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【発明の名称】 播種複合作業機
【発明者】 【氏名】下村 剛

【氏名】木村 重利

【氏名】菅野 鋭三

【氏名】田辺 義男

【要約】 【課題】均平作業により形成される土溜まりを低い丘状の土溜まりに修正し、播種後において圃場に水を張ったとき、成育に悪影響を及ぼす程の深浅が形成されることのないようにし、播種後の鎮圧作業において鎮圧ロ−ラに圃場の土が付着することのないように改良を施し、付着土による圃場表面の均平状態の破壊を防止する。

【解決手段】作業機前部にアッパリンク、ならびにロアリンクの取り付け部を備え、この取り付け部は直接、あるいは間接的に砕土装置にあり、この砕土装置の作業進行方向後方位置に均平装置、作溝装置、さらには、播種覆土装置および鎮圧ローラが配置装着された播種複合作業機であり、前記アッパリンクとその取り付け部には、アッパリンクと作業機との間に作業進行方向に沿った平面内で一定距離だけ自由に移動することができるフリ−ゾ−ンがあって、トラクタのもつリフト機構によりロアリンクをリフトしたとき少なくとも砕土装置の後の均平装置は前記鎮圧ロ−ラを支点として実際のリフト量より少ないリフト量だけリフトされることで土溜を解消するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、3点リンクヒッチ機構と、リフト機構を搭載したトラクタに対して装着させれる播種複合作業機において、作業機前部にアッパリンク、ならびにロアリンクの取り付け部を備え、この取り付け部は直接、あるいは間接的に砕土装置にあり、この砕土装置の作業進行方向後方位置に均平装置、作溝装置、さらには、播種覆土装置および鎮圧ローラが配置装着された播種複合作業機であり、前記アッパリンクとその取り付け部には、アッパリンクと作業機との間に作業進行方向に沿った平面内で一定距離だけ自由に移動することができるフリ−ゾ−ンがあって、トラクタのもつリフト機構によりロアリンクをリフトしたとき少なくとも砕土装置の後の均平装置は前記鎮圧ロ−ラを支点として実際のリフト量より少ないリフト量だけリフトされることで土溜を解消するように構成したことを特徴とする播種複合作業機。
【請求項2】 フリ−ゾ−ンはアッパリンクのヒッチ部が作業進行方に沿って垂直面内で移動できるように作業機に直接形成されていることを特徴とする請求項1記載の播種複合作業機。
【請求項3】 フリ−ゾ−ンはアッパリンクのヒッチ部が作業進行方に沿って垂直面内で所定の範囲内で回転できるように作業機に直接形成されていることを特徴とする請求項2記載の播種複合作業機。
【請求項4】 フリ−ゾ−ンはアッパリンクを取り付けるオ−トヒッチ部材に作業進行方向に沿って垂直面内で移動できるようにオ−トヒッチ部材に形成されていることを特徴とする請求項1記載の播種複合作業機。
【請求項5】 フリ−ゾ−ンはアッパリンクを取り付けるオ−トヒッチ部材のヒッチピンが作業進行方向に沿って垂直面内で移動できるように作業機に形成されていることを特徴とする請求項1記載の播種複合作業機。
【請求項6】 鎮圧ロ−ラにはその周長より長い土付着防止帯が巻装されている構成としたことを特徴とする請求項1記載の播種複合作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、播種複合作業機に関し、さらに詳しくは、圃場の均平化をより精確に行い、これにより均一収穫を期待する播種作業を行うことを目的に開発された播種複合作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】圃場作業機として、耕起、不耕起栽培を問わず圃場の耕耘、砕土作業、均平作業、播種を目的とした作溝作業、施肥作業を行う個々の作業機は従来より広く知られているところであって、これらの作業を関連付けて二つ以上の作業を行うことで能率向上を図った作業機、いわゆる複合作業機も広く知られている。例えば、稲作農作業においての複合作業機としては、直播作業に先立ち、予め圃場条件を均一化するために、浅い位置での砕土、耕耘作業を行い、その後を均平にし、さらに播種に適した肥料を施す施肥作業を行い、その後播種のための播種に播種溝を形成し、これに播種するとともに、覆土、鎮圧する作業機が知られている。