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【発明の名称】 小型乗用作業機
【発明者】 【氏名】過能 剣士郎

【氏名】上村 正満

【氏名】山崎 辰雄

【要約】 【課題】機体の後進時に、各種作業部が地上の障害物等に衝突するのを防止すること。

【解決手段】走行部の後進切替操作に連動して昇降機構を上昇動作させるべく構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走可能な走行部(B) の後方に各種作業部を昇降機構(17)を介して連動連結した小型乗用作業機において、走行部(B) の後進切替操作に連動して、昇降機構(17)を上昇動作させるべく構成したことを特徴とする小型乗用作業機。
【請求項2】 昇降機構(17)に設けた昇降用シリンダ(51)を、走行部(B) に設けた制御用バルブ(59)により制御可能とすると共に、同制御用バルブ(59)を作業部昇降操作手段によりバルブ作動機構(76)を介して操作可能とし、同バルブ作動機構(76)には、走行部(B) に設けた前後進切替手段を作業部強制上昇機構(77)を介して連動連結して、前後進切替手段の後進切替操作に連動して、昇降機構(17)が上昇動作すべく構成したことを特徴とする請求項1記載の小型乗用作業機。
【請求項3】 バルブ作動機構(76)と昇降機構(17)との間にフィードバック機構を介設して、同フィードバック機構により昇降機構(17)の最上昇動作に連動して制御用バルブ(59)をバルブ作動機構(76)を介して中立位置に切替え可能とすると共に、バルブ作動機構(76)と作業部強制上昇機構(77)との間に連動解除機構(78)を介設して、同連動解除機構(78)により、制御用バルブ(59)を中立位置に切替えるバルブ作動機構(76)の動作が作業部強制上昇機構(77)に連動するのを解除すべく構成したことを特徴とする請求項2記載の小型乗用作業機。
【請求項4】 作業部強制上昇機構(77)に、バルブ作動機構(76)との連動を強制解除するための連動強制解除機構(79)を設けたことを特徴とする請求項3記載の小型乗用作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型乗用作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型乗用作業機の一形態として、自走可能な走行部の後方に各種作業部を昇降機構を介して連動連結したものがある。
【0003】そして、昇降機構は、走行部に設けた作業部昇降操作手段により操作可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した小型乗用作業機では、機体を後進走行させる際には、オペレータは、逐一、作業部昇降操作手段を操作して各種作業部を上昇させることにより、各種作業部が後方の地上高の低い障害物に干渉しないようにしなければならないという煩雑さがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、自走可能な走行部の後方に各種作業部を昇降機構を介して連動連結した小型乗用作業機において、走行部の後進切替操作に連動して、昇降機構を上昇動作させるべく構成したことを特徴とする小型乗用作業機を提供せんとするものである。
【0006】また、本発明は、次に構成にも特徴を有する。
【0007】■ 昇降機構に設けた昇降用シリンダを、走行部に設けた制御用バルブにより制御可能とすると共に、同制御用バルブを作業部昇降操作手段によりバルブ作動機構を介して操作可能とし、同バルブ作動機構には、走行部に設けた前後進切替手段を作業部強制昇降機構を介して連動連結して、前後進切替手段の後進切替操作に連動して、昇降機構が上昇動作すべく構成したこと。
【0008】■ バルブ作動機構と昇降機構との間にフィードバック機構を介設して、同フィードバック機構により昇降機構の最上昇動作に連動して制御用バルブをバルブ作動機構を介して中立位置に切替え可能とすると共に、バルブ作動機構と作業部強制上昇機構との間に連動解除機構を介設して、同連動解除機構により、制御用バルブを中立位置に切替えるバルブ作動機構の動作が作業部強制上昇機構に連動するのを解除すべく構成したこと。
