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【発明の名称】 マーカ
【発明者】 【氏名】佐伯 正文

【氏名】井関 秀夫

【氏名】加藤 哲

【氏名】岡田 優

【要約】 【課題】線引マーカとサイドマーカが、機体から横に突出したそれぞれのアームに取付けられているので構成がわずらわしい。また、線引マーカを機体から突出したアームの基の回動で昇降させると、その昇降に大きな力を要する。

【解決手段】支持アームが突出と収納の姿勢に選択されるようにその基部が縦軸回りに回動自在にフレームに取付けられ、先端の線引マーカ86が昇降するように線引アームの基部が支持アームの先端部に横軸回りに回動自在に取付けられ、上記の支持アームが突出姿勢にあっても収納姿勢にあってもサイドマーカが同じ位置を指すように支持アームに取付けられているマーカ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持アーム77が突出と収納の姿勢に選択されるようにその基部が縦軸75回りに回動自在にフレーム73に取付けられ、先端の線引マーカ86が昇降するように線引アーム82の基部が支持アーム77の先端部に横軸81回りに回動自在に取付けられ、上記の支持アーム77が突出姿勢にあっても収納姿勢にあってもサイドマーカ92が同じ位置を指すように支持アーム77に取付けられているマーカ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、田植機その他の農用機械に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】田植機その他の農用機械は、農作業を行いながら直進して枕地に到達すると、ここで折り返して隣接作業を行うことが多い。そのため、最初の直進作業時(往路)に、フレームから未作業地側に突出させた線引マーカで、復路で農用機械の中心を通す地面に線を引く。併せて、機台から既作業地側に突出させたサイドマーカで農用機械と既作業地の間隔を保つようにする。なお、次の行程では、上記の復路が往路となって他方の枕地まで進み、ここで折り返した後がその復路となり、この繰り返して作業が進む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここに、線引マーカとサイドマーカは、それぞれ独立したアームに取付けられていたので、構造が複雑であった。また、線引マーカは、長いアームの先に取付けられていたので、その昇降に大きな負荷が必要であった。この発明は、独立した一対のアームを兼用にして構成を簡潔にするとともに、線引マーカの昇降負荷を軽減するうえ、線引マーカが機台の横に収納されたときでもサイドマーカが所定の位置を指示するようにして、その突出の障害を防止するものとした。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、支持アーム77が突出と収納の姿勢に選択されるようにその基部が縦軸75回りに回動自在にフレーム73に取付けられ、先端の線引マーカ86が昇降するように線引アーム82の基部が支持アーム77の先端部に横軸81回りに回動自在に取付けられ、上記の支持アーム77が突出姿勢にあっても収納姿勢にあってもサイドマーカ92が同じ位置を指すように支持アーム77に取付けられているマーカとした。
【0005】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施例を説明する。走行車体1に苗植装置2が装着されて田植機となっている(図1、図2)。走行車体1がつぎのように構成されている。フレーム3の前後に設けた主歯車箱4と後輪歯車箱5のそれぞれの両横に前輪6と後輪7が取付けられている。主歯車箱4とフレーム3の上にフロア8が配置され、これから突出したカバー9の中にエンジン10が収納されている。エンジン10の動力は、主歯車箱4内の変速機で所定の回転数に調整されたのち、前輪6と後輪7に到達し、これらが水田の耕盤上で回転して走行車体1が進行するように出来ている。
