| 【発明の名称】 |
圃場作業車両の無人作業方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】行本 修
【氏名】松尾 陽介
【氏名】油田 克也
【氏名】野口 伸
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| 【要約】 |
【課題】圃場内位置情報と車両方位情報を検出できるトラクタなどの圃場作業車両を用い、時々刻々得られる車両位置情報や車両方位情報に基づき自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を行う。
【解決手段】圃場内の走行・作業を枕地での旋回と圃場区画Q0〜Q3の任意に与えた方向φx及びφx−180°の方向の直進作業(斜め作業)を繰り返す往復直進作業1と、引き続き行う圃場角部での旋回と、前記圃場区画Q0〜Q3の各辺に沿った直進による回り作業2の組み合わせによって行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場作業車両(V)の圃場内位置検出手段(S1)と走行方位検出手段(S2)を有する圃場作業車両(V)を用い、時々刻々得られる圃場作業車両(V)の圃場内位置情報(Pi)と走行方位情報(φi)に基づき自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を無人で行う場合において、圃場内の走行・作業を枕地での旋回と圃場区画(Q0〜Q3)の任意に与えた方向(φx)及びφx−180°の方向の直進作業を繰り返す往復直進作業(1)と、引き続き行う圃場角部での旋回と、前記圃場区画(Q0〜Q3)の各辺に沿った直進による回り作業(2)の組み合わせによって行うことを特徴とする圃場作業車両の無人作業方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圃場内位置情報と車両方位情報を検出できるトラクタなどの圃場作業車両を用い、圃場の外周ティーチング走行、あるいは前作業時の記録により得られる圃場区画や基準走行方位の情報に基づき走行・作業経路を設定し、時々刻刻々得られる車両位置情報や車両方位情報に基づき自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を行う方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、立毛中の作物の管理作業などと異なり、耕うん、整地、畝たて作業や肥料散布などの、特に作業経路が決められていない圃場作業車両による有人運転作業では、作業開始直後の最初の行程は、多くの場合圃場の一長辺に沿って平行に走行し、順次往復作業を繰返し、最後に何行程かを圃場の各辺に沿って作業を行い、枕地を処理する図3に示す作業方法が一般的であった。 【0003】エダマメ栽培など畝たて栽培を行っている場合に、収穫後の耕うん作業において畝を崩すことが容易ではない。畝崩しには畝方向に耕うんを行うのではなく、畝方向に対して斜めに耕うんすることも有効であると推測されるが、慣行の有人作業では畦畔や畝に対して斜めに作業を行うことは、位置決めや直進走行が難しく、高能率、高精度で効果的な斜め耕うんは容易に行えない。かつ車両の激しいローリング、ピッチングによりきわめて不快な作業を余儀なくさるれる。一方、圃場作業車両の無人走行・作業では、車両の圃場内における絶対的、もしくは相対的な位置や走行・作業方向を時々刻々認識し、設定経路に沿った作業を行うので、斜め耕うんを効率的に実行することが可能であり、かつ無人作業なので車両の揺動による不快な作業を回避することも可能である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】■.図3に示すように、圃場区画の中央部では圃場区画の長辺方向に沿って直進往復作業を行い、区画周辺部では回り作業を行うような従来の方法では、畝たて作業のような場合でも同様な作業方法がとられることが多く、作業方向が同一であるため、収穫後次の作付のために畝を崩しながら耕うん作業を行うような場合、1回では良好に畝を崩すことが困難であった。 【0005】■.このため有人作業で作業方向を圃場区画の斜め方向にとって、処理する図4(a)、(b)に示すような方法など、他の作業方法を選択することも考えられたが、自らの絶対的な圃場内位置や作業方向を認識することが難しく、適切な作業経路を設定することが困難で、作業能率を低下させることとなった。 【0006】■.前記■.のような作業精度上の問題点を、前記■.のように能率を低下させることなく作業方法を実行する方法がなかった。 