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【発明の名称】 農作業機の鎮圧ローラ及びそれを装着した播種複合作業機
【発明者】 【氏名】菅野 鋭三

【氏名】田辺 義男

【要約】 【課題】鎮圧ローラの外周面に圃場表面の土が付着することを抑制するように改良を施し、付着土による圃場表面の均平状態の破壊を防止する鎮圧ローラ及びそれを装着した播種複合作業機を提供する。

【解決手段】農作業機に装着される鎮圧ローラ(24)において、前記鎮圧ローラ(24)は中心軸(24B)を有するローラ本体(24)Cの外周面に弾性体層(24D)を有し、その表面が表面被覆板(24E)で被覆されたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農作業機に装着される鎮圧ローラにおいて、前記鎮圧ローラは中心軸を有するローラ本体の外周面に弾性体層を有し、その表面が表面被覆板で被覆されたことを特徴とする農作業機の鎮圧ローラ。
【請求項2】 前記弾性体層は、合成ゴムあるいは樹脂発砲体からなる請求項1記載の農作業機の鎮圧ローラ。
【請求項3】 前記表面被覆板は、土が付着しにくい高分子樹脂材からなる請求項1又は請求項2記載の農作業機の鎮圧ローラ。
【請求項4】 少なくとも、3点リンクヒッチ機構およびリフト機構を搭載したトラクタに装着される播種複合作業機において、作業機の前部にアッパリンク並びにロアリンクの取り付け部を備え、この取り付け部は、直接あるいは間接的に砕土装置にあり、この砕土装置の作業進行方向後方位置に均平装置、作溝装置、播種覆土装置および中心軸を有するローラ本体の外周に弾性体層を有し、その表面が表面被覆板で被覆された鎮圧ローラが配置装着されたことを特徴とする播種複合作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作業機に装着される鎮圧ローラ及びそれを装着した播種複合作業機に関し、さらに詳しくは、圃場の均平化をより精確に行い、これにより均一収穫を期待して開発された農作業機の鎮圧ローラ及びそれを装着した播種複合作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圃場の耕耘、砕土作業後の残された土塊をさらに圧砕すると共に鎮圧して、圃場表面の均平化を図る作業機として、各種の鎮圧ローラが用いられている。その代表的なものとして、平滑ローラ、管形ローラ等が知られている。
【0003】一方、圃場作業機として、耕起、不耕起栽培を問わず、圃場の耕耘、砕土作業、均平作業、播種を目的とした作溝作業、施肥作業を行う個々の作業機は、従来より広く知られているところであって、これらの作業を関連付けて二つ以上行うことで能率向上を図った作業機、いわゆる複合作業機も広く知られている。例えば、稲作農作業においての複合作業機としては、直播作業に先立ち、予め圃場条件を均一化するために、浅い位置での砕土、耕耘作業を行い、その後を均平にし、さらに播種に適した肥料を施す施肥作業を行い、その後、播種のための播種床に播種溝を形成し、これに播種、覆土した後、鎮圧する作業機が知られている。具体的には、特開平9−275714号に示されているところで、これに示されたものは、ロータリ耕耘機による耕耘作業後をこの作業機がもつ砕土板の下端部により地ならしを施し、さらに、鎮圧ローラによって鎮圧を加え、播種溝を形成後、播種し、覆土する作業機である。このように、複合的に農作業を行うものは前記公報に記載されたものだけではなく、その公報に従来例として挙げられているように枚挙にいとまのない程であって、特開平6−209613号公報、実公平4−49857号公報、実公平6−20334号公報などが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、鎮圧ローラは、作業機の最終行程において圃場に対して鎮圧作業を施す目的から一般に用いられているが、この鎮圧ローラに対して土質によっては圃場表面の土が付着することにより、鎮圧ローラの外周面が実質的な凸凹になって、圃場表面に凹凸が形成されることがあり、このため、理想圃場のように畦際まで均平にすることができないという問題があった。また、鎮圧ローラが装着された播種複合作業機による作業時においてこのような状況となった場合には、圃場表面に凹凸が形成されていることから、覆土を確実に行うことができないという問題も有していた。
