トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】中 尾 敏 夫

【要約】 【課題】燃料ポンプ及びフィルタなどエンジンメンテナンス必要部品の保守点検や作業操作を容易に可能とさせる。

【解決手段】走行車体の最前部近傍に水冷式エンジン(2)を搭載した田植機において、走行車体最前部にバンパー(84)を開閉自在に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体の最前部近傍に水冷式エンジンを搭載した田植機において、走行車体最前部にバンパーを開閉自在に設けたことを特徴とする田植機。
【請求項2】 バンパーの後方にエンジンのメンテナンス必要部品を配備させたことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【請求項3】 燃料タンクの前方にエンジンのメンテナンス必要部品を集中配備させたことを特徴とする請求項2記載の田植機。
【請求項4】 走行車体の左右略中央に水冷式エンジンを搭載した田植機において、エンジンの左側に燃料タンクを、また右側に排気マフラーをそれぞれ配設すると共に、エンジンの後側にラジエータを配設したことを特徴とする田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は苗載台及び植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、エンジンのメンテナンス必要部品である燃料フィルタ・燃料ポンプ・ラジエータ水用ドレン・燃料タンクドレンなどにあっては、エンジンや燃料タンクの周辺に配備されていて、これらの保守点検や操作を車体外側から行う場合非常に遣りずらいという不都合があった。またエンジンを車体略中央に配置させて、燃料タンクをエンジンの左右一側に配置させた場合、車体の左右バランスが不均衡となる不都合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、走行車体の最前部近傍に水冷式エンジンを搭載した田植機において、走行車体最前部にバンパーを開閉自在に設けて、車体の前後バランスを良好とさせると共に、バンパーの開放によってエンジン部の保守点検などを容易に可能とさせるものである。
【0004】また、バンパーの後方にエンジンのメンテナンス必要部品を配備させて、バンパーの開放によってこの後方に配備する燃料フィルタ・燃料ポンプ・ラジエータ水用ドレン・燃料タンクドレンなどエンジンのメンテナンス必要部品の保守点検や操作を容易に可能とさせるものである。
【0005】さらに、燃料タンクの前方にエンジンのメンテナンス必要部品を集中配備させて、エンジンのメンテナンス必要部品の保守点検や操作を作業場所を変えることなく同一作業位置で容易に可能とさせて作業性を向上させるものである。
【0006】またさらに、走行車体の左右略中央に水冷式エンジンを搭載した田植機において、エンジンの左側に燃料タンクを、また右側に排気マフラーをそれぞれ配設すると共に、エンジンの後側にラジエータを配設して、エンジンを中心として左右に燃料タンク及びマフラーを重心を低くバランス良好に且つコンパクトに配置させて、安定性を向上させると共に、ラジエータ冷却風の後方側からの取入れによって、雨水の混入する不都合を防止して、良好な冷却風の取入れを可能とさせ、また運転席位置でのエンジン騒音も低下させるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はエンジン部の平面説明図、図2は乗用田植機の側面図、図3は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、ディーゼルエンジン(2)を車体フレーム(3)前部上方に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ギヤ変速ケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、乗降ステップ(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0008】また、図中(15)は10条植え用の苗載台(16)並びに植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にヒッチ台(23)を設け、該ヒッチ台(23)をヒッチ機構(24)に連結させ、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含むリンク機構(27)後部にヒッチ機構(24)を取付け、走行車(1)後側にリンク機構(27)を介して植付部(15)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる昇降シリンダ(28)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0009】また、図中(29)は走行変速レバー、(30)は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、(31)は植付け感度調節レバー、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センターフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は10条用の側条施肥機である。
