トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバインの方向制御装置
【発明者】 【氏名】遠藤 豊春

【要約】 【課題】手動操作系と自動操作系の操作端末側の優先順位を設け、確実に機体の操向を行う機構を提供する。

【解決手段】走行装置1側に設けた機体2の走行方向を変更するように走行装置1を動作させるアクチュエータを、機体2の走行方向を操作する操向レバー8と、前記走行方向を微調節操作する微調節操作部13と、走行方向を検知する方向センサ17のうち、少なくとも微調節操作部13の操作及び方向センサ17の作動に基づいて上記アクチュエータを作動させる制御装置19により作動させ、制御装置19側に操作系自動選択装置31を設け、操向レバー8の操作を微調節操作部13の操作及び方向センサ17の作動より優先して、また微調節操作部13の操作を方向センサ17の作動より優先してアクチュエータ側に反映させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置(1)に支持された機体(2)側に、該機体(2)の走行方向を操作する操向レバー(8)と、前記走行方向を微調節操作する微調節操作部(13)と、走行方向を検知する方向センサ(17)とを設け、上記走行装置(1)側に機体(2)の走行方向を変更するように走行装置(1)を動作させるアクチュエータを設け、少なくとも微調節操作部(13)の操作及び方向センサ(17)の作動に基づいて上記アクチュエータを作動させる制御装置(19)を設けたコンバインにおいて、上記制御装置(19)側に、操向レバー(8)の操作を微調節操作部(13)の操作及び方向センサ(17)の作動より優先してアクチュエータ側に反映させるとともに、微調節操作部(13)の操作を方向センサ(17)の作動より優先してアクチュエータ側に反映させる操作系自動選択装置(31)を設けたコンバインの方向制御装置。
【請求項2】 上記操作系自動選択装置(31)が、方向センサ(17)からの入力を方向センサ(17)の作動に応じた信号として出力するセンサゲート回路(43)と、方向センサ(17)と微調節操作部(13)のいずれか一方の左操向又は右操向の作動若しくは操作により左又は右方向に機体(2)の走行方向が変更されるようにアクチュエータを作動させるための信号を出力する微調節ゲート回路(44)と、該微調節ゲート回路(44)からの操向用の入力信号と微調節操作部(13)側からの操向入力信号とが重複入力したときに微調節操作部(13)側の操向入力信号を優先してアクチュエータ側に操向信号として出力するとともに、前記微調節ゲート回路(44)からの操向入力信号又は微調節操作部(13)側からの操向入力信号と操向レバー(8)の操作に伴う入力信号とが重複入力したときに操向レバー(8)側からの入力信号を優先してアクチュエータ側に反映させる操向ゲート回路(46)とを設けた請求項1のコンバインの方向制御装置。
【請求項3】 方向センサ(17)の稼働状態を報知する報知装置(18)を設け、上記方向センサ(17)の稼働中に微調節操作部(13)又は操向レバー(8)が操作されることにより報知装置(18)の作動を停止せしめるスイッチ装置(55)を報知装置(18)の駆動回路内に設けた請求項1又は2のコンバインの方向制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンバインの走行方向を電気的又は機械的に制御するコンバインの方向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来走行装置に支持された機体側に、該機体の走行方向を操作する操向レバーと、前記走行方向を微調節操作する微調節操作部と、走行方向を検知する方向センサとを設け、上記走行装置側に機体の走行方向を変更するように走行装置を動作させるアクチュエータを設け、少なくとも微調節操作部の操作及び方向センサの作動に基づいて上記アクチュエータを作動させる制御装置を設けたコンバインが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記コンバインはオペレータが手動で機体の操向を操作する微調節操作部と操向レバーの操作の優先順位を設定しなければ、操作ミスやオペレータの勘違いにより機体の操向がオペレータの予想外の動きをする場合があるという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明のコンバインの方向制御装置は、走行装置1に支持された機体2側に、該機体2の走行方向を操作する操向レバー8と、前記走行方向を微調節操作する微調節操作部13と、走行方向を検知する方向センサ17とを設け、上記走行装置1側に機体2の走行方向を変更するように走行装置1を動作させるアクチュエータを設け、少なくとも微調節操作部13の操作及び方向センサ17の作動に基づいて上記アクチュエータを作動させる制御装置19を設けたコンバインにおいて、上記制御装置19側に、操向レバー8の操作を微調節操作部13の操作及び方向センサ17の作動より優先してアクチュエータ側に反映させるとともに、微調節操作部13の操作を方向センサ17の作動より優先してアクチュエータ側に反映させる操作系自動選択装置31を設けたことを第1の特徴としている。
