| 【発明の名称】 |
稲作用籾貼着紙巻取の田敷き方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 恭介
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】籾を一つずつ規則正しく配列して之を非水溶性糊剤によって2枚の紙の間に貼着した長尺紙の巻取を田に敷く所謂、田植え無用雑草不毛収量増加の稲作農法、並びに之と類似の稲作農法に於いて、田敷き(通常稲作の田植えに相当)の際、前以て平滑に均された田に、予め測定した田の長さに略等しく切断した該巻取の籾貼着紙を、別に設けた巻芯ロールに巻き付けた後、この仕事の作業者が殆ど田に入る事なく該ロールを転がしながら籾貼着紙を田に敷く事を特徴とする、籾貼着紙巻取の特殊な田敷き方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、出願公開番号、特開平8−214715,特開平8−275683に示す新稲作法、並びに之と類似の稲作法に於いて、この長尺紙を、スムーズに且つ確実に田に敷く方法に関する。 【0002】 【従来の技術】先ずこの発明の元となる稲作法について簡単に述べると、この稲作法は、籾を非水溶性糊剤にて、2枚の紙(上面紙には発芽窓を設ける)の間に、サンドイッチ状に、一つずつ一定間隔に貼着した長尺紙を田に敷き詰めて、雑草の生成を防止すると同時に、籾の発芽後の状態が、あたかも通常の田植法による稲作に於いて、苗を比較的短い定間隔に、規則正しく一本植えしたものと同じ状態を実現する為、田の単位面積当りの苗本数が大幅に増加するにも拘わらず、その干渉作用が極力排除される事から、無(又は低)農薬米を従来より大幅に増収可能にしたものである。(以後之を本文に限り便宜上発明者の名に因んで、カトー式稲作法と略称する) 【0003】この籾貼着巻取を田に敷く従来の方法としては、例えば畦のような田の外で、予め該巻取を田の長さに略等しく切断し、この両端を2人の作業者が持って、少したるみ勝ちになる長尺紙の中央部は、田の上を滑らせるようにして、所定の位置へ移動させ、両端を少し端折って、その上を長尺釘等により田に固定する方法が行われた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、田の長さが比較的短い所では容易に行う事が出来たが、田長が或程度以上に長くなると中々難しくなる。従って従来の方法は、田の長さが、例えば20m以内程度の小さな田圃に、しかも乾いた長尺紙を敷く時にのみ可能であった。殊に現在行われている、貼着した籾の発芽を早め、且つ巻取の田への沈着を良くする為に、田に敷く前に予め籾貼着紙巻取を湿潤させて籾を萌芽状態にしたものを敷く場合は、田の長さが短い場合でも紙全体の強度が弱くなっている為、紙が切れ易く、もっと安心して確実に籾貼着紙巻取を田に敷く方法が望まれていた。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、従来法と同様、予め之から敷く田の長さに略等しく巻取を切断するが、その後は之を一旦別のロールに巻き替えて、このロールを、作業者が田の中へ入る事なく、田の上を転がして敷く方法である。通常この籾貼着紙巻取は、例えば重袋用未晒クラフト紙の如き、比較的強度の高い表面紙と、例えばキッチンタオル単葉紙の如き、比較的強度の弱い裏面紙の間に、サンドイッチ状に籾が貼着されているので、籾保護の為にも該巻取は表面紙を外側にして巻かれている。また田に敷く時も、発芽窓のある表面紙が上面になり、根の貫通し易い裏面紙を下にして田に敷かねばならない。従ってこの巻取ロールを転がして田に敷く時は、裏面紙が外側になった、即ち表裏を逆にした巻取に巻き変える必要がある。従ってこの発明は、一例として次項に詳しく説明する装置等を利用して該巻取の表裏を反転させて巻き直しながら、その作業の過程に於いて、予め測定しておいた田の長さに略等しい所で長尺紙を切断し、切断後も後続の紙をその上に更に幾つか重ね巻きした巻取ロールを作り、之を作業者が田に入らなくてもよい方法にて、巻取を転がし、行き着く田の端でUターンさせて、籾貼着紙をスムーズに且つ確実に田に敷き詰めるようにしたものである。 【0006】こゝで疑問が残るとすれば、初めから巻取を田の長さに切断したものを幾つか重ね巻きしなくとも、籾貼着紙を製造する時に、初めから反転巻きした長い巻取を作り、之を作業者が田に入らない方法で田に転がし、Uターンする際に切断すればよいではないか、という考え方である。この方法の欠点は、先ず第一に巻取が重過ぎて、下が泥田の場合は泥田の中へ沈み易く、作業性が可成り悪くなる。