【0006】座席11がカバー9の上に取付けられ、ハンドルフレーム12の上のステアリングハンドル13を操作すると、前輪6が操縦されて、走行車体1の進路が変わるようになっている。補助ステップ14がフロア8の外側に着脱自在に取付けられている。支柱15がフレーム3の後部から上に伸び、これとその後の昇降枠16が上下一対のリンク17で連結されている。昇降シリンダ18の前端がフレーム3に取付けられ、ピストンロッド19がこれから斜後上に突出し、その突端と上のリンク17と一体のアーム20の下端が接続し、ピストンロッド19が出没すると、昇降枠16が同じ姿勢を保って昇降するようになっている。
【0007】苗植装置2がつぎのように構成されている。横長のパイプフレーム21の中央部が昇降枠16の下部に前後方向のローリング軸でその回りに揺動するように取付けられている。苗を2条に移植する苗植ユニット22の4個がパイプフレーム21に横並びに取付けられて8条植となっている。その苗植ユニット22が図3〜図8のように構成されている。すなわち、歯車箱23がパイプフレーム21から斜前上に突出している。一対の伝動ケース24が歯車箱23の両横でパイプフレーム21から上に突出し、それぞれの上部が連杆25(図4)で連結されている。連杆25から上に伸びた支柱26が前に曲がり、その上に後下りに傾斜した苗載台27が2段に固定されている。苗載台27には、図6、図7の苗箱28の2枚が前後に並んで載る。苗箱28は、可撓性のプラスチックでほぼ30cm×60cmの広さに作られ、横並びが14個の多数のポット28aを備え、ポット28aの前後のピッチと同じピッチの送孔28bが左右に設けられている。それぞれのポット28aに床土を詰めて種もみを播くと、一株分の苗29が独立して育つ。苗29の根がポット28aの内面に沿って伸びて絡み、根鉢29aが形成される。
【0008】断面がL字形(図7)の一対のレール30がそれぞれの苗載台27の後端から下に伸びて合流したのち、U字形に曲って伝動ケース24の内面に固定され、苗載台27の下の空箱受31に達している。エンジン10の動力が主歯車箱4内からパイプフレーム21内を経て歯車箱23内に達している。その動力で揺動する箱送軸32が歯車箱23から横に突出し、これに固定したレバー33がロッド34でベルクランク35に連結されている。下端がベルクランク35の他端に連結された送爪36がばね37(図5)で、左から見て反時計方向に押し回され、その爪先が孔30aからレール30内に侵入している。ばね(図示していない)で軸38aの回りに時計方向に押し回されている止爪38の爪先が孔30aからレール30内に侵入している。そのため、孔30aの前で送孔28bに送爪36と止爪38の爪先が入る。そして、ベルクランク35の揺動で送爪36が下降すると、その爪先が苗箱28を引き下げる。このとき、止爪38の爪先がその送孔28bから抜出して上の送孔28bに移る。つづいて、ベルクランク35の揺動で送爪26が上昇する。このとき、止爪38が苗箱28の上昇を止めていて、送爪36の爪先が上の送孔28aに移る。この繰り返しにより、苗箱28が送孔28bのピッチで間欠的に送られる。押出軸39が歯車箱23から横に突出し、その端の円板40がエンジン10の動力で回転するように出来ている。14本の押出ピン41が左右の伝動ケース24の間に取付けられ、円板40の回転がロッド42、アーム43、ピニオンラックなどで伝達されて、前後に往復駆動されるようになっている。そして、それぞれの押出ピン41が横並びのポット28aに底から突出し、根鉢29aをレール30よりも後に押し出す。
【0009】レール30の後に配置されたキャリア44の左右がそれぞれ上下一対の平行リンク45で伝動ケース24に取付けられている。苗送軸46が歯車箱23から横に突出し、その回転がアーム47、リンク48、アーム49および歯車などを経由してその駆動軸45aに伝わり、平行リンク45が揺動してキャリア44が同じ姿勢を保って図4の実線と鎖線の間を往復するようになっている。14個のホルダ44aがキャリア44に設けられ、これが上昇しているときに、押し出された上記の根鉢29aが押し込まれる。
【0010】左右一対のベルトコンベア50がパイプフレーム21の後に設けられ、それぞれの上面が外向きに連続して旋回するようになっている。そして、上記のキャリア44が下降すると、図示していない掻出具でそれぞれの根鉢29aがホルダ44aから掻き出されて苗29がベルトコンベア50に移る。それぞれのコンベア50は、載った7個の苗29を外向きに運ぶ。なお、押出ピン41とキャリア44などが繰り返して作動し、苗29が一定の間隔でコンベア50に連続して載る。