具体的には、特開平9−275714号に示されているところで、これに示されたものは、ロ−タリ耕耘機による耕耘作業後をこの作業機がもつ砕土板の下端部により地ならしを施し、さらに、転圧ロ−ラによって鎮圧を加え、播種溝を形成後、播種し、覆土する作業機である。このように、複合的に農作業を行うものは前記公報に記載されたものだけではなく、その公報に従来例としてう挙げられているように枚挙にいとまのない程であって、特開平6−209613号公報、実公平4−49857号公報、実公平6−20334号公報などが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の播種複合作業機により圃場に対し播種を行う場合表面の比較的浅い位置を耕耘した後、何らかの手段により均平作業を施すのであるが、作業が進行して圃場の最終地点、言い換えると、トラクタの回行に必要な枕地部分近くでは均平板により寄せられた土が移動させられて、均平装置の直前に土溜りができ、圃場の均平平面に比べて高い丘状の部分が形成される。さらに詳しくはこの状態は図14に示されているように均平に形成された圃場中央部Tと比べて一段高くなった丘kが形成される。この丘kのために圃場に水を張った場合に圃場表面に深浅が生じ、これがため種籾の生育にばらつきが生じ、圃場均一多収穫による反収の増加を図ることができない。この原因はトラクタの移動に従いこれにヒッチされた作業機が備える均平板が圃場表面の土を寄せて移動する関係から、作業の一行程の終端位置において土溜まりが形成されるのである。また、作業機の最終行程において播種後の圃場に対して鎮圧作業を施す目的から鎮圧ロ−ラを用いることが一般に行われているが、この鎮圧ロ−ラに対して土質によっては圃場表面の土が付着し鎮圧ロ−ラの表面に実質的な凹凸が形成されて播種後の圃場表面が凸凹状になる問題があった。上述のように、理想圃場のように畦際まで均平にすることができないという問題とともに、鎮圧ロ−ラによる圃場の鎮圧作業においては、トラクタの上下動がそのまま鎮圧ロ−ラの上下動となって伝わり、圃場表面の鎮圧状態が不均一になるという問題もあり、加えて、鎮圧ロ−ラに表土が付着して圃場表面に凹凸を形成してしまう心配を払拭することができない。
【0004】そこで、本発明は、播種作業に先立って行う均平作業により山状の土溜まりが形成されるが、これをわずかに高いだけの低い丘状の土溜まりに修正し、播種後において圃場に水を張ったとき、成育に悪影響を及ぼす程の深浅が形成されることのないようにするとともに、播種後の鎮圧作業において鎮圧ロ−ラに圃場の土が付着することのないように改良を施し、付着土による圃場表面の均平状態の破壊を防止しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、本発明は少なくとも、少なくとも、3点リンクヒッチ機構と、リフト機構を搭載したトラクタに対して装着させれる播種複合作業機において、作業機前部にアッパリンク、ならびにロアリンクの取り付け部を備え、この取り付け部は直接、あるいは間接的に砕土装置にあり、この砕土装置の作業進行方向後方位置に、均平装置、作溝装置、さらには、播種覆土装置および鎮圧ローラが配置装着された播種複合作業機であり、前記アッパリンクとその取り付け部には、両者の間に作業進行方向に沿った平面内で一定距離だけ自由に移動することができるフリ−ゾ−ンがあって、トラクタのもつリフト機構によりロアリンクをリフトすると少なくとも均平装置は前記鎮圧ロ−ラを支点としててこ運動になり実際のリフト量より少ないリフト高さだけリフトされることで土溜を解消するように構成したことを特徴とするものである。さらに、 フリ−ゾ−ンはアッパリンクのヒッチ部が作業進行方に沿って垂直面内で所定の範囲内で回転できるように作業機に直接形成されていることを特徴とするものであり、これにより、ヒッチピンが移動する長孔を形成することなく簡単に構成することができる。さらにまた、フリ−ゾ−ンはアッパリンクを取り付けるオ−トヒッチ部材のヒッチピンが作業進行方向に沿って垂直面内で移動できるように作業機に形成されていることを特徴とするものである。これにより、オ−トヒッチ形式の作業機においてもフリ−ゾ−ンを形成することができ、土溜の形成を防止することができ均平圃場の形成に寄与することができる。