【0005】また操作系自動選択装置31が、方向センサ17からの入力を方向センサ17の作動に応じた信号として出力するセンサゲート回路43と、方向センサ17と微調節操作部13のいずれか一方の左操向又は右操向の作動若しくは操作により左又は右方向に機体2の走行方向が変更されるようにアクチュエータを作動させるための信号を出力する微調節ゲート回路44と、該微調節ゲート回路44からの操向用の入力信号と微調節操作部13側からの操向入力信号とが重複入力したときに微調節操作部13側の操向入力信号を優先してアクチュエータ側に操向信号として出力するとともに、前記微調節ゲート回路44からの操向入力信号又は微調節操作部13側からの操向入力信号と操向レバー8の操作に伴う入力信号とが重複入力したときに操向レバー8側からの入力信号を優先してアクチュエータ側に反映させる操向ゲート回路46とを設けたことを第2の特徴としている。
【0006】さらに方向センサ17の稼働状態を報知する報知装置(方向自動スイッチ)18を設け、上記方向センサ17の稼働中に微調節操作部13又は操向レバー8が操作されることにより報知装置18の作動を停止せしめるスイッチ装置55を報知装置18の駆動回路内に設けたことを第3の特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の方向制御装置を搭載した自脱型コンバインの斜視図であり、左右のクローラ式の走行装置(クローラ走行装置)1に支持された機体2の前方に刈取作業等を行う前処理部3が上下揺動自在に設けられているとともに、該前処理部3の右後方に運転席4が設けられており、さらに該運転席4の左側方から機体2後方に至って脱穀部6が備えられている。
【0008】そして上記コンバインは従来同様左右のクローラ走行装置1の動作により機体2が走行せしめられ、前処理部3によって穀稈を刈り取り、該刈り取られた穀稈を脱穀部6に送り脱穀し、脱穀後の穀粒を濾過・選別して脱穀部6の右側方に設けられているグレンタンク7に送る構造となっているが、従来同様トランスミッション内には左右のクローラ走行装置1用のサイドクラッチ(図示しない)が設けられており、機体2の走行方向はこの左右のサイドクラッチを入切り作動せしめて左右のクローラ走行装置1の動作を制御することで制御される。
【0009】つまり左側のクローラ走行装置1用のサイドクラッチ(左サイドクラッチ)を切り作動させ、右側のクローラ走行装置1用のサイドクラッチ(右サイドクラッチ)を入り作動させ、右側のクローラ走行装置1を左側のクローラ走行装置1より高速駆動させることで機体2の走行方向を左側に変更し、右サイドクラッチを切り作動させ、左サイドクラッチを入り作動させ、左側のクローラ走行装置1を右側のクローラ走行装置1より高速駆動させることで機体2の走行方向を右側に変更する。
【0010】このとき図2に示されるように前述の運転席4内には前後及び左右揺動自在に機体2の操向等を操作する操向レバーであるマルチレバー8が設けられており、該マルチレバー8は図3に示されるように左右に揺動させることで、ワイヤやリンク等により構成された操作機構9を介して機械的に上記左右のサイドクラッチを操作して機体2の走行方向を変更せしめる(操向を操作する)ことができるように構成されている。
【0011】なお上記マルチレバー8の基端部側には、マルチレバー8を左に揺動せしめることでONされる左スイッチと右に揺動せしめることでONされる右スイッチとにより構成されるロータリスイッチ11が設けられている。また上記各サイドクラッチにはサイドクラッチを入切り作動せしめる電磁バルブが各サイドクラッチ毎に設けられており、該各電磁バルブのソレノイドを電気的に作動させることでも各サイドクラッチを入切り作動せしめることができるように構成されている。つまり左右のクローラ走行装置1にはクローラ走行装置1の動作を制御するアクチュエータとして電磁バルブが設けられている。
【0012】このとき図4に示されるように運転席4内に設けられているアームレスト12には後述するように手動で(オペレータの意志によって)各電磁バルブを操作して機体2の操向(走行方向)を微調節操作する微調節操作部である手動スイッチ13が設けられている。また前述の前処理部3には図5,図6に示されるように刈取作業中に株間に位置して分草するディバイダ14が前処理部3より前方に突設されたディバイダフレーム16に支持されて設けられているが、該ディバイダフレーム16の内の中央のディバイダフレーム16には稈に当接することで揺動するセンサアーム17a,17bが左右に突設して設けられている。