【0010】さらに、前記運転席(13)両側の車体カバー(12)両側に左右補助デッキ(37)(37)を固定させ、該デッキ(37)(37)前部に前記乗降ステップ(11)(11)を固定させ、前記補助デッキ(37)(37)後部の機外側に左右サイドデッキ(38)(38)を起伏自在かつ脱着自在に連結させると共に、6条用の中央施肥部(36a)と、各2条用の左右施肥部(36b)(36b)とに、前記施肥機(36)を分割形成し、右施肥部(36b)機外側に送肥ブロワ(39)を配設させ、運転席(13)両側にレバー(29)(30)(31)取付け位置を隔てて左右施肥部(36b)(36b)を収納する一方、6条分の中央苗台(16a)と各2条分の左右苗台(16b)(16b)とに苗載台(16)を分割形成し、苗台支点軸(40)(40)回りに左右苗台(16b)(16b)を上昇させて中央苗台(16a)上側に折畳み収納させ、また2条分の植付爪(17)…及びフロート(35)を備える左右植付ケース(20)(20)を中央苗台(16a)後側に略45度傾斜のケース支点軸(41)回りに回動させて折畳み収納させ、植付部(15)及び施肥機(36)の折畳み時には略6条巾とするように構成している。
【0011】図4乃至図7に示す如く、前低後高(傾斜角約4度)に傾斜させる前記車体フレーム(3)前部上面にゴム受台(42)…を一体固定させ、受台(42)…の前後方向が略水平な上面側に防振ゴム(43)…を介してエンジン台(44)を取付け、エンジン台(44)に前記エンジン(2)を上載させている。
【0012】また、前記車体フレーム(3)のエンジン後側位置にステアリングケース(45)を取付け、ハンドルコラム(46)に内挿させる操向ハンドル(14)のステアリング軸(14a)を、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央でステアリングケース(45)上面に立設させると共に、ステアリングケース(45)下面に出力軸(47)を突設させ、左右の前輪(6)(6)を方向転換させる操向アーム(48)を前記出力軸(47)に取付けている。
【0013】さらに、前記エンジン(2)後方の車体フレーム(3)上にラジエータ(49)を立設固定させ、エンジン(2)とラジエータ(49)間にラジエータファン(50)を配置させ、該ファン(50)の駆動軸(50a)などに伝達ベルト(51)を介し連動連結するエンジン出力軸(52)をユニバーサルジョイント付伝動軸(53)を介し直接的に後方のミッションケース(4)に連動連結させるもので、前記車体フレーム(3)後端部にリヤアクスルケース(7)をボルト止め固定させ、前記リヤアクスルケース(7)前面にミッションケース(4)後面を連結固定させると共に、ミッションケース(4)の右側前面にクラッチケース(54)を一体形成し、クラッチケース(54)前面に変速ケース(55)後面を嵌合固定させ、また昇降シリンダ(28)を作動させる油圧ポンプ(56)を変速ケース(55)の左側後面に固定させ、四角パイプ形の左右車体フレーム(3)(3)の間でこの上面よりも低位置に前記各ケース(4)(54)(55)及び油圧ポンプ(56)を吊下げ固定させ、前記伝動軸(53)を前記出力軸(52)後端と変速ケース(55)間に設け、エンジン(2)出力を変速ケース(55)に伝えると共に、フロントアクスルケース(5)とミッションケース(4)間に前輪伝動軸(57)を設け、ミッションケース(4)の変速出力を各アクスルケース(5)(7)を介して前後輪(6)(8)に伝えるように構成している。
【0014】図1及び図5にも示す如く、前記エンジン(2)の上部にエアクリーナ(58)を、配設するもので、エアクリーナ(58)を吸入管(59)を介しエンジン(2)に接続させると共に、エアクリーナ(58)に空気を取入れる吸気管(60)の吸気口(60a)をラジエータ(49)の後側位置に下向きに臨ませるように構成している。また排気マフラー(61)をボンネット(9)の右外側に配設して、取付部材(62)を介し右本体フレーム(3)にマフラー(61)を連結固定させ、マフラー(61)とエンジン(2)間をフレキシブル部(63a)を有する排気管(63)で接続させて、エンジン(2)の振動などがマフラー(61)に伝わるのを防止するように構成している。
【0015】図8、図9に示す如く、前記ラジエータ(49)の前面とボンネット(9)内壁間に3組の仕切板(64)(65)(66)より成る仕切壁(67)を張設して、ボンネット(9)内後部を空気取入室(68)に形成し、前記吸気管(60)の吸気口(60a)も取入室(68)に臨ませると共に、ラジエータ(49)とエンジン(2)と間を冷却水循環用ホース(69)で接続して、ボンネット(9)の後方より取入れた冷却風をラジエータ(49)を介しボンネット(9)内前部のエンジン室(70)に送り込んで主にマフラー(61)の下側より外方に排出させるように構成している。
【0016】図6、図7にも示す如く、前記エンジン台(44)は、エンジン(2)の左右側部にボルト(71)を介し固定する平面視門形の左右側板(72)と、側板(72)に基端を固設し先端裏面にボルト(73)を介し防振ゴム(43)の上面を取付ける傾斜状の前後受板(74)とを備え、車体フレーム(3)の上面及び側面の2面に基端を固設する前記受台(42)の傾斜上面にボルト(73)を介し防振ゴム(43)の下面を固定保持させて、エンジン(2)の振動など緩衝させた良好な支持を行うように構成している。
