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【発明の名称】 ロータリ耕耘機のカバー装置
【発明者】 【氏名】坂根 弘史

【氏名】大野 貴章

【氏名】黒原 孝仁

【氏名】内田 隆史

【氏名】梅木 和美

【氏名】前山 達哉

【氏名】田井 通生

【氏名】藤本 駿児

【氏名】岡村 誠一

【氏名】嘉名 睦

【要約】 【課題】耕耘カバー体の土付着を防止する。

【解決手段】耕耘部4を覆うカバー体5に、2層構造とした付属カバー体13を設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘部の外周を覆うカバー体を有するロータリ耕耘機のカバー装置において、前記カバー体の耕耘部側に、少なくとも2層構造でかつ硬度が高低とされた付属カバー体が備えられており、該付属カバー体は、内側(耕耘部に近い側)の第1付属カバー体と外側(耕耘部に遠い側)の第2付属カバー体とで構成されており、前記第1付属カバー体の硬度が低く第2付属カバー体の硬度が高い弾性材料で作成されていることを特徴とするロータリ耕耘機のカバー装置。
【請求項2】 第2付属カバー体は、芯材とこの芯材を被包若しくは埋設した弾性材料とで構成されていることを特徴とする請求項1記載のカバー装置。
【請求項3】 第2付属カバー体は、カバー体に対して密着又はカバー体との間で空間部を有して装着されていることを特徴とする請求項1又は2記載のカバー装置。
【請求項4】 耕耘部の外周を覆うカバー体を有するロータリ耕耘機のカバー装置において、前記カバー体の耕耘部側に、発泡率が15%以上の発泡弾性材料からなる付属カバー体を備えていることを特徴とするロータリ耕耘機のカバー装置。
【請求項5】 耕耘部の外周を覆うカバー体を有するロータリ耕耘機のカバー装置において、前記カバー体の耕耘部側に、少なくとも2層構造でかつ発泡率を異にする発泡弾性材料からなる付属カバー体を備えていることを特徴とするロータリ耕耘機のカバー装置。
【請求項6】 耕耘部の外周を覆うカバー体を、耕耘部の上方を覆う主カバー体と耕耘部の後方を覆う副カバー体として構成したロータリ耕耘機のカバー装置において、前記主カバー体および副カバー体の耕耘部側にそれぞれ硬度を異にする弾性材料からなる付属カバー体が備えられており、主カバー体の付属カバー体を構成する弾性材料の硬度が副カバー体の付属カバー体を構成する弾性材料の硬度に対して高く設定されていることを特徴とするロータリ耕耘機のカバー装置。
【請求項7】 請求項1〜6において、耕耘部に面接する付属カバー体の面接部位に、薄い皮膜層を形成していることを特徴とするロータリ耕耘機のカバー装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ耕耘機のカバー装置に係り、より具体的には、耕耘作業時における土壌の付着防止および付着成長の抑制を図ったカバー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耕耘作業においてカバー体(耕耘カバー)に土壌が付着したり付着成長するのを防止乃至抑制する技術(以下、付着防止技術という)として多数が提案されまた実用化されている。この付着防止技術を大別すると、実開平3−43903号公報、特開平5−15202号公報等で開示されているように、カバー体の内面(耕耘部に面する側をいい、以外同じ)に空間を形成した状態で弾性カバーを装着し、該弾性カバーの弾性変形によって付着防止するものがある(以下、従来例の1という)。
【0003】また、特開平7−255203号公報等で開示されているように、カバー体の内面に硬度を異にする弾性体を階層構造(積層構造)として備えたものがある(以下、従来例の2という)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例の1および2はいずれもそれなりに有用ではあるものの、次に掲げるような課題(問題点)がある。
■:従来例の1は、弾性カバーの弾性変形によって所謂振動作用によって土付着の防止乃至付着成長の抑制を図るものであるから、弾性カバーの早期破れ、損傷等があり、耐久性の点で劣るものであった。
【0005】■ 従来例の2は、硬度が異なる弾性体を積層構造としたものであるから、耐久性の点では従来例の1に比べて有利である反面、弾性変形量が少ないことから土付着の防止乃至付着成長の抑制という面では、従来例の2に比べてものであった。そこで本発明は、弾性体(付属カバー体)の硬度、発泡率等を適正なものとすることで、耐久性に優れしかも付着防止乃至成長抑制に優れたカバー装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、耕耘部の外周を覆うカバー体を有するロータリ耕耘機のカバー装置において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。すなわち、請求項1に係る本発明のカバー装置は、前記カバー体の耕耘部側に、少なくとも2層構造でかつ硬度が高低とされた付属カバー体が備えられており、該付属カバー体は、内側(耕耘部に近い側)の第1付属カバー体と外側(耕耘部に遠い側)の第2付属カバー体とで構成されており、前記第1付属カバー体の硬度が低く第2付属カバー体の硬度が高い弾性材料で作成されていることを特徴とするものである。
