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【発明の名称】 ポットシートの播種方法および播種装置
【発明者】 【氏名】永井 英寿

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面5に透孔6を有し上側を狭く下方に至るに従い広くなるポット2の下縁3を連結部4により縦横連結して形成したポットシート1を前記透孔6が上になる状態で移送し、移送中のポットシート1を振動させながら前記透孔6よりポット2内に上方から土9を供給し、次に、前記透孔6よりポット2内に突起75を上方から挿入して窪み10を形成し、該窪み10に上方より一粒または複数粒の種子11を供給するようにしたポットシートの播種方法。
【請求項2】 請求項1において、往復円移動する前記突起75が下降しながら前進するときにその下方を同期移動する各ポット2の透孔6よりポット2内に上方から挿入して窪み10を形成し、往復円移動する種子供給装置22の落下口34が下降しながら前進するときにその下方を同期移動する各ポット2の透孔6より一粒または複数粒の種子11を供給するようにしたポットシートの播種方法。
【請求項3】 上面5に透孔6を有し上側を狭く下方に至るに従い広くなるポット2の下縁3を連結部4により縦横多数連結してポットシート1を形成し、前記透孔6を上にしてポットシート1を嵌合させた育苗箱8を移送する移送台12を設け、該移送台12の始端部に上方から各ポット2に土9を供給する土供給装置15を設け、該土供給装置15の土供給位置の略下方位置に土供給中のポットシート1を振動させる振動装置16を設け、該振動装置16の移送方向前側には、上下方向の排出口27を複数有する横板状の底板28と該底板28上面を摺動して前記排出口27と一致する上下貫通の種子嵌合孔30を有するシャッター29と該シャッター29上に設けたホッパー25とを設けたケース23と、前記各排出口27に接続され前記ポットシート1の各ポット2の透孔6と同一の間隔を有して形成された落下部33の落下口34とを有する種子供給装置22を設け、前記落下口34の手前には該落下口34と同一間隔で前記透孔6よりポット2内に上方から挿入して窪み10を形成する突起75群を設けたポットシートの播種装置。
【請求項4】 請求項3において、前記落下口34と突起75群は一体状に設け、該突起75群および前記落下口34は各ポット2の透孔6と同期して移動するように、往復円移動するように構成したポットシートの播種装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポットシートの播種方法および播種装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の特開昭63−237708号公報には、上面を開放し上側を広く下方に至るに従い狭くなるポットの上縁を連結部により縦横連結して形成したポットシートを搬送し、搬送中に回転するローラの突起により窪みを形成し、該窪みに上方より一粒または複数粒の種子を供給するようにしたポットシートの播種方法について記載されている。また、同一人による先願の従来公知の特開平2ー142405号公報には、上面に透孔を有し下縁を連結部により縦横連結して縦横にポットを形成したポットシートを前記透孔を下にして載置箱の底面の突起が食い込むように載置箱に嵌合させ、この状態の載置箱を移送し、移送中のポットシートに土を供給し、次に、この土を上方より突起により押し固め、次に育苗箱を被せて上下反転させ、前記載置箱の前記突起により形成した窪みに上方より一粒または複数粒の種子を供給するようにしたポットシートの播種方法について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例のうち特開昭63−237708号公報に記載されたものは、上面を開放し上側を広く下方に至るに従い狭くなるポットの上縁を連結部により縦横連結して形成したポットシートにて育苗するので、苗の根は次第に狭くなるポットにより根詰まり状態になって、成育が不良となる課題がある。また、稲の場合、種子が中央に播種されたとしても、成長するにつれて苗は広いポットの開口部の端側に寄って各列が揃って成長せず、田植機による植付が困難な場合があるという課題がある。即ち、土を供給する手段に工夫がないこと、ポットシートを反転させる技術がないことから、上側を狭く下方に至るに従い広くなる状態のポットにて育苗できず、広い開口部から土と種子を供給して播種するのであり、そのため、育苗に課題が残るのである。この点、前記特開平2ー142405号公報に記載されたものは、育苗の課題を克服するため、ポットシートに供給した土を固く詰めて反転可能にし、わざわざ反転させることによって、上側を狭くした状態で育苗することにより根詰まりを防止させ、隣接する苗と間隔が広くなることにより日照と通風を確保して揃って良好に成長するようにしているが、ポットシートを反転させる作業は、非常に面倒であるという課題がある。本発明は、育苗条件の良い上側が狭く下側が広い状態にポットがなるように載置したポットシートに、反転させることなく播種することで、作業の容易化と育苗の良好化を両立させたものである。