【0005】そこで、本発明は、鎮圧作業において、鎮圧ローラの外周面に圃場表面の土が付着することを抑制するように改良を施し、付着土による圃場表面の均平状態の破壊を防止する鎮圧ローラ及びそれを装着した播種複合作業機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、本発明は、農作業機に装着される鎮圧ローラにおいて、前記鎮圧ローラは中心軸を有するローラ本体の外周面に弾性体層を有し、その表面が表面被覆板で被覆されたことを特徴とする。また、前記弾性体層は合成ゴムあるいは樹脂発泡体からなりることが好ましく、さらに、前記表面被覆板は高分子樹脂材からなることが好ましい。また、少なくとも、3点リンクヒッチ機構およびリフト機構を搭載したトラクタに装着される播種複合作業機において、作業機の前部にアッパリンク並びにロアリンクの取り付け部を備え、この取り付け部は、直接あるいは間接的に砕土装置にあり、この砕土装置の作業進行方向後方位置に均平装置、作溝装置、播種覆土装置および中心軸を有するローラ本体の外周に弾性体層を有し、その表面が表面被覆板で被覆された鎮圧ローラが配置装着されたことを特徴とする。これらの構成により、鎮圧ローラによる圃場の均平作業中に、鎮圧ローラの外周面に付着した圃場表面の土が弾性体層の弾性力により弾かれて表面被覆板から容易に剥離して、鎮圧ローラの外周面に圃場表面の土が凸凹に付着することを確実に抑制することができ、従来のように作業中に鎮圧ローラの外周面に付着した土が凸凹になって作業中に圃場表面に凹凸を形成するようなことが全くなく、完全均平に近い精確な鎮圧作業が可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。先ず、本発明に係る農作業機の鎮圧ローラについて説明する。本発明に係る農作業機の鎮圧ローラ24は、その外周面に圃場表面の土が付着するのを効果的に防止すべく、鎮圧ローラ24自体を図1に示すように構成するのが好ましい。即ち、鎮圧ローラ24は、中心軸24Bを有するローラ本体24Cの外周面に合成ゴムや樹脂発泡体からなる弾性体層24Dを有する。そして、弾性体層24Dの表面には土が付着しにくい高分子樹脂材、例えばポリエチレンシートなどからなる表面被覆板24Eが接着あるいは溶着され、この表面被覆板24Eによって弾性体層24Dの表面が被覆されている。なお、鎮圧ローラの軸方向の長さは、鎮圧ローラが装着される作業機の作業幅に対応するように定められている。
【0008】次に、本発明に係る農作業機の鎮圧ローラを装着した播種複合作業機について説明する。図2は、本発明に係る播種複合作業機の全体を示す側面図で、符号10は縦軸を中心に回転する砕土装置としてのバーチカルハローを示しており、このバーチカルハロー10に対して平行四辺形のリンク22、23を介して播種作業機20が取り付けられている。
【0009】次に、播種複合作業機の各部の構成について説明を加える。先ず、砕土装置としてのバーチカルハロー10は、横軸回転のロータリハローに比較して土の上下方向の移動を抑える特長のあるもので、作業幅方向に沿って配列された複数のロータ11は、隣り合ったロータが互いに反対方向に回転するようになっていて、各ロータ11は円板に取り付けられた2本の回転爪11Aにより構成されている。このバーチカルハロー10は、トラクタのTPO軸から供給される回転トルクにより駆動されるもので、入力軸の回転が一旦水平面での回転に変換された後、歯車群を経て各ロータを回転させるようになっていて、隣り合った各ロータは互いに反対方向に回転するようになっている。
