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【発明の名称】 苗の剪葉方法及び剪葉装置
【発明者】 【氏名】薮内 正俊

【氏名】山本 明

【要約】 【課題】苗床に所定の間隔で並列して載置された育苗箱で育てられた苗の葉部を所定の高さに揃えて剪葉するのに好適な剪葉方法及び剪葉装置。

【解決手段】走行車輪9及び10、10に支持された機枠11と、所定の高さで機枠11に取付けられたトリマー12と、傾倒した苗を起こしトリマー12へ案内するためのデバイダ26を備え、トリマー12の高さのセットは側車輪9a、9a及び車輪10、10が走行する育苗箱30の縁から計測した高さで行う剪葉装置を使用し、育苗箱30の縁に上記側車輪9a、9a及び10、10を走行させて苗の葉部を所定高さに揃えて奇麗に効率よく剪葉する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車輪に支持された機枠と、所定の高さで機枠に取付けられたトリマーと、傾倒した苗を起こしトリマーへ案内するためのデバイダを備えた剪葉装置を使用し、育苗中の育苗箱の縁に上記車輪を走行させて苗の葉部を所定高さに揃えて剪葉することを特徴とする苗の剪葉方法。
【請求項2】 上記トリマーの高さのセットは車輪が走行する育苗箱の縁から計測した高さで行うことを特徴とする請求項1に記載された苗の剪葉方法。
【請求項3】 育苗中の育苗箱の縁を走行する前後車輪に支持された機枠と、機枠に高さ調節自在に設けられたトリマーと、傾倒した苗を起こしトリマーへ案内するためのデバイダを備えたことを特徴とする苗の剪葉装置。
【請求項4】 前輪は1輪で車輪の両側に小径の側車輪を設けた側車輪付の車輪で後輪は2輪で車輪の側面にフランジを設けたフランジ付き車輪であることを特徴とする請求項3に記載された苗の剪葉装置。
【請求項5】 トリマーを車輪が走行する育苗箱の縁を基準に所定の高さにセットするための物差しを備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載された苗の剪葉装置。
【請求項6】 デバイダはトリマーの高さの変更に伴って高さが変わる補助デバイダを備えたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載された苗の剪葉装置。
【請求項7】 後輪は車輪の側面にフランジを設けたフランジ付き車輪で、機枠の左右に一定の間隔を保ち1輪づつフランジを外側に向けて配置され、その内の少なくとも1輪は車軸に設けた弾性体の弾性力によって、左右の車輪の間隔が縮小する方向に押付けられていて、上記弾性体の弾性力に逆らう力が作用すると左右の車輪の間隔が拡大する方向に摺動するように設けたことを特徴とする請求項3に記載された苗の剪葉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗床に整列して載置された育苗箱でイグサ、タマネギ、ニラ、ネギ、イネ等の苗を育苗する際に、葉部を所定の高さに揃えて剪葉する苗の剪葉方法及び剪葉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機械移植を可能としたイグサの栽培方法としては、例えば本出願人の出願による特開平9−9792号公報が知られている。この方法は、イグサの親株から株分けした苗株を、底面に押出し穴を設けた多数のポット状苗室を一定間隔に配してなる可撓性ポット苗箱のポット状苗室にて一定期間育苗し、発根及び分けつした苗株を移植機(例えば特公昭57−22288号公報、実公平1−42977号公報参照)にて本田に機械移植するというものである。
【0003】この方法においては、図6、7に示すごとく、育苗箱30は上記可撓性のポット苗箱1を、該ポット苗箱1をちょうど受け入れる形状をもち、平面状の底面に多数の穴2aが開けられた剛性の高い受け箱2に載置したもので、苗株を各ポット状苗室1aに挿し土入れをした後、左右に作業用の溝4が切られ畝になった苗床3に所定の間隔aを開けて縦に並列に載置して育苗する。