【0013】そして左右のセンサアーム17a,17bの揺動により、左右のセンサアーム17a,17bに連結されている方向センサ(詳細は後述する)17を作動させ、該方向センサ17により上記ソレノイド(電磁バルブ)を作動させて、ディバイダ14(ディバイダフレーム16)が常に株間に位置するように機体2の走行方向を自動制御する方向自動制御が可能となるように構成されている。このとき図2に示されるように運転席4側に設けられた方向自動スイッチ18(点灯可能)をONすることで、後述するように方向センサの稼働状態を点灯及び消灯により報知する報知装置である方向自動ランプとして方向自動スイッチ18自身が点灯し、上記方向自動制御が行われるように構成されている。
【0014】なお上記ソレノイドは、上記ロータリスイッチ11,方向センサ17,手動スイッチ13,方向自動スイッチ18等が接続されて機体2側に設けられている制御装置19(図7参照)により作動が制御されるように構成されており、次に該制御装置19及び方向センサ17の構造について図7に従って詳細に説明する。
【0015】方向センサ17は、上記右側のセンサアーム(右センサアーム)17bの穀稈への当接による揺動により遮光されるフォトカプラ21と、該フォトカプラ21内のフォトトランジスタのONによりONとなるスイッチングトランジスタ22と、左側のセンサアーム(左センサアーム)17aの穀稈への当接による揺動により遮光されるフォトカプラ23と、該フォトカプラ23内のフォトトランジスタのONによりONとなるスイッチングトランジスタ24等を備えている。
【0016】そしてエミッタが接地されている両スイッチングトランジスタ2D4のうちスイッチングトランジスタ22のコレクタ側が方向センサ17の出力端子26に、スイッチングトランジスタ24のコレクタ側が方向センサ17の出力端子27にそれぞれ接続されて構成されている。また方向センサ17内には安定化電源28が備えられているとともに、該安定化電源28に方向センサ17の電源端子29から電源が供給される構造となっている。
【0017】このとき電源端子29に電源が入力されると安定化電源28を介して両フォトカプラ2B3の発光ダイオードが発光するように構成されており、つまり方向センサ17は電源がON(電源端子29に電源が供給される)の状態においてはセンサアーム17a又は17bが揺動することでスイッチングトランジスタ24又は22がONからOFFに切り換えられて(フォトカプラ23又は21が作動して)、出力端子26又は27が接地される。また電源がOFFの場合も両スイッチングトランジスタ2D4がOFFとなり出力端子26,27が接地される。
【0018】次に前述の制御装置19の構造について説明する。該制御装置19は後述するようにマルチレバー8の操作を手動スイッチ13の操作及び方向センサ17の作動より優先して出力側に反映させるとともに、手動スイッチ13の操作を方向センサ17の作動より優先して出力側に反映させる操作系自動選択装置31,前述の左右の電磁バルブのソレノイド32,33を駆動するための各ソレノイド32,33に対応したパワートランジスタ36,37前述の方向自動ランプ(方向自動スイッチ18)を駆動するためのパワートランジスタ38,安定化電源39等を備えている。
【0019】このときパワートランジスタ36,37は電界効果トランジスタ(FET)で構成されており、両パワートランジスタ36,37はソースが接地され、ドレインが制御装置19の第1電源端子47に接続されているとともに、パワートランジスタ36のゲート(G1)が操作系自動選択装置31の左側ソレノイド用の出力(後述する)に、パワートランジスタ37のゲート(G1)が操作系自動選択装置31の右側ソレノイド用の出力(後述する)にそれぞれ接続されている。
【0020】そして制御装置19の左側ソレノイド用の出力端子41にパワートランジスタ36のドレインが、右側ソレノイド用の出力端子42にパワートランジスタ37のドレインが、方向自動ランプ用の出力端子40に上記パワートランジスタ38のコレクタがそれぞれ接続されている。なおパワートランジスタ38はエミッタが接地されており、ベースが操作系自動選択装置31の方向自動ランプ用の出力(後述する)に接続されている。
【0021】次に上記操作系自動選択装置31の構造について説明する。該操作系自動選択装置31は、2つのNAND回路よりなるセンサゲート回路43,同じく2つの2つのNAND回路よりなる微調節ゲート回路44,3つのAND回路よりなる操向ゲート回路46の3段のゲート回路より構成されている。