【0010】図2に示される播種複合作業機は、トラクタ(図示省略)に対してトラクタが備える3点リンクヒッチ機構を形成するアッパリンクU及び左右一対のロアリンクLにより装着されるもので、これの各リンクに対応してバーチカルハロー10にはマスト12にヒッチピン孔h、マスト部材に相当する部材の下部位置に下部ヒッチピン13が設けてある。そして、前記マスト12に形成されているヒッチピン孔hは、アッパリンクUを装着するヒッチピン14が作業進行方向に沿って長い形状でアッパリンクUの端部が作業進行方向に対して垂直面内で適当な範囲で移動することができるようになってフリーゾーンhを形成している。このアッパリンクUを取り付けるヒッチピン14の移動は、後述するように本発明における最も重要な点であり、このフリーゾーンh内での移動によりトラクタのリフト動作がそのまま作業機に伝達されることがないのである。
【0011】さらに、このバーチカルハロー10には、側面視平行四辺形を形成する1本の上部平行リンク15及び2本の下部平行リンク16の一端部がそれぞれ枢着ピン15A、16Aを介して取り付けられ、平行リンク15、16の他端部には枢着ピン15B、16Bを介して播種作業機20が取り付けられている。これらの平行リンク15、16の枢着ピン15B、16Bは、直接播種作業機20に取り付けられているのではなく、A型フレーム17に対して取り付けられており、このA型フレーム17は播種作業機20が備える連結用のA型フレームに対して連結されるようになっている。このA型フレーム17と、連結用のA型フレームについては後で詳しく説明する。
【0012】そして、前記上部平行リンク15には、リフトシリンダ18のロッド18Aの端部がピン18Bを介して枢着されており、リフトシリンダ18の伸縮によりバーチカルハロー10とは独立して播種作業機20を適当にリフトさせることができるようになっている。
【0013】バーチカルハロー10には、その後方位置に均平板19が取り付けられており、この均平板19はバーチカルハロー10のフレームに対してアーム19Aを介してその上端部が取り付けられており、その下端部は押付けロッド19Bと、この押付けロッド19Bの長さを螺合調節するねじ部19Cを介して圃場表面に押付けられている。
【0014】そして、播種作業機20は前記連結用のA型フレーム21を先頭位置に備え、この連結用のA型フレーム21の上部位置と、下部位置にリンク22、23の一端部がピン22A、23Bにより枢着されており、各リンクの他端部はピン22B、さらには鎮圧ローラ24の回転軸24Aに対して枢着されている。前記ピン22Bは、播種作業機20の最後尾に配置された鎮圧ローラ24の回転軸24Aを支えるフレーム25の上端部間を連結固定している横フレーム25Aから張り出しているフレーム26Aに位置している。
【0015】また、前記鎮圧ローラ24の前位置には、一対の開溝ディスク26、27が幅方向に沿って配置されている軸受け装置40によって一定間隔に取り付けられており、この開溝ディスク26、27の回転移動により形成される溝中に肥料と、種子を落下させるために肥料タンク28、種子タンク29がフレーム上に搭載されている。開溝ディスク26、27の間隔を変更することで単条あるいは2本条の溝が形成され、単条の場合には種子のみ、2条の場合には種子と肥料をそれぞれ供給する。さらに、肥料は顆粒状のものが用いられ、種子同様に肥料タンク28、種子タンク29の底部に設けてある繰り出しローラをもつ繰り出し部28A、29Aにより供給パイプ28B、29Bを介して前記開溝ディスク26、27により形成される溝26Z、27Z中にそれぞれ落下供給することができるようになっている。前記肥料タンク28、種子タンク29の下部に設けた繰り出し部28A、29Aには繰り出しローラ(図示を省略してある)が、互いにコグベルトにより連動関係におかれており、肥料タンク28の繰り出しローラは前記鎮圧ローラ24の軸24Aに取り付けてあるスプロケット輪31Aとの間においてチェーン31により連動関係に置かれ、鎮圧ローラ24の回転が繰り出しローラの回転駆動源になっている。