【0004】
【発明の目的】ポットシートの反転の無い播種作業の実現、作業の連続化、作業の確実化、作業の効率化、育苗の容易化、育苗条件の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上面5に透孔6を有し上側を狭く下方に至るに従い広くなるポット2の下縁3を連結部4により縦横連結して形成したポットシート1を前記透孔6が上になる状態で移送し、移送中のポットシート1を振動させながら前記透孔6よりポット2内に上方から土9を供給し、次に、前記透孔6よりポット2内に突起75を上方から挿入して窪み10を形成し、該窪み10に上方より一粒または複数粒の種子11を供給するようにしたポットシートの播種方法としたものである。本発明は、往復円移動する前記突起75が下降しながら前進するときにその下方を同期移動する各ポット2の透孔6よりポット2内に上方から挿入して窪み10を形成し、往復円移動する種子供給装置22の落下口34が下降しながら前進するときにその下方を同期移動する各ポット2の透孔6より一粒または複数粒の種子11を供給するようにしたポットシートの播種方法としたものである。本発明は、上面5に透孔6を有し上側を狭く下方に至るに従い広くなるポット2の下縁3を連結部4により縦横多数連結してポットシート1を形成し、前記透孔6を上にしてポットシート1を嵌合させた育苗箱8を移送する移送台12を設け、該移送台12の始端部に上方から各ポット2に土9を供給する土供給装置15を設け、該土供給装置15の土供給位置の略下方位置に土供給中のポットシート1を振動させる振動装置16を設け、該振動装置16の移送方向前側には、上下方向の排出口27を複数有する横板状の底板28と該底板28上面を摺動して前記排出口27と一致する上下貫通の種子嵌合孔30を有するシャッター29と該シャッター29上に設けたホッパー25とを設けたケース23と、前記各排出口27に接続され前記ポットシート1の各ポット2の透孔6と同一の間隔を有して形成された落下部33の落下口34とを有する種子供給装置22を設け、前記落下口34の手前には該落下口34と同一間隔で前記透孔6よりポット2内に上方から挿入して窪み10を形成する突起75群を設けたポットシートの播種装置としたものである。本発明は、前記落下口34と突起75群は一体状に設け、該突起75群および前記落下口34は各ポット2の透孔6と同期して移動するように、往復円移動するように構成したポットシートの播種装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の方法を実施する装置の一実施例を図面により説明すると、1はポットシートであり、湿潤状態にあると腐敗して柔らかくなる紙材料あるいは合成樹脂により一株分の苗を育苗するポット2を多数縦横連結して平面視四角形状に形成する。前記ポットシート1は紙材料により形成すると、育苗後そのまま植付装置によりひとつのポット2ごと掻きとって植付可能であり、作業を容易にでき、また、植付直後はポット2により包囲されて病原菌との接触を減少させることができ、好適である。3はポット2の下縁、4は下縁3を連結する連結部である。レタス苗等の野菜用のポット2は稲用に比し、約4倍の容積にすると好適である。5はポット2の上面で、ポット2の側面視形状は、全体として角錐体又は円錐体にする(図1)。6は上面5の中心に形成した透孔である(なお、上面全部を開口させて透孔6とすることもある)。前記ポットシート1は、育苗箱8に図1のように置いて、透孔6より各ポット2内に土9を供給しながら育苗箱8ごと振動させ、次に透孔6より内部に窪み10を形成し、該窪み10内にコーティングして球形状になったレタス等の種子11を確実に1粒または複数粒ずつ蒔く(通常は、間引きするのが面倒であるので一粒のみ蒔く)。
【0007】図2には、前記ポットシート1の播種装置7全体を示し、播種装置7は前記ポットシート1を嵌合させた育苗箱8を移送する移送台12を設け、移送台12は所望の位置に設けた支脚13により床上に載置される。該移送台12には、移送コンベア14を設ける。移送台12の始端部上方位置には、ポットシート1の各ポット2に土9を供給する土供給装置15を設ける。土供給装置15は公知であり、上部の土供給ホッパーと下部の繰出ベルトよりなる。前記土供給装置15の終端側下方位置には育苗箱8ごとポットシート1を振動させる振動装置16を設ける。振動装置16は回転軸17に角ローラー18を固定して構成する。19は角ローラー18の上面側に設けたシート部材であり、角ローラー18の角部が育苗箱8の後端部を押すのを防止させる。
