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【発明の名称】 移植機のマーカ装置
【発明者】 【氏名】石飛 芳夫

【氏名】坂田 伸子

【要約】 【課題】機体の前部に機体中心を示すマーカを設けた移植機において、上記マーカを機体の全長に左右されることなく取付けることができ、しかも機体の前部側を覆うボンネットに取付けズレが生じたり、あるいはボンネットを取外しても機体の直進性能を保持することができるようにする。

【解決手段】機体の前部側を覆うボンネット5に開口部13を設けて、機体側に基部を取付けたマーカ14を、前記開口部13を通してボンネット5の上方に突設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】機体の前部に機体中心を示すマーカを設けた移植機において、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設したことを特徴とする移植機のマーカ装置。
【請求項2】機体の前部に機体中心を示すマーカを設けた移植機において、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設すると共に、上記マーカには、前後に傾動させる回動支点部を開口部の位置に設けたことを特徴とする移植機のマーカ装置。
【請求項3】機体の前部に機体中心を示すマーカを設けた移植機において、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設すると共に、上記開口部を、ボンネットに形成した肥料供給口蓋体の開閉時に、手を入れて操作する開閉操作部としたことを特徴とする移植機のマーカ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移植機における機体の前部に設けた機体中心を示すマーカ装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、機体の前部をボンネットで覆った乗用田植機等の移植機においては、機体の直進性を良好にして苗の植付条間を適正に保持べく、機体に搭乗した運転者が目視して機体の中心位置を田面に引いた基準線に合せながら機体を走行させるマーカを設けている。
【0003】従来、このようなマーカには、機体の前端部に上方に向けて突出状に立設したもの、あるいはボンネットの上面に固定したもの等が知られている。
【0004】ところが、マーカを機体の前端部に立設したものでは、機体の全長がその分だけ長くなり、しかも作業時にはマーカーが前方の障害物に当る惧れがあった。また、マーカをボンネットの上面に固定したものでは、開閉するボンネットに取付けズレが生ずると、マーカの位置も同時に動くので機体の中心位置がズレて直進性能に悪影響を及ぼすことがあり、しかもボンネットを取外したときにはマーカが機体に残らないので、ボンネットを取外した状態ではそのまま作業を行うことができなかった。
【0005】そして、このようなマーカーは、運転者が目視するときの目線の位置に個人差があるため、マーカーの先端位置を運転者が変わるごとに目線にあわせて簡単に調節できることが望ましい。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような実情に鑑み創作されたものであって、機体中心を示すマーカを機体の全長に左右されることなく取付けることができ、しかもボンネットに取付けズレが生じたり、あるいはボンネットを取外しても機体の直進性能を保持することができ、また運転者に合わせてマーカを適正な作業姿勢に簡単に調節でき、さらに肥料供給時には、肥料供給口の蓋体を、マーカに妨げられることなく容易に開閉することができる移植機のマーカ装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、機体の前部に機体中心を示すマーカを設けた移植機において、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設したことを特徴とし、また、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設すると共に、上記マーカには、前後に傾動させる回動支点部を開口部の位置に設けたことを特徴とし、さらに、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設すると共に、上記開口部を、ボンネットに形成した肥料供給口蓋体の開閉時に、手を入れて操作する開閉操作部としたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次の本発明の実施の形態を添付した好適な実施例の図面に基づいて詳細に説明する。まず図1〜図4において、1は移植機として例示する乗用田植機の走行機体であって、前輪2および後輪3を備えた機体フレーム4の前部側に、ボンネット5で覆われたエンジン部等が搭載され、その後方には運転操作部6、運転席7が配設されている。8はトランスミッション、9は操向ハンドルである。また、走行機体1の後部に図示しない植付部が昇降自在に連結されているのは従来と同様である。
【0009】10は上記ボンネット5の左右両側に設けた施肥タンクであって、この施肥タンク10に連通する肥料供給口11がボンネット5の前部下面側に設けられている。そして上記肥料供給口11を覆ったボンネット5の前端側には、肥料供給口11の蓋体12がその下端側を軸心として前方に向けて開閉自在に形成されていて、蓋体12を閉じた状態では、蓋体12とボンネット5の上面が一体状の滑らかな曲面となっている。
【0010】上記ボンネット5には、蓋体12との接合部位で、かつ機体の左右中心に位置して開口部13が形成されており、この開口部13を通して機体側に固定した機体の中心位置を示すマーカ14が、ボンネット5から突出状に立設されている。上記マーカ14は、その基端部が機体フレーム4に固定した肥料供給口11の支え部材15に取付固定されていて、肥料供給口11後方の運転席7からでも手が届く位置に立設されている。また上記マーカ14には、開口部13の位置に回動支点部16が形成されていて、マーカ14を前方に傾動して機体の前方上方に突出させた図2の実線で示す作業位置Aと、後方に傾動してボンネット5上に倒伏させた仮想線で示す収納位置Bとの間で位置調節可能となっている。17はマーカ14の先端に設けた視準体である。