加えて、鎮圧ロ−ラにはその周長より長い土付着防止帯が巻装されている構成としたことを特徴とするものである。したがって、均平作業中に鎮圧ロ−ラの表面に圃場条件により土が鎮圧ロ−ラの表面に付着することがなく、鎮圧ロ−ラの表面に付着した土が凸凹になって圃場表面に凹凸を形成するすることがなく完全均平作業に近い精確な作業が可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。先ず、図1は播種複合作業機の全体を示す側面図で、符号10は縦軸を中心に回転する砕土装置としてのバ−チカルハロ−を示しており、このバ−チカルハロ−10に対して平行四辺形のリンク21、22を介して播種作業機20が取り付けられている。
【0007】次に、播種複合作業機の各部の構成について説明を加える。先ず砕土装置としてバ−チカルハロ−10が用いられ、横軸回転のロ−タリハロ−に比較して土の上下方向の移動を抑える特長のあるもので、これは、作業幅方向に沿って配列された複数のロ−タ11が隣り合ったロ−タが互いに反対方向の回転をするようになっていて、各ロ−タ11は円板に取り付けられた2本の回転爪11Aにより構成されている。このバ−チカルハロ−はトラクタのTPO軸から供給される回転トルクにより駆動されるもので、入力軸の回転が一旦水平面での回転に変換された後歯車群を経て各ロ−タを回転させるようになっていて、隣り合った各ロ−タは互いに反対方向に回転するようになっている。
【0008】図1に示される播種複合作業機は、トラクタ(図示省略)に対してトラクタが備える3点リンクヒッチ機構を形成するアッパリンクU及び左右一対のロアリンクLにより装着されるもので、これの各リンクに対応してバ−チカルハロ−10にはマスト12にヒッチピン孔h、マスト部材に相当する部材の下部位置に下部ヒッチピン13が設けてある。そして、前記マスト12に形成されているヒッチピン孔hはアッパリンクUを装着するヒッチピン14が作業進行方向に沿って長い形状でアッパリンクUの端部が作業進行方向に対して垂直面内で適当な範囲で移動することができるようになってフリ−ゾ−ンhを形成している。このアッパリンクUを取りつけるヒッチピン14の移動は後述するように本発明における最も重要な点であり、このフリ−ゾ−ンh内での移動によりトラクタのリフト動作がそのまま作業機に伝達されることがないのである。
【0009】さらに、このバ−チカルハロ−10には側面視平行四辺形を形成する1本の上部平行リンク15、2本の下部平行リンク16がそれぞれ枢着ピン15A、16Aの一端部が取り付けられ、平行リンク15、16の他端部は枢着ピン15B、16Bを介して播種作業機20が取り付けられている。これらの平行リンクの枢着ピン15B、16は直接播種作業機に取り付けられているのではなく、A型フレ−ム17に対して取り付けられており、このA型フレ−ム17は播種作業機20が備える連結用のA型フレ−ムに対して連結されるようになっている。このA型フレ−ム17と、連結用のA型フレ−ムについては後で詳しく説明する。
【0010】そして、前記平行リンク15にはリフトシリンダ18のロッド18Aの端部がピン18Bを介して枢着されており、リフトシリンダ18の伸縮によりバ−地カルハロ−とは独立して播種作業機20を適当にリフトさせることができるようになっている。
【0011】バ−チカルハロ−10には、その後方位置に均平板19が取り付けられており、この均平板19はバ−チカルハロ−10のフレ−ムに対してア−ム19Aを介してその上端部が取り付けられており、その下端部は押しつけロッド19Bと、この押しつけロッドの長さを螺合調節するねじ部19Cを介して圃場表面に押しつけられている。
【0012】そして、播種作業機20は前記連結用のA型フレ−ム21を先頭位置に備え、この連結用のA型フレ−ム21の上部位置と、下部位置にリンク22、23の一端部がピン22A、23Bにより枢着されており、各リンクの他端部はピン22B、さらには鎮圧ロ−ラ24の回転軸24Aに対して枢着されている。前記ピン22Bは播種作業機20の最後尾に配置された鎮圧ロ−ラ24の回転軸24を支えるフレ−ム25の上端部間を連結固定している横フレ−ム25Aから張り出しているフレ−ム26Aに位置している。
