トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバインの方向制御装置
【発明者】 【氏名】吉邨 文夫

【氏名】平山 秀孝

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場の穀稈を刈取る刈取装置4に穀稈への接近状態を検出しうる方向センサを設け、該方向センサにより自動方向制御するように構成したものにおいて、過去の検出履歴から該方向センサが穀稈から離れる方向を検出している場合、接近方向の検出信号が送出されても方向修正出力しないように構成したコンバインの方向制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバイン、バインダに代表される収穫機の方向制御に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、圃場の穀稈を刈取る刈取装置に穀稈の有無を感知するセンサを設け、該センサにより自動方向制御するように構成したものは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例は、単に、センサのオンとオフにより方向修正出力の入り切りをしているため、修正が頻繁に行われるという課題がある。本発明は、制御の精度を向上させるものである。
【0004】
【発明の目的】方向制御の精度向上、操作性の向上、作業効率の向上。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、圃場の穀稈を刈取る刈取装置4に穀稈への接近状態を検出しうる方向センサを設け、該方向センサにより自動方向制御するように構成したものにおいて、過去の検出履歴から該方向センサが穀稈から離れる方向を検出している場合、接近方向の検出信号が送出されても方向修正出力しないように構成したコンバインの方向制御装置としたものである。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、1は機体フレーム、2は走行装置、3は脱穀装置、4は刈取装置であり、刈取装置4は最前方位置に分草体5を設け、該分草体5の後方に引起装置6を設け、引起装置6の後方にラグ式掻込装置7およびスターホイル式掻込装置8を設け、掻込装置7、8の下方に刈刃9を設け、ラグ式掻込装置7の終端には株元を切断した穀稈を搬送する穀稈搬送装置10を設ける。しかして、前記刈取装置4の左右両側には方向制御用の左方向センサ11、12を設け、前記左方向センサ11は通常条刈のとき使用し、前記右方向センサ12は横刈のときに使用する。実施例の左方向センサ11は左側(機体進行方向を基準に未刈地側)の2条の穀稈の間を移動する分草パイプ13の左右両側に、側方に突き出るように左条刈センサ体14と右条刈センサ体15とを設け、左条刈センサ体14および右条刈センサ体15の基部は夫々ポテンショメータ等により構成した検出部16に取付け、各検出部16は常時左右両側の穀稈に夫々接触している左右条刈センサ体14、15の夫々の位置を検出し、この位置のアナログ出力信号により制御部17は方向制御する。また、前記右方向センサ12もセンサ体の基部をポテンショメータ等に構成した検出部16に取付け、アナログデータを送出し得る。
【0007】したがって、左方向センサ11の一例を示すと、図5のように、穀稈の下部に左右条刈センサ体14、15が接触していないと略10度前後後方に傾斜しており、穀稈の株の直径が7cmで30cmの左右間隔に直立しているとき(図6)、株の左右中央を走行すると、左右条刈センサ体14、15は株に接触する度に約45度程度後方回動し、図6のように株に約7cmまで近付くと左条刈センサ体14が約65度回動し、制御部17は方向修正信号を出力し、このように左右条刈センサ体14、15の夫々の回動角度を制御部17で比較することで、左右条刈センサ体14、15の夫々の回動角度の相違を検知し、制御部17は進行方向が回動角度の大きい一方側に向っているとして、他方側への方向修正の出力し、該出力を分草体5および分草パイプ分草パイプ13が左右の穀稈株の中央を越えて所定範囲他方側へ向くようにする。なお、前記左右および前後の株間隔は圃場により相違するので、株への接近許容範囲や修正出力するタイミングは夫々設定する。
