L,72R,73L,73Rは上方側に突出状とされている。 【0043】ブラケット71L,71Rと、後側連結ブラケット73L,73Rとは連結リンク74によって連結され、前側連結ブラケット72L,72Rと後側連結ブラケット73L,73Rとは連結ロッド75によって連結されている。なお、伝動ケース65の左右位置調節に対応できるように、ブラケット71L,71R及び前側連結ブラケット72L,72Rの連結部は左右一対設けられている。 【0044】そして、前記昇降シリンダ70のピストンロッド70Aを出退させることによって、左右の連結リンク74が前後に押引きされて後側連結ブラケット73L,73Rを介して伝動ケース65が走行機体8に対して相対的に上下揺動すると共に、連結ロッド75が前後に押引きされて前連結ブラケット72L,72R、前輪支軸61および取付筒62を介して前輪支持アーム63が走行機体8に対して相対的に上下揺動し、これによって、左右の前後輪10,11が四輪同時に走行機体8に対して相対的に昇降し且つ前後輪10,11が接地していることから必然的に走行機体8が畝Rに対して昇降し、畝R上面の高さの変化に追従させて移植装置3を昇降させることができるようになっている。 【0045】また、架台6には油圧シリンダからなるローリングシリンダ76がローリング軸68と同行移動するように取り付けられ、このローリングシリンダ76のピストンロッド76Aはローリング軸68に固定のブラケット58に枢着されている。したがって、ローリングシリンダ76のピストンロッド76Aを出退させることによって、ローリング軸68が左右軸廻りに回動し、左右一方の連結リンク74が前方に引動される共に左右一方の連結ロッド75が前方に押動され、左右他方の連結リンク74が後方に押動される共に左右他方の連結ロッド75が後方に引動され、左右の前後輪10,11が相互に逆方向に昇降する。これによって、傾斜地においても走行機体8および移植装置3を水平状態に維持させることができるようになっている。 【0046】ミッションケース5上には、昇降シリンダ70を制御する昇降用制御弁78が固定され、この制御弁78の上方にはローリングシリンダ76を制御する図示省略のローリング用制御弁が配置されている。図7及び図9に示すように、ミッションケース5の後部側下方で且つ植付体13の前方には、畝Rの上面を転動する接地ローラ80が配置されており、この接地ローラ80は畝R上面を鎮圧する鎮圧輪を兼ねている。この接地ローラ80の左右両側には揺動アーム81が前後方向に前傾状に配置されている。この揺動アーム81は、前部が該アーム81を貫通してミッションケース5に螺合される支軸82によって左右軸廻りに揺動自在に支持されると共に、その後部に枢軸83を介して接地ローラ80が左右軸廻りに回転自在に取付けられており、接地ローラ80が畝上面の高さ変化に追従することにより、揺動アーム81が支軸82廻りに揺動して畝Rの高さ変化を検出する。 【0047】左右の揺動アーム81は前部及び後部が相互に連結され、左側の支軸82には、上下方向に配置された連動アーム86の下端側が支軸82の軸心廻りに回動自在に支持されている。連動アーム86の上部には該アーム86の円弧状の長孔87が形成され、この長孔87にはピン88が摺動自在に嵌合され、このピン88は側面視く字形の昇降バルブアーム89の一端部に枢結されている。この昇降バルブアーム89の中途部は前記昇降用制御弁78のボディに支軸90を介して左右方向軸心廻りに回動自在に支持され、昇降バルブアーム89の他端側には係合溝91が形成されている。 【0048】この昇降バルブアーム89の係合溝91には、ベルクランクで構成された操作レバー92の一端側に設けたピン93が係合しており、操作レバー92の中途部は昇降用制御弁78の回転スプール94に取り付けられている。前記連動アーム86の下部後部には、ベルクランクで構成された操作レバー95が支軸96を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着され、操作レバー95の一端側には支軸96を介してリンク98の上端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着され、リンク98の下端側は揺動アーム81に支軸99を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されている。 【0049】前記操作レバー95の他端側には枢軸100が左右方向の軸心廻りに回動自在に設けられ、この枢軸100には、その軸心方向に直交する方向に、ロッド101の前端側が、該ロッド101の軸心方向に移動自在となるように挿通されており、このロッド101には、該ロッド101の前端と枢軸100との間に配置した抜止め部材102が固定されると共に、ロッド101の中途部に固定したバネ受部材103と枢軸100との間に配置されたコイルバネ104が圧縮状に外嵌されている。 【0050】前記ロッド101の後端は、図7、図8及び図10に示すように、前記支軸58に相対回動自在に外嵌された筒体105に固定の支持板106に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されている。この支持板105には、接地ローラ高さ調節レバー107が固定されていて、該接地ローラ高さ調節レバー107が支軸58の軸心廻りに揺動操作可能とされている。 【0051】また、支軸58にはガイド板108が一体回動自在に固定され、このガイド板108には、接地ローラ高さ調節レバー107の揺動を許容するガイド溝が形成されていると共に、このガイド溝には、接地ローラ高さ調節レバー107の揺動を規制する係止部が接地ローラ高さ調節レバー107の揺動方向に間隔をおいて複数形成されている。 