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【発明の名称】 水田作業機のマーカ操作装置
【発明者】 【氏名】児島 祥之

【氏名】松木 直樹

【氏名】山下 眞

【要約】 【課題】格納操作手段の構造の簡素化を図る。

【解決手段】自走機体1にリンク機構2を介して水田用の作業装置3を昇降自在に連結し、作業装置3を自走機体1に対して駆動昇降する油圧シリンダ4を設け、横外方に突出して走行に伴い次回走行時の機体走行基準線を圃場面に引く作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切り換え揺動自在な左右一対の線引きマーカを設け、作業装置3の上昇位置への上昇に伴い作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に揺動させる格納操作手段を設け、格納操作手段を構成するに、作業装置3の昇降に伴い自走機体1に対して左右向き軸芯周りに揺動するように油圧シリンダ4を設け、作業装置上昇時における油圧シリンダ4の揺動に伴い強制移動されて線引きマーカのそれぞれを格納姿勢に揺動させる左右一対の操作具33L,33Rを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走機体にリンク機構を介して水田用の作業装置を昇降自在に連結し、前記作業装置を自走機体に対して駆動昇降する油圧シリンダを設け、横外方に突出して走行に伴い次回走行時の機体走行基準線を圃場面に引く作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切り換え揺動自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記作業装置の上昇位置への上昇に伴い作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に揺動させる格納操作手段を設けてある水田作業機において、前記格納操作手段を構成するに、作業装置の昇降に伴い自走機体に対して左右向き軸芯周りに揺動するように前記油圧シリンダを設け、作業装置上昇時における油圧シリンダの揺動に伴い強制移動されて線引きマーカのそれぞれを格納姿勢に揺動させる左右一対の操作具を設けてある水田作業機のマーカ操作装置。
【請求項2】 前記油圧シリンダの揺動に伴い操作具を強制移動させる操作部が、油圧シリンダのうち自走機体に左右向き軸芯周りに揺動自在に装着するためのブラケットである請求項1記載の水田作業機のマーカ操作装置。
【請求項3】 前記操作具それぞれの格納位置への移動に伴い操作具に自動係合して操作具を格納位置に各別に固定する格納ロック具を設け、前記油圧シリンダに対する制御弁を操作するための昇降レバーの作業用下降位置での左右揺動により揺動した側の格納ロック具を解除作動させる連係手段を設けてある請求項1又は2記載の水田作業機のマーカ操作装置。
【請求項4】 前記操作具それぞれの格納位置への移動に伴い操作具に自動係合して操作具を格納位置に各別に固定する格納ロック具を設け、一方向に沿っての中立位置からの移動により油圧シリンダに対する制御弁を操作する中立復帰型の昇降レバーの前記一方向とは異なる方向に沿っての中立位置からの移動により移動方向に対応した側の格納ロック具を解除作動させる連係手段を設けてある請求項1又は2記載の水田作業機のマーカ操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走機体にリンク機構を介して水田用の作業装置を昇降自在に連結し、前記作業装置を自走機体に対して駆動昇降する油圧シリンダを設け、横外方に突出して走行に伴い次回走行時の機体走行基準線を圃場面に引く作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切り換え揺動自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記作業装置の上昇位置への上昇に伴い作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に揺動させる格納操作手段を設けてある田植機など水田作業機のマーカ操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】格納操作手段を構成するに、従来では、特開平7‐289042号公報に見られるように、リンク機構のアッパーリンクにこれと一体に上下に揺動する押圧アームを連設し、作業装置上昇時におけるアッパーリンクと一体の押圧アームに押圧揺動されて線引きマーカを格納姿勢に揺動させる操作具を設けたり、或いは、特開平9‐163815号公報に見られるように、リンク機構のアッパーリンクにこれと一体に揺動する引き上げアームを設け、作業装置上昇時における引き上げアームにロッドを介して引き上げ揺動されて線引きマーカを格納姿勢に揺動させる操作具を設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のいずれの技術によるときも、アッパーリンクに押圧アームや引き上げアームを連設する構造となるため、格納操作手段が構造複雑なものとなっていた。