【0007】そこで本発明は、圃場区画内の走行・作業を、枕地での180度旋回と直進作業を繰り返す往復直進作業(作業1)と、引き続き行う圃場角部での旋回と直進による周辺部作業及び枕地処理を行う回り作業(作業2)の組み合わせによって行うが、作業1の作業方向を、圃場区画のどの辺にも平行でない斜め方向、例えば圃場区画の長辺方向に対して45度程度の斜め方向にとることとし、まず、圃場区画の各辺に沿う周辺部の作業2の作業経路を圃場作業車両の大きさや作業幅、適当量の作業重複幅、圃場の出入り口の位置などに基づき設定し、次に、作業2によって処理される作業域を圃場区画全体から減じた部分を、斜め方向(φx及びφx−180度)の、作業重複幅が終始均一な作業1で行うように作業経路を設定することで、上記の問題点を解決することを目的になされたものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、圃場作業車両Vの圃場内位置検出手段S1と走行方位検出手段S2を有する圃場作業車両Vを用い、時々刻々得られる圃場作業車両Vの圃場内位置情報Piと走行方位情報φiに基づき自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を無人で行う場合において、圃場内の走行・作業を枕地での旋回と圃場区画Q0〜Q3の任意に与えた方向φx及びφx−180°の方向の直進作業を繰り返す往復直進作業1と、引き続き行う圃場角部での旋回と、前記圃場区画Q0〜Q3の各辺に沿った直進による回り作業2の組み合わせによって行うことを特徴としている。 【0009】 【作用】上記の手段によって本発明の圃場作業車両の無人作業方法は、次のような作用をする。 【0010】a.圃場区画内の走行・作業を、枕地での180°旋回と圃場区画のある辺に対して任意の一定角度を有する方向の直進作業を繰り返す往復直進作業(作業1)と、引き続き行う圃場角部での旋回と直進による周辺部作業および枕地処理を行う回り作業(作業2)の組み合わせによって行う。 【0011】b.まず、圃場作業車両の作業機を含めた長さと作業幅、適当量の作業重複幅に基づき、作業2の周回数を決定し、その開始位置を圃場への出入り口に近い角として作業経路を設定する。 【0012】c.作業2によって処理される作業域を圃場区画全体から減じた部分を、終始均−な作業重複幅を有する作業1を行うように、作業1の行程数と行程長を決定し、作業経路を設定する。 【0013】d.圃場作業車両の現在位置から作業1の開始位置までの走行経路、及び作業1の終了位置から作業2の開始位置まで移動する、などの作業を行わない走行経路を設定する。 【0014】e.走行・作業経路上の無人走行・作業経路行程を直進走行・作業ステージ、180度旋回ステージ、任意角度旋回ステージ、幅寄せステージの4つに分割し、上記b.〜d.によって設定された走行経路をこれら4つのステージによって構成し(図7参照)、自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を実行する(図8参照)。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付の図面に基づいて具体的に説明する。図1及び図2に示す圃場作業車両Vの圃場内位置検出手段S1と走行方位検出手段S2を有する圃場作業車両Vを用い、時々刻々得られる圃場作業車両Vの圃場内位置情報Piと走行方位情報φiに基づき自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を無人で行う場合に、圃場作業車両V上と圃場外の固定点にGPS受信機及び特定小電力通信装置を設置して、デファレンシャルGPSシステムを構成し、圃場作業車両V上で1秒程度の周期で車両位置情報Piを得る。 【0016】圃場作業車両Vには、光ファイバジャイロ及び地磁気方位センサを搭載し、圃場区画の最長辺を基準とする車両方位情報φiを検出する。また、圃場作業車両Vには、これらの車両位置情報Piや車両方位情報φiなどを収集、処理する処理装置と、圃場作業車両Vの各操作部を自動制御するためのアクチュエータとコントローラを備えている。 【0017】図5(a)、(b)に示すような圃場において、マニュアル運転により外周をP0〜P7のように一周走行する外周ティーチング、あるいはフロッピーディスクなどの記録媒体に記録した前作業時の圃場情報や作業情報から、圃場区画Q0〜Q3及ぴ基準走行方位φ0〜φ3を得て圃場内一面の作業を行うための、例えば図4(a)、(b)の■〜のような走行・作業経路を設定し、その経路上を時々刻々得られる車両の圃場内位置情報Piと走行方位情報φiに基づき、自動的に走行・作業することで圃場内一面の作業を無人で行う。 【0018】次に、このような圃場作業車両の無人作業方法においては、以下のような動作を行う。 