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【発明の名称】 ロータリのカバーにおける中間カバーの固定構造
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】中間カバーをがたなくメインカバー側に固定する中間カバーの固定機構を提供する。

【解決手段】ロータリ17の後方を覆うリヤカバー21を開閉回動自在に支持してロータリ17の上方を覆うメインカバー18に連結せしめる中間カバー19を設け、該中間カバー19のメインカバー18に対する位置を固定すべく、中間カバー19側とメインカバー18側とを互いに押圧せしめて締付け固定する固定機構50を上記中間カバー19とメインカバー18との間に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリ(17)の上方を覆うメインカバー(18)と後方を覆うリヤカバー(21)とを備え、前記リヤカバー(21)とメインカバー(18)との間に、リヤカバー(21)を開閉回動自在に支持してメインカバー(18)に連結せしめる中間カバー(19)が介設され、該中間カバー(19)がメインカバー(18)に回動自在に支持されたロータリのカバーにおいて、上記中間カバー(19)とメインカバー(18)との間に、中間カバー(19)のメインカバー(18)に対する位置を固定すべく、中間カバー(19)側とメインカバー(18)側とを互いに押圧せしめて締付け固定する固定機構(50)を設けたロータリのカバーにおける中間カバーの固定装置。
【請求項2】 固定機構(50)が、中間カバー(19)を中間カバー(19)のメインカバー(18)に対する回動軌跡に沿って円弧状に上下スライド支持するとともに、スライド範囲内の所定の位置において位置固定可能な構造とした請求項1のロータリのカバーにおける中間カバーの固定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はトラクタに連結されるロータリ作業機等に設けられるロータリのカバーにおける中間カバーの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来トラクタ等に連結される耕耘用のロータリ作業機のロータリは、ロータリの上方を覆うメインカバーと後方を覆うリヤカバーとを備え、前記リヤカバーとメインカバーとの間にリヤカバーをメインカバーに連結せしめる中間カバーが介設されたロータリカバーによって覆われているものが知られている。そして一般的にはメインカバーの側方に中間カバーをメインカバーに対して回動自在に軸支する支持部が設けられており、中間カバーは該支持部に突設された支点軸によってメインカバーに対して開閉回動自在に支持されている。
【0003】このとき中間カバーはロータリ作業機の作業状態に応じてメインカバーに対する位置(揺動角度)が所定の位置(角度)に固定されるが、中間カバーの位置決めは通常支点軸と他のピン等による2点支持又はボルト等による締結により行われており、中間カバーの位置決め固定及び解除に工具(スパナ等)が必要となり作業が繁雑であるという問題点や、がたつきが発生して騒音等を引き起こすという欠点等があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明のロータリのカバーにおける中間カバーの固定装置は、ロータリ17の上方を覆うメインカバー18と後方を覆うリヤカバー21とを備え、前記リヤカバー21とメインカバー18との間に、リヤカバー21を開閉回動自在に支持してメインカバー18に連結せしめる中間カバー19が介設され、該中間カバー19がメインカバー18に回動自在に支持されたロータリのカバーにおいて、上記中間カバー19とメインカバー18との間に、中間カバー19のメインカバー18に対する位置を固定すべく、中間カバー19側とメインカバー18側とを互いに押圧せしめて締付け固定する固定機構50を設けたことを第1の特徴としている。
【0005】また固定機構50が、中間カバー19を中間カバー19のメインカバー18に対する回動軌跡に沿って円弧状に上下スライド支持するとともに、スライド範囲内の所定の位置において位置固定可能な構造としたことを第2の特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示されるように本実施形態のロータリ作業機1はトラクタ等の走行機体2の後方に3点リンクヒッチ3を介して昇降自在に連結され、圃場の耕耘作業を行う従来同様の構造を有したものであり、図1,図2に示されるように走行機体2側よりPTO動力が入力されるギヤケース4からパイプフレーム6が左右に突出して設けられている。