【0008】しかして、前記制御部17は左方向センサ11からの信号を随時過去の信号と比較することにより機体進行方向がわかるので、左方向センサ11からの信号の履歴により株から離れていることを示しているときに、株に接近する信号が送出されても、方向修正の出力をしない。即ち、過去信号の履歴から想定される機体進行方向に対して相違する方向の信号が突発的に送られてきても、これに反応せずに無視し、過剰な方向修正を防止してハンチング現象を防止する。前記株より離れる方向は、前記検出部16の減少するうちのピーク値、あるいは、1株の電圧の平均値、あるいは、一定距離内のピーク値、電圧の平均値により判断する。しかして、前記右方向センサ12の進行方向後側には穀稈の有無を検知する穀稈センサ20を設け、前記右方向センサ12の検出値により右側(既刈地側)への方向修正出力の要否(可否、適否)を決定し、穀稈センサ20により左側(未刈地側)への方向修正出力の要否を決定する。しかして、前記右方向センサ12の検出値により右側(既刈地側)への方向修正出力の要否を決定する場合、株への接近程度と、その変化により想定される出力時間を決定するように構成する。即ち、図の左欄の一番上は、接近程度が極めて近く、接近速度の速いので、「PB」として出力時間を長くするが、図の右欄の一番下は、接近程度が遠く、接近速度も遅いので「NB」として出力時間を短かくして、微修正にしている。
【0009】しかして、前記左方向センサ11および右方向センサ12により条横判定する場合、1度判別した後に、もう一回〜数回判別し、それらの結果が一致していたら条横判定を終了し、不一致のときは一致するまで判別を繰り返すように構成する。しかして、前記左方向センサ11および右方向センサ12により穀稈への接近度合いを検出しながら方向制御するように構成し、該構成を前提として条横自動判定する場合、判別したときの株のピッチが設定値1以下であれば条刈、設定値2以上であれば横刈と確定し、前記設定値1と設定値2の間であれば、再判別するように構成する。なお、設定値1<設定値2の関係である。
【0010】
【作用】次に作用を述べる。機体を前進させ、刈取装置4の分草体5により分草し、分草した穀稈を引起し、引き起こした穀稈の根本を切断し、切断した穀稈を搬送して、脱穀装置に供給して脱穀する。しかして、左方向センサ11により条刈方向制御しているとき、左方向センサ11は分草パイプ13に対して側方に略水平状態で突出し、平面視、基部側が前で側方に至に従い後側に位置して、非接触状態では略10度前後後方に傾斜し左右両側に突き出るように左右条刈センサ体14、15の基部を回動自在に取付け、左右条刈センサ体14、15の基部には夫々検知部16を設けているから、株が左条刈センサ体14と右条刈センサ体15に引っ掛かることはなく、株が左条刈センサ体14と右条刈センサ体15に接触すると、左条刈センサ体14と右条刈センサ体15は夫々基部側を中心に後方回動する。したがって、左右条刈センサ体14、15の夫々の回動角度を制御部17で比較することで、進行方向を割り出すことができるから、制御部17は左右条刈センサ体14、15の夫々の送出信号により走行装置2に方向修正出力して自動方向制御する。
【0011】即ち、単に穀稈との接触・非接触によりオン・オフする検知手段では、どの程度修正すれば良いか不明であり、方向修正頻度が多くなると乗り心地が悪く、修正頻度が少ないと方向制御が不正確になるだけでなく、不正確な方向制御によって7〜10cm程度の株に突っ込んで割ってしまうこともあるが、制御部17は、左条刈センサ体14と右条刈センサ体15により正確に実際の進行方向を把握できるから、適切な方向修正となって、方向修正頻度も少なくして、安定した方向制御ができる。それゆえ、作物列に添わせる方向制御も容易にでき、方向制御の精度を向上させ、株に突っ込んで割ることはない。しかして、左方向センサ11の左条刈センサ体14と右条刈センサ体15は、株に接触して信号を送出するが、株は、全体としてはある一定方向に向いて直線状態に植えられているが、厳格に見ると、一つ一つが多少ジグザグしており、中には一つだけ、進行方向と離れていることもあり、また、圃場には進行方向と離れた所に株以外の異物があることもある。