【0004】本発明の目的は、格納操作手段の構造の簡素化を図る点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本第1発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0006】〔特徴〕自走機体にリンク機構を介して水田用の作業装置を昇降自在に連結し、前記作業装置を自走機体に対して駆動昇降する油圧シリンダを設け、横外方に突出して走行に伴い次回走行時の機体走行基準線を圃場面に引く作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切り換え揺動自在な左右一対の線引きマーカを設け、前記作業装置の上昇位置への上昇に伴い作用姿勢にある線引きマーカを格納姿勢に揺動させる格納操作手段を設けてある水田作業機において、前記格納操作手段を構成するに、作業装置の昇降に伴い自走機体に対して左右向き軸芯周りに揺動するように前記油圧シリンダを設け、作業装置上昇時における油圧シリンダの揺動に伴い強制移動されて線引きマーカのそれぞれを格納姿勢に揺動させる左右一対の操作具を設けてある点にある。
【0007】〔作用〕本第1発明によるときは、作業装置の昇降に伴い自走機体に対して左右向き軸芯周りに揺動するように油圧シリンダを設けることにより、作業装置上昇時、操作具を油圧シリンダ自体で直接に強制移動させて線引きマーカを格納姿勢に揺動させるようにしてあるから、操作具を強制移動させるために油圧シリンダに押圧アームや引き上げアームを連設する必要がない。
【0008】〔効果〕従って、本第1発明によれば、構造簡単に操作具を強制移動させることができて、格納操作手段の構造の簡素化を図ることができるようになった。
【0009】請求項2に係る本第2発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0010】〔特徴〕上記本第1発明の特徴において、前記油圧シリンダの揺動に伴い操作具を強制移動させる操作部が、油圧シリンダのうち自走機体に左右向き軸芯周りに揺動自在に装着するためのブラケットである点にある。
【0011】〔作用〕本第2発明によるときは、油圧シリンダのうち自走機体に左右向き軸芯周りに揺動自在に装着するための丈夫なブラケットを、油圧シリンダの揺動に伴い操作具を強制移動させる操作部としてあるから、接当などにより操作具を強制移動させる際の操作部の変形などを極力抑制することができる。
【0012】〔効果〕従って、本第2発明によれば、特別な補強構造を設けることなく構造簡単に油圧シリンダの揺動に伴う操作具の強制移動を確実で信頼性の高いものにできるようになった。
【0013】請求項3に係る本第3発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0014】〔特徴〕上記本第1発明や本第2発明の特徴において、前記操作具それぞれの格納位置への移動に伴い操作具に自動係合して操作具を格納位置に各別に固定する格納ロック具を設け、前記油圧シリンダに対する制御弁を操作するための昇降レバーの作業用下降位置での左右揺動により揺動した側の格納ロック具を解除作動させる連係手段を設けてある点にある。
【0015】〔作用〕本第3発明によるときは、操作具それぞれの格納位置への移動に伴い格納ロック具がその操作具に自動係合して操作具を格納位置に固定するようにしてあるから、作業装置を下降させた場合に格納位置に位置する線引きマーカが不測に作用姿勢に揺動することを防止するための線引きマーカの格納位置でのロックを忘れずに、また、特別な操作を必要とすることなく確実に行える。
【0016】しかも、連係手段を設けて、油圧シリンダに対する制御弁を操作するための昇降レバーの作業用下降位置での左右揺動により揺動した側の格納ロック具を解除作動させるようにしてあるから、特別な操作具を要することなく、適切なタイミングで線引きマーカを作用姿勢に切り換えることができる。
【0017】〔効果〕従って、本第3発明によれば、線引きマーカの格納位置でのロック操作性に優れ、しかも、線引きマーカの作用姿勢への切り換え操作構造が簡単なもので済むようになった。
【0018】請求項4に係る本第4発明の特徴、作用、効果は次の通りである。
【0019】〔特徴〕上記本第1発明や本第2発明の特徴において、前記操作具それぞれの格納位置への移動に伴い操作具に自動係合して操作具を格納位置に各別に固定する格納ロック具を設け、一方向に沿っての中立位置からの移動により油圧シリンダに対する制御弁を操作する中立復帰型の昇降レバーの前記一方向とは異なる方向に沿っての中立位置からの移動により移動方向に対応した側の格納ロック具を解除作動させる連係手段を設けてある点にある。
