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【発明の名称】 乗用田植機のバッテリー取付構造
【発明者】 【氏名】中尾 敏夫

【要約】 【課題】乗用田植機に搭載されたバッテリーのメンテナンス作業を容易に行うことができるようにする。

【解決手段】バッテリーを搭載した乗用田植機において、車体フレーム3の前部に予備苗載台10を設けて、その下方にバッテリー搭載部72を配設し、該バッテリー搭載部72にバランスウエイト76とバッテリー74を搭載し、また、側条施肥部36に残った肥料を排出口36aより取り出す際に、肥料をバッテリーカバー80によって受け、該バッテリーのカバーと受部材を兼用した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリーを搭載した乗用田植機において、機体前部に予備苗載台を設け、該予備苗載台下方にバッテリー搭載部を配置したことを特徴とする乗用田植機のバッテリー取付構造。
【請求項2】 乗用田植機の車体フレームの前部より側方に支持フレームを突出し、該支持フレームにバッテリー搭載部を取り付け、該バッテリー搭載部を左右に仕切り、外側にバランスウエイト係止用の装着板を設け、内側にバッテリー搭載台を設けたことを特徴とする乗用田植機のバッテリー取付構造。
【請求項3】 側条施肥機を装着した田植機において、バッテリーの上方を覆うバッテリーカバーをバッテリー搭載部に着脱可能に配置し、該バッテリーカバーを帽子型とし、浅凹部を側条施肥部の排出口下方に配置可能に構成したことを特徴とする乗用田植機のバッテリー取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリーを搭載した乗用田植機において、バッテリーのメンテナンス作業を容易に行うためのバッテリー取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から乗用田植機において、バッテリーを搭載し、セルモーターを駆動してエンジンの始動を容易としたり、マイクロコンピューター等のコントローラに電力を供給して、作業時に作動させてエンジンや植付を制御して、作業性を向上できるようにしている。この電力供給用のバッテリーは従来ボンネット内またはステップ下方に搭載されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、田植機は1シーズンしか使用しないために、次の年に使用するときにはバッテリーが上がり、充電する必要がある。バッテリーが従来のようにボンネット内またはステップ下方に配置していると、田植機はバッテリーが上がっているために動かすことはできないために、格納した状態でボンネットを外し、または、ステップを外しまたはステップの下にもぐり込んでバッテリーを外す必要があり、大変面倒な作業となっていた。また、ブースターケーブルを用いて充電する際にも、長いブースターケーブルを用いて充電器と接続する必要があり、ブースターケーブルをバッテリーの端子に接続するにも、また、メンテナンス作業を行うにも、面倒な作業となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。即ち、バッテリーを搭載した乗用田植機において、機体前部に予備苗載台を設け、該予備苗載台下方にバッテリー搭載部を配置し、また、車体フレームの前部より側方に支持フレームを突出し、該支持フレームにバッテリー搭載部を取り付け、該バッテリー搭載部を左右に仕切り、外側にバランスウエイト係止用の装着板を設け、内側にバッテリー搭載台を設けたものである。
【0005】また、側条施肥機を装着した田植機において、バッテリーの上方を覆うバッテリーカバーをバッテリー搭載部に着脱可能に配置し、該バッテリーカバーを帽子型とし、浅凹部を側条施肥部の排出口下方に配置可能に構成したものである。
【発明の実施の形態】
【0006】本発明の実施の形態を説明する。図1は乗用田植機の全体側面図、図2は同じく全体平面図、図3は同じく部分正面図、図4は本発明のバッテリー搭載装置の平面図、図5は図4のa−a正面断面図、図6は本発明のバッテリーカバーの平面図、図7は同じく側面図、図8は同じく正面図、図9は同じく後面図、図10はバッテリーカバ─を係止した際のバッテリー搭載装置の平面図、図11はバッテリーカバーを用いて、施肥部の残余肥料を取り出す際の図、図12は運転席の部分平面図、図13は運転席の側面図、図14は運転席の部分正面図である。