【0008】前記振動装置16の下手側には均平体20を設け、均平体20に続いて均平ブラシ21を設ける。均平ブラシ21は、前後2段に並列させ、ポット2の上面5の余った土を後続のポット2に掃き戻す作用と、ポット2の上面5を均平して仕上げの作用を期待している。前記均平ブラシ21に続いて側部ブラシ21aを設ける。側部ブラシ21aは育苗箱8の側部に残った前記均平ブラシ21では除去できない土を除去する。側部ブラシ21aに続いて前記窪み10内に種子11を1粒ずつ蒔く種子供給装置22を設ける。23はケースであり(図4)、前記移送台12の上方位置に固定したフレーム24に該フレーム24に対して円移動しうるように取付ける(図15)。ケース23の上部にはホッパー25をケース23に対して着脱自在にボルト60(図15)により固定する。ホッパー25内には、左右方向に長い均平ブラシ26を前後に所定の間隔を置いて設ける。前記均平ブラシ26の下方には、隙間を有して底板28を設ける。底板28は、前記ケース23に固定する。底板28の上面は平坦に形成し、上下方向の排出口27を前後左右に所定の間隔を置いて形成し、上方には前記均平ブラシ26が位置するように配置する。
【0009】前記底板28と前記均平ブラシ26との間の前記隙間には、シャッター29を前記ホッパー25に対して前後方向にのみ移動自在に取付ける。シャッター29は、下向きコ型形状に形成され、前記底板28上に載置される。シャッター29には前記排出口27と同一間隔を置いて種子嵌合孔30を形成し、シャッター29に移動により前記ホッパー23と前記排出口27とを連通させ、種子11を落下させる。種子嵌合孔30はポットシート1の移動方向に所定の間隔を有して複数形成する。前記シャッター29の上面には前記シャッター29の移動方向に添う種子嵌合溝31を形成し、該種子嵌合溝31の溝底に前記種子嵌合孔30を形成する(図4、図14)。種子嵌合溝31の幅は大きくとも使用するうちの大径の種子11に略一致させ、前記種子嵌合溝31の深さは深くとも種子11と同一に形成して、種子11が一列に嵌合するようにする。種子嵌合溝31内には、前記均平ブラシ26の下端を臨ませる。前記均平ブラシ26は前記種子嵌合孔30(排出口27)と同数同一間隔で配置し、後述するように、均平ブラシ26が種子嵌合孔30の上から退避しているとき種子11が一粒嵌合し、嵌合すると均平ブラシ26は種子嵌合孔30の上方に位置して他の種子11が入るのを阻止する。
【0010】前記各均平ブラシ26の前後中間位置には均平ブラシ26と平行に軸線部材によりブリッジ防止体53を設ける。ブリッジ防止体53は前記底板28の上方に一層の種子より低く位置させ、排出口27の上方に種子11のブリッジが発生するのを防止する。ブリッジ防止体53は一本の線状に形成してもよいが、シャッター29の摺動方向に振動するように弾性を持たせたり、ジグザグ状に形成すると一層ブリッジ防止効果を期待できる。また、コイル状のものを取付けると、ブリッジ防止効果を向上させると共に、製造、取付を容易にしてコストを低くする。前記シャッター29の左右の一側には下方に突出す一対の係合腕40、41を形成し(図4、図14)、係合腕40、41はシャッター29を前後に移動させる前後方向の移動軸42に上方より係合させ、着脱自在に構成する。図4に示したように、前記各排出口27の下部にはホース32の上端を接続し、ホース32の下端はケース23の下部に設けた落下部33の落下口34に接続する。落下口34は前記ポットシート1の各ポット2の透孔6と同一の間隔を有して形成される。
【0011】しかして、ケース23の前板35には横クランク軸36を設け、横クランク軸36の左右両端にはクランク37の先端を軸止する。クランク37の基部はフレーム24に設けた回転軸38、38に固着する。一方の回転軸38には歯車39を固着し、歯車39には移送コンベア14との間にチエンを掛け回す。前記移動軸42はケース23の前板35と後板43に前後移動自在に軸着する。前板35より前方に突出する移動軸42の前端部にはワッシャー44を取付け、ワッシャー44と前記前板35との間にバネ45を設ける。バネ45は移動軸42を常時矢印イ方向に移動するように付勢する(図4)。前板35より内側の移動軸42の所定位置にはストッパー46を設け、ストッパー46は前記バネ45と相俟って移動軸42をケース23と共に移動させる作用を有する。