【0016】前記開溝ディスク26、27は同一軸心をもつ支持軸ではなく、その軸心が互いに角度をもって交差する正面視状ハの字状の支持軸41をもつ軸受け装置40により支持されている(図5、図10)。この軸受け装置40は支持軸41と、これを支える軸受42によって構成されており、この支持軸41は中央部分にボス部41Aをもち、その両端には図5、図10に示すように偏心軸41X、41Yが張り出して形成されている。前記軸受42は機体枠から伸びる支持部材42Aにより吊持状態で支持されている。さらに、ボス部41Aの両側に張り出した偏心軸41X、41Yはボス部41Aの軸心に対して角度をもって交差していて、偏心軸41X、41Yの軸心は正面視ハの字型になっている。そして、この偏心軸41X、41Yに対して前記開溝ディスク26、27が取り付けれ、前記軸受42中においてボス部41Aを回転させることで、開溝ディスク26、27の接地位置における両ディスクの間隔を選択することができるようになっている。前記ボス部41Aの軸受42の外側からねじ込まれる固定ねじ43により偏心軸41X、41Yにより設定した位置を固定することができるようになっている。この一対のディスク26、27の接地部分における間隔が形成する溝、言い換えると肥料用溝Mと、種子用溝Sとの間隔になる(図11)。したがって、一対のディスク26、27の接地部分における間隔は前記偏心軸41X、41Yがボスに対してどの程度に偏心するかで決定される。以上の説明では、肥料用溝Mを形成する都合から一対のディスク26、27の内ディスク26の径が大きく、種子を形成するためのディスク27の径が小さくなっている。同一の径で形成された一対の開溝ディスク26、27の場合には接地部分における両ディスクの間隔によっては一本の溝にもなり2本の溝にもなり、その溝の間隔は選択できるが、深さは同じになっている。
【0017】前記開溝ディスク26、27の後方位置に形成される肥料用溝26Z、種子用溝27Zに対して覆土する覆土板32があって、作業機の移動に伴い、開溝ディスク26、27の後方位置において前記ディスクが掘り起した土を溝に対して前記溝に土を被せることができるようになっている。この覆土板32は板状の形状のものに限らず覆土ディスクに置き換えて実施することができ、作業機の能力や対象圃場の規模などにより選択して設ける。この場合、平面視上覆土ディスクの配置形状は逆ハ状となり、進行方向前側が広く開き、後方が閉じた形となる。覆土板を採用した場合、各開溝ディスクが形成する溝の傍に形成される山状の凸状を前記溝上に移動させる機能があればよい。
【0018】前記A型フレーム17と連結用のA型フレーム21について以下説明する。A型フレーム17におけるピン16は図9に示すように、フレームの下端部の補強機能をもったクロスシャフト状になっており、その両端部が幅方向外側に突出した状態になっている。さらに、A型フレーム17の頂点位置にはピンを受けるピン受け17Xが形成されており、その軸心は前後方向を向いている。このA型フレーム17は角型の材料により形成されており、各材料の面、とくに外側の面と前側の面より荷重負担を行うことができるようになっている。
【0019】これに対し、このA型フレーム17が負担する連結用のA型フレーム21は、チャンネル材21A、21Aにより形成されており、各チャンネル材21Aの解放面が内側を向いていて、前記A型フレーム17が連結用のA型フレーム21の下側から各チャンネル材で形成される空間21X内に前記A型フレーム17の各面が接触した状態で収容されるようになっている。各チャンネル材の頂部は合掌型に組み立てられ、その頂部位置には連結ピン21Yを挿通するピン受け21Zが形成されている。また、チャンネル材21Aの中間位置には補強材21Bが渡されて剛性が増している。