【0007】そして該パイプフレーム6の一方(左)の外端部にチェーンケース7が、他方(右)の外端部に平面視でコの字状断面をなすサイドフレーム8がそれぞれ一体的に設けられているとともに、サイドフレーム8の下部には軸受けブラケット9が固定されており、該軸受けブラケット9とチェーンケース7側に設けられたホルダ11によって、爪軸14が回転自在に軸支されている。
【0008】これによってギヤケース4に入力される駆動力がチェーンケース7を介して爪軸14に入力され、該爪軸14が回転駆動されるが、爪軸14には従来同様回転により圃場の耕耘作業を行う回転(耕耘)爪16が複数取り付けられて、耕耘作業部となるロータリ17を構成しており、ロータリ作業機1は爪軸14の回転によりロータリ17(回転爪16)が圃場の耕耘作業を行うように構成されている。
【0009】このとき上記ロータリ17は、チェーンケース7及びサイドフレーム8側に支持されたメインカバー18によって上方前方側が、前端が該メインカバー18側に連結された中間カバー19によって上方後方側が、該中間カバー19の後方に連接される略へ字形断面のリヤカバー21によって後方がそれぞれ覆われており、つまりメインカバー18,中間カバー19,リヤカバー21によりロータリ17を覆うカバー22が構成されている。次に前記各カバー18,19,21の構造について説明する。
【0010】図3,図4に示されるように、上記メインカバー18は、側面視で略円弧状断面をなしてロータリ17の上方側を覆う天板26と、上記天板26の後端に左右方向に設けられて固着されている連結部材28と、ロータリ17の側面側を覆うように天板26側に固定された側板29とによって構成されており、両側板29の下端がチェーンケース7及びサイドフレーム8側に回動自在に支持されている。
【0011】このとき上記連結部材28は前端面が側面視で略半円状に突出していると共に、後端面の一部が後方に向かって開くように半円状に凹状に窪んだ側面視で異形(長方形等の四角形とは異なるという意味)の箱状断面をなす一体型の管材で構成されており、連結部材28の上面にブラケット31が固定されていると共に、該ブラケット31が前記ギヤケース4側に取り付けられているトップマスト32に前後回動自在に設けられた操作レバー33(図1参照)とロッド34を介して連結され、操作レバー33の前後回動操作により従来同様メインカバー18が前後回動する。
【0012】一方上記中間カバー19は前述の連結部材28と同様に、前端面が側面視で略半円状に突出していると共に、後端面の一部が後方に向かって開くように半円状に凹状に窪んだ側面視で異形(長方形等の四角形とは異なるという意味)の箱状断面をなす一体型の管材で構成された母材23と、該母材23の両側面に固着された側板24とによって構成されており、中間カバー19は上記側板24の前端側が側板29側にネジ35により固定された支点軸36に回動自在に軸支されて、上記メインカバー18に回動自在に軸支されている。
【0013】このとき側板29には、上記支点軸36の軸心を中心とした円弧上に上下方向に延出した両端の径が膨大した長孔37が穿設されているが、側板24にも上記長孔37の両端部37aの径と略同一サイズの孔38が穿設されているとともに、上記孔38と略同一サイズの内径を有する中空円筒状のボス41が前記孔38と同心に連通して内側に向かって突設されており、上記長孔37のいずれか一方の端部37aと孔38及びボス41とを貫通せしめてピン39を挿入することで中間カバー19のメインカバー18に対する位置決めが行われるように構成されている。
【0014】つまり側板29,支点軸36等により中間カバー19をメインカバー18に対して回動自在に軸支する支持部30が構成されており、側板24が側板29の内側に位置するように該支持部30がメインカバー18の両側方に位置する。なお中間カバー19の側面視で円弧状に突出した前端面と連結部材28の側面視で半円状に凹状に窪んだ後端面とが相対するが、連結部材28の後端面における窪んだ窪み部51には棒状の軟質の弾性体52が挿入されて、連結部材28と中間カバー19(母材23)により押圧挟持されている。