【0012】図15のように、移動軸42の後端部には、左右方向の係合軸47を固定する。係合軸47の両端は前記フレーム24に形成した長孔61に挿通する。係合軸47の近傍には、該係合軸47に所定位置で係合離脱する係合部材48を設ける。係合部材48の後端は回動枠62に固定し、回動枠62は前記フレーム24に軸着した横軸63に回動のみ自在に軸止する。即ち、移動軸42は、ストッパー46とバネ45と相俟って係合軸47が係合部材48と離脱状態のとき、ケース23と共に前後動するが、係合状態のときは、前記移動軸42をケース23に対して不動にし、シャッター29に対して前記ホッパー25と底板28を相対的に移動させ、種子嵌合孔30と排出口27とを一致又は不一致にさせる。したがって、前記係合軸47と係合部材48が前記シャッター29の移動を入切りさせるクラッチとなる。
【0013】前記シャッター29の係合腕40と係合腕41の間の移動軸42にはワッシャー49を固定し、ワッシャー49と係合腕41の間にバネ50を設ける。後板43の内面側の前記係合腕41に対向する部分には、規制部材51を設ける。前記係合腕41と後板43との間の移動軸42にはワッシャー52を固定する。ケース23(ホッパー25及び底板28)側とシャッター29の動きについて説明すると、回転軸38によりクランク37が回転すると、ケース23全体は回転軸38を中心とする円移動し、図11から図12の状態で、種子嵌合孔30内に種子11が嵌合し、ケース23が図11から図12の状態に反イ方向に移動すると、ストッパー46が前板35に当接し、移動軸42はケース23と共に移動して図13の状態を経て図4の状態に至り、移動軸42の後端の係合軸47に係合部材48が係合する。
【0014】その後ケース23のみが図4からイ方向に移動し、シャッター29は停止状態となり、シャッター29の種子嵌合孔30に対して底板28の排出口27が近付いて一致し(図5)、種子11が排出口27を通ってホース32内に落下する。その後、ケース23が更にイ方向に移動すると、落下部33の落下口34と各ポット2の透孔6とが一致し播種される。このとき、シャッター29の取付腕41に規制部材51が当接しており(図5)、ケース23が更にイ方向に移動すると、連通口27と排出口27が一致したまま回動し(図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11)、ケース23が図12の状態に移動すると、ワッシャー52がシャッター29の移動を停止させ、連通口27と排出口27とを不一致にして、種子嵌合孔30に種子11を嵌合させる。
【0015】したがって、ケース23の前後板35、43と、ホッパー25と、シャッター29の取付腕40、41と、スットッパー46と、係合軸47と、係合部材48と、ワッシャー49と、規制部材51及びワッシャー52を、前記作動をするように配置する。 しかして、前記シャッター29は、前記種子嵌合孔30の大きさの相違するものを数種類用意し、着脱交換自在に構成する。シャッター29と前記前板35の間には空間部67を形成し(図16)、該空間部67には種子受箱66を設ける。種子受箱66はシャッター29上の種子11を取除くとき使用するものであり、前記ケース23の側板68、68と同じ幅の左右方向に長い箱形状に形成され、上部には係合部69、69を形成する。係合部69、69は、種子受箱66を上方より前記空間部67内に挿入すると、側板68、68に係合する。この状態で、前記シャッター29の上面と同一高さになる開口部70を種子受箱66に形成し、別途設けたブラシ71によりシャッター29上の種子11を種子受箱66内に掃き入れる。
【0016】しかして、前記ケース23には、落下口34の手前に落下口34と同一間隔で下方に突き出る突起群75を着脱交換自在に設ける。突起群75は前記落下口34が前記ポットシート1の各ポット2の透孔6に合致したとき、その手前の各ポット2の透孔6に合致して透孔6より内部に侵入して前記窪み10を形成する。なお、ポットシート1のポット数によって、落下口34を有する落下部33と突起群75の数の相違するものを用意して選択使用する。しかして、特殊なポットシート1を除き、通常は、ポット2を横9列、縦8列に形成したポットシート1を縦に2枚並べて載置するから、ポット2の数は横9個、縦16個である。実施例の落下部33に形成される落下口34は、横は9個であり、縦は4個並設し、1度に縦4列のポット2に種子11を播種できるようにしてあるので、4回の反復で一個のポットシート1に播種される。