【0022】上記センサゲート回路43を構成する両NAND回路A,Bは2つの入力と1つの出力を有するハード又はソフトウエアからなる論理回路であり、両NAND回路A,Bの一方の入力に制御装置19の第2電源端子48より電源が供給され論理回路の1(H)となる+電圧が抵抗等を介して入力されており、一方のNAND回路Aの他方の入力が方向センサ17の出力端子26と接続されるとともに第1電源端子47に接続された前述の安定化電源39より電源が供給され論理回路の1(H)となる+電圧が抵抗等を介して入力され、他方のNAND回路Bの他方の入力が方向センサ17の出力端子L27と接続されるとともに上記安定化電源39より電源が供給され論理回路の1(H)となる+電圧が抵抗等を介して入力された構造となっている。
【0023】つまり両NAND回路A,Bは電源が入力された状態では、一方の入力が電源によりHに保持され、他方の入力がスイッチングトランジスタ22又は24のON,OFFによってH,Lが切り換えられるように構成されている。具体的にはスイッチングトランジスタ22がONとなるとNAND回路Aの片方の入力が接地されL(0)となり、スイッチングトランジスタ24がONとなるとNAND回路Bの片方の入力が接地されL(0)となる。
【0024】すなわちセンサゲート回路43は、右センサアーム17bによってフォトカプラ21が遮光せしめられ作動する(スイッチングトランジスタ22がOFFとなる)ことにより、NAND回路Aの一方の入力がLからHに変化し、NAND回路Aの出力がHからLに切り換えられ、左センサアーム17aによってフォトカプラ23が遮光せしめられ作動する(スイッチングトランジスタ24がOFFとなる)ことにより、NAND回路Bの一方の入力がLからHに変化し、NAND回路Bの出力がHからLに切り換えられる構造となっている。
【0025】なお各NAND回路A,Bへの入力はバッファ(BUFF)を介して行われるが、特にNAND回路Bの一方の入力への+電圧及び方向センサ17の出力端子27からの信号の供給は両フォトカプラ21,23の作動のインチング等を防止する目的のためにタイマ49を介して入力されている。
【0026】一方微調節ゲート回路44を構成する両NAND回路C,Dも2つの入力と1つの出力を有するハード又はソフトウエアからなる論理回路であり、一方のNAND回路Cにおける一方の入力にNAND回路Aの出力が接続されていると共に他方の入力に1つの共通接点Cと2つの切換接点L,Rを有する切換スイッチよりなる前述の手動スイッチ13の一方の接点Lが接続されており、また他方のNAND回路Dにおける一方の入力にNAND回路Bの出力が接続されていると共に他方の入力に前述の手動スイッチ13の他方の接点Rが接続されている。
【0027】そして手動スイッチ13の共通接点Cが接地されているとともに、両NAND回路C,Dの手動スイッチ13の接点L,Rが接続されている側の入力には安定化電源39から論理回路の1(H)となる+電圧が抵抗等を介して供給されている。
【0028】つまり手動スイッチ13の操作により接点Cと接点Lを短絡させ接点Lを接地させることでNAND回路Cにおける手動スイッチ13が接続されている側の入力はHからLに切り換えられ、接点Cと接点Rを短絡させ接点Rを接地させることでNAND回路Dにおける手動スイッチ13が接続されている側の入力がHからLに切り換えられる。
【0029】すなわち微調節ゲート回路44は、手動スイッチ13の操作により接点Lを接地させる、あるいは右センサアーム17bによりフォトカプラ21を遮光せしめ作動させる(NAND回路Aの出力がLとなる)ことにより、NAND回路CからHが出力され、手動スイッチ13の操作により接点Rを接地させる、あるいは左センサアーム17aによりフォトカプラ23を遮光せしめ作動させる(NAND回路Bの出力がLとなる)ことにより、NAND回路DからHが出力される構造となっている。
【0030】一方操向ゲート回路46を構成する3つのAND回路はそれぞれ3つの入力と1つの出力を有するハード又はソフトウエアからなる論理回路であり、AND回路Eの入力にはNAND回路Cの出力,手動スイッチ13の接点R,前述のマルチレバー8のロータリスイッチ11とが接続されており、またAND回路Fの入力にはNAND回路Dの出力,手動スイッチ13の接点L,マルチレバー8のロータリスイッチ11とが接続されている。さらにAND回路Gの入力には手動スイッチ13の接点L,R,マルチレバー8のロータリスイッチ11が接続されている。
【0031】なお上記ロータリスイッチ11は、前述の左スイッチ11aと右スイッチ11bとが並列に接続されて一端が各AND回路E,F,Gの入力に接続されているとともに他端が接地されている。また各AND回路E,F,Gのロータリスイッチ11及び手動スイッチ13が接続された入力には安定化電源39から論理回路の1(H)となる+電圧が抵抗等を介して供給されている。