【0007】まず、乗用田植機について、図1、図2より全体構成から説明する。作業者等が搭乗する走行車1の車体フレーム3前部上方にエンジン2を搭載し、ミッションケース4の前方にフロントアクスルケース5を介して前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4の後部にリヤアクスルケース7を連設し、該リヤアクスルケース7に後輪8を支持させる。そして、前記エンジン2を覆うボンネット9の両側に予備苗載台10・10を配設し、ステップ11を介して作業者等が搭乗する車体カバー12によって前記ミッションケース4等を覆い、前記車体カバー12上部に運転席13を取り付け、該運転席13の前方の前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を配設している。
【0008】また、植付け部は苗載台16や複数の植付け爪17等から構成されており、前高後低に配設した苗載台16を下部レール及びガイドレール19を介して植付けケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転するロータリーケース21を前記植付けケース20に回転自在に支持させ、該ロータリーケース21の回転軸芯を中心にして対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、該爪ケース22・22の先端に植付け爪17・17を配置している。
【0009】また、前記植付けケース20の前部にローリング支点軸23を介して支持フレーム24を設け、トップリンク25及びロワーリンク26を含むリンク機構27を介して走行車1後部に前記支持フレーム24を連結し、前記リンク機構27を介して植付け部を昇降させる昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結している。そして、前記前輪6・6及び後輪8・8を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動可能な苗載台16から一株分の苗を植付け爪17によって取り出し、連続的に苗植え作業を行うように構成している。
【0010】また、前記運転席13等が設置された運転部には走行変速レバー29、植付け昇降兼作業走行変速用副変速レバー30、植付け感度調整レバー31、主クラッチペダル32、左右ブレーキペダル33・33が配設され、前記植付け部下部には均平用センターフロート34、均平用サイドフロート35が配設され、前記運転部13後方には側条施肥部36が配設されている。
【0011】また、前記運転席13は、該運転部13の背もたれが側条施肥部36より低い位置となるように構成されている。よって、側条施肥部36への肥料の供給作業を行う際、運転部13の背もたれが邪魔になることはなく、また、苗載台16上に苗マットを継ぎ足す際の苗継ぎ作業も容易に行うことができる。また、図12、図13、図14に示すように、運転席13の中央部13aは、該運転席13の周辺部13bと異なった配色にしており、小柄なオペレータでも運転席13の中央を容易に認識することができ、運転席13の中央に着席することができる。
【0012】次に、本発明のバッテリー配置構成を説明する。図3に示すように、車体フレーム3前部に支持フレーム150が立設され、該支持フレーム150上部位置に予備苗載台10が、複数平行に固定されている。そして、進行方向右側の予備苗載台10の下部に、バッテリー搭載部72が前記支持フレーム150に固設されており、該バッテリー搭載部72には、後述するバッテリーを保護するためバッテリーカバー80が係止されている。
【0013】図4、図5に示すように、本発明のバッテリー搭載部72はプレート72a・72b・72cを平面視略コ字状となるように連結固定して、その端部を車体フレーム3から側方に延設された支持フレーム150にボルト等によって固設されている。そして、平面視L字状に構成した装着板72dが前記プレート72a・72cの間に固定され、乗用田植機の前後の重量バランスが崩れることを防止するバランスウエイト76・76の係止部を装着板72dに係止できるようにし、バランスウエイト76・76をバッテリー搭載部72内に収納できるようにして、走行や作業の邪魔にならないようにしている。また、プレート72b・72cの間に前後方向に仕切板73が固設され、バッテリー搭載部72を左右に仕切っている。更に、仕切板73とプレート72cの間に平面視略コ字状、正面断面視L字状に構成したバッテリー搭載台75が溶接固定され、該バッテリー搭載台75にはバッテリ74を搭載して、予備苗載台10の下方でバランスウエイト76・76よりも内側に配置している。また、プレート72b・72c及び仕切板73の上部にそれぞれ係止棒77b・77c・77dが突設されており、該固定棒77b・77c・77dに後述するバッテリーカバー80を係止できるようにしている。