【0017】図6に示したように、前記移送コンベア14により移送されるポットシート1を嵌合させた先行育苗箱8と後行育苗箱8とを、従前のように隙間無しで移送すると、先行育苗箱8と後行育苗箱8の間のポットシート1が存在しない部分に種子11を蒔くことになるばかりでなく、ポット2と前記落下口34の同期も狂うので、前記移送コンベア14の移送突起54は、前記先行育苗箱8の後端部55と後行育苗箱8の前端部56との間に前記落下部33と同一幅の間隔L(本実施例では縦4個のポット幅)を有して移送し、その間播種は中断し、ポット2と前記落下口34の位置がずれないようにする。即ち、前記係合部材48を取付けた横軸63に支持アーム57の後端を軸止し、支持アーム57の前端に感知ローラー58を設ける。感知ローラー58は前記育苗箱8の側縁の上面に接触すると(図4)、移動軸42の係合軸47が係合部材48に係合し(クラッチ入)、前記先行育苗箱8の後端部55と後行育苗箱8の前端部56との間の間隔Lのときは、感知ローラー58が下降して支持アーム57は回動せず、係合部材48は係合軸47が係合しない位置に退避するので(クラッチ切)、前記したシャッター29と底板28の相対移動が行なわれず、播種されない。
【0018】前記支持アーム57の所望の位置には、該支持アーム57を手動で上下させて前記クラッチを手動で入切させうる手動切替装置64を設ける(図15)。手動切替装置64は、前記フレーム24に円弧孔72を形成し、該円弧孔72にピン73を挿入する。ピン73はアーム74の上端に取付け、アーム74の下端をフレーム24に回動自在に軸止し、アーム74を後側に回動させると、ピン73が円弧孔72内を移動して支持アーム57を上動させ、係合部材48を係合軸47との係合位置に位置させ(クラッチ入)、係合部材48は前記したシャッター29と底板28との相対移動を行なわせ、ホッパー25内の種子11を全部排出させる。したがって、支持アーム57は、間隔Lを置いて移送したポットシート1に合わせて自動的に前記クラッチを入切りさせ、手動切替装置64によりクラッチを入にして残留種子を取除くとき、装置の試験等を行なうのである。
【0019】図18は、突起群75の第2実施例であり、前記ケース23の落下口34の後側には押圧突起75a、75b、75c群を設ける。押圧突起75a、75b、75cは縦軸76の下部に形成し、中間押圧突起75cは縦軸76の上部を取付板77の下面に固定し、前側の押圧突起75aと後側の押圧突起75bは縦軸76の中間部よりやや下方部分を横軸78により取付板77に回動自在に軸着し、縦軸76の上端は取付板77に形成した透孔79より上方に突出させ、バネ80の一端を取付軸81により係止する。牽引バネ80の他端は取付板77に対して上下動自在のセンサー軸82の牽引ピン83に係止する。センサー軸82の下部は取付板77の下面より下方に突出させてセンサ体(ローラ)84を取付け、センサー軸82の上部は取付板77に設けた受体85に挿通させ、受体85と牽引ピン83の間のセンサー軸82にはセンサ体84を下方に位置させるように付勢する下降バネ86を設ける。
【0020】前記押圧突起75a、75bは、センサー軸82が上動して牽引バネ80が牽引して起立するので、センサー軸82のセンサ体84がポットシート1の上面に載ると、牽引バネ80を牽引して起立させるが、センサ体84がポットシート1の上面より下降すると、牽引バネ80を弛めて押圧突起75a、75bを傾斜させ、同様にセンサ体84がポットシート1の上面に載っていても取付板77が所定間隔上動すると、取付軸81が牽引ピン83に近付いて牽引バネ80を弛めて押圧突起75a、75bを傾斜させる。したがって、図17のように、先行ポットシート1と後続のポットシート1の間に間隔が開いているときは勿論のこと、ポットシート1に対して上方に位置するときも牽引バネ80を弛めて押圧突起75a、75bを傾斜させる。そのため、センサー軸82に対するケース23の上下幅を、クランク37の長さにより設定する。87は前側押圧突起75aと後側押圧突起75bの起立状態を保持するストッパである。しかして、前記取付板77は、落下口34に合わせて押圧突起75a、75b、75cの数と間隔の相違するものを数種類用意して交換使用し、例えば、ポット2が20個のときは、4個の落下口34および押圧突起75a、75b、75cとし、ポット2が18個のときは3個の落下口34および押圧突起75a、75b、75cとする。なお、覆土供給装置や灌水装置等は省略してあるが、これらを設けることもあり、また、覆土供給装置により各ポット2の隙間に目土を供給することもある。
【0021】