【0032】そして機体2の走行方向を変更又は微調節操作(機体2を操向)すべく手動スイッチ13を接点L又は接点Rが接地するように操作する、あるいはマルチレバー8を左右に揺動操作することにより、上記各AND回路E,F,Gの手動スイッチ13又はロータリスイッチ11が接続された入力がHからLに切り換えられる。
【0033】すなわち操向ゲート回路46は、微調節ゲート回路44のNAND回路CからHが出力されている場合、手動スイッチ13における接点Rの接地操作及びマルチレバー8の左右操作が行われないときに限ってAND回路EからHを出力し、微調節ゲート回路44のNAND回路DからHが出力されている場合、手動スイッチ13における接点Lの接地操作及びマルチレバー8の左右操作が行われないときに限ってAND回路FからHを出力し、手動スイッチ13における左右接点L,Rの接地操作及びマルチレバー8の左右操作が行われないときに限ってAND回路GからHを出力する構造となっている。
【0034】そしてAND回路Eの出力が操作系自動選択装置31の左側ソレノイド用の出力としてパワートランジスタ36のゲートに、AND回路Fの出力が操作系自動選択装置31の右側ソレノイド用の出力としてパワートランジスタ37のゲートに、AND回路Gの出力が操作系自動選択装置31の方向自動ランプ用の出力としてパワートランジスタ3のベースにそれぞれ接続されている。
【0035】制御装置19は以上のように構成されており、AND回路Eの出力がHとなることでパワートランジスタ36が、AND回路Fの出力がHとなることでパワートランジスタ37が、AND回路Gの出力がHとなることでパワートランジスタ3がそれぞれONとなり、出力端子41,出力端子42,出力端子40に接続されたアクチュエータの駆動(ON,OFF)を制御する構造となっている。
【0036】そして本実施形態の場合、出力端子41に一端が電源に接続された左側のクローラ走行装置1の駆動を制御する左ソレノイド32の他端が、出力端子42に一端が電源に接続された右側のクローラ走行装置1の駆動を制御する右ソレノイド33の他端が、出力端子40に一端が方向自動スイッチ18を介して電源に接続された方向自動スイッチ18のランプ部分の他端が接続されており、後述するように方向センサ17,手動スイッチ13,マルチレバー8の操作により左右ソレノイド32,33の駆動が制御され機体2の走行方向が変更されると共に、方向自動スイッチ18の点灯及び消灯が制御される。
【0037】なおここで制御装置19及び方向センサ17への電源の供給構造について説明すると、制御装置19内の安定化電源39は前述のように第1電源端子47に接続されており、第1電源端子47が直接電源(+)に接続されているとともに、第2電源端子48が前述の方向自動スイッチ18を介して電源(+)に接続されている。また方向センサ17の電源端子29も方向自動スイッチ18を介して電源(+)に接続されている。
【0038】つまり制御装置19内の安定化電源39,パワートランジスタ36,37及びセンサゲート回路43,微調節ゲート回路44には常時電源が供給されるが、方向センサ17及びセンサゲート回路42は方向自動スイッチ18をONすることで電源が供給されて、作動可能に立ち上がる(稼動する)ように構成されている。
【0039】このとき方向センサ17の電源端子29と接地端子ESは図5に示されるように着脱により配線の断接が可能なカプラ51によって制御装置19の第2電源端子48側と接地端子EU側に接続される構造となっており、また方向センサ17の出力端子26と27も図5に示されるように上記同様のカプラ52によって制御装置19のNAND回路AとNAND回路Bの一方の入力が接続された入力端子53,54に接続される構造となっている。
【0040】そして両カプラ51,52に接続された方向センサ17からのケーブルは1つにまとめられて、方向センサ17が取り付けられているディバイダフレーム16内をとり回されて前処理部3の後方から取り出されている。つまり方向センサ17からの配線はディバイダフレーム16内を通されて確実に保護されている。
【0041】このとき方向センサ配線用のカプラがカプラ51とカプラ52の2つに分割されているため、個々のカプラが小型化され、カプラ51,52の着脱が容易となるほか、カプラ51,52をディバイダフレーム16内に挿通せしめるための孔50等を小さくすることができ、上記孔50より土等がディバイダフレーム16内に入り込む等の欠点が防止される。
【0042】制御装置19が上記のように構成されているため、方向自動スイッチ18のON状態において、両センサアーム17a,17bが揺動しない状態(ディバイダ14が両株間に位置した状態)では、フォトカプラ21及びフォトカプラ23がともに非作動(遮光されずフォトトランジスタがON)であるためゲート回路1のNAND回路A及びNAND回路BにLとHが入力されNAND回路A及びNAND回路BからHが出力される。そして手動スイッチ13及びマルチレバー8が未操作の場合、ゲート回路2のNAND回路C及びNAND回路Dの入力に共にHが入力され、NAND回路C及びNAND回路DからLが出力される。