【0011】植込フレーム51がパイプフレーム21から後に伸び、その後部に取付けたドラム52(図2)がそれぞれのコンベア50の外側で、左から見て反時計方向に回転するように出来ている。植込爪53がドラム52から突出し、コンベア50から送り出された苗29を押し下げて泥土に移植するようになっている。フロート54がそれぞれの苗植ユニット22の下に配置され、走行車体1の前進で泥面を滑走し、苗29が移植される位置を予じめ整地するように出来ている。
【0012】苗29の押し出しが終って空になった苗箱28は、つぎの苗箱28で押されて空箱受31で受けられる。苗箱28を送爪36に送る装置がつぎのように出来ている。モータ55で駆動されるローラ56と、遊動ローラ57がそれぞれのレール30の入口に設けられ、上の苗載台27上の苗箱28から順に繰り出すようになっている(図3)。一対の箱ガイド58がそれぞれのレール30内に設けられ、繰り出されている苗箱28の上端が駆動ローラ56から離れる直前にその下端がこれの上端に達し、苗箱28の上面とレール30の内面の間隔を一定に保つようになっている(図7)。なお、図4は、紙面の都合で上の苗載台27側のレール30および遊動ローラ57を省略して示している。
【0013】遮蔽爪59が軸38aに回動自在に取付けられ、リンク60でベルクランク35に連結されて揺動し、その爪先59aが孔30bからレール30内に侵入して箱ガイド58に接近したり離れたりするようになっている。箱ガイド58は、上端がラッパ状の斜縁に形成されて、繰り出された苗箱28が衝突しないようになっている。遮蔽板59が箱ガイド58に接近して苗箱28の送りを一旦止めたのち、これから離れてゆるやかに下の苗箱28の上端まで送り出す。
【0014】この制動に代えて、或はこれに併せてつぎのように構成することができる。中間を軸61に取付けたベルクランク62が押出ピン41の往復で揺動するように出来ている(図4)。軸受63で支えられた回動軸64からアーム65が突出し、下端をベルクランク62に取付けたロッド66がこのアーム65に摺動自在に差し込まれている。コ字形のバネホルダ67がロッド66に摺動自在に取付けられ、これに取付けた一対のばね68A,68Bがアーム65を挟んでいる(図5)。ホルダ67の脚部67aがピン69でロッド66に取付けられている。孔66A,66Bがロッド66に上下に設けられ、ホルダ67がそれぞれに付け替えられるようになっている。一対の箱ブレーキ70がメタル71を介して回動軸64の端に固定されている。そのため、ベルクランク62の上記の揺動が、ロッド66、バネホルダ67、ばね68A,68Bおよびアーム65の順に伝わって回動軸64に達し、箱ブレーキ70が揺動する。
【0015】そして、バネホルダ67を下の孔66Bに取付けると、箱ブレーキ70の下端がレール30の内面に当ったり離れたりしながら揺動して、苗箱28の横端を挟んだり離したりして間欠的にブレーキを掛ける。また、ホルダー67を上の孔66Aに取付けると、箱ブレーキ70の下端がレール30の内面に当らない位置で揺動して、苗箱28にブレーキを掛けないようになっている。この構成によると、苗箱28が緩く送られてその衝撃が緩和されるとともに苗箱28に間欠的にブレーキが作用するのでブレーキの作用により苗箱28の向きが不適正になったり苗箱28がたるんだりするのが抑えられ箱詰まりが防止できる。
【0016】一対の予備苗載台72が走行車体1の前部の左右に設けられ、苗載台27上に苗箱28が無くなると(少なくなると)、その棚72a上の予備の苗箱28を補充できるようになっている。マーカがつぎのように設けられている。フレーム73がフロア8から左右に突出し(図2)、それぞれの突端の後側に固定した座板73aに副アーム74が縦軸75で回動自在に取付けられている(図9)。ばね76の両端がフレーム73と副アーム74に掛けられ、副アーム74を回すと、その力線が縦軸75の軸心上を左右に移動して、副アーム74を外向きに突出させた状態と、後向きに収納した状態で止めるように出来ている。
【0017】外向きに突出した状態の副アーム74の前側に支持板74aが固定され、これに支持アーム77が縦軸78で回動自在に取付けられている。止板74bが支持板74aから前に突出し、その孔79Aにピンを差すと、支持アーム77の板77aが固定されて支持アーム77が副アーム74から延長した状態(図9の実線)に保たれ、そのピンを抜いて支持アーム77を前に回したのち、孔79Bにピンを差すと、これが支持アーム77の外の面に当って、支持アーム77が前に収納した状態(図9の一点鎖線)に保たれるようになっている。