【0015】次にメインカバー18と中間カバー19との位置決め固定構造について更に詳細に説明する。上記ピン39はヘッド39aが側板29の外側方に位置しているとともに図5,図6に示されるように先端がボス41から突出し、該先端(ピン39のボス41より内側への突出端)に偏心カム42が回動自在に軸支されている。このとき該偏心カム42には偏心カム42を回動させることが可能なレバー43が突設されている。
【0016】そして上記偏心カム42はレバー43によるピン37との連結軸44を支点とした回動によってカム面46がボス41の端面41aと当接するように構成されており、偏心カム42の回動角度に応じたボス端面41aに対する偏心カム42(カム面46)の当接位置によりボス41に対する連結軸44(ピン39)の位置を変位させることができる構造となっている。
【0017】つまりレバー43の操作によりピン39がボス41内をスライドせしめられ、図5に示されるようにカム面46における連結軸44からの距離が最も長い部分を含む所定の範囲である締付け面46aがボス端部41aと当接することでピン39のヘッド39aが側板29の外側面に押接(押圧)せしめられると共に偏心カム42がボス端部41aに押接(押圧)させられ、偏心カム42とピン39のヘッド39aにより側板29と側板24とが挟持されて中間カバー19がメインカバー18に締付け固定される。
【0018】特に締付け面46aにおける連結軸44からの距離が最も長い部分をボス端部に当接させることで、中間カバー19(側板24)とメインカバー18(側板29)が最も強く挟持され、中間カバー19とメインカバー18が最も強く固定される。なお側板29と側板19との間には当接部材47が介設されており、側板29と側板19との当接は当接部材47を介したものとなっている。このため該当接部材をクッションとすることも可能である。
【0019】一方ピン39の軸部分における基端(ヘッド39a)側39bは長孔37の両端37a及び側板24の孔38のみを通過することができる(すなわち長孔37の中間部分37bの通過が不可である)径をなしているが、この基端部分39bの一部(上記径部分の中間位置)は軸心方向に所定の範囲で平48が形成されて径が小さくなっており、この小径部分(平48部分)においてのみ長孔37の中間部分37bの通過が可能となっている。
【0020】このため側板29の孔38は側板24の回動時に長孔37に沿って(孔38の中心の移動軌跡が長孔37の中心線と一致して)移動するが、ピン39における小径部分(平48)を長孔37の中間部分37bに位置させることでピン39の長孔37内の移動が可能となり、つまり中間カバー19がメインカバー18側に長孔37に沿って上下方向にスライド自在に支持される。
【0021】そして上記偏心カム42のカム面46にはボス端面41aとの当接によって、中間カバー19とメインカバー18との締付固定(押圧)を解除し、平48が長孔37の中間部分37bに位置するようにピン39の位置を設定する移動面46bが設けられており、図7に示されるようにレバー43を操作し、移動面46bをボス端部41aに当接させて中間カバー19をスライドせしめ、長孔37のいずれか一方の端部37aにおいて締付け面46aをボス端部に当接させることで中間カバー19のメインカバー18に対する支持角度(揺動位置)を設定変更することができる。
【0022】つまり長孔37の端部37aが中間カバー19の揺動位置を段階的に設定して位置決めする位置決め部、中間部分37bが中間カバー19を揺動自在に支持するスライド支持部,偏心カム42がメインカバー18側(側板29)と中間カバー19側(側板24)とを互いに締緩自在に押接(押圧)せしめる固定部,レバー43が該固定部を操作する操作部となっている。
【0023】そしてこれら長孔37(端部37a及び中間部分37b),ピン39,偏心カム42(締付け面46a及び移動面46b),レバー43等により中間カバー19を、中間カバー19のメインカバー18に対する回動軌跡に沿って円弧状に上下スライド支持するとともに、スライド範囲内の所定の位置(位置決め部)においてメインカバー18側に締緩(固定及び解除)自在に締め付け固定する固定機構50が形成されている。
【0024】このとき上記固定機構50はレバー43の操作によりワンタッチで位置固定及び解除を行うことができ比較的操作性が高い。なお長孔37内に複数の位置決め部(端部37aと同様の径を有する孔)を設け、中間カバー19の位置決めをより詳細に行うことができるように構成してもよい。