【0012】このような、大筋の進行方向とは無関係な信号が送出されても、制御部17は左方向センサ11からの信号により想定される機体進行方向が株より離れていることを示しているときには、方向修正の出力をしないから、過剰な修正を防止してハンチング現象を防止する。即ち、機体進行方向が株より離れていることを示しているのであるから、本来緊急の方向修正は不要であり、このような場合には想定される機体進行方向から外れる信号を無視することで、過剰な修正を防止してハンチング現象を防止する。しかして、前記右方向センサ(横刈センサ)12の進行方向後側には穀稈の有無を検知する穀稈センサ20を設け、前記右方向センサ(横刈センサ)12の検出値により右側(既刈地側)への方向修正出力の要否(可否、適否)を決定し、穀稈センサ20により左側(未刈地側)への方向修正出力の要否を決定しているから、右方向センサ(横刈センサ)12と穀稈センサ20とにより方向修正出力して、方向制御の精度を向上させる。
【0013】即ち、穀稈センサ20が穀稈を感知しているときは、刈取装置4の刈り幅一杯で作業しているので、右側の刈り残しを防止するために、右方向センサ(横刈センサ)12により方向制御を行い、穀稈センサ20が穀稈を感知していないときは、右側の刈り残しはないが、刈取装置4の右側部分が作業していないことになって、作業ロスになっているので、穀稈センサ20が穀稈を感知するまで方向修正出力する。この場合、従来のように単独の右方向センサ(横刈センサ)12により刈取装置4の既刈地側が刈取作業していないことを検出するためには、搬送通路の全幅に亘って右方向センサ(横刈センサ)12を位置させなければならず(隣接する分草パイプ13に隙間なく接近させる)、この長い形状のため穀稈の搬送に影響し、特に、短穀稈の搬送となる畦際の高刈りでは、穀稈が零れるという不具合があるが、これを防止する。また、前記穀稈センサ20は従来より設置されているが、他の制御のために使用され、方向制御の信号として使用されていないが、従来より設置されている穀稈センサ20を方向制御の検出手段に使用することで、信号修正する。
【0014】しかして、前記右方向センサ(横刈センサ)12の検出値により右側(既刈地側)への方向修正出力の要否を決定する場合、株への接近程度と、その変化により想定される出力時間を決定するように構成し、例えば、図の左欄の一番上は、接近程度が極めて近く、接近速度の速いので、「PB」として出力時間を長くするが、図の右欄の一番下は、接近程度が遠く、接近速度も遅いので「NB」として出力時間を短かくして、微修正にしているから、右側の既刈地側の境界部分の方向制御の精度を向上させ、刈り残しはせず、かつ、刈取装置4の全幅を使用して刈取作業を行って、作業効率を向上させる。しかして、前記左方向センサ11および右方向センサ(横刈センサ)12により条横判定する場合、1度判別した後に、もう一回〜数回判別し、それらの結果が一致していたら条横判定を終了し、不一致のときは一致するまで判別を繰り返すように構成しているから、判別結果を対比した上で判定するので、誤判定を防止して、株への追従ができなくなることを防止する。
【0015】しかして、前記左方向センサ11および右方向センサ(横刈センサ)12により穀稈への接近度合いを検出しながら方向制御するように構成し、該構成を前提として条横自動判定する場合、判別したときの株のピッチが設定値1以下であれば条刈、設定値2以上であれば横刈と確定し、前記設定値1と設定値2の間であれば、再判別するように構成しているから、誤判定を防止して、株への追従ができなくなることを防止する。
【0016】
【効果】本発明は、圃場の穀稈を刈取る刈取装置4に穀稈への接近状態を検出しうる方向センサを設け、該方向センサにより自動方向制御するように構成したものにおいて、過去の検出履歴から該方向センサが穀稈から離れる方向を検出している場合、接近方向の検出信号が送出されても方向修正出力しないように構成したコンバインの方向制御装置としたものであるから、方向センサからの信号により想定される機体進行方向に向けて方向制御するので、出力時期および程度が適切であり、特に、離れる方向を検出している場合、接近方向の検出信号が送出されても方向修正出力しないので、過剰な修正を防止してハンチング現象を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)6月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】新関 宏太郎 (外1名)
【公開番号】 特開平11−346506
【公開日】 平成11年(1999)12月21日
【出願番号】 特願平10−179583