【0007】このような構成を採用していることにより、耕耘部の回転駆動による耕耘作業中に、衝突乃至持廻される土、砂利等は、付属カバー体が層構造であることから、引裂き、破れ等は少なく耐久性が維持される一方で、第1付属カバー体の硬度が低くこれ故、衝突乃至持廻されるときとの弾性変形量は大きいので土の付着は防止されるし、該第1付属カバー体に過度の弾性変形は第2付属カバー体の硬度が高いことから抑制されるのである。
【0008】前記第2付属カバー体は、芯材とこの芯材を被包若しくは埋設した弾性材料とで構成することができ(請求項2)、また、前記第2付属カバー体は、カバー体に対して密着又はカバー体との間で空間部を有して装着することができる(請求項3)。更に、請求項4に係る本発明のカバー装置は、前記カバー体の耕耘部側に、発泡率が15%以上の発泡弾性材料からなる付属カバー体を備えていることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項5に係る本発明のカバー装置は、前記カバー体の耕耘部側に、少なくとも2層構造でかつ発泡率を異にする発泡弾性材料からなる付属カバー体を備えていることを特徴とするものである。更に、請求項6に係る本発明のカバー装置は、耕耘部の外周を覆うカバー体を、耕耘部の上方を覆う主カバー体と耕耘部の後方を覆う副カバー体として構成したロータリ耕耘機のカバー装置において、前記主カバー体および副カバー体の耕耘部側にそれぞれ硬度を異にする弾性材料からなる付属カバー体が備えられており、主カバー体の付属カバー体を構成する弾性材料の硬度が副カバー体の付属カバー体を構成する弾性材料の硬度に対して高く設定されていることを特徴とするものである。
【0010】前述した請求項1〜6において、耕耘部に面接する付属カバー体の面接部位に、薄い皮膜層を形成していることが望ましい(請求項7)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態のいくつかを説明する。図1(1)は、サイドドライブ形ロータリ耕耘機1を示しており、該耕耘機1は図示省略したトラクタの後部に三点リンク等を介して昇降自在に装着されるものである。
【0012】前記ロータリ耕耘機1は、水平横軸廻りに回転する爪軸2に多数の耕耘爪3を備えて構成された耕耘部4とこの耕耘部4の外周を覆うカバー装置5とを有し、トラクタのPTO軸とPIC軸6とをジョイント軸にて連動連結することで耕耘部4が図1(1)の矢示方向に駆動(ダウンカット)されるものである。カバー装置5は、耕耘部4の外周を覆うカバー体7を有し、該カバー体7は耕耘部4の上方側を覆う主カバー体8とのこの主カバー体8の後部にヒンジ9を介して枢着されていて耕耘部4の後方側を覆う副カバー体10とで構成されており、副カバー体10の後部には均平用のフラップカバー体11を備えているとともに弾持手段12によって接地方向に弾性力によって付勢されている。
【0013】前記カバー体7の耕耘部側に、少なくとも2層構造でかつ硬度が高低とされたゴム等の弾性材料からなる付属カバー体13が備えられている。付属カバー体13は、図1(2)(3)で示すように内側(耕耘部に近い側)の第1付属カバー体14と外側(耕耘部に遠い側)の第2付属カバー体15とで構成されており、前記第1付着カバー14の硬度が低い弾性材料(軟らかで弾性変形(量)に富む)、一方、第2付属カバー体15の硬度が高い弾性材料と(硬くて弾性変形(量)が小さい)されている。
【0014】例えば、第1付属カバー体14は硬度25のクロロプレンスポンジゴムであり、第2付属カバー体15は硬度40の天然ゴムで構成され、図では第1付属カバー体14の厚みを第2付属カバー体15の厚みより大きくしている。図1(3)は第2付属カバー体15を構成するのに、帆布その他の芯材15Aを弾性材料で被包若しくは埋設して3層構造としたものである。
【0015】いずれの場合でも、第1付属カバー体14によって耕耘作業時の衝撃等を緩和し、かつ弾性変形量を大きくして土付着を防止する一方このカバー体14の過度の弾性変形を第2付属カバー体15によって抑制して耐久性を向上しているのである。また、図1(2)(3)で示すように、付属カバー体13は、主カバー体8に対して空間部16を形成してその前後端を主カバー体8に接着乃至クランプ金具等を用いて装着しており、空間部16を有することによって付属カバー体13の弾性変形は確保されて全体として振動することにより、土付着防止乃至付着成長の抑制を図りつつ振動騒音をおさえているのである。