【作用】次に作用を述べる。育苗箱8内に上面5を上にしてポットシート1を置いて嵌合させ、この状態の育苗箱8を移送台12の始端部に供給すると、移送コンベア14により移送され、土供給装置15の下方で 振動装置16の角ローラー18により育苗箱8ごと振動を受けたポットシート1は上方より篩土9の供給を受け、篩土9は振動によりポット2内に十分に充填され、均平体20により余分な土が除去され、次に2段の均平ブラシ21によりポット2の上面5の余った土を後続のポット2に掃き戻し、ポット2の上面5を均平して仕上げする。次に、具体的作用は後述するが、種子供給装置22の落下口34がポットシート1の各ポット2の透孔6と合致するのと同一理由により、落下口34の手前に落下口34と同一間隔に設けた下方に突き出る突起群75が、各ポット2の透孔6より内部に侵入して各ポット2の上面5の内部に窪み10を形成し、該窪み10に種子供給装置22により種子11が供給されて播種される。したがって、ポットシート1は反転させなくてもよく、また、ポット2内に十分な土を供給できるので、播種後の育苗にも問題は生じない。即ち、振動させながら土9を供給することでポット2内への供給量を十分に確保できるので、上側が狭く下側が広い状態でポット2を移送しながら土供給でき、そのため、ポットシート1の反転作業を省略でき、育苗中に苗の根は次第に広くなるポットにより根詰まりが防止できて良好に成長し、作業の面倒の解消と良好な育苗条件の確保とを両立させる。
【0022】しかして、種子供給について説明すると、ポットシート1は移送コンベア14によりイ方向に一定速度で移動され、種子供給装置22の方は、歯車39により回転する回転軸38の回転がクランク37を介して種子供給装置22を反復円移動させているから、種子供給装置22のイ方向移動時は育苗箱8と同一速度で移動することになり(図4)、種子供給装置22の最下端の落下部33に形成した移送方向に4個の落下口34は4個のポット2の窪み10と一致したまま移動することになる。
【0023】そこで、種子供給装置22のイ方向移動時、シャッター29の種子嵌合孔30に排出口27を一致させると、1粒ずつの種子11はホース32と落下口34を通って各窪み10に供給される。即ち、図11から図12に至るとき種子嵌合孔30内に種子11が嵌合し、移動軸42に固定されたストッパー46が前板35に当接する。すると、バネ45の弾力と前記ストッパー46とにより移動軸42はケース23と共に移動して、移動軸42の後端の係合軸47が係合部材48より後方に位置し(図13)、ケース23が反矢印イ方向に移動して図4の状態に至り、移動軸42の後端の係合軸47が係合部材48に係合する。ケース23のみはバネ45を縮小させながら図4からイ方向に移動するが、移動軸42は係合軸47が係合部材48に係合しているので移動せず、移動するケース23の底板28の排出口27が、図5のように、種子嵌合孔30に一致して、排出口27を通って種子11がホース32内に落下する。種子11がホース32内を落下中に、更に、ケース23がイ方向に移動して、落下部33の落下口34とペーパーポット1の透孔6とが一致して播種される(図6)。
【0024】しかして、排出口27と種子嵌合孔30とが一致して播種されるときには、シャッター29の取付腕41に規制部材51が当接しており(図5)、ケース23が更にイ方向に移動しても、連通口27と排出口27が一致したまま回動するが(図5、図6、図7、図8、図9図10、図11)、ケース23が図12の状態に移動すると、ワッシャー52がシャッター29の移動を停止させ、ホッパー25と底板28のみがシャッター29に対して反イ方向に移動して、種子嵌合孔30の上方にある均平ブラシ26が退避して種子嵌合孔30内に種子11が再び嵌合する。
【0025】しかして、ポットシート1の移動は引続き行なわれるが、ケース23は、全体的に反イ方向に移動してから前記イ方向移動を反復するので、つぎは5個目以降の4個のポット2に合致し、再びポットシート1と種子供給装置22は共に同速度でイ方向に移動し、前記したのと同様の播種作業を行う。しかして、前記作業を通常4回反復すると、1個のポットシート1全体の縦のポットの数は通常16個のため全部につき播種することができる。そこで、係合部材48の支持アーム57の前端には感知ローラー58が設けられているから、前記ポットシート1を嵌合させた先行育苗箱8の後端部55と後行育苗箱8の前端部56との間の間隔Lのときは、感知ローラー58が下降し、係合部材48は移動軸42の係合軸47が係合しない位置に退避してクラッチ切にするので、前記したシャッター29と底板28の相対移動が行なわれず、播種されない。
【0026】前記播種作業において、種子11は種子嵌合溝31に一列に入り、次に、均平ブラシ26が退避して種子嵌合孔30内に嵌合するが、種子嵌合溝31の上方の種子11がブリッジ状態になると、種子嵌合溝31に入らないことになるが、左右方向に長い均平ブラシ26を前後に所定の間隔を置いて設け、各均平ブラシ26の前後の中間位置には均平ブラシ26と平行の軸線部材により形成したブリッジ防止体53を設けているから、シャッター29とブリッジ防止体53との相対移動により種子嵌合孔30上の種子11が攪拌され、最下層の種子11が攪拌されることで、ブリッジを確実に防止でき、各種子嵌合孔30に種子11が必ず嵌合して播種精度を向上させる。