【0017】図10、図11にも示す如く、右側エンジン台(44)の前位置の防振ゴム(43)の略上方を遮蔽板(75)によって覆うもので、左右車体フレーム(3)(3)前端上方間を前フレーム(76)を介し連結する横フレーム(77)の右端と、右車体フレーム(3)上の受台(78)とに、側面視略L形状の遮蔽板(75)の前後端をボルト(79)止め固定すると共に、遮蔽板(75)の上面に断熱シート(80)を一体固着させて、エンジン冷却後の熱風が直接的にこの防振ゴム(43)にかかるのを防止すると共に、遮蔽板(75)の後下がりの傾斜上面(75a)によって空気の流れをマフラー(61)方向とさせて、マフラー(61)の冷却も良好とさせるように構成している。
【0018】図1、図12、図13に示す如く、前記エンジン(2)の燃料タンク(80)を、排気マフラー(61)とし反対側となるエンジン(2)の左外側に設けて、前ステップカバー(12a)の左右下側にこれらタンク(8)及びマフラー(61)を左右バランス良好に且つコンパクトに配置させるもので、左車体フレーム(3)と左ステップステー(81)と間に前後タンクステー(82)(83)を介し燃料タンク(80)を固定支持させている。
【0019】また前記燃料タンク(80)と該タンク(80)前方の前バンパー(84)との間にエンジン(2)のメンテナンス部品である燃料ポンプ(85)・燃料フィルタ(86)・ラジエータ水用ドレン(87)・燃料タンクドレン(88)を配置させると共に、燃料ポンプ(85)の上方に燃料コック(89)を配置させるもので、左車体フレーム(3)の左外側に突設する予備苗載台(10)用支持フレーム(90)に前タンクステー(82)下端を固設させ、前記燃料ポンプ(85)及び燃料フィルタ(86)を上下2段に取付けるポンプ台(91)を前タンクステー(82)の上端にボルト止め固定させ、エンジン(2)とフィルタ(86)間・フィルタ(86)とポンプ(85)間・ポンプ(85)とコック(89)間・コック(89)とエンジン(2)間をそれぞれ各燃料ホース(92)(93)(94)(95)で接続して、燃料タンク(80)内の燃料をフィルタ(86)及びポンプ(85)を介しエンジン(2)の燃料噴射部に送給するように構成している。
【0020】また前記ラジエータ水用ドレン(87)をポンプ(85)及びフィルタ(86)位置より後方で燃料タンク(80)の前端下側位置に配置させ、ラジエータ(49)の排出口にドレンホース(96)を介してドレン(87)を接続させる一方、前記燃料タンク(80)の前端下側の左外側位置で燃料タンクドレン(88)を支持フレーム(90)に連結支持させ、燃料タンク(80)の排出口にドレンホース(97)を介してドレン(88)を接続させて、各ドレン(87)(88)によってラジエータ(49)内の冷却水及び燃料タンク(80)内の燃料の抜取りを行うように構成している。
【0021】図14、図15に示す如く、前記燃料タンク(80)及び排気マフラー(61)の上部を覆う前ステップカバー(12a)の前端下側に前バンパー(84)を開閉自在に設けるもので、左右車体フレーム(3)の前端に取付台(99)を介し固設する前フレーム(76)の固定片(100)に、枢軸(101)を介し前バンパー(84)後面の取付板(102)の左右下端折曲部(102a)を回動自在に支持させると共に、前記取付板(102)の折曲部(102a)より外側で上方位置に形成するフック(103)に、前記取付台(99)の外側面に固設するパッチン錠(104)を係脱自在に係合させて、パッチン錠(104)の係合解除時に前バンパー(84)を下方向に回動して燃料ポンプ(85)・燃料フィルタ(86)・ラジエータ水用ドレン(87)・燃料タンクドレン(88)などの前面側を開放して、これらの保守点検や操作などを車体前方側からも容易に可能とさせるように構成している。
【0022】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、走行車体の最前部近傍に水冷式エンジン(2)を搭載した田植機において、走行車体最前部にバンパー(84)を開閉自在に設けたものであるから、車体の前後バランスを良好とさせると共に、バンパー(84)の開放によってエンジン部の保守点検などを容易に可能とさせることができるものである。
【0023】また、バンパー(84)の後方にエンジン(2)のメンテナンス必要部品(5)(86)(87)(88)を配備させたものであるから、バンパー(84)の開放によってこの後方に配備する燃料フィルタ(86)・燃料ポンプ(85)・ラジエータ水用ドレン(87)・燃料タンクドレン(88)などエンジンのメンテナンス必要部品の保守点検や操作を容易に可能とさせることができるものである。
【0024】さらに、燃料タンク(80)の前方にエンジン(2)のメンテナンス必要部品(85)(86)(87)(88)を集中配備させたものであるから、エンジンのメンテナンス必要部品(85)(86)(87)(88)の保守点検や操作を作業場所を変えることなく同一作業位置で容易に可能とさせて作業性を向上させることができるものである。
【0025】またさらに、走行車体の左右略中央に水冷式エンジン(2)を搭載した田植機において、エンジン(2)の左側に燃料タンク(80)を、また右側に排気マフラー(61)をそれぞれ配設すると共に、エンジン(2)の後側にラジエータ(49)を配設したものであるから、エンジン(2)を中心として左右に燃料タンク(80)及びマフラー(61)を重心を低くバランス良好に且つコンパクトに配置させて、本体の安定性を向上させることができると共に、ラジエータ冷却風の後方側からの取入れによって、雨水の混入する不都合を防止して、良好な冷却風の取入れを可能とさせ、また運転席位置でのエンジン騒音も低下させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開平11−4608
【公開日】 平成11年(1999)1月12日
【出願番号】 特願平9−176478