第二はUターンの際に田の中で巻取を切断するのは、田の外で切断するより難しい。第三に、之が致命的な問題であるが、田の上を転がし且つUターンを繰り返して、田の中の途中で巻取紙が無くなった時、田の中へ入らないでその巻取を繋ぐ事は殆ど不可能に近い事である。この発明の方法では、籾貼着紙の継ぎ足しは、田の外で粘着テープを使用して簡単に行う事が出来る。籾貼着紙の場合は、籾保護の為にも、丈夫な表面紙を外側にした巻取を作るべきであり、之を田に転敷きする準備の為の反転巻きをする過程に於いて、前以て所定長に切断する、というこの発明の方法は可成り合理性がある。 【0007】 【作用】このカトー式稲作法を実施するに当っては、先ず田を平滑にする必要がある。通常の田植法の稲作の場合でも、田植えを行う前には、出来るだけ田土を軟らかくして、その後に植える苗根の成長を促進する為に、田に水を引いて少し軟らかくなった所で更に水と土を混練り且つ略平滑にするしろかきを行う。しろかきの後は、水の存在により田の水平度がわかり易くなる事から、人為的に田圃全体の水平性をチェック出来る為、大凡田は水平に保持される事になる。しかしカトー式稲作では、その上に籾貼着紙を敷かねばならないので、出来ればより一層の平滑性が望まれる(勿論そのまゝ田敷きをする事も可能である)。また田を出来るだけ平滑にする作業である以上、作業者が田に入る事は出来ないので、カトー式稲作法を実施する初期段階の、田を平滑にする方法の一例として、図1,図2の如き田にローラーをかける方法がある。 【0008】このしろかき後に更に田圃を平滑にする方法として使用するローラーは、図2に示す如く、ローラーの芯となる細いパイプ1を貫通する紐が外へ出て2と3に分かれ、之等は共に田の長さを超える長寸を持ち、図2の如く、作業者4と5の2人によって、交互に牽引が行われる。この時の田圃の状況は、土の上にすれすれに水が張られ、田の半分位には水の上に土が露出している状況にあるので、ローラーを作業者4,5が通常1往復交互牽引を行えば容易に極めて平滑になり、通常の田植方式より水を少なくするので、その状況を目で確認する事が出来る。たゞ、この時使用されるローラーは、図1−(1)の如く、ローラーの表面を若干の間隔を空けた多数の線状金属で被った物や、図1−(2)の如く、多数の孔明け金属円筒板で被われた物等の如き、ローラーがけの際に、水波動を減殺する構造の方が、より効果的である。このような方法により、カトー式稲作法では、通常の田植方式より田の水分を少なくしてしろかきを行うと同時に、田を一層平滑にし、その田の上にこの発明の方法に従って、籾貼着紙の適当量を反転巻きしたロールを田に転がして田敷きを行う。 【0009】この発明に使用する所要長の反転巻きした籾貼着紙ロールを、簡単に作り得る事の具体例として、図3にその装置の1例の見取図を示す。図3に於いて10はこの装置を構成する金属製枠の総称。その中で11,12及び13により、各巻取の芯棒の外径より僅かに大きい芯棒挿入孔14を形成する。この装置を使用するには、先ず籾貼着紙巻取15の芯棒16を芯棒挿入溝14へ挿入し、その上に反転巻取17の芯棒18を挿入し、巻き始めは、芯棒18がセットされた巻芯19を巻取15の上にのせ、巻取15の紙の端末を巻芯19に中心部を1箇所貼着し、巻取長測定用タコメーター20をセットし、巻取15の芯棒16の先端にある角芯21に、回転ハンドル22を装着して矢印の方へ回転させると、図の如く反転巻取17が形成される。之は通常紙の巻き換えの際に行われる、下の巻取と上の巻取の接触摩擦によって上のロールが回転し、下の紙が上のロールに巻き取られるという、所謂サーフェースワインディングをそのまゝ利用したものである。殊にこの巻取紙は籾がくっ付いている事や、先述の発芽促進の為の湿紙状況にある場合もあって、上下巻取の摩擦は充分にある事から、スムーズに反転巻取17が形成される。タコメーター20の計示が田の長さを少し超えた所で巻取を切断する。そして図4の如く、切断後の下の巻取15の切断端23を少し繰り出して、上の巻取17の端末から20cm程中へ食い込ませて、再び回転ハンドル22を廻して巻き付け、所定長の所で切断する。之が田の折り返し転敷き分となる。反転巻取17に田の幾往復分を巻くかは、田の長さや作業者の好みによって決まる。通常は1つの反転巻取17を田敷きしている間に、他の作業者が図3の装置により次の反転巻取を作り、田敷き作業を円滑に進めるようにする。勿論作業者の好みによっては、片道分だけの反転巻取を多数個次々に作り、田敷きする場合もある。 【0010】図5は籾貼着紙巻取、即ち図3の下部巻取15を説明する為の断面図である。