【0027】また、各均平ブラシ26の間に軸形状のブリッジ防止体53を略平行状態に設けているから、ブリッジ防止体53とシャッター29とを簡単に相対移動関係にすることができ、種子11の攪拌を良好にしてブリッジを確実に防止できる。即ち、左右方向に長い均平ブラシ26を前後に所定の間隔を置いて設け、各均平ブラシ26の前後の中間位置には均平ブラシ26と平行の軸線部材により形成したブリッジ防止体53を設けているから、均平ブラシ26の間の貯留されている種子11はブリッジ防止体53により攪拌されてブリッジが発生するのを防止し、確実に播種する。また、シャッター29の摺動方向に対して交差方向に長い均平ブラシ26の間にブリッジ防止体53を略平行状態に設けているので、シャッター29が摺動する度に種子11に当接するので、ブリッジが発生するのを確実に防止できる。また、前記したように、シャッター29の上面の略一粒の種子11が嵌合する深さの種子嵌合溝31の溝底に前記種子嵌合孔30を形成し、均平ブラシ26の下端は種子嵌合溝31の溝底を摺接するから、均平ブラシ26により種子嵌合溝31の詰まりを防止しながら、ブリッジ防止体53によりブリッジ発生を防止するから、均平ブラシ26とブリッジ防止体53との相乗作用により確実に播種できる。
【0028】ブリッジ防止体53はシャッター29の上面から種子11より低い位置に設けているから、種子嵌合溝31の溝底にある種子11は、シャッター29が摺動することにより相対的に必ずブリッジ防止体53により攪拌されることになり、ブリッジ発生を防止できる。しかして、種子11は、レタス等の野菜種子をコーティングしたものであり、同一品種であっても種子自体の大きさが相違するばかりでなく、コーティングの厚さによっても、その大きさが相違する。そこで、レタスを播種後、白菜の種子を播種するときは、ホッパー25をケース23から外し、底板28上のシャッター29を外し、他の種子11の大きさに合う種子嵌合孔30のシャッター29に交換する。
【0029】この場合、シャッター29と前板35の間に空間部67を形成してあるから、ホッパー25を外し、シャッター29の上面を露出させ、種子受箱66を上方より前記空間部67内に挿入し(図16)、種子受箱66の係合部69、69を側板68、68に係合させると、種子受箱66の開口部70はシャッター29の上面と同一高さになる。この状態で、ブラシ71によりシャッター29上を掃くと、種子11は開口部70から種子受箱66内に掃き入れられ、簡単にシャッター29上の残留種子11を取除ける。しかして、前記支持アーム57には、手動で前記クラッチの入切させる手動切替装置64が設けられているから、ツマミによりアーム74を後側に回動させると、ピン73が円弧孔72内を移動し、支持アーム57の下面に当接し、更にピン73が円弧孔72内を移動すると、ピン73は支持アーム57を上動させて係合部材48を係合軸47との係合位置に位置させ(クラッチ入)、係合部材48は前記したシャッター29と底板28との相対移動を行なわせ、シャッター29の種子嵌合孔30に嵌合している種子11を排出させる。
【0030】また、作業開始時に、手動切替装置64をクラッチ入にすると、ポットシート1を移送させなくても播種作業の試験を行なえる。図18の突起群75の第2実施例では、前記ポットシート1の各ポット2の床土4の上面は、円移動で徐々に下降してくる取付板77の押圧突起75a、75b、75cにより押圧されるが、押圧突起75a、75b、75c群のうち前側押圧突起75aと後側押圧突起75bは退避するように構成しているから、下降するときポット2の側部を潰さずに、透孔6のみからポット2内に侵入する。即ち、図16のA位置に取付板77が位置すると、センサー軸82は下降バネ86の弾力により下降して、牽引ピン83と取付軸81とは相対的に近づくので、牽引バネ80は緩んで押圧突起75a、75bの縦軸76を傾斜させて退避し、ポット2の上方位置に至るとケース23が下降して取付板77がB位置となってセンサー軸82の牽引ピン83が牽引バネ80を牽引して縦軸76を起立状態にし、各ポット2を押圧する。
【0031】したがって、移送方向に複数のポット2を同時に押圧して、播種ができる。また、取付板77がB位置であっても、先行の育苗箱8の後端が通過すると、下降バネ86がセンサー軸82を下動させて、育苗箱8の側壁上面より低くセンサ体84が下動するので、牽引ピン83と取付軸81とが近付いて引張り牽引バネ80が緩みロッドと同様に作用して縦軸76を横軸78中心に回動させ、前側押圧突起75aと後側押圧突起75bが退避する(前後の突起数に無関係に前側押圧突起75aと後側押圧突起75bを退避させればよい)。そして、後続の育苗箱8にセンサ体84が乗り上げると、上動したセンサー軸82の牽引ピン83が牽引バネ80を牽引して縦軸76を起立状態にし、各ポット2を押圧する。以上のように、押圧突起75a、75b、75c群のうち前側押圧突起75aと後側押圧突起75bは退避するように構成しているから、ケース23の上下幅を小さくしても、確実に押圧でき、種子供給装置22のフレーム24全体を小型にできる。