【0018】コ字形に折り曲った回動板80が支持アーム77の先を被うようにして進行方向に平行な横軸81で取付けられ、これから線引アーム82が伸びている(図11)。回動板80の上下にワイヤー83とばね84が設けられ、ワイヤー83を引くと、線引アーム82が図11のように直立し、これを緩めると、ばね84で引かれて水平に倒れるようになっている。水平に倒れた線引アーム82の先端から支持杆85が下に伸び、その下端に爪車(線引マーカ)86が回転自在に取付けられて支持杆85は、ばね材で作って中間をコイル状に巻き、下端を横に曲げて爪車86の軸とし、その上端が線引アーム82の端に上下に移動できるように取付けられている。
【0019】この構成は、左右の支持アーム77を走行車体1から外側に突出させ、未植地側のワイヤー83を緩めて用いる。未植地側の線引アーム82が水平に倒伏してその側の爪車86が泥面に達する。そのため、田植機が前記のようにして苗29を移植しながら前進すると、田植機の中心が復路で通る位置に爪車86の轍(線)が出来る。走行車体1の中央の前端にマスコット87が設けられ、オペレータは、復路でこれが上記の轍を通るようにステアリングハンドル13を操縦する。
【0020】板88が支持アーム77に固定され、これに基が軸89で回動自在に取付けられた支持棒90が前に突出したり、後に突出したりするようになっている。杆91が支持棒の先端から上下に突出し、上下の端にサイドマーカ92A,92Bが設けられている(図11)。そして、田植機寄りの定められた既植苗条の上にサイドマーカ92Aまたは92Bを位置させると、既植苗とこれから移植する苗との条間が一定に定まる。
【0021】そして、支持アーム77が副アーム74から突出した状態で前記のようにピンで両者を止め、副アーム74を縦軸75の回りに回して後側に収納し、支持棒90回して前に倒すと、サイドマーカ92Aが、支持アーム77を外に突出させたときのサイドマーカ92Bとほぼ同じ位置に来るようになっている。従って、畦その他により、支持アーム77を収納させて用いるときでも、サイドマーカ92Aを同じ状態で活用することができる。
【0022】図12は、進路が自動操縦される田植機を示している。すなわち、ステアリングハンドル13が図示していないステアリングモータで自動的に操作されるようになっている。田植機の左右で前後に前センサ93と後センサ94が設けられている。図のセンサ93,94は、ポテンショメータで構成され、触子93a,94aが畦95との接触や非接触で制御装置(図示していない)における入力が変化するようになっている。また、図は、右側を省略している。そのため、田植機が畦に寄り過ぎると、触子93a,94aが右に傾斜し、田植機が畦から離れ過ぎると左に傾斜して上記の入力が変わる。なお、両者の位置が適正なときは、進行方向に平行し、そのときの出力が中立となる。制御装置は、上記の入力でステアリングモータに出力し、ステアリングハンドル13を図13のフローチャートのように作動させる。
【0023】なお、制御装置は、手動が優先するように設けられ、オペレータがステアリングハンドル13を操作すると、上記の自動が停止する。また、簡易型にあっては、ステアリングモータへの出力に代えて、前センサ93と後センサ94からの入力に応じてブザーやランプで畦95との関係をオペレータに報知するように構成しても良い。
【0024】前センサ93と後センサ94は、非接触式のセンサを用いることができる。
【0025】
【効果】この発明は、上記のように構成されるので、線引マーカ86を機体の外側に突出させたときでも、機体の横に収納させたときでも、これを支持する支持アーム77に取付けたサイドマーカ92が同じ状態で使用できる。また、線引マーカ86は、機体から突出した支持アーム77の先に横軸81で取付けられて、その回りの揺動で昇降するので、揺動アームが短くなってその昇降が軽くできる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月2日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−243715
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−49199