【0009】■ 作業部強制上昇機構に、バルブ作動機構との連動を強制解除するための連動強制解除機構を設けたこと。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】すなわち、本発明に係る小型乗用作業機は、基本的構造として、自走可能な走行部の後方に昇降機構を昇降機構を介して連動連結している。
【0012】そして、かかる小型乗用作業機は、特徴的構造として、走行部の後進切替操作に連動して、昇降機構を上昇動作させるべく構成している。
【0013】このようにして、オペレータは安心して機体を後進走行させることができ、各種作業部を上昇させる操作を忘れて各種作業部を後方の地上高の低い障害物等に衝突させるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0014】すなわち、昇降機構に設けた昇降用シリンダを、走行部に設けた制御用バルブにより制御可能とすると共に、同制御用バルブを作業部昇降操作手段によりバルブ作動機構を介して操作可能とし、同バルブ作動機構には、走行部に設けた前後進切替手段を作業部強制昇降機構を介して連動連結して、前後進切替手段の後進切替操作に連動して、昇降機構が上昇動作すべく構成している。
【0015】このようにして、後進切替手段を後進切替操作して、機体を後進走行させる際には、作業部強制上昇機構により各種作業部を強制的に上昇作動させて、各種作業部が後方の地上高の低い障害物等に衝突若しくは干渉するのを確実に防止することができる。
【0016】しかも、バルブ作動機構と昇降機構との間にフィードバック機構を介設して、同フィードバック機構により昇降機構の最上昇動作に連動して制御用バルブをバルブ作動機構を介して中立位置に切替え可能とすると共に、バルブ作動機構と作業部強制上昇機構との間に連動解除機構を介設して、同連動解除機構により、制御用バルブを中立位置に切替えるバルブ作動機構の動作が、作業部強制上昇機構に連動するのを解除すべく構成している。
【0017】このようにして、前後進切替手段が後進切替操作位置より中立位置に復元されるのを防止して、機体の後進走行を確保することができると共に、各種作業部を最上昇位置に保持することができて、前記と同様の効果が得られる。
【0018】さらに、作業部強制上昇機構に、バルブ作動機構との連動を強制解除するための連動強制解除機構を設けている。
【0019】このようにして、機体を後進走行させて、機体の後方に配置した各種作業機のヒッチ部に昇降機構を連結する際には、連動強制解除機構によりバルブ作動機構と作業部強制上昇機構との連動を強制的に解除しておくことにより、昇降機構を各種作業部のヒッチ部と符合する地上高に設定保持することができて、連結作業を機体を後進走行させるだけで円滑かつ確実に行なうことができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0021】図1に示すAは、本発明に係る小型乗用作業機であり、同小型乗用作業機Aは、自走可能な走行部Bの後部に昇降機構17を設け、同昇降機構17に各種作業部の一形態としての耕耘部Cをヒッチ部18を介して連結している。
【0022】走行部Bは、図1に示すように、機体フレーム1上の略中央部にミッション部2を設け、同ミッション部2の左右側部にそれぞれ前車輪伝動軸ケース3,3を連動連設し、各前車輪伝動軸ケース3,3に前車輪4,4を前車軸4a,4a を介して取付けると共に、機体フレーム1上の左右側後部に後車輪伝動ケース5,5をそれぞれ設け、各後車輪伝動ケース5,5に後車輪7,7を後車軸7a,7a を介して取付け、ミッション部2の左右側部と左右側後車輪伝動ケース5,5との間に、それぞれ伝動シャフト6,6を介設して、車体支持構造体8を構成している。
【0023】そして、車体支持構造体8には、前部に運転部9を設けると共に、前記ミッション部2と左右側後車輪伝動ケース5,5との間に原動機部10と燃料タンク11とを上下に位置させて配設し、同原動機部10に設けたエンジンEにミッション部2を第1伝動機構12を介して連動連結している。
【0024】また、機体フレーム1の後端部には、左右一対の作業部連結体14,14 を後方に向けて突設し、両作業部連結体14,14 間にPTO軸15を横架して、同PTO軸15をエンジンEに第2伝動機構16を介して連動連結すると共に、同PTO軸15の外周面に昇降機構17を設け、同昇降機構17に耕耘部Cをヒッチ部18を介して連結している。