【0004】そして、苗株の根が生長しポット苗箱1の押出穴及び受け箱2の穴2aから出て苗床3につくまでは水を溜めた状態で管理し、その後は落水して畑状態で苗育苗管理を行なう。生育揃いの健全な苗を育てるため育苗中葉部を剪葉装置で所定の高さ(17〜19cm)に揃えて剪葉し管理される。又、苗株を挿して40〜70日後の移植前に剪葉装置で所定の高さ(17〜19cm)に揃えて剪葉し、根切り装置(例えば、特開平9−266376号公報参照)で根切りを行なった後、育苗箱30を苗床3から取り上げ、ポット苗箱1を受け箱2から外し移植機にセットし本田に移植する。
【0005】上記の目的のために使用される従来の剪葉装置は図8に示すように下方前方を車輪5に支持された縦杆6に櫛状の刃を2枚重ねし、上下の刃が同時に反対方向に往復摺動する切断刃7aと、切断された葉を横方向へ吹き飛ばすブロワー7bと、切断刃7a及びブロワー7bを駆動するエンジン7cと、切断刃7aに沿って設けられたL字型をした導風カバー7dと、飛散防止カバー7eを備えたトリマー7を切断刃7aを横に直角に張り出すようにして、高さ調節自在に取付けられ、さらにその上部には二股のハンドル8が後方に向けて取付けられている。
【0006】この剪葉装置を用いて剪葉するときは、切断刃7aがイグサの所定剪葉高さとなるようトリマー7をセットし、エンジン7cを起動させて作業者がハンドル8を握り、切断刃7aが剪葉する育苗箱30、30の上で所定の高さで水平状態を保つよう縦杆6を起立した状態(図8の状態)で車輪5を上記作業用の左側の溝4の上を転動しながら押進めると、切断刃7aで葉部は所定の高さに揃えて切断され、切断された葉はブロワー7bで横方向に吹き飛ばされ、L字型の導風カバー7dに案内されて移動し、飛散防止カバー7eに衝突して右側の溝4に落下して剪葉される。
【0007】しかし、一個の車輪3で支持された剪葉装置を凸凹した溝4の上を押進めるので、切断刃7aを所定の高さで水平に保つことが難しく、葉部を所定の高さに揃えて剪葉することができないので、苗の生育むらが発生する。また、傾倒した葉があると剪葉できずに残る。さらに、剪葉した葉が導風カバー7dを越えて剪葉した苗の上に被さること、降雨の後のぬかった溝4や凸凹した溝4では車輪5が円滑に直進できないことなどの問題があって効率よく剪葉作業ができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の剪葉装置の問題点に鑑みてなされたもので、傾倒した葉があっても剪葉残しがなく、また、降雨等でぬかったり凸凹した作業用の溝とは関係無で、葉部を所定の高さに揃えて効率よく剪葉できる苗の剪葉方法及び剪葉装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る苗の剪葉方法は走行車輪に支持された機枠と、所定の高さで機枠に取付けられたトリマーと、傾倒した苗を起こしトリマーへ案内するためのデバイダを備えた剪葉装置を使用し、育苗中の育苗箱の縁に上記車輪を走行させて苗の葉部を所定高さに揃えて剪葉することを特徴とする。上記トリマーの高さのセットは車輪が走行する育苗箱の縁から計測した高さで行うことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る苗の剪葉装置は育苗中の育苗箱の縁を走行する前後車輪に支持された機枠と、機枠に高さ調節自在に設けられたトリマーと、傾倒した苗を起こしトリマーへ案内するためのデバイダを備えたこと、前輪は1輪で車輪の両側に小径の側車輪を設けた側車輪付の車輪で後輪は2輪で車輪の側面にフランジを設けたフランジ付き車輪であること、トリマーを車輪が走行する育苗箱の縁を基準に所定の高さにセットするための物差しを備えたこと、デバイダはトリマーの高さの変更に伴って高さが変わる補助デバイダを備えたこと後輪は車輪の側面にフランジを設けたフランジ付き車輪で、機枠の左右に一定間隔を保ち1輪ずつフランジを外側に向けて配置され、その内の少なくとも1輪は車軸に設けた弾性体の弾性力によって、左右の車輪の間隔が縮小する方向に押付けられていて、上記弾性体の弾性力に逆らう力が作用すると左右の車輪の間隔が拡大する方向に摺動するように設けたことが挙げられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を参照して、本発明をより具体的に説明する。育苗箱30は育苗した苗を圃場に定植する移植機の違いにより図6に示す受け箱2にポット苗箱1を載置したものを用いて、その各ポット状苗室1aにイグサの苗を挿し土入れしたものと、薄板を格子状に組み縦横に多数の四角形の苗室を一定間隔に配してなる苗枠を、該ポット苗枠をちょうど受け入れる形状をもち、平面状の底面に多数の穴2aが開けられた剛性の高い上記受け箱2に類似したマット苗箱に載置したものを用いて、その各四角形の苗室にイグサを挿し土入れをした2種類のものがあり、育苗箱30には上記2種類のものを含む。育苗箱30は図7に示すように畝になった苗床3に間隔aを開けて2列に並設されている。そして、苗床3と苗床3の間には作業用の溝4が切られている。尚、上記間隔aは後述の車輪9aの幅Bより若干広く保たれている。