【0020】また、図3に示す本発明の実施形態では、図2におけるフリーゾーンhを長い孔に代えて可動的なものにした例である。すなわち、トラクタのアッパリンクUの端部はバーチカルハロー10に対して枢着軸51を介して短いアーム52が取り付けられており、このアーム52の他端部にはU型のくぼみ53Aをもった規制アーム53が設けられている。この規制アーム53は前記くぼみ53Aがバーチカルハロー10に設けてあるストッパピン54を中心に揺動可能となって、くぼみ53Aの両端部がストッパ53Bになっている。このストッパ53B間がフリーゾーンhとして機能することができる。言い換えると、このストッパ53B間だけ前記アーム52が揺動可能領域になっている。言い換えると、アッパリンクUのヒッチピンの直線的な移動を一旦回転運動に変換し、その回転範囲の規制によりフリーゾーンの範囲を決めている。
【0021】またさらに、図4に示すものはトラクタと作業機の装着を容易にするオートヒッチ形式を採用した実施の形態であって、これではバーチカルハロー10の前部にはアッパヒッチピン51があり、このアッパヒッチピン51の側面視上の真下にはロアオートヒッチクロスシャフト52が設けられている。
【0022】そして、前記アッパヒッチピン51は、バーチカルハロー10の前部の部材に形成されている長孔54の中に嵌っており、この長孔54の範囲内で作業進行方向に沿って移動することができるようになっている。この長孔54がフリーゾーンhになっていて、トラクタのリフト作業に対応して適当な位置に前記アッパヒッチピン51が移動するのである。
【0023】さらに、これらのヒッチピン51、52を捕捉するオートヒッチ部材60があり、このオートヒッチ部材60は図12、図13に示すように、逆U型をした門形部材61の下端部両側垂直面に沿ったプレート62、62をもち、この両プレート62の下端位置にはロアリンクLを装着するためのロアリンクヒッチピン63が設けてある。前記門形部材61の頂部中央位置には上面が開放されているフック64があって作業機寄りの部分がフック部64Aになっており、このフック64のトラクタ側の端部はトラクタ寄りに張り出したアッパリンク取り付け座64Bになっている。
【0024】さらに、前記プレート62、62には前記ロアオートヒッチクロスシャフト52を捕捉するフック溝65が作業機側を開放された状態で形成されている。そして、このロアオートヒッチクロスシャフト52がフック溝65中に収容された状態を保持させるためにフック溝65の傍にはフック66がピン66Aにより枢着されており、このフック66を回転させるための揺動フック67が前記プレート62、62にピン67Aにより枢着されている。このピン67Aにはトグルばねが取り付けられ揺動フック67を図13において左回転させる習性が与えられている。これにより揺動フック67は常時フック66の端部の段部に噛み合ってフック溝65を閉じるようになっている。この揺動フック67と前記フック66との関係はヒッチ操作レバー68を引き上げるか押し下げるかで、その下端部に取り付けてある揺動フック67を回転させることで、前記フック66を枢着ピン66Aを中心として自然回転させ、例えば、ヒッチピン操作レバー68を引き上げたときフック溝65に収容されたロアオートヒッチクロスシャフト52を前記フック溝65中の捕捉固定状態から、解放することができるようになっている。このフック66を回転させるためには、トラクタに対して作業機が装着されていないときには起立状態におかれているヒッチ操作レバー68を押し下げることで回転させ、これにより前述のように揺動フック67の端部がフック66のフック部66Bとの反対端部を押して、フック部66Bの開放部を閉塞することができるようになっている。このヒッチ操作レバー68の頂部には実際の操作に便利なように操作レバー68Aが起立していて、オートヒッチ作業を作業者が手動により行うことができるようになっている。図12、図13において符号69はヒッチ操作レバー68がトラクタ側に倒れ込まないようにしたストッパを示している。