【0019】1)圃場内の走行・作業を、枕地での180度旋回と、圃場区画に対して任意の方向φx及びφx−180度の直進作業を繰り返す往復直進作業(作業1)と、引き続き行う圃場の各辺方向φ0〜φ3の直進作業と圃場角部での任意角度旋回を繰り返して枕地処理を行う回り作業(作業2)の組み合わせにより行う。 【0020】2)作業機を含む圃場作業車両Vの長さa、作業幅W、適当量の作業重複幅Wio、及び作業1における作業方向φxから、作業2の周回数n2 を決定する。図6(c)の例ではn2 =2、図6(d)の例ではn2 =2である。 【0021】3)作業2の作業経路を図6(c)では(15)〜(22)、図6(d)では(14)〜(21)のように設定する。 【0022】4)次に、圃場区画Q0〜Q3全体から作業2によって処理される図6(c)、あるいは図6(d)の作業域cを減じた、作業1を実施すべき図6(a)、あるいは図6(b)の作業域bについて、作業域b内に未作業領域が発生しないように、かつ無用な作業の重複を避けるように、適当量の作業重複幅Wioを維持しつつ、行程長を決定して、作業1の作業経路を設定する。 【0023】5)例えば作業1の開始位置を角部Q1として、行程数n1の作業1の作業経路を図6(a)の例では■〜(14)、図6(b)の例では■〜(13)のように設定する。さらに、図4(a)、あるいは図4(b)の圃場作業車両の現在位置P7 から作業1の開始位置Ps1までの走行経路、及び作業1の終了点Pen1から、作業2の開始位置Ps15、あるいはPs14までの走行経路を設定する。 【0024】6)以上により設定した走行・作業経路上の無人走行・作業では、時々刻々得られる車両位置情報Piや車両方位情報φiに基づく車両制御ブログラムを実行して圃場内一面の作業を行ぅ。 【0025】7)車両位置情報の検出については、圃場外の固定点に自動追尾型測量装置を設置して圃場作業車両の圃場内位置を検出し、固定局と車両上に設置、搭載した通信装置によりその位置情報を車両上で得る構成もある。 【0026】[試験例] l.圃場に畝をたて、梅雨時にlヶ月強の期間放置して土壌が締まるのを待った。 2.圃場を慣行区、すなわち畝方向に耕うんする場合と、斜耕区、すなわち斜め方向に耕うんする場合に分け、各1回耕うんを行った。耕うん作業機の調整は各行程ごとに自動耕深調節機能を利用しなかった場合、利用した場合など数種に分けて行った(図9参照)。 3.耕うん後の均平状態(標高)を元の畝に直交する方向に、約30cmおきに測量機器によって計測した。計測は各試験区につき3回反復した。 【0027】試験結果は下記の通りである。 1.元の畝形状の概要は図9のようであった。 2.慣行区、斜耕区の均平状況は図10、11のようであった。 3 均平状況、すなわち標高の最大値と最小値の差、標準偏差をとると表1のようである。 【表1】
【0028】斜め耕うんの効果は次の通りである。 1.慣行区では元の畝の形状がかなり明瞭に残っているが、斜耕区では不明瞭であり、斜耕区の方が畝を崩す効果が大きかった。 2.図10から図12、表1から明らかなように、慣行区より斜耕区の方が均平状況がよい。 3.よって、斜め耕うん方法は畝崩しの効果がある。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように本発明の圃場作業車両の無人作業方法によれば、以下の効果を奏する。 ■.圃場作業車両による一枚の圃場の無人作業において、圃場区画内の大部分を、圃場区画のどの辺にも平行でない斜め方向の往復直進作業によって処理することが可能となり、従来の長辺方向に沿った往復直進作業を基本とする作業において、前作業や後作業と作業方向が同一となるため、収穫後次の作付のために畝を崩しながら耕うん作業を行うような場合に1回では良好に畝を崩すことか困難であった、同じ場所に土壌が寄ってしまう、などの作業精度上の問題があつた点を解消することができる。 【0030】■.圃場内にぉける圃場作業車両の絶対的、もしくは相対的な位置と、作業方向を認識した上で、作業経路を設定し、これに沿って自動的に作業を行なうので、高能率でかつ精度の高い、作業方法が実行できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000195568 【氏名又は名称】生物系特定産業技術研究推進機構
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小橋 信淳
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| 【公開番号】 |
特開平11−266608 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−73929 |
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