【0025】このようにして、耕耘部Cを、車体支持構造体8の後方に昇降機構17を介して昇降可能に連結すると共に、耕耘部Cの耕耘入力軸120 にPTO軸15より伝動ケース(図示せず)を介して動力を伝達可能としている。
【0026】機体フレーム1は、図1に示すように、ミッション部2の左右側下部より後方へ伸延し、かつ、後車軸7a,7a の直上方位置より後上方へ立上げて形成した左右一対のメインフレーム20,20 と、ミッション部2の前端部と両メインフレーム20,20 の後端部との間に架設した平面視矩形枠状のサブフレーム21と、同サブフレーム21上に起倒自在に立設した正面視門型のロールバー22とを具備している。23はサブフレームステーである。
【0027】サブフレーム21は、図1に示すように、左右幅方向に伸延させた前側フレーム形成体24と、同前側フレーム形成体24の左右側端より後方へ向けて伸延させた左右側フレーム形成体25,25 と、両左右側フレーム形成体25,25 の後端部間に横架した後側フレーム形成体26とから形成しており、メインフレーム20,20 より上方へ立上げたサブフレームステー23,23 の上端に左右側フレーム形成体25,25 の中途部を固定すると共に、メインフレーム20,20 の後側立上げフレーム形成体20d,20d の上端に後側フレーム形成体26を固定している。
【0028】そして、左右側フレーム形成体25,25 は、それぞれ前後車輪4,4,7,7の直上方位置に配置しており、前端から後下方へ向けて傾斜する踏ん張り面形成部25a,25a と、各踏ん張り面形成部25a,25a の後端から後述する運転部9の座席34の側方位置まで後上方へ向けて傾斜する側方傾斜部25b,25b と、各側方傾斜部25b,25b の後端からメインフレーム20,20 の後側立上げフレーム形成体20d,20d の上方位置まで略水平に伸延する後方伸延部25c,25c とから形成している。
【0029】また、上記側方傾斜部25b,25b と後方伸延部25c,25c とが接続している屈曲部をそれぞれ握り部25d,25d となし、両握り部25d,25d は、後述する運転部9の座席34の左右側方に配置している。
【0030】サブフレーム21の側方傾斜部25b と後方伸延部25c との間には、図1に示すように、サイドカバー体90を架設しており、同サイドカバー体90は、車体の側方と前車輪4の上方と後車輪7の前側上方とを被覆している。90b は前車輪フェンダー、90c は後車輪フェンダーである。
【0031】しかも、サイドカバー体90の中途部90a は下方へ凸状に折曲させて形成して、同中途部90a と握り部25d との間に握り部空間109 を形成して、オペレータが握り部25d を容易に把持できるようにしている。
【0032】運転部9は、図1に示すように、車体フレーム1の前部に床部形成体30を張設し、同床部形成体30の後端縁に連続させて座席支持機枠カバー体31を設け、床部形成体30の前部にハンドルコラム32を立設し、同ハンドルコラム32の上端にハンドル33をハンドル支軸33a を介して取付け、同ハンドル33の直後方位置で、かつ、ミッション部2上に座席34を座席支持機枠35を介して載設している。
【0033】そして、ハンドル支軸33a は、ハンドルコラム32内に立設した支軸ケース60中を下方へ伸延させて、床部形成体30の直下方位置にてミッション部2に前車輪操舵機構36を介して連動連結している。
【0034】また、ハンドルコラム32の右側方に位置する床部形成体30の部分にはブレーキペダル37を配設し、ハンドルコラム32の左側壁には前後進切替手段としての前後進切替レバー39を取付ける一方、ハンドルコラム32の右側壁にはアクセルレバー40と駐車ブレーキレバー38とを取付け、同駐車ブレーキレバー38によりブレーキペダル37をブレーキ制動位置に固定可能としている。
【0035】前後進切替レバー39は、図1〜図3に示すように、支軸ケース60にレバー支持ブラケット61を介して下端部を前後回動自在に枢支し、同前後進切替レバー39の下端部に、ミッション部2の後部に横断貫通させて横架した前後進切替軸62の左側端部を前後進切替機構63を介して連動連結している。
【0036】すなわち、前後進切替レバー39は、レバー支持ブラケット61に左右方向に軸線を向けて突設したレバー支軸64に、ボス部65を介して下端部を枢支しており、同ボス部65には連動アーム66を後方へ向けて突設している。