【0012】この剪葉装置は、中央の車輪9及びその後方の車輪10、10に支持され走行自在な機枠11と、機枠11に高さ調節自在に取付けられたトリマー12と、車輪10、10の内側に配置され機枠11に取り付けられたデバイダ26を主たる構成とする。
【0013】機枠11は所定の間隔で互いに平行して直立する左右の縦枠11a、11aの先端に横枠11bをその左端を左の縦枠11aより突出するように取付け、その下側に横枠11cを横枠11bと平行を保ち縦枠11a、11aの高さのほぼ半分の位置に取付けられている。左右の縦枠11a、11aの下端にはL字型の金具11e、11eを前後方向に向けて水平に取付けられ、さらに、縦枠11a、11aには横方向に張出すように縦方向の長穴18aを設けた取付板18及び縦方向の長穴19aを設けた取付板19がそれぞれ取付けられ、左右の縦枠11a、11aの中間には前方に向けて突出するL字型のアーム11dがあって、その先端には前方に向けて先細りに形成された車輪カバー16が取付けられている。さらに、横枠11bの両端には取付金具20、20が取付けられていて、その取付金具20、20にU字形状のハンドル21が回動するように軸着されていて、固定ボルト22を弛めると取付金具20、20に設けた円弧状の長穴20aの範囲で高さが変り、固定ボルト22を締め付けるとその位置に固定できる。
【0014】左右の車輪10、10は車輪の側面にフランジを設けたフランジ付き車輪であって、機枠11の左右の金具11e、11eにフランジを外側にして一定間隔を保ち、回動自在に軸着されている。片側の車輪10は車軸14に挿着された圧縮バネ15により内側に押付けられていて、圧縮バネ15の力に逆らって左右の車輪10、10の間隔が拡大するように外側に摺動可能である。また、両側の車輪10、10を上記の片側の車輪10と同じようにして、圧縮バネ15の力に逆らって外側に摺動可能に取付けてもよい。
【0015】中央の車輪9は車輪9aの両側に小径の側車輪9b、9bを設けた側車輪付き車輪であって、左右の車輪10、10の中間に位置し、上記車輪カバー16に収容され回動自在に軸着され、車輪9と車輪10、10は側車輪9b、9bと車輪10、10を苗床3に間隔aを開けて並列に載置された育苗箱30、30の縁に載置すると、機枠11が直立するように関係を保ち設けられている。さらに、車輪9と車輪10の間隔Wは育苗箱30の横幅Hより若干広く保たれている。(図3参照)
【0016】トリマー12はエンジン12aの下側にブロワー12bが、さらにその下側にミッション12cがそれぞれ連動するように直結されている。ミッション12cには櫛状の刃を2枚重ねた切断刃12dが横に水平を保ち連結されていて、エンジン12aを駆動するとブロワー12b、ミッション12cが一緒に回転し、ブロワー12bの吐出口に接続された二又の導風管12eより吹き出す空気が切断刃12dの上側に沿って設けられたコの字形の導風カバー24に沿って横方向に流れるとともに、ミッション12cに連動して上下2枚の切断刃12dは互いに反対方向に往復摺動するように構成されている。
【0017】トリマー12はミッション12cの下側に取付けられたフレーム23を介して、取付板18に長穴18aに挿通した固定ボルト17で切断刃12dが水平を保つように取付けられ、固定ボルト17を弛め移動させると長穴18aの範囲で高さが変わり固定ボルト17を締付けるとその位置で固定できる。また、飛散防止カバー25は側板25aに腕25bが取付けられていて、その腕の一端にくの字型の板を設けその部分を縦杆11aに当接し、導風管12eの排風口と対向するするようにして、取付板19に長穴19aに挿通した固定ボルト13で固定されている。そして、飛散防止カバー25は固定ボルト13を弛めて上下に移動すると長穴19aの範囲内で高さが変更できると共に、その位置において腕25bを上下に動かすと一定の範囲で角度が変更できて、固定ボルト13を締付けるとその状態でその位置に固定できる。