【0025】一方上記リヤカバー21は従来同様側面視で略へ字形断面をなしているが、前端に円筒形の連結部56が左右方向に一体的に固定されており、該連結部56が中間カバー19の後端左右に設けられた円筒形の受け57の間に挿入され、両受け57と連結部56がピン58で回動自在に連結されることで、リヤカバー21が中間カバー19に対して回動自在に支持されている。
【0026】このとき中間カバー19の側面視で半円状に凹状に窪んだ後端面と円筒形の連結部46とが相対するが、中間カバー19(母材23)の後端面における窪んだ窪み部59には上記同様の棒状の軟質の弾性体61が挿入されて、中間カバー19とリヤカバー21により押圧挟持されている。
【0027】そして中間カバー19の上面に設けられたブラケット62とリヤカバー21の上面に設けられたブラケット63が従来同様吊りロッド64により連結されており(図3参照)、吊りロッド64によりリヤカバー21の中間カバー19(メインカバー18)に対する位置決めが行われ、耕耘作業中リヤカバー21が耕土の均しを行う。
【0028】このとき前述のように中間カバー19のメインカバー18に対する位置(揺動角度)を変更することで、リヤカバー21の回動支点の位置が上下に位置調整されるため、図8に示されるようにリヤカバー21の回動支点を比較的上方側に位置させて行う畦立て器66を使用する作業と、図1に示される通常の耕耘作業(リヤカバー21の回動支点が畦立て器66を使用する作業に比較して下方側に位置する)とのセッティングの切り換えを、中間カバー19の位置調節により容易に行うことができる。
【0029】特に中間カバー19を上方側にセッティングする(リヤカバー21の回動支点を比較的上方側に位置させる)と、リヤカバー21と回転爪16との間隔が比較的大きくなるため、耕土が後方に容易に流れ、畦立て作業のパワーロス軽減と仕上がりの向上,高速耕耘時のパワーロスの軽減,畦盛り耕耘での畦高さを比較的高くすることができる,畑作耕耘でのパワーロスが少なくなる,いわゆるマルチ整形の作業でパワーロスの軽減と仕上がりの向上を計ることができる。
【0030】なお中間カバー19を下方側にセッティングすると従来公知のようにリヤカバー21と回転爪16との間隔が比較的狭くなるため、耕耘した土の持ち回りが比較的多く、耕耘後の均平性能や砕土性能が比較的高くなるが、パワーロスが比較的大きい。
【0031】以上に示されるようにピン39を偏心カム42によりメインカバー18(側板29)に押接せしめ、中間カバー19(側板24)を上記側板29に押圧することで中間カバー19がメインカバー18側に締付け固定されるため、偏心カム42に設けられたレバー43の操作により中間カバー19の位置決め固定及び解除をワンタッチで容易に行うことができると共に、押圧締付けにより中間カバー19固定時のがたつきが減少し、路上走行時の騒音等が低下する【0032】特に本実施形態の場合メインカバー18と中間カバー19との間及び中間カバー19とリヤカバー21との間には棒状の軟質の弾性体52,61が弾力的に挿入されているため、連結による各カバー18,19,21のがたも少なく、がた付き音等がより少ない。なお上記弾性体52,61が各カバー18,19,21の精度の誤差(比較的小さい)を吸収することで、土や泥水の噴き出し等がより確実に防止される。
【0033】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、固定機構により中間カバー側とメインカバー側とを互いに押圧せしめることで中間カバーがメインカバーに締付け固定されるため、中間カバーの位置決め(メインカバーに対する揺動角度)固定及び解除を容易に行うことができると共に、押圧締付けにより中間カバー固定時のがたつきが減少し騒音が低下するという効果がある。
【0034】また固定機構を中間カバーを回動軌跡に沿って円弧状に上下スライドせしめることができる構造とし、スライド範囲内の所定の位置において位置固定可能とすることで、中間カバーのメインカバーに対する位置(揺動角度)を容易に変更することができ、これによりリヤカバーの回動支点の位置を上下に容易に位置調整することができるので、例えば通常の耕耘作業と畦立て器を使用する作業とのセッティングの切り換え等を容易に行うことができるという利点がある。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開平11−266602
【公開日】 平成11年(1999)10月5日
【出願番号】 特願平10−92607