【0043】これによりゲート回路3のAND回路E及びAND回路Fの入力にH,H,LがAND回路Gのすべての入力にHが入力され、AND回路E及びAND回路FからLが、AND回路GからHが出力され、パワートランジスタ36及びパワートランジスタ37がOFFに、パワートランジスタ38がONになり、方向自動スイッチ18が点灯するが、いずれのソレノイド32,33も作動せず、両サイドクラッチが入り作動し、機体2の走行(方向)が継続される。
【0044】一方上記状態から右センサアーム17bの揺動によりフォトカプラ21が作動する(遮光されフォトトランジスタがOFFとなる)と、ゲート回路1のNAND回路Aの両入力にHが入力されるとともに、NAND回路BにはLとHが入力され、NAND回路AからLが、NAND回路BからHが出力される。そして手動スイッチ18及びマルチレバー8が未操作の場合、ゲート回路2のNAND回路CにLとHが、NAND回路Dの両入力にHが入力され、NAND回路CからHが出力されるとともに、NAND回路DからLが出力される。
【0045】これによりゲート回路3のAND回路E及びAND回路Gのすべての入力にHが入力されるとともにAND回路Fの入力にH,H,Lが入力され、AND回路EからHが、AND回路FからLが、AND回路GからHが出力され、パワートランジスタ37がOFFに、パワートランジスタ36及びパワートランジスタ38がONになり、方向自動スイッチ18が点灯するとともに左ソレノイド32が作動し、左サイドクラッチが切り方向に作動し、機体2の走行方向が左方向に変更される。
【0046】また左センサアーム17aの揺動によりフォトカプラ23が作動(遮光されフォトトランジスタがOFF)した場合は、NAND回路AとNAND回路Bの作動、NAND回路CとNAND回路Dの作動、AND回路EとAND回路Fの作動が、前述のフォトカプラ21が作動した場合の逆となり、パワートランジスタ36がOFFに、パワートランジスタ37及びパワートランジスタ38がONになり、方向自動スイッチ18が点灯するとともに右ソレノイド33が作動し、右サイドクラッチが切り方向に作動し、機体2の走行方向が右方向に変更される。
【0047】以上のように方向自動スイッチ18がONであり、手動スイッチ13及びマルチレバー8が操作されていないときは、方向自動スイッチ18が継続的に点灯し、方向センサ17(左右センサアーム17a,17b)の作動により、ディバイダ14が株間に位置するように機体2の走行方向が自動制御(方向自動制御)される。
【0048】一方上記方向自動制御中に機体2の走行方向を左側に変更すべく手動スイッチ13の左操向の操作(接点Lを接地させる)を行うと、NAND回路Cの一方の入力にLが入力されるため、フォトカプラ21の作動に無関係にNAND回路CからHが出力されるとともに、AND回路F及びAND回路Gの入力にフォトカプラL23の作動に無関係に少なくとも1つのLが入力され、右ソレノイド33が非作動,左ソレノイド32が作動状態となり、方向自動スイッチ18が消灯すると共に、機体2の走行方向が左方向に変更される。
【0049】また方向自動制御中に機体2の走行方向を右側に変更すべく手動スイッチ13の右操向の操作(接点Rを接地させる)を行うと、NAND回路Dの一方の入力にLが入力されるため、フォトカプラ23の作動に無関係にNAND回路DからHが出力されるとともに、フォトカプラ21の作動に無関係にAND回路E及びAND回路Gの入力に少なくとも1つのLが入力され、左ソレノイド32が非作動,右ソレノイド33が作動状態となり、方向自動スイッチ18が消灯すると共に、機体2の走行方向が右方向に変更される。
【0050】さらに上記方向自動制御中に機体2の走行方向を左側に変更すべくマルチレバー8を左に揺動させる(左操向操作する)と、ロータリスイッチ11(左スイッチ11a)が接地され、方向センサ17及び手動スイッチ13の作動に無関係にAND回路E,AND回路F,AND回路Gのそれぞれの入力に少なくとも1つLが入力され、AND回路E,AND回路F,AND回路GからLが出力され、両ソレノイド32,33が非作動状態となり、方向自動スイッチ18が消灯し、前述のように左サイドクラッチが機械的に(操作機構9を介して)切り作動させられ、機体2の走行方向が左方向に変更される。
【0051】なおマルチレバー8の右操向操作(右に揺動)を行う場合も、ロータリスイッチ11(右スイッチ11a)が接地されるため、上記同様方向センサ17及び手動スイッチ13の作動に無関係にAND回路E,AND回路F,AND回路Gのそれぞれの入力に少なくとも1つLが入力され、AND回路E,AND回路F,AND回路GからLが出力され、両ソレノイド32,33が非作動状態となり、方向自動スイッチ18が消灯し、前述のように右サイドクラッチが機械的に(操作機構9を介して)切り作動させられ、機体2の走行方向が右方向に変更される。