【0011】前記開口部13は、ボンネット5側に形成した略円弧状の切欠部13aと、これに対応する蓋体12側に形成した略円弧状の切欠部13bとで形成されていて、蓋体12を閉じたときには、切欠部13aと切欠部13bとが合致して開口部13を形成するようになっている。そして蓋体12を開閉させるときには、開口部13が外方から手を入れて蓋体12を開閉できる開閉操作部となるように構成されている。なお、開口部13は上記の形状に限定されるものではなく、要は手を入れて蓋体12を開閉できるものであればよい。
【0012】また、従来のマーカは、運転席から降りて取付角度を調整し、運転席に戻ってからマーカを見たときに、調整が適切でなければ再度同じ動作を繰返さなければならないという不具合があったが、図5〜図7に示すものは、運転席7からマーカを見ながら手元レバーの遠隔操作によりマーカの取付角度を複数段に調節可能として上記の不具合を解消したものである。図中、18は手元レバーであって、手元レバー18の下端が回転プレート19の上面に固定されており、この回転プレート19が機体側に固定した固定歯車20の外周に回動自在に支持されている。また21は手元レバー18の軸心方向に挿通したロッドであって、ロッド21の上端が手元レバー18から突出した押圧部21aとなっており、ロッド21の下端には、回転プレート19に取付けたストッパプレート22の基端部がクレビスピン23を介して連結されている。24はストッパプレート22の回動軸となる支点リベットである。
【0013】25はロッド21に固定したプレート、26は上記プレート25を介してロッド21を上方に付勢するスプリングであって、常時はスプリング26の付勢によりストッパプレート22の係止部22aが固定歯車20に係止している。そして、押圧部21aをスプリング26の付勢に抗して押圧すれば、ロッド21の下動に伴ってストッパプレート22が回動し、固定歯車20との係止が解除される。ついで手元レバー18を所望の位置まで回動操作して押圧部21aを放せば、スプリング26の付勢によりロッド21が上動してストッパプレート22が再び固定歯車20に係止して手元レバー18を固定するようになっている。
【0014】そして上記回転プレート19のアーム部19aをマーカ14の回動支点部16の下方に連結ロッド27を介して連動連結することにより、運転席7から手元レバー18を後方に引けばマーカ14は後方に傾動し、前方に押せば前方に傾動するようになっている。
【0015】上記のような構成から、植付作業を行うに当り、マーカ14を前方に傾動した作業位置Aとして、運転席7に座した運転者がマーカー14の先端と田面の基準線とが重なるように目視しながら運転すれば、走行機体1の中心を基準線に合せて走行することができるので、機体の直進性が良好になって適正な植付作業を行うことができる。
【0016】そして上記マーカ14は、ボンネット5に設けた開口部13を通して突設したので、マーカ14を取付けることにより機体が長くなることはなく、機体の全長に左右されずにマーカ14を取付けることができる。またボンネット5の開口部13が機体の左右中心に形成されているので、ボンネット5および蓋体12の位置合せが容易になる。
【0017】また、上記マーカ14は、その基端部が肥料供給口11の支え部材15のみによって機体フレーム4に固定されているので、マーカ14の取付構造が簡単になって部品点数を削減することができる。そしてボンネット5に取付けズレが生じても、マーカ14の固定位置は動かないので機体の直進性能を保持することができ、さらにボンネット5を取外しても、マーカ14は機体側に固定されたまま残るので、ボンネット5を取外した状態でも作業を行うことができる。
【0018】そして、回動支点部16を設けたマーカ14は、運転者から手が届くので作業に合わせてマーカ14の位置を回動調節でき、さらに手元レバー18を運転席7に設けたものでは、運転席7に座したまま手元レバー18の操作により、マーカ14を見ながらマーカ14の傾動角度を自由に調節できるので、運転者が変わっても、容易に最適な作業位置とすることができ、また作業終了時には、手元レバー18を引くのみで収納位置とすることができる。
【0019】一方、施肥タンク10に肥料を供給するため、肥料供給口11の蓋体12を開閉するときには、ボンネット5に形成した開口部13が、蓋体12の開閉操作部となり、しかもマーカ14は肥料供給口11の後方に位置するので、マーカ14に妨げられることなく容易に蓋体12を開閉することができる。
【0020】
【発明の効果】これを要するに本考案は、機体の前部に機体中心を示すマーカを設けた移植機において、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設し、また、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設すると共に、上記マーカには、前後に傾動させる回動支点部を開口部の位置に設け、さらに、機体の前部側を覆うボンネットに開口部を設けて、機体側に基部を取付けたマーカを、前記開口部を通してボンネットの上方に突設すると共に、上記開口部を、ボンネットに形成した肥料供給口蓋体の開閉時に、手を入れて操作する開閉操作部としたことから、ボンネットの開口部に突設したマーカは、機体の全長に左右されることなく取付けることができ、しかも開口部に設けた回動支点部でマーカを適正な姿勢に調節することができる。そしてボンネットを取外してもマーカは機体側に残るので、そのまま作業を行うことができる。
【0021】一方、肥料供給口を開閉する際には、ボンネットに形成した肥料供給口蓋体を、開口部から手をいれて開閉操作できるので、開口部を利用して容易に肥料供給口を開閉することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開平11−285304
【公開日】 平成11年(1999)10月19日
【出願番号】 特願平10−108549