【0013】播種作業機20は、最後部位置に配置されたいる前記鎮圧ロ−ラ24の表面には鎮圧ロ−ラ24の周長より長い、土の付着防止のためのチュ−ブ状の付着防止シ−ト24Xが幅いっぱいに巻つけられており、圃場の土と鎮圧ロ−ラ24とが直接に接触することがないようなっている。この付着防止シ−ト24Xは剥離性に優れた材質により形成されていて、鎮圧ロ−ラ24が回転する度に付着防止シ−ト24Xに土が付着しても土の重量で変形することでその土を圃場に落とすことができるようになっている。また、前記鎮圧ロ−ラ24の前位置には、一対の開溝ディスク26、27が幅方向に沿って配置されている軸受け装置40によって一定間隔に取り付けられており、この開溝ディスク26X、27Xの回転移動により形成される溝中に肥料と、種子を落下させるために肥料タンク28、種子タンク29がフレ−ム上に搭載されている。開溝ディスク26X、27Xの間隔を変更することで単条あるいは2本条の溝が形成され、単条の場合には種子のみ、2条の場合には種子と肥料をそれぞれ供給する。さらに、肥料は顆粒状のものが用いられ、種子同様に肥料タンク28、種子タンク29の底部に設けてある繰り出しロ−ラをもつ繰り出し部28A、29Aにより供給パイプ28B、29B、を介して前記開溝ディスク26X、27Xにより形成される溝26Z、27Z中にそれぞれ落下供給することができるようになっている。
【0014】前記肥料タンク28、種子タンク29の下部に設けた繰り出し部28A、29Aには繰り出しロ−ラ(図示を省略してある)が、互いにコグベルトにより連動関係におかれており、肥料タンク28の繰り出しロ−ラは前記鎮圧ロ−ラ24の軸24Aに取り付けてあるスプロケット輪31Aとの間においてチェン31により連動関係に置かれ、鎮圧ロ−ラ24の回転が繰り出しロ−ラの回転駆動源になっている。
【0015】前記開溝ディスク26、27は同一軸心をもつ支持軸ではなく、その軸心が互いに角度をもって交差する正面視状ハの字状の支持軸41をもつ軸受け装置40により支持されている(図4、図9)。この軸受け装置40は支持軸41と、これを支える軸受42によって構成されており、この支持軸41は中央部分にボス部41Aをもち、その両端には図4、図9に示すように偏心軸41X、41Yが張り出して形成されている。前記軸受42は機体枠から伸びる支持部材42Aにより吊持状態で支持されている。さらに、ボス部41Aの両側に張り出したは偏心軸41X、41Yはボス部41Aの軸心に対して角度をもって交差していて、偏心軸41X、41Yの軸心は正面誌視ハの字型になっている。そして、この偏心軸41X、41Yに対して前記開溝ディスク26、27が取り付けられ、前記軸受42中においてボス部41Aを回転させることで、開溝ディスク26、27の接地位置における両ディスクの間隔を選択することができるようになっている。前記ボス部41Aの軸受42の外側からねじ込まれる固定ねじ43により偏心軸41X、41Yにより設定した位置を固定することができるようになっている。この一対のディスク26、27の接地部分における間隔が形成する溝、言い換えると肥料用溝Mと、種子用溝Sとの間隔になる(図10)。したがって、一対のディスク26、27の接地部分における間隔は前記偏心軸41X、41Yがボスに対してどの程度に偏心するかで決定される。以上の説明では、肥料用溝Mを形成する都合から一対のディスク26、27の内ディスク26の径が大きく、種子を形成するためのディスク27の径が小さくなっている。同一の径で形成された一対の開溝ディスク26、27の場合には接地部分における両ディスクの間隔によっては一本の溝にもなり2本の溝にもなり、その溝の間隔は選択できるが、深さは同じになっている。
【0016】前記開溝ディスク26、27の後方位置には形成される肥料用溝26Z、種子用溝27Zに対して覆土する覆土板32があって、作業機の移動に伴い、開溝ディスク26、27の後方位置において前記ディスクが掘り起こした土を溝に対して前記溝に土を被せることができるようになっている。この覆土板32は板状の形状のものに限らず覆土ディスクに置き換えて実施することができ、作業機の能力や対象圃場の規模などにより選択して設ける。この場合、平面視上覆土ディスクの配置形状は逆ハ状となり、進行方向前側が広く開き、後方が閉じた形となる。覆土板を採用した場合各開溝ディスクが形成する溝の傍に形成される山状の凸条を前記溝上に移動させる機能があればよい。