【0052】また方向自動スイッチ18のOFF状態においては、方向自動スイッチ18のランプ部分に電源が供給されず、方向自動スイッチ18が消灯する他、方向センサ17側とゲート回路1(NAND回路A及びNAND回路Bの一方の入力)側に電源が供給されないため、NAND回路A及びNAND回路Bの一方の入力が抵抗を介して接地され、両NAND回路A,Bに常に少なくとも1つLが入力され、方向センサ17の作動に無関係にNAND回路A及びNAND回路Bから常にHが出力される。
【0053】すなわち制御装置19における方向センサ17の制御部分であるセンサゲート回路43と方向センサ17の作動が停止し、方向センサ17の出力端子26,27の接地が開放され、NAND回路A及びNAND回路Bの方向センサ17の出力端子26,27が接続されている入力に常にHが入力される。
【0054】これにより手動スイッチ13及びマルチレバー8が未操作の場合、ゲート回路2のNAND回路C及びNAND回路Dの入力に共にHが入力され、NAND回路C及びNAND回路DからLが出力され、ゲート回路3のAND回路E及びAND回路Fの入力にH,H,LがAND回路Gのすべての入力にHが入力され、パワートランジスタ36及びパワートランジスタ37がOFFに、パワートランジスタ38がONになり、いずれのソレノイド32,33も作動せず、両サイドクラッチが入り作動し、機体2の走行(方向)が継続される。
【0055】そして上記状態から機体2の走行方向を左側に変更すべく手動スイッチ13の左操向の操作を行い、接点Lを接地させると、NAND回路Cの一方の入力にLが入力されるため、NAND回路CからHが出力されるとともに、AND回路F及びAND回路Gの入力に少なくとも1つのLが入力され、右ソレノイド33が非作動状態になると共に、左ソレノイド32が作動状態となり、機体2の走行方向が左方向に変更される。
【0056】また機体2の走行方向を右側に変更すべく手動スイッチ13の右操向の操作を行い、接点Rを接地させると、NAND回路Dの一方の入力にLが入力されるため、NAND回路DからHが出力されるとともに、AND回路E及びAND回路Gの入力に少なくとも1つのLが入力され、左ソレノイド32が非作動状態となると共に、右ソレノイド32が作動状態となり、機体2の走行方向が右方向に変更される。
【0057】さらに上記状態(方向自動スイッチがOFFの状態)において機体2の走行方向を左側に変更すべくマルチレバー8の左操向の操作(左に揺動)を行うと、ロータリスイッチ11(左スイッチ11a)が接地され、手動スイッチ13の作動に無関係にAND回路E,AND回路F,AND回路Gのそれぞれの入力に少なくとも1つLが入力され、AND回路E,AND回路F,AND回路GからLが出力され、両ソレノイド32,33が非作動状態となり、左サイドクラッチが機械的に切り作動させられ、機体2の走行方向が左方向に変更される。
【0058】なおマルチレバー8の右操向の操作(右に揺動)を行う場合も、ロータリスイッチ11(右スイッチ11b)が接地されるため、上記同様手動スイッチ13の作動に無関係にAND回路E,AND回路F,AND回路Gのそれぞれの入力に少なくとも1つLが入力され、AND回路E,AND回路F,AND回路GからLが出力され、両ソレノイド32,33が非作動状態となり、右サイドクラッチが機械的に切り作動させられ、機体2の走行方向が右方向に変更される。
【0059】つまり操作系自動選択装置31により方向センサ17の作動より手動スイッチ13の操作(作動)が優先して作用して機体2の走行方向が変更され、また方向センサ17の作動及び手動スイッチ13の操作(作動)よりマルチレバー8の操作が優先して機体2の走行方向が変更され、方向センサ17により方向自動制御が行われているとき以外は、方向自動スイッチ18のランプ側の回路内に設けられた、AND回路G,パワートランジスタ38等による手動スイッチ13及びマルチレバー8の操作に対応するスイッチ装置55によって方向自動スイッチ18が確実に消灯される。
【0060】このため上記のように方向自動制御が備えられた本実施形態のコンバインは、方向自動制御中であっても手動スイッチ13及びマルチレバー8による手動の機体2の操向操作(手動操作系)が優先され、容易にオペレータが機体2の走行を任意に操向する事ができ、また手動操作系においても手動スイッチ13の操向操作よりマルチレバー8の操向操作が優先されるためオペレータの操作ミスや勘違いにより、手動スイッチ13とマルチレバー8とを互いに逆方向に機体2の走行方向を変更するように操作した場合でもマルチレバー8の操向操作により機体2が走行するため、機体操向のハンチング現象等の誤動作が防止され、機体2の操向フィーリングが向上する。