【0018】デバイダ26は案内板26aと線材を松葉状に折り曲げ形成された補助デバイダ26bで構成されていて、左右の案内板26a、26aは側面視において先端部が前下がりに傾斜し、平面視において先端部が前方に向けてハの字に広がるように形成され、左右の車輪10、10の直ぐ内側に平行し、その底面が車輪1010と側車輪9b、9bを苗床3に間隔aを開けて並列に載置された育苗箱30、30の縁に載置したとき、該育苗箱30と平行して若干高い位置に金具11e、11eにネジで固定されている。そして、その案内板26a、26aの先端部に補助デバイダ26bの一端がネジ止めされ、補助デバイダ26bの他端は切断刃12dの直ぐ下側に設けられた金具27、27の穴に挿通され先端を直角に折り曲げて抜止めされている。28、29は車輪10と側車輪9bを育苗箱30の縁に載置したとき、その育苗箱30の上面からの高さを示すように目盛が刻まれた物差しで長穴18a及び19aに沿って取付板18及び19にそれぞれ取付けられている。
【0019】次に、この剪葉装置の操作について説明する。図3において、固定ボルト17を弛め、トリマー12を物差し28の目盛で苗の葉部を剪葉する所定の高さにあわせて固定ボルト17を締付けてセットする。次に、固定ボルト13を弛め、飛散防止カバー25を先にセットした、トリマー12と対応する所定の高さに物差し29の目盛であわせ、固定ボルト13を締付けてセットする。それから、固定ボルト22を弛めハンドル21を作業者の身長に合わせて高さを調節し固定ボルト22を締付けてセットする。
【0020】その後、エンジン12aを駆動し、ハンドル21を押して中央の車輪9を苗床3の上に間隔aを開けて縦に並列に載置された育苗箱30と育苗箱30の間へ押し進めると、先に側車輪9a、9aが左右の育苗箱30、30の縁の上を、続いて後方の車輪10、10がフランジを育苗箱30、30の側面の外側にして、その縁の上を進行する。作業者がハンドル21の左側を持って剪葉する育苗箱30、30の左側の溝4を歩きながら前進を続けると、剪葉装置は車輪9、10、10の側面が苗箱30の側面にガイドされて育苗箱30の縁の上を前進し、その過程で左右の方向に倒れかかった苗の葉部があれば、その葉部に車輪カバー16とデバイダ26が作用してそれを起こして切断刃12dの所へ案内され、葉部を所定の高さに揃えて切断刃12dで切断される。切断された葉は導風管12eから吹き出す強風と導風カバー24に案内されて横方向に吹き飛ばされて飛散防止カバー25に突き当たると右側の溝4に落下して剪葉が行なわれる。若し、苗床3に並列に載置された育苗箱30、30の間隔aが所定の幅より若干広い所があって車輪10のフランジが育苗箱30の側面に接触すると圧縮バネ15の力に逆らって外側に摺動し、左右の車輪10、10の間隔がその育苗箱30、30の間隔にあわせて広がり、その育苗箱30を通過するので支障なく剪葉作業ができる。
【0021】次に、育苗箱で育てられタマネギ、ニラ、ネギ、イネ等苗の剪葉方法及び剪葉装置について説明する。タマネギ、ニラ、ネギイネ等は上記イグサと同様の育苗箱30に通常行われている法方で播種し、その苗箱30を上記イグサの場合と同様に図7に示すように苗床3に間隔aを開けて並列に載置して育苗管理される。育苗中は伸長した葉部を所定の高さに剪葉して管理され、圃場に機械で移植される前にも所定の高さに剪葉される。これに用いる剪葉装置及び剪葉方法は上記イグサの場合と同様に適用でされる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、育苗箱で育てられた苗の葉部を所定の高さに揃えて効率よく奇麗に剪葉できる。また、剪葉した葉はコの字型の導風カバーで横方向にガイドされて、剪葉された苗の上に落ちて被さることがなくなる。
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月11日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−6
【公開日】 平成11年(1999)1月6日
【出願番号】 特願平9−191758