【0017】前記A型フレ−ム17と連結用のA型フレ−ム21について以下説明する。A型フレ−ム17におけるピン16は図5に示すように、フレ−ムの下端部の補強を機能をもったクロスシャフト状になっており、その両端部が幅方向外側に突出した状態になっている。さらに、A型フレ−ム17の頂点位置にはピンを受けるピン受け17Xが形成されており、その軸心は前後方向を向いている。このA型フレ−ム17は角型の材料により形成されており、各材料の面、とくに外側の面と前側の面より荷重負担を行うことができるようになっている。
【0018】これに対し、このA型フレ−ム17が負担する連結用のA型のフレ−ム21はチャンネル材21A、21Aにより形成されており、各チャンネル材21Aの解放面が内側を向いていて、前記A型フレ−ム17が連結用のA型フレ−ム21の下側から各チャンネル材で形成される空間21X内に前記A型フレ−ム17の各面が接触した状態で収容されるようになっている。各チャンネル材の頂部は合掌型に組み立てられ、その頂部位置には連結ピン21Yを挿通するピン受け21Zが形成されている。また、チャンネル材21Aの中間位置には補強材21Bが渡されて剛性が増している。
【0019】また、図2に示す本発明の実施形態では、図1におけるフリ−ゾ−ンhを長い孔に代えて可動的なものにした例である。すなわち、トラクタのアッパリンクUの端部はバ−チカルハロ−10に対して枢着軸51を介して短いア−ム52が取り付けられており、このア−ム52の他端部にはU型のくぼみ53Aをもった規制ア−ム53が設けられている。この規制ア−ム53は前記くぼみ53Aがバ−チカルハロ−10に設けてあるストッパピン54を中心に揺動可能になって、くぼみ53Aの両端部がストッパ53Bになっている。このストッパ53B間がフリ−ゾ−ンhとして機能することができる、言い換えると、このストッパ53B間だけ前記ア−ム52が揺動可能領域になっている。言い換えると、アッパリンクUのヒッチピン12の直線的な移動を一旦回転運動に変換し、その回転範囲の規制によりフリ−ゾ−ンの範囲を決めている。
【0020】またさらに、図3に示すものはトラクタと作業機の装着を容易にするオ−トヒッチ形式を採用した実施の形態であって、これではバ−チカルハロ−10の前部にはアッパヒッチピン51があり、このアッパオ−トヒッチピン51の側面視上の真下にはロアオ−トヒッチクロスシャフト52が設けられている。
【0021】そして、前記アッパヒッチピン51は、バ−チカルハロ−10の前部の部材に形成されている長孔54の中に嵌っており、この長孔54の範囲内で作業進行方向に沿って移動することができるようになっている。この長穴54がフリ−ゾ−ンhなっていて、トラクタのリフト作業に対応して適当な位置に前記アッパヒッチピン51が移動するのである。
【0022】さらに、これらのヒッチピン51、52を捕捉するオ−トヒッチ部材60があり、このオ−トヒッチ部材60は図11、図12に示すように、逆U型をした門型部材61の下端部両側に垂直面に沿ったプレ−ト62、62をもち、この両プレ−ト62の下端位置にはロアリンクLを装着するためのロアリンクヒッチピン63が設けてある。前記門型部材61の頂部中央位置には上面が開放されているフック64があって作業機寄りの部分がフック部64Aになっており、このフック64のトラクタ側の端部はトラクタ寄りに張り出したアッパリンク取り付け座64Bになっている。
【0023】さらに、前記プレ−ト62、62には前記ロアオ−トヒッチクロスシャフト52を捕捉するフック溝65が作業機側を開放された状態で形成されている。そして、このロアオ−トヒッチクロスシャフト52がフック溝65中に収容された状態を保持させるためにフック溝65の傍にはフック66がピン66Aにより枢着されており、このフック66を回転させるための揺動フック67が前記プレ−ト62、62にピン67Aにより枢着されている。このピン67Aにはトグルばねが取り付けられ揺動フック67を図12において左回転させる習性が与えられている。これにより揺動フック67は常時フック66の端部の段部に噛み合ってフック溝65を閉じるようになっている。