【0037】前後進切替機構63は、前側フレーム形成体24に、左右側方に軸線を向けたリンク支軸67を軸支持ブラケット68を介して取付け、同リンク支軸67に上下揺動リンク69と前後揺動リンク70とをボス部71を介して枢支し、上下揺動リンク69と前記連動アーム66とを上下摺動ロッド72を介して連動連結すると共に、前後揺動リンク70と前後進切替軸62の左側端部に取付けた前後進切替作動アーム73とを前後摺動ロッド74を介して連動連結している。72a,72b,74a,74b はそれぞれ連結ピンである。
【0038】このようにして、前後進切替レバー39を前方へ回動させると、前後進切替機構63を介して前後進切替軸62が図2の側面視にて時計廻りに回動して、ミッション部2内に設けた後進クラッチ部186 (図9参照)が切断されるようにしている。
【0039】また、前後進切替レバー39を後方へ回動させると、前後進切替機構63と前後進切替軸62とが上記とは反対方向に動作して、ミッション部2の前進クラッチ部189 (図9参照)が切断されるようにしている。
【0040】そして、本実施例では、前後進切替レバー39を後進切替操作すると、それに連動して耕耘部Cが最上昇位置まで上昇動作すべく構成している。
【0041】座席34の左側位置には変速レバー42を配設する一方、同座席34の右側方位置には、作業部昇降操作手段としての作業部昇降操作レバー43と、作業部伝動クラッチ入切操作レバー44と、耕深調節操作レバー45とを配設しており、作業部昇降操作レバー43の近傍には制御用バルブ59を配設して、作業部昇降操作レバー43により制御用バルブ59を介して後述する昇降機構17の昇降用シリンダ51の伸縮作動を制御可能としている。
【0042】しかも、これら各種操作レバー42,43,44,45 は、前記したサブフレーム21の左右側中途部に形成した握り部25d,25d の内方かつ近傍に配置している。
【0043】このようにして、オペレータは、運転部9に乗降する際には、握り部25d を把持することにより、側方傾斜部25b の上方の空間より楽に乗降することができ、また、傾斜地作業において、各種操作レバー42,43,44,45 を操作中に危険性を感じた際には、すばやく、握り部25d を把持することにより身体を確実に支えることができて、安全性を確保することができる。
【0044】作業部昇降操作レバー43は、図4及び図5に示すように、制御用バルブ59をバルブ作動機構76を介して操作可能とし、同バルブ作動機構76には、前後進切替レバー39に連動連結した前後進切替軸62の右側端部を作業部強制昇降機構77を介して連動連結して、前後進切替レバー39の後進切替操作に連動して、耕耘部Cが最上昇位置まで上昇動作すべく構成している。
【0045】そして、バルブ作動機構76と昇降機構17との間に後述するフィードバック機構としてのフィードバックワイヤ62を介設して、同フィードバックワイヤ104 により昇降機構17の最上昇動作に連動して制御用バルブ59をバルブ作動機構76を介して中立位置に切替え可能とすると共に、バルブ作動機構76と作業部強制上昇機構77との間に連動解除機構78を介設して、同連動解除機構78により、制御用バルブ59を中立位置に切替えるバルブ作動機構76の動作が作業部強制上昇機構77に連動するのを解除すべく構成している。
【0046】しかも、作業部強制上昇機構77には、バルブ作動機構76との連動を強制解除するための連動強制解除機構79を設けている。
【0047】次に、上記した各機構76,77,78,79 について、具体的に説明する。
【0048】バルブ作動機構76は、機体フレーム1に取付けた機構支持枠体80に取付けており、同機構支持枠体80の前部に、レバー支軸81を左右方向に軸線を向けて突設し、同レバー支軸81に作業部昇降操作レバー43の下端部をボス部82を介して前後方向へ回動自在に枢支すると共に、同レバー支軸81の内側端部にリンク作動アーム83を下方へ向けて突設する一方、上記レバー支軸81の後方に位置させて機構支持枠体80に支軸84を横架し、同支軸84にリンク連動アーム85を下方へ向けて突設し、かつ、同支軸84にバルブ作動アーム86を後上方へ向けて突設して、前記リンク作動アーム83とリンク連動アーム85とをリンク87を介して連動連結している。87a,87b はそれぞれ連結ピンである。