【0032】
【効果】本発明は、上面5に透孔6を有し上側を狭く下方に至るに従い広くなるポット2の下縁3を連結部4により縦横連結して形成したポットシート1を前記透孔6が上になる状態で移送し、移送中のポットシート1を振動させながら前記透孔6よりポット2内に上方から土9を供給し、次に、前記透孔6よりポット2内に突起75を上方から挿入して窪み10を形成し、該窪み10に上方より一粒または複数粒の種子11を供給するようにしたポットシートの播種方法としたものであるから、振動させながら土を供給するので、ポットシート1を反転させなくても十分に供給して播種できるので、上側が狭く下側が広い状態のポット2により根詰まりを防止できて良好に成長させることができ、窪み10の形成も突起75によりできるので、作業を簡単にできる効果を奏し、それゆえ、ポットシート1への土の供給、種子の供給を、ポットシート1を反転させることなく連続してでき、作業効率を向上させる効果を奏するだけでなく、作業の面倒の解消と良好な育苗条件の確保とを両立させる効果を奏する。本発明は、往復円移動する前記突起75が下降しながら前進するときにその下方を同期移動する各ポット2の透孔6よりポット2内に上方から挿入して窪み10を形成し、往復円移動する種子供給装置22の落下口34が下降しながら前進するときにその下方を同期移動する各ポット2の透孔6より一粒または複数粒の種子11を供給するようにしたポットシートの播種方法としたものであるから、各ポット2への突起75の挿入および落下口34の一致を確実にでき、播種精度を向上させる。即ち、ポット2と突起75および落下口34とを容易に同期移動させることができ、また、これにより相対的に停止状態で窪み10の形成および播種ができることになって、播種精度を向上させる効果を奏する。本発明は、上面5に透孔6を有し上側を狭く下方に至るに従い広くなるポット2の下縁3を連結部4により縦横多数連結してポットシート1を形成し、前記透孔6を上にしてポットシート1を嵌合させた育苗箱8を移送する移送台12を設け、該移送台12の始端部に上方から各ポット2に土9を供給する土供給装置15を設け、該土供給装置15の土供給位置の略下方位置に土供給中のポットシート1を振動させる振動装置16を設け、該振動装置16の移送方向前側には、上下方向の排出口27を複数有する横板状の底板28と該底板28上面を摺動して前記排出口27と一致する上下貫通の種子嵌合孔30を有するシャッター29と該シャッター29上に設けたホッパー25とを設けたケース23と、前記各排出口27に接続され前記ポットシート1の各ポット2の透孔6と同一の間隔を有して形成された落下部33の落下口34とを有する種子供給装置22を設け、前記落下口34の手前には該落下口34と同一間隔で前記透孔6よりポット2内に上方から挿入して窪み10を形成する突起75群を設けたポットシートの播種装置としたものであるから、上方から土の供給を受けているポットシート1を下方の振動装置16により振動させながら供給するので、ポットシート1を反転させなくても十分に供給でき、落下口34と同一間隔の突起75を夫々同期させて移動させると、移動中のポット2に窪み10を形成し、次に種子11を供給でき、作業を簡単にできる効果を奏し、それゆえ、ポットシート1への土の供給、種子の供給を、ポットシート1を反転させることなく連続してでき、作業効率を向上させる効果を奏するだけでなく、上側が狭く下側が広い状態のポット2により根詰まりを防止できて良好に成長させることができ、作業の面倒の解消と良好な育苗条件の確保とを両立させる効果を奏する。本発明は、前記落下口34と突起75群は一体状に設け、該突起75群および前記落下口34は各ポット2の透孔6と同期して移動するように、往復円移動するように構成したポットシートの播種装置としたものであるから、ケース23に突起75群および前記落下口34を設けることにより二つの作業を同一機構で作動させ、作動を確実にさせ、コストも低くし、また、窪み10の形成および種子11の供給を機械化でき、作業を簡単にできる効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000132219
【氏名又は名称】株式会社スズテック
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−9018
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−187672