この揺動フック67と前記フック66との関係はヒッチ操作レバ−68を引き上げか押し下げるかで、その下端部に取り付けてある揺動フック67を回転させることで、前記フック66を枢着ピン66Aを中心として自然回転させ、例えば、ヒッチピン操作レバ−68を引き上げたときフック溝65に収容されたロアオ−トヒッチクロスシャフト53を前記フック溝65中の捕捉固定状態から解放することができるようになっている。このフック66を回転させるためには、トラクタに対して作業機が装着されていないときには起立状態におかれているヒッチ操作レバ−68を押し下げることで回転させ、これにより前述のように揺動フック67の端部がフック66のフック部66Bとの反対端部を押して、フック部66Bの開放部を閉塞することができるようになっている。このヒッチ操作レバ−68の頂部には実際の操作に便利なように操作レバ−68Aが起立していて、オ−トヒッチ作業を作業者が手動により行うことができるようになっている。図11、図12において符号69はヒッチ操作レバ−68がトラクタ側に倒れ込まないようにしたストッパを示している。
【0024】次に、オ−トヒッチ作業について説明を加える。先ず、トラクタのアッパリンクUを予めオ−トヒッチ部材60のアッパリンク取り付け座64Bに対して取り付け、さらに、ロアリンクLをロアリンクヒッチピン63に取り付けることでオ−トヒッチ部材60をトラクタに対して一体化する。そして、バ−チカルハロ−10に対してこのオ−トヒッチ部材60を装着することでトラクタとバ−チカルハロ−10とを装着するのであって、先ず、オ−トヒッチ部材60をリフトした状態にしてトラクタをバ−チカルハロ−10に対して後退させながら、フック部64Aによりアッパヒッチピン51を下側から引っかけ、バ−チカルハロ−10の前部をリフトさせる。これにより前側の上端部において1点支持された状態になったバ−チカルハロ−10は自重によりアッパヒッチピン51を中心とした回転を起こし、オ−トヒッチ部材60のフック溝65中にロアオ−トヒッチクロスシャフト52が導入される。この状態になったとき、操作レバ−68Aを押し下げることでフック66を回転させ、フック部66Bによりバ−チカルハロ−10が備えるロアオ−トヒッチクロスシャフト52を捕捉する。これによりトラクタと、作業機を直装状態で一体化することができる。
【0025】また、バ−チカルハロ−10と、その後部に連結してある播種作業機20とは両者A型フレ−ムによる連結してあるので、この連結状態を解除するには先ず、トラクタのリフト機構によりバ−チカルハロ−10と播種作業機20をリフトし、播種機20を別途設けたスタンドによりその前部を浮かせた状態に保ち、A型フレ−ムからロックピン21Yを抜き取り、バ−チカルハロ−10のみをリフトダウンさせることでA型フレ−ム17を連結用のA型フレ−ム21の空間21Xから脱出させることで両者の結合状態を解除する。これによりバ−チカルハロ−10と、播種作業機20とを分離独立させることができる。言い換えると、それぞれを独立した作業に使用することができる。
【0026】次に、本発明に係る播種複合作業機の使用状態について説明する。先ず、均平状態に整備された圃場に対して播種作業は行われるのであるが、その表面の比較的浅い部分をバ−チカルハロ−10のロ−タ11により耕起し、いったん圃場表面を軟らかくした後の圃場表面を均平板19により均平して播種床を形成する。そして、形成された播種床に播種溝を形成しながら、この播種溝に種子タンク29から種子を供給するとともに、肥料タンク28からは顆粒状の肥料を肥料溝に対してそれぞれ供給パイプ28A、29Aを経由して供給する。供給された種子や、さらには肥料には覆土ディスク、あるいは、覆土板32による覆土が施される。
【0027】このとき、バ−チカルハロ−10に備えてある均平板19は圃場の表面土を寄せながら移動するので、これにより作業一工程の終端位置(枕地部分)では寄せられた土が図11のように盛り上がって土溜りkが形成される。この土溜りkは圃場においては枕地に沿って形成されるので、作業の最終段階に枕地の長さ方向に沿って作業を施し、圃場全表面を均平に近づけるためにこの土溜りをできるだけ解消させる作業を行う必要がある。このとき、均平板19の高さに変化を与えずに前記播種作業の場合と同様の状態で行ったのでは土溜りkの位置を移動させるだけになり、土溜りkを解消するに至らないことになる。そこで、本発明において枕地に対して作業を施すには、均平板19の高さをわずかだけ上昇させることで土溜りkの上部を削り、比較的高さが低く、平らな丘k1 に修正する。