【0014】次に、バッテリーカバー80について説明する。図6、図7、図8、図9に示すように、バッテリーカバー80は側面視帽子(キャップ)型の形状であり、正面側には、バッテリーに接続するブースターケーブルを挿入するためのケーブル挿入孔80aが下方を開口して設けられており、また、正面側、右側面側、後面側には、バッテリーカバー80を係止固定するための固定溝80b・80c・80dが下方を開放して設けられている。該固定溝80dが位置する側を浅凹部80eとし、バッテリー74が位置しない部分を浅くしている。
【0015】そして、図10に示すように、バッテリーカバー80に設けられた前記固定溝80b・80c・80dを、前記係止棒77b・77c・77dにそれぞれ係合することにより、バッテリーカバー80を上方より係止でき、バッテリー74を保護することができるのである。また、固定溝80b・80c・80dの下方が開放しているので、バッテリーカバー80をワンタッチで脱着することができる。
【0016】また、図11に示すように、前記バッテリーカバー80は側条施肥部36に残留した肥料を抜き取る際に受けケースとして使用することができる。つまり、バッテリーカバー80は帽子状に構成しているので、係止棒77b・77c・77dより外して裏向けて、固定溝80dが位置する浅凹部80eを前記側条施肥部36の排出口36aの下方に位置させて、取り出した肥料を受けて、深い部分へためるようにするのである。従って、側条施肥部36の排出口36aの下方周辺は狭くなっていても、排出口36aの真下にバッテリーカバー80の浅凹部80eを挿入して排出口36aの真下にセットするだけで排出作業を簡単に行うことができる。そして、抜取作業が終了すれば、バッテリー搭載部72にワンタッチで装着できるので、紛失することがないのである。
【0017】以上のように、進行方向右側の予備苗載台10の下方にバッテリー搭載部72を配設し、該バッテリー搭載部にバッテリー74を搭載しているので、バッテリー74が放電した際などのメンテナンス作業を容易に行うことができ、バッテリー74を容易に取り外すことができるのである。また、予備苗載台10の下方に配設されているので、田植機の全長、全幅は変わらず、直射日光にさらされることもないので破損することもないのである。
【0018】また、バッテリー搭載部74に突設された係止棒79b・79c・79dにバッテリーカバー80の固定溝80b・80c・80dをそれぞれ係合することにより、バッテリーカバー80を係止することができ、また、該固定溝80b・80c・80dの下方が開放しているので、バッテリーカバー80の脱着を容易に行うことができる。そして、バッテリーカバー80はバッテリーを保護すると共に、施肥部36に残った肥料を排出口36aより取り出す際の受けケースとしても使用することができ、利用価値が高いのである。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、機体前部に予備苗載台を設け、該予備苗載台下方にバッテリー搭載部を配置したので、バッテリーは予備苗載台によって直射日光にさらされることがなく、保護され、また、バッテリーは外部に位置ずくためにバッテリーのメンテナンス作業も容易に行うことができる。
【0020】また、バッテリー搭載部を左右に仕切り、外側にバランスウエイト係止用の装着板を設け、内側にバッテリー搭載台を設けたので、バッテリーはバランスウエイトよりも内側に位置して保護され、障害物等に当たっても破損の心配がない。また、車体幅や全長を増加させることがなく、スペースを有効に利用でき、バランスの改善に寄与できる。
【0021】また、バッテリーの上方を覆うバッテリーカバーをバッテリー搭載部に着脱可能に配置し、該バッテリーカバーを帽子型とし、浅凹部を側条施肥部の排出口下方に配置可能に構成したので、側条施肥部36に残った肥料を排出口36aより取り出す際に、肥料をバッテリーカバー80によって受けることができるようになり、迅速に排出でき、専用の部材を必要とせず、また、既存の箱等を用いて取り出す際にこぼすこともない。そして、該バッテリーカバー80をバッテリー搭載装置にワンタッチで係止できるので、着脱が簡単に行え、紛失するおそれもない。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−15
【公開日】 平成11年(1999)1月6日
【出願番号】 特願平9−157251