【0049】また、支軸84には、仮止め体88の中途部を取付けており、同仮止め体88の上端縁部には上昇位置仮止め凹部88a と中立位置仮止め凹部88b と下降位置仮止め凹部88c とを形成し、いずれかの凹部に、機構支持枠体80の前部に下端部を枢支した押圧アーム89の先端部ローラ89a が係合すべく構成している。89b は枢支ピン、89c は引張スプリングである。
【0050】このようにして、作業部昇降操作レバー43を前方へ回動操作すると、リンク87を介してバルブ作動アーム86が前方へ回動して、制御用バルブ59のスプール59aより離隔し、同スプール59a が図示しない押圧スプリングにより前方へ伸長動作して、制御用バルブ59を昇降用シリンダ伸長側へ切替動作させ、耕耘部Cを下降動作させるようにしている。
【0051】そして、作業部昇降操作レバー43を中立位置に戻すと、リンク87を介してバルブ作動アーム86が後方へ回動して、スプール59a を押圧し、制御用バルブ59を中立位置に切替動作させて、耕耘部Cを停止させるようにしている。
【0052】また、作業部昇降操作レバー43を後方へ回動操作すると、リンク87を介してバルブ作動アーム86が後方へ回動して、スプール59a を後退させ、制御用バルブ59を昇降用シリンダ短縮側へ切替動作させて、耕耘部Cを上昇動作させるようにしている。
【0053】この際、上記した作業部昇降操作レバー43の下降、中立、上昇の各操作位置にて、仮止め体88の各凹部88a,88b,88c に押圧アーム89の先端部ローラ89a が係合して、各切替操作位置に作業部昇降操作レバー43を仮止めすることができるようにしている。
【0054】また、仮止め体88の下端部には、後述するフィードバックワイヤ104 の前端を連結しており、昇降機構17が最上昇位置まで上昇動作した際には、同フィードバックワイヤ104 が仮止め体88を、図4に示す側面図にて反時計廻りに回動させて、同仮止め体88と同軸的に取付けたバルブ作動アーム86を同一回動方向に回動させて、制御用バルブ59を中立位置に切替動作させ、その結果、耕耘部Cを最上昇位置にて停止させることができる。108 はワイヤステーである。
【0055】作業部強制昇降機構77は、図4及び図5に示すように、前後進切替軸62の右側端部に、前後進切替連動アーム91を連結用筒体92を介して前下方へ向けて突設し、同前後進切替連動アーム91の先端部に連動ロッド93の後端部を連結し、同連結ロッド93の前端部に前後方向に伸延する係合・解除体94の後端部を連設し、同係合・解除体94に形成した係合・解除孔95に、前記支軸84の右側端部に基端部を連結した係合連動アーム96の先端部を係合ピン97を介して係合させている。98は抜止め体、99は係合用引張スプリングである。93a は連結ピンである。
【0056】そして、係合・解除孔95は、前半部孔95a を係合ピン97が摺動自在な細幅に形成し、後半部孔95b を前半部孔95a の略2倍の広幅に形成して、後半部孔95b の前端縁部に係合縁部95c を形成している。
【0057】このようにして、前後進切替レバー39の後進切替操作に連動して、前後進切替連動アーム91が、図4に示す側面図にて反時計廻りに回動し、それに連動して連動ロッド93及び係合・解除体94が後下方へ後退摺動される。
【0058】この際、係合・解除孔95の係合縁部95c に係合連動アーム96の係合ピン97が係合しているために、同係合連動アーム96も図4に示す側面図にて時計廻りに回動される。
【0059】その結果、係合連動アーム96と支軸84に同軸的に突設されたバルブ作動アーム86も同一回動方向である時計廻りに回動して、スプール59a を押圧操作し、制御用バルブ59を昇降用シリンダ短縮側へ切替作動させて、耕耘部Cを強制的に上昇動作させる。
【0060】連動解除機構78は、係合・解除体94の下端縁部の中途部に、係合解除用傾斜面94a を形成する一方、仮止め体の中途部には係合解除用突片88d を後上方へ向けて突設して構成している。
【0061】このようにして、図6にも示すように、昇降機構17が最上昇位置まで上昇動作すると、フィードバックワイヤ104 により仮止め体88が図4に示す側面図にて反時計方向に回動されて、制御用バルブ59を中立にして、昇降機構17を停止させると共に、仮止め体88に突設した係合解除用突片88d が係合解除用傾斜面94a に沿って係合・解除体94を上方へ押上げて、係合ピン97を係合縁部95c より係合解除させる。
【0062】その結果、係合ピン97は、図7にも示すように、前半部孔95a 中に配置されて、係合・解除体94が前後進切替連動アーム91の回動作動に連動して前後摺動した際にも、係合連動アーム96は作動せず、制御用バルブ59が切替作動されることはない。