【0061】特に機体2の作動状態(エンジンが始動されており、第1電源端子47及び方向自動スイッチ18,両ソレノイド32,33の一端側に電源が供給されている状態)においては、方向自動スイッチ18が切り(OFF)の時でも、安定化電源39により手動スイッチ13及びマルチレバー8のロータリスイッチ11の作動を制御する微調節ゲート回路44及び操向ゲート回路46は作動する構造となっており、方向自動制御が行われていないときでも手動スイッチ13により機体2の操向を微調節することができると共に、手動スイッチ13の操作より操向レバー8の操作が優先されて機体2の操向が行われる。
【0062】このため上記同様に機体操向の誤動作等が無く、また方向自動制御のON,OFFを意識することなく容易に手動操作系によって機体2の操向を行うことができる。つまり方向自動スイッチ18のON,OFF以外の煩雑な操作等を行うことなく、方向自動スイッチ18のON,OFFにかかわらず手動スイッチ13による機体2の操向(微調節)を容易に行うことができる。
【0063】一方前述のように制御装置19における方向センサ17の制御部分であるセンサゲート回路43と方向センサ17には方向自動スイッチ18を経由した同一経路で電源が入力されているため、方向自動スイッチ18のON,OFFで方向センサ17とセンサゲート回路43の作動状態が同時に変化し、方向センサ17が稼働状態の時のみ方向センサ17によるアクチュエータ(ソレノイド)の制御(方向自動制御)が行われる。これにより方向センサ17による自動制御の誤動作が防止されるとともに、この誤動作防止用の機構(回路)が比較的シンプルに構成される。
【0064】さらに手動スイッチ13又はマルチレバー8の操作により方向自動スイッチ18が消灯せしめられるため、オペレータが機体2の操向を手動で行っている(方向センサ17の作動により制御されていない)ことを容易に確認することができる他、手動スイッチ13やマルチレバー8の操作により方向自動スイッチ18が消灯すると共に左右のソレノイド32,33が上記手動操作系の操作に応じて作動するため、手動操作系の作動チェックを工場等の騒音下においても方向自動スイッチ18の点灯及び消灯により容易に行うことができ、分解・組立・調節時のメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0065】なお前述のように方向センサ17と制御装置19側との間の出力の配線と電源の配線をカプラ51,52によってそれぞれ独立して(個別に)断接させることができるため、電源配線のみを接続した状態で方向センサ17の出力チェックをカプラ51側で行うことができ、方向センサ17が本実施形態のようにフォトカプラ21,23等の電子回路を使用したもので作動に電源が必要なセンサを使用したものであっても、方向センサ17の作動チェック等を容易に行うことができる。
【0066】また方向センサ17と制御装置19側との間の配線において電源側の配線を切断し、出力側の配線のみを接続した場合には、方向センサ17の両出力は接地される(フォトカプラ21,23が遮光された状態と同じ状態となる)ため、制御装置19側の作動チェックをより容易に行うこともできる。つまり方向センサ17と制御装置19側との出力配線と電源配線を独立して断接することで方向センサ17及び制御装置19の作動チェック等を容易に行うことができ、トラブルの切り分け作業等が容易になる。そして上記制御装置19の作動チェック等には前述の方向自動スイッチ18の点灯及び消灯によるチェックを利用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、方向センサの作動により機体の走行方向が変更されている際、逆方向に機体の走行方向を変更させるように微調節操作部又は操向レバーが操作されると、微調節操作部又は操向レバーの操作が優先されて機体が走行し、微調節操作部と操向レバーとを互いに逆方向に機体の走行方向を変更するように操作した場合に操向レバーの操作が優先されて機体が走行するため、機体操向のハンチング現象等の誤動作が防止され、機体の操向フィーリングが向上するという効果がある。
【0068】また微調節操作部又は操向レバーの操作により報知装置の作動が停止せしめられるため、オペレータが機体の操向を手動で行っている(方向センサの作動により制御されていない)ことを容易に確認することができるほか、微調節操作部や操向レバーの作動を報知装置により容易にチェックすることができるという効果もある。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開平11−225508
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−48856