【0025】次に、オートヒッチ作業について説明を加える。先ず、トラクタのアッパリンクUを予めオートヒッチ部材60のアッパリンク取り付け座64Bに対して取り付け、さらに、ロアリンクLをロアリンクヒッチピン63に取り付けることでオートヒッチ部材60をトラクタに対して一体化する。そして、バーチカルハロー10に対してこのオートヒッチ部材60を装着することでトラクタとバーチカルハロー10とを装着するのであって、先ず、オートヒッチ部材60をリフトした状態にしてトラクタをバーチカルハロー10に対して後退させながら、フック部64Aによりアッパヒッチピン51を下側から引っかけ、バーチカルハロー10の前部をリフとさせる。これにより前側の上端部において1点支持された状態になったバーチカルハロー10は自重によりアッパヒッチピン51を中心とした回転を起こし、オートヒッチ部材60のフック溝65中にロアオートヒッチクロスシャフト52が導入される。この状態になったとき、操作レバー68Aを押し下げることでフック66を回転させ、フック部66Bによりバーチカルハロー10が備えるロアオートヒッチクロスシャフト52を捕捉する。これにより、トラクタと作業機を直装状態で一体化することができる。
【0026】また、バーチカルハロー10と、その後部に連結してある播種作業機20とは両者のA型フレームにより連結してあるので、この連結状態を解除するには先ず、トラクタのリフト機構によりバーチカルハロー10と播種作業機20をリフトし、播種作業機20を別途設けたスタンドによりその前部を浮かせた状態に保ち、A型フレームからロックピン21Yを抜き取り、バーチカルハロー10のみをリフトダウンさせることでA型フレーム17を連結用のA型フレーム21の空間21Xから脱出させることで両者の結合状態を解除する。これによりバーチカルハロー10と、播種作業機20とを分離独立させることができる。言い換えると、それぞれ独立した作業に使用することができる。
【0027】次に、本発明に係る播種複合作業機の使用状態について説明する。先ず、均平状態に整備された圃場に対して播種作業は行われるのであるが、その表面の比較的浅い部分をバーチカルハロー10のロータ11により耕起し、一旦圃場表面を軟らかくした後の圃場表面を均平板19により均平にして播種床を形成する。そして、形成された播種床に播種溝を形成しながら、この播種溝に種子タンク29から種子を供給するとともに、肥料タンク28から顆粒状の肥料を肥料溝に対してそれぞれ供給パイプ28A、29Aを経由して供給する。供給された種子や、さらには肥料には覆土ディスク、あるいは、覆土板32による覆土が施される。
【0028】このとき、バーチカルハロー10に備えてある均平板19は、圃場の表面土を寄せながら移動するので、これにより作業一行程の終端位置(枕地部分)では、寄せられた土が図15のように盛り上がって土溜りKが形成される。この土溜りKは圃場においては枕地に沿って形成されるので、作業の最終段階に枕地の長さ方向に沿って作業を施し、圃場全表面を均平に近づけるためにこの土溜りKをできるだけ解消させる作業を行う必要がある。このとき、均平板19の高さに変化を与えずに前記播種作業の場合と同様の状態で行ったのでは、土溜りKの位置を移動させるだけになり、土溜りKを解消するに至らないことになる。そこで、枕地に対して作業を施す際に、均平板19の高さをわずかだけ上昇させることで土溜りKの上部を削り、図14に示すように、比較的高さが低く、平らな丘K1に修正する。
【0029】そのために、均平板19をトラクタの出力を用いて上昇させるのであるが、トラクタのリフト機構を直接的に均平板19に伝達したのでは土溜りKの上部を削るための微妙な高さ制御を行い難いのである。そこで、リフト操作により均平板19をリフトさせようとしてトラクタのロアリンクLをリフト機構の出力によりリフトさせるのであるが、このとき作業機全体(バーチカルハロー10と、播種作業機20との一体的なもの)は、作業機全体の最後尾に位置する鎮圧ローラ24の接地点(あるいは鎮圧ローラ24の中心軸)を支点としたリフト状態となり、均平板19の実際のリフト高さより低い高さだけリフトされることになる。