【0028】そのために、均平板19をトラクタの出力を用いて上昇させるのであるが、トラクタのリフト機構を直接的に均平板19に伝達したのでは土溜りkの上部を削るための微妙な高さ制御を行い難いのである。そこで、リフト操作により均平板19をリフトさせようとしてトラクタのロアリンクをリフト機構の出力によりリフトさせるのであるが、このとき作業機全体(バ−チカルハロ−10と、播種作業機20との一体的なもの)は、作業全体の最後尾に位置する鎮圧ロ−ラ24の接地点(あるいは鎮圧ロ−ラの中心軸)を支点としたリフト状態になり、均平板19が実際のリフト高さより低い高さだけリフトされることになる。
【0029】すなわち、トラクタのアッパリンクUのヒッチピン14はフリ−ゾ−ンhの範囲内で自由に作業進行方向に沿って移動することができるようになっているので、トラクタのリフト機構が実際にリフト作業をした場合、そのリフト力はまずロアリンクLに作用する。このときアッパリンクUのヒッチピン14はフリ−ゾ−ンhに沿って後方に移動することになる。この時の移動距離はリフト高さにより決められるのである。フリ−ゾ−ンhにより移動が許容されている範囲では実際のリフト高さ分だけ作業機全体はリフトされることがなく、許容された範囲(フリ−ゾ−ン)を越える分リフトが行われた場合に初めて作業機はリフトされる。このリフトにおいて作業機全体は、鎮圧ロ−ラ19の接地点を支点として作業機が前上り状態にさせられる。言い換えると、作業機全体が鎮圧ロ−ラ24の接地点を支点としたてこ杆となり、そのてこ杆の中間位置に存在する均平板19はてこ比に従いロアリンクLに加えられるリフト高さより低いものになる。
【0030】さらに、詳しくは鎮圧ロ−ラの接地点を支点としててこ運動になるために作業機の最前部は、ロアリンクLのヒッチ点におけるリフト高さに比較して、てこ杆の中間位置にあることになる均平板19は、そのリフト高さは低くなり、土溜りkを削るのに適当な高さにおかれる。土溜りkを削る高さ十分でないときには2、3度にわたって枕地の修正作業を行う。これにより枕地における土溜りkは圃場中央部Tの均平部分に比較してやや高いものではあるが全体として低いものになり、圃場に水を張った場合に圃場中央部と、枕地部分との高低差は極めて小さいので圃場環境をほぼ同一にすることができる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明からうえ明らかなように、本発明の播種複合作業機によれば、作業一行程の終端位置に形成される均平板により寄せられる土の山、即ち、土溜まりを解消するために、土溜まりの存在する枕地において作業機をリフトさせると、均平板は実際のリフト高さより低い状態になり、この状態において移動することで土溜りを削りとることができ、これにより枕地に形成された土溜りを比較的高さの低い平らなものすることができ、圃場環境の均一化を図ることができる。また、フリ−ゾ−ンはアッパリンクのヒッチ部が作業進行方に沿って垂直面内で移動できるように作業機に直接形成されていること、これにより直装形式によるトラクタとの装着に都合がよい。さらに、 フリ−ゾ−ンはアッパリンクのヒッチ部が作業進行方向に沿った垂直面内で所定の範囲内で回転できるように形成されていることで、これによりヒッチピンの移動を許容する長孔を形成することなく比較的簡単に構成することができる。
【0032】さらにまた、オ−トヒッチ形式の作業機においてもフリ−ゾ−ンを形成することができ、土溜りの形成を防止することができ均平圃場の形成と、直播作業に寄与することができる。加えて、鎮圧ロ−ラにはその周長より長い土付着防止帯が巻装されている構成としたので、均平作業中に鎮圧ロ−ラの表面に圃場条件によっては、圃場の土が付着するのを確実に抑えることができ、鎮圧ロ−ラの表面に付着した土が凸凹になって作業中に圃場表面に凹凸を形成するようなことが全くなく、完全均平に近い精確な作業が可能になる。
【出願人】 【識別番号】391057937
【氏名又は名称】スガノ農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂 (外1名)
【公開番号】 特開平11−225502
【公開日】 平成11年(1999)8月24日
【出願番号】 特願平10−44441