図5に於いて巻取15は初めから巻芯25の上に巻かれており、之を図3の装置にかける為には、芯棒16を出来るだけ簡単な方法により巻芯25にセットし、籾貼着紙巻取15の取り換えを迅速に行いうる構造でなければならない。図5はそれを説明する為のものである。図5−(2)に於いて、巻芯装着円盤26は、27の部分で芯棒16に溶接固定されている。26の反対側の巻芯装着円盤28はフリーであり、左方より巻芯25を固定円盤26へ嵌入後、巻芯25の左端へ28を押入すると、之で巻芯と芯棒は一体となり、極めて簡単な操作で籾貼着紙巻取を図3の装置にかける事が出来る。 【0011】次に反転巻取ロール17の芯棒18の中には、図6の如く田長を超えるエンドレスの長い紐が貫通して2本の牽引紐30,31を形成するが、この2本の紐を田の畦道の一方から引っ張る事により、ロール17を転がらせて、籾貼着紙を田に敷く事が出来、ロールが田の一方の端に到達すると、丁度巻取の切断箇所が出て、田圃の往路を敷き終える事になるので、次にこのロール17をUターンさせて復路の田敷きを行う。この時2本の牽引紐30,31は反対側へ送る必要があり、例えばその一方法として図6の如く、傾斜した懸垂紐32に通した滑車33に吊り下げて、牽引紐を反対側へ運ぶ方法がある。このようにして籾貼着紙を反転巻きしたロールを田に転がしながらスムーズに田敷きを完了する事が出来る。 【0012】 【実施例】今回田敷きに使用した籾貼着紙巻取は、表面紙約75g/m2の重袋用未晒クラフト紙,裏面紙は約15g/m2のキッチンタオル単葉紙(共に王子製紙製品)。巻取幅約1210mm,長さ約200m,重さ約24kg。田面積25m×33m。田敷き前の籾貼着紙巻取の前処理として、巻取を前以て湿潤させて、貼着した籾を萌芽状態にしたものを田敷きした。田敷き前の田圃の前処理としては、水を少な目にしてしろかきをした後、図1−(2)の如き無数孔明け、長さ約1.5mのローラーを使用して、1往復毎に幅1mずつ移動させながら、田圃を可成り平滑にする事が出来た。この時の田圃の状況は、きれいに均された泥田で、且つ泥田の上にフリーの水は殆ど見当たらない状況となった。この上に前項の方法により、長さ約25m強に切断したものゝ2往復分を巻き取った反転巻取ロールを転がして田敷きを行った。田敷き後の長尺紙の端は、断面が8mm角、長さ約1mの真ちゅう棒を紙の端に巻き付けて重しとし、この後に田へ水を導入した時の長尺紙の端部の浮動を押さえた。その後水を田表より10mm〜15mmの高さ迄導入した所、田の中心部では長尺紙が表面に浮く状態が観察された。しかし約3日間で、籾貼着紙の大部分が水面下に沈下し、同時に既に萌芽状態にあった籾が発芽して、1〜2cmに成長するのを観察した。尚本例は通常の湿田即ち泥田にこの発明の方法を適用した例を挙げたが、しろかき後、一旦水を切って半乾状態にした比較的硬い田に、この方法を用いる事は充分可能であり、この方が極めて容易であるが、その後の稲の成長度が劣るとされて、通常は余り実施されない。 【0013】 【発明の効果】先ず従来法で田敷きを行う時は、長尺紙が作業中に切れたり、目的の箇所に紙が敷けなかったりする不都合を避ける為の特別な技術の修得が必要であったが、この発明の方法では、落ち着いてゆっくり行えば誰でも上手な田敷きが可能となるので、カトー式稲作法の普及に大きな効果がある。次にこの発明の方法に従って籾貼着紙を田に敷く時は、通常極めて平滑にして且つ軟らかい田の表面に、巻取を転がしつゝ敷くので、自然に田と紙の間の空気が排除され、従来法では完全に除去する事の難しかった、紙と田の間の空気の除去を、略完全に行う事の出来る事から、籾貼着紙の田土への沈降定着が容易になり、発芽した苗根の定着が早まる効果がある。又小さな田圃で田敷きを行う場合は、例えば畦道等で、必要な数往復分の籾貼着紙を反転巻取にセットする事が出来、自動田植機の田植えより可成り速く田敷きを完了する事が出来る。 【0014】
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| 【出願人】 |
【識別番号】393031003 【氏名又は名称】加藤 恭介
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月23日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−9013 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月19日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−202106 |
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