【0052】図7及び図9に示すように、可動フレーム12Bと昇降バルブアーム89とは連動機構110によって連動連結されている。この連動機構110は、固定フレーム12Aに左右方向の軸心廻りに回動自在に枢着されたベルクランクからなるレバー111と、このレバー111の一端側と可動フレーム12Bとを連動連結するリンク112と、レバー111の他端側と昇降バルブアーム89に固定の連結板113とを連動連結する連動ロッド114とから構成されている。 【0053】連動ロッド114と連結板113とは、連結板113に枢着されたピン115が、連動ロッド114に固定の係合板116に形成された前後方向の長溝117に摺動自在に嵌合されることで連動連結されている。前記構成のものにあっては、接地ローラ80が下がると、揺動アーム81および連動アーム86が支軸82廻りに図9の時計方向に揺動して昇降バルブアーム89が支軸90廻りに図9の反時計方向に回動し、これによって操作レバー92の一端部が引上げられて昇降用制御弁78の回転スプール94が走行機体8を下降させる方向に操作されて、昇降シリンダ70のピストンロッド70Aが退避方向に作動し、回転スプール94が中立位置に戻るまで走行機体8が下降する。 【0054】また、接地ローラ80が上がると、揺動アーム81および連動アーム86が支軸82廻りに図9の反時計方向に回動して昇降バルブアーム89が支軸90廻りに図9の時計方向に回動し、これによって操作レバー92の一端部が引下げられて昇降用制御弁78の回転スプール94が走行機体8を上昇させる方向に操作されて、昇降シリンダ70のピストンロッド70Aが突出方向に作動し、回転スプール94が中立位置に戻るまで走行機体8が上昇する。 【0055】また、覆土輪15が下がると、連動機構110を介して昇降バルブアーム89が支軸90廻りに図9の反時計方向に回動し、これによって操作レバー92の一端部が引上げられて昇降用制御弁78の回転スプール94が走行機体8を下降させる方向に操作されて、昇降シリンダ70のピストンロッド70Aが退避方向に作動し、回転スプール94が中立位置に戻るまで走行機体8が下降する。 【0056】また、覆土輪15が上がると、連動機構110を介して昇降バルブアーム89が支軸90廻りに図9の時計方向に回動し、これによって操作レバー92の一端部が引下げられて昇降用制御弁78の回転スプール94が走行機体8を上昇させる方向に操作されて、昇降シリンダ70のピストンロッド70Aが突出方向に作動し、回転スプール94が中立位置に戻るまで走行機体8が上昇する。 【0057】そして、この構成のものでは、接地ローラ80と覆土輪15とが供に畝R上に在るときには、可動フレーム12Bが上下揺動しても、ピン115が長溝117内を相対的に摺動し、制御弁78には影響を与えないようになっていて、接地ローラ80によって、畝R上面の高さ変化に対応した、走行機体8の昇降制御がなされる。また、畝Rの出口(植え付けている方向の前端部)付近での植付作業時において、接地ローラ80が畝Rから外れたとき、又は、畝Rの高さが大きく変化するときには、覆土輪15が走行機体8の昇降を制御すべく畝R上面の高さを検出する接地ローラとしての役目を果たすようになっている。 【0058】また、前記構成のものでは、植付深さの調節をした場合には、ピン115が長溝117の中央部(可動フレーム12Bが上限位置と下限位置との間の略中央部)に位置するように、接地ローラ80の走行機体8に対する上下方向の位置を調節しなければならないが、前記構成のものでは、植付深さ調節レバー53を揺動操作することによって、ガイド板108、接地ローラ高さ調節レバー107が同行揺動して、ロッド101が前後に押し引きされ、これによって、操作レバー95、リンク98を介して揺動アーム81は支軸82廻りに上下揺動して接地ローラ80が上下位置調節されるように構成されていて、覆土輪15の上下位置調節に連動して接地ローラ80の上下位置調節も行われるように構成されている。 【0059】また、傾斜地の登り又は湿った圃場では後輪11が沈み込んで移植機1が前上がりの状態となるが、この場合には、接地ローラ高さ調節レバー107を前方に揺動して接地ローラ高さ調節レバー107の係止位置を変更することによって、ロッド101、操作レバー95、リンク98を介して揺動アーム81が下方に揺動されて、接地ローラ83の高さ調節が行えるように構成されている。 【0060】なお、操作レバー92の他端側には引張りバネからなる感度スプリング119の一端側が掛止され、感度スプリング119の他端側は固定フレーム12A側に取付固定された掛止部材120に掛止されていて、感度スプリング119の掛止部材120への掛止位置を掛け変えることによって、接地ローラ80の畝R上面に対する押付け力を変更でき、これによって、接地ローラ80の畝R上面に対する追随感度を調節できるようになっている。 【0061】 【発明の効果】本発明によれば、穿孔体は、上昇位置では植付体から離れていて、下降してマルチフィルムに植付穴を形成するときには植付体に近接するようになっているので、植付体と苗の供給位置とを一致させて良好な苗の受け渡しを行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−9024 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−166308 |
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