【0063】連動強制解除機構79は、図8に示すように、座席支持機枠カバー体31の右側部に引上げロッド挿通孔100 を形成し、同引上げロッド挿通孔100 中に、上下方向に伸延する引上げロッド101 を上下摺動自在に挿通し、同引上げロッド101 の上端部に操作用抓み部102 を形成する一方、同引上げロッド101 の下端部に係合用フック103 を形成している。
【0064】このようにして、引上げロッド101 を操作用抓み部102 を介して上方へ引上げると、係合用フック103 が係合・解除体94の下端中途部に係合して、同係合・解除体94を上方へ引上げ、係合ピン97を係合縁部95c より強制的に係合解除させて、係合・解除体94が前後進切替連動アーム91の回動作動に連動して前後摺動する場合にも、係合連動アーム96が作動しないようにして、制御用バルブ59が切替作動されることがないようにすることができる。
【0065】従って、昇降機構17を所望の地上高に設定保持して、機体を後進作動させたい場合、例えば、地上に載置した耕耘部Cのヒッチ部18に昇降機構17を連結させる作業を行なう場合には、上記した連動強制解除機構79を操作すればよい。
【0066】前側フレーム形成体24の下端には、図1に示すように、フロントウエイト46を取付けており、同フロントウエイト46は、平面視略コ字状に形成して、前車輪操舵機構36の前側部を前方と左右側方とから被覆して、バンパーとしても機能している。
【0067】原動機部10は、図1に示すように、エンジンEと、同エンジンEに連通連結すると共に、同エンジンEの後方上部位置に配置したエアクリーナ105 と、エンジンEの後方下部位置に配置したマフラー106 とを具備している。107 はボンネットである。
【0068】次に、昇降機構17について説明すると、同昇降機構17は、図1に示すように、PTO軸15に連結体50の前端部を軸受具(図示せず)を介して連結し、同連結体50の中途部と、サブフレーム21の後側フレーム形成体26の中央部との間に昇降用シリンダ51を介設して構成している。
【0069】そして、連結体50の外側面の後端中途部には、自動耕深調節用ワイヤ56を中継するための中継用アーム(図示せず)の下端部を枢支ピン(図示せず)により枢支して、同中継用アームを前後揺動自在に取付けており、自動耕深調節用ワイヤ56は、運転部9に設けて昇降用シリンダ51を制御する制御用バルブ59にバルブ作動機構76を介して一端を連動連結した走行部側ワイヤ56a と、耕耘部Cに設けて耕面の凹凸を検出するリヤカバー113 に一端を連動連結した耕耘部側ワイヤ56bとから形成している。
【0070】このようにして、連結体50より耕耘部Cを取外す際には、耕耘部側ワイヤ56bの他端を中継用アームより取外せば、容易に耕耘部Cを取外すことができる。
【0071】また、反対の手順を遡ることにより、連結体50に耕耘部Cを容易に取付けることができる。
【0072】この際、走行部側ワイヤ56a の他端は、中継用アームに連結したままにしておけばよく、別途、走行部側ワイヤ56a が損傷等しないように巻付けて収納しておく等の手間を要しない。
【0073】また、連結体50には、フィードバックワイヤ104 の一端を連結し、同フィードバックワイヤ104 の基端を前記制御用バルブ59にバルブ作動機構76を介して連動連結している。
【0074】このようにして、昇降用シリンダ51を短縮作動させることにより、連結体50を介して耕耘部Cが上昇されると、連結体50と一体的に連結したフィードバックワイヤ104 が引張されて、同フィードバックワイヤ104 が制御用バルブ59を中立位置に切替動作させ、その結果、昇降用シリンダ51の作動が停止されて、耕耘部Cを最上昇位置にて停止させることができる。
【0075】次に、耕耘部Cについて説明すると、同耕耘部Cは、図1に示すように、耕耘伝動ケース110 の下部に左右方向に伸延する耕耘軸111 を横断貫通状に取付け、同耕耘軸111 に耕耘爪(図示せず)を取付け、同耕耘爪の直上方位置に耕耘カバー112 を張設し、同耕耘カバー112 の後端縁部にリヤカバー113 の前端縁部を枢支ピン114 を介して枢支して、同リヤカバー113 を上下揺動自在となしている。