【0016】図2から図4は本発明の他の有用な実施形態を示しており、図2は付属カバー体13の第2付属カバー体15を主カバー体8(副カバー体10でも良い)に接着材等によってその全面を密着したものであり、この場合、主カバー体8若しくは付属カバー体13の双方若しくはいずれか一方を加熱しておいて密着させた後、冷却(自然冷却でも強制冷却でも良い)させて結合したものである。
【0017】図3は図1(2)において付属カバー体13における第2付属カバー体15にフック部15Bを隆起形成しておき、このフック部15Bに係合した弾性変形可能な取付け具17の他端を主カバー体8にボルト止め乃至リベット止め等による固着部18にて止着させ、該取付け具17の弾性変形許容部17Aによって付属カバー体13の弾性変形を空間部16内にて確保しつつ取付け具17による取着力を確保したものである。
【0018】これ故、取付け具17は主カバー体8の前後左右に所定間隔をおいて配置することが望ましい。図4は、付属カバー体13における第2付属カバー体15が硬度が異なる2層構造として形成してあり、第1付属カバー体14については耕耘部と面接する面接部位に、薄い皮膜層14Aを形成したものであり、該層14Aはコーティング処理等によって形成できる。
【0019】図5はカバー体7、図では主カバー体8と副カバー体9の耕耘部側に、発泡率が15%以上の発泡弾性材料(ゴム又は樹脂)からなる付属カバー体13を装着したものであり、発泡率(発泡倍率)が15%以上のものは土の付着(接着)表面積が少なくまた弾性により土の付着力が弱くなることから有利となるである。図6は付属カバー体13を複数層(少なくとも2層以上であり、図では2層を示すが3層でも良い)に形成し、第1付属カバー体14は発泡率が15%以上であり、第2付属カバー体15は発泡率が10%以上とされているのであり、第1付属カバー体14は発泡率が15%以上であることから所謂目が荒く土付着乃至付着成長が抑制されるであり、一方、第2付属カバー体15は所謂目が細かくて主カバー体8乃至副カバー体10に対する接着力が強くなって耐久性を向上できたのである。
【0020】図7は主カバー体8と副カバー体10に、少なく2層以上の層構造とした弾性材料よりなる付属カバー体13を装着したとき、副カバー体10側の付属カバー体13に対して主カバー体8側の付属カバー体13の強度(耐久性、引裂き性等をいう)を強くしたものであり、副カバー体10側の付属カバー体13では耕耘部でダウンカットするときの石,土等の衝突力を緩和吸収して土付着防止とともに騒音を低減するとともに、主カバー体8側における付属カバー体13によっては耕耘部から持廻された土等が通過するときの滑り運動を円滑にしたものである。
【0021】図8に示す例は、主カバー体8における付属カバー体13を複数層構造で構成し、副カバー体10における付属カバー体13は一枚で構成して、副カバー体10に対して空間部16Aを造成して複数個所を固着手段19にて止着したものであり、付属カバー体13が一枚であっても空間部16Aによって弾性変形が確保されて土付着を効果的に防止できるのであり、この場合、主カバー体8側の付属カバー体13については発泡ゴム等で構成することができるし、副カバー体10についてはこれを硬質樹脂で構成することができる(このことは、図1〜図7の例における主カバー体8および副カバー体10はいずれも鉄板等の金属材料で構成されていることを意味する)。
【0022】図9はカバー体7(主カバー体8と副カバー体10であるが、いずれか一方でも良い)を金属バー材(中実材、中空材のいずれでも良い)又は硬質樹脂性のバー材20によって格子構造に枠組みしたものであり、格子空間21には、図1〜図7等で例示した付属カバー体13における第2付属カバー体15を図10で示すように嵌合して接着等によって固着したものであって、これによれば付属カバー体13を剥離することなく確実かつ強固に装着することができる。
【0023】図11は付属カバー体13を連続気泡による発泡材料で作成し、カバー体5には貯水部22を形成して小孔22Aによって付属カバー体3に水を進入可能としたものであり、付属カバー体13に耕耘作業中の衝撃が作用すると発泡材が呼吸することによって、付属カバー体13に含浸した水が噴出されることで土付着防止乃至付着成長を抑制したものである。
【0024】なお、実施形態ではダウンカット方式を示しているが、アップカット方式であっても良い。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、耕耘部を覆うカバー体に対する土付着乃至付着成長を確実に防止乃至抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)5月19日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開平11−318101
【公開日】 平成11年(1999)11月24日
【出願番号】 特願平10−136773