【0030】すなわち、トラクタのアッパリンクUのヒッチピン14は、フリーゾーンhの範囲内で自由に作業進行方向に沿って移動することができるようになっているので、トラクタのリフト機構が実際にリフト作業をした場合、そのリフト力はまずロアリンクLに作用する。このときアッパリンクUのヒッチピン14はフリーゾーンhに沿って後方に移動することになる。この時の移動距離はリフト高さにより決められるのである。フリーゾーンhにより移動が許容されている範囲では、実際のリフト高さ分だけ作業機全体はリフトされることがなく、許容された範囲(フリーゾーンh)を越える分リフトが行われた場合に初めて作業機はリフトされる。このリフトにおいて作業機全体は、鎮圧ローラ24の接地点を支点として作業機が前上がり状態にさせられる。言い換えると、作業機全体が鎮圧ローラ24の接地点を支点としたてこ杆となり、そのてこ杆の中間位置に存在する均平板19は、てこ比に従いロアリンクLに加えられるリフト高さより低いものになる。
【0031】さらに、詳しくは鎮圧ローラ24の接地点を支点としててこ運動になるために作業機の最前部は、ロアリンクLのヒッチ点におけるリフト高さに比例して、てこ杆の中間位置にあることになる均平板19は、そのリフト高さは低くなり、土溜りKを削るのに適当な高さに置かれる。土溜りKを削る高さが十分でないときに2度、3度にわたって枕地の修正作業を行う。これにより枕地における土溜りKは圃場中央部Tの均平部分に比較してやや高いものではあるが全体として低いものになり、圃場に水を張った場合に圃場中央部と、枕地部分との高低差は極めて小さいので圃場環境をほぼ均一にすることができる。
【0032】一方、鎮圧ローラ24による圃場表面の鎮圧作業中、圃場表面の土に弾性体層24Dの表面を被覆する表面被覆板24Eが接触する。そして、表面被覆板24Eに付着する土は、弾性体層24Dの弾力により弾かれて表面被覆板24Eから容易に剥離する。すなわち、図1に示した鎮圧ローラ24の採用により、鎮圧ローラ24の外周面に圃場表面の土が凸凹に付着することを確実に抑制することができる。このため、従来のように作業中に付着した土によって鎮圧ローラの外周面が凸凹になって圃場表面に凹凸を形成するようなことが全くなく、完全均平に近い精確な鎮圧作業が可能になる。
【0033】なお、上記実施形態においては、本発明に係る農作業機の鎮圧ローラを播種複合作業機に装着したものを用いて説明しているが、本発明は何らこれに制限されるものではなく、他の各種作業機にも取り付けることも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る農作業機の鎮圧ローラは、外周面に弾性体層を有し、その表面が表面被覆板で被覆されている構成としたため、鎮圧作業中に鎮圧ローラの外周面に付着した圃場表面の土が弾性体層の弾性力により弾かれて表面被覆板から容易に剥離して、鎮圧ローラの外周面に圃場表面の土が凸凹に付着することを確実に抑制することができ、従来のように作業中に付着した土によって鎮圧ローラの外周面が凸凹になって圃場表面に凹凸を形成するようなことが全くなく、完全均平に近い精確な鎮圧作業が可能になる。
【0035】また、弾性体層を合成ゴムあるいは樹脂発泡体とすることにより、高い弾性力を永年に亘り維持することができ、さらに、表面被覆板を高分子樹脂材とすることにより、多種多様の土質に対応できて土の付着を確実に防止することができる。さらにまた、本発明に係る鎮圧ローラを装着した播種複合作業機を用いることにより、圃場表面に凹凸を形成することなく均平に鎮圧することができるため、播種後の種子に対して確実な覆土が可能となる。
【出願人】 【識別番号】391057937
【氏名又は名称】スガノ農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂 (外1名)
【公開番号】 特開平11−313502
【公開日】 平成11年(1999)11月16日
【出願番号】 特願平10−137638