【0076】そして、耕耘カバー112 の上面より後上方へロッド支持体121 を突設し、同ロッド支持体121 にハンガーロッド115 の中途部を摺動リング116 を介して上下摺動自在、かつ、前後揺動自在に支持し、同ハンガーロッド115 の下端部をリヤカバー113 の基部上面より突設したロッド連結体117 に連結している。118,119 は連結ピンである。
【0077】また、ハンガーロッド115 の上端部には、前記した自動耕深調節用ワイヤ56の耕耘部側ワイヤ56b の一端を連結している。
【0078】このようにして、耕耘作業時には、リヤカバー113 の先端部を耕面に摺接させ、同リヤカバー113 が耕面の凹凸を検出して上下揺動した際には、ハンガーロッド115 を介して耕耘部側ワイヤ56b →中継用アーム→走行部側ワイヤ56a が押し引きされて、制御用バルブ59が切替動作されて、昇降用シリンダ51の伸縮作動が自動制御されて、同昇降用シリンダ51により昇降機構17を介して支持されている耕耘部Cによる耕耘深さの調節が自動的になされるようにしている。
【0079】図9は、他の実施例としてのミッション部2を示しており、同ミッション部2は、ケース本体180 を前後方向に伸延させて形成し、同ケース本体180 の後部に入力軸181 を横架し、同入力軸181 の左外側端部に入力プーリ182 を取付けて、同入力プーリ182 に前記第1伝動機構12の伝動ベルト12a を巻回する一方、入力軸181 の右外側端部に油圧ポンプ183 を連動連設している。
【0080】入力軸181 には、入力第1ギヤ184 を取付けると共に、入力第2ギヤ185 を後進クラッチ部186 を介して取付けている。
【0081】ケース本体180 内の入力軸181 の近傍には、カウンター軸187 を横架し、同カウンター軸187 に、カウンター第1ギヤ188 を前進クラッチ部189 を介して取付けると共に、カウンター第2ギヤ190 を取付けており、カウンター第1ギヤ188は入力第1ギヤ184 に噛合させている。
【0082】ここで、ケース本体180 の後部には、前後進切替軸62を横架し、同前後進切替軸62の左外側端部に前後進切替作動アーム73の基端を取付け、同前後進切替作動アーム73と前記前後進切替レバー39とを前後進切替機構63を介して連動連結する一方、前後進切替軸62に前記前・後進クラッチ部189,186 をそれぞれ操作するクラッチ操作アーム193,194 を取付けている。
【0083】このようにして、前後進切替レバー39の切替操作に連動して、前・後進クラッチ部189,186 がそれぞれ接続・切断作動して、前後車輪4,4,7,7を同時に正転又は逆転させることができるようにしている。
【0084】ケース本体180 内のカウンター軸187 の近傍には、リバース軸195 を横架し、同リバース軸195 にリバース第1ギヤ196 とリバース第2ギヤ197 を取付け、リバース第1ギヤ196 に前記入力第2ギヤ185 とカウンター第2ギヤ190 とをそれぞれ噛合させている。
【0085】ケース本体180 内のリバース軸195 の近傍には、主変速軸198 を横架し、同主変速軸198 に入力ギヤ199 を取付けると共に、同入力ギヤ199 をリバース第2ギヤ197 に噛合させている。
【0086】そして、主変速軸198 には、第1主変速ギヤ200 と第2主変速ギヤ201 と第3主変速ギヤ202 とを取付けており、第1・第3主変速ギヤ200,202 は主変速軸198 に回転自在に取付ける一方、第2主変速ギヤ201 は主変速軸198 にスプライン嵌合して、同第2主変速ギヤ201 を、変速レバー42によりシフトフォーク(図示せず)を介して、第1・第3主変速ギヤ200,202 のいずれか一方に接続・切断可能としている。
【0087】ケース本体180 内の主変速軸198 の近傍には、中間軸203 を横架し、同中間軸203 に第1主変速ギヤ200 と噛合する第1従動ギヤ204 と、第2主変速ギヤ201と噛合する第2従動ギヤ205 と、第3主変速ギヤ202 と噛合する第3従動ギヤ206 とをスプライン嵌合している。
【0088】ケース本体180 内の中間軸203 の近傍には、副変速軸208 を横架し、同副変速軸208 に、第3従動ギヤ206 と噛合する大径ギヤ209 を転動自在に取付ける共に、副変速ギヤ210 をスプライン嵌合して、同副変速ギヤ210 を、変速レバー42によりシフトフォーク(図示せず)を介して、大径ギヤ209 と第1従動ギヤ204 のいずれか一方に接続・切断可能としている。
【0089】ケース本体180 内の副変速軸208 の近傍には、左右一対の後車輪伝動軸214,214 を同一軸線上に配置し、両伝動軸214,214 の内側端部間にギヤ体215 を介設する一方、各伝動軸214,214 の外側部に伝動クラッチ部216,216 を取付け、各伝動クラッチ部216,216 をそれぞれクラッチ操作体217,217 により接続・切断操作可能としている。
【0090】そして、ギヤ体215 には、副変速ギヤ210 と噛合する大径ギヤ218 と後述するリンクギヤ212 と噛合する小径ギヤ219 とを一体成形している。
【0091】また、各後車輪伝動軸214,214 の先端部は、前記伝動シャフト6,6の前端部に連動連結している。
【0092】ケース本体180 内の前部には、デフ機構211 を設け、同デフ機構211 に設けたリングギヤ212 を上記小径ギヤ219 に噛合させている。
【0093】そして、デフ機構211 には、左右前車輪伝動軸213,213 の内側端部を連動連結し、各前車輪伝動軸213,213 を、各前車輪伝動軸ケース3,3中に挿通して、各前車軸4a,4a に連動連結している。
【0094】このようにして、上記ミッション部2では、前進6段と後進6段の各変速操作が行なえるようにしている。
【0095】図10は、もう一つの他の実施例としてのミッション部2を示しており、同ミッション部2は、前記したミッション部2と基本的構造を同じくしているが、入力軸181 には入力第2ギヤ185 と後進クラッチ部186 とを取付けていない。
【0096】このようにして、かかるミッション部2では、前進4段と後進2段の各変速操作が行なえるようにしている。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0098】■ 請求項1記載の本発明では、走行部の後進切替操作に連動して、昇降機構を上昇動作させるべく構成しているために、オペレータは安心して機体を後進走行させることができ、各種作業部を上昇させる操作を忘れて各種作業部を後方の地上高の低い障害物等に干渉させるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0099】■ 請求項2記載の本発明では、昇降機構に設けた昇降用シリンダを、走行部に設けた制御用バルブにより制御可能とすると共に、同制御用バルブを作業部昇降操作手段によりバルブ作動機構を介して操作可能とし、同バルブ作動機構には、走行部に設けた前後進切替手段を作業部強制上昇機構を介して連動連結して、前後進切替手段の後進切替操作に連動して昇降機構が上昇動作すべく構成しているために、後進切替手段を後進切替操作して、機体を後進走行させる際には、作業部強制上昇機構により各種作業部を強制的に上昇作動させて、各種作業部が後方の地上高の低い障害物等に干渉するのを確実に防止することができる。
【0100】■ 請求項3記載の本発明では、バルブ作動機構と昇降機構との間にフィードバック機構を介設して、同フィードバック機構により昇降機構の最上昇動作に連動して制御用バルブをバルブ作動機構を介して中立位置に切替え可能とすると共に、バルブ作動機構と作業部強制上昇機構との間に連動解除機構を介設して、同連動解除機構により、制御用バルブを中立位置に切替えるバルブ作動機構の動作が作業部強制上昇機構に連動するのを解除すべく構成しているために、前後進切替手段が後進切替操作位置より中立位置に復元されるのを防止して、機体の後進走行を確保することができると共に、各種作業部を最上昇位置に保持することができて、前記と同様の効果が得られる。
【0101】■ 請求項4記載の本発明では、作業部強制上昇機構に、バルブ作動機構との連動を強制解除するための連動強制解除機構を設けているために、機体を後進走行させて、機体の後方に配置した各種作業機のヒッチ部に昇降機構を連結する際に、連動規制解除機構によりバルブ作動機構と作業部強制上昇機構との連動を強制的に解除しておくことにより、昇降機構を各種作業部のヒッチ部と符合する地上高に設定保持することができて、連結作業を機体を後進走行させるだけで円滑かつ確実に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開平11−313506
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平10−121285