【0020】〔作用〕本第4発明によるときは、操作具それぞれの格納位置への移動に伴い格納ロック具がその操作具に自動係合して操作具を格納位置に固定するようにしてあるから、作業装置を下降させた場合に格納位置に位置する線引きマーカが不測に作用姿勢に揺動することを防止するための線引きマーカの格納位置でのロックを忘れずに、また、特別な操作を必要とすることなく確実に行える。
【0021】しかも、連係手段を設けて、油圧シリンダに対する制御弁を操作するための昇降レバーの昇降方向とは異なる方向への操作により格納ロック具を解除作動させるようにしてあるから、特別な操作具を要することなく、線引きマーカを作用姿勢に切り換えることができる。
【0022】〔効果〕従って、本第4発明によれば、線引きマーカの格納位置でのロック操作性に優れ、しかも、線引きマーカの作用姿勢への切り換え操作構造が簡単なもので済むようになった。
【0023】
【発明の実施の形態】水田作業機の一例である乗用型田植機は、図1に示すように、乗用型の自走機体1の後部に四連リンク機構2を介して水田用の作業装置の一例である苗植付装置3を昇降自在に連結し、前記苗植付装置3を自走機体1に対して駆動昇降するための油圧シリンダ4を設け、図6に示すように、左右横外方に突出して走行に伴い次回走行時の機体走行基準線を圃場面に引く作用姿勢と内方に引退した格納姿勢とに切り換え揺動自在な左右一対の線引きマーカ5L,5Rを前記苗植付装置3に装着し、マーカ操作装置を設けて構成されている。
【0024】前記自走機体1は、操舵用の左右一対の駆動前輪6と左右一対の駆動後輪7とを備えた機体フレーム8にエンジン9と搭乗運転部10とを搭載して構成されている。前記駆動前輪6は、走行・植付ミッションケース11を介して機体フレーム8に支持されており、駆動後輪7は、車軸ケース12を介して機体フレーム8に支持されている。
【0025】前記四連リンク機構2は、図2〜図5に詳しく示すように、前後方向の中間部で互いに連結材13aを介して連結された左右一対のロアーリンク13の前端それぞれを機体フレーム8に第1左右向き軸芯P1周りに上下揺動自在に連結し、一つのアッパーリンク14の二股状前端部それぞれを機体フレーム8に第2左右向き軸芯P2周りに上下揺動自在に連結し、苗植付装置3をローリング自在に支持する縦リンク15の下端部分を前記ロアーリンク13の後端に第3左右向き軸芯P3周りに揺動自在に連結し、前記縦リンク15の上端部をアッパーリンク14の後端に第4左右向き軸芯P4周りに揺動自在に連結して構成されている。前記ロアーリンク13を機体フレーム8に連結する手段は、図2,図3に示すように、機体フレーム8に左右外方に突出する状態で固着した左右一対の第1支軸16に、ロアーリンク13の前端部に固着したボス17を回転自在に嵌合させ、この嵌合状態を第1支軸16にねじ込み装着したボルト18で抜け止めする手段である。前記アッパーリンク14を機体フレーム8に連結する手段は、図2〜図4に示すように、機体フレーム8に支持させた左右一対の第2支軸19のそれぞれに、二股状前端部に固着したボス20を回転自在に嵌合させる手段であって、機体フレーム8に第2支軸19を支持させるように機体フレーム8に固着した軸受けボス21へのボス20の軸芯方向での接当により、機体フレーム8に対する軸芯方向位置が規制されるようになっている。前記縦リンク15をロアーリンク13の後端部に連結する手段は、図2,図3,図5に示すように、ロアーリンク13それぞれの後端部に固着のボス22にわたる第3支軸23を、ロアーリンク13に形成の左右一対の軸孔24を挿通させて抜け止めする手段であり、縦リンク15をアッパーリンク14の後端部に連結する手段は、図2,図3,図5に示すように、縦リンク15に形成の軸孔25とアッパーリンク14の後端部に固着のボス26とにわたり第4支軸27を抜け止め状態に挿通させる手段である。
【0026】前記苗植付装置3は、左右方向に設定ストロークで往復移動する苗のせ台3Aと、この苗のせ台3Aの往復移動に連動して作動することにより苗のせ台3A上の苗を植付単位量ずつ取り出して圃場面に植え付ける回転式の苗植付機構3Bと、走行に伴い圃場面を滑走して植付予定箇所を整地する複数の接地フロート3Cとを、縦リンク15にローリング自在に装着される植付フレーム3Dに組み付けて構成されている。前記接地フロート3Cのうちセンターフロートは、植付フレーム3Dの圃場面からの高さ、つまり、植付深さを植付フレーム3Dに対する揺動姿勢をもって検出するためのセンサフロートであり、この苗植付装置3への伝動系には、苗植付装置3への動力伝達を断続する植付クラッチ3Eがミッションケース11に内装される状態で介装されている。
【0027】前記油圧シリンダ4は、図2,図3に示すように、第3支軸23に枢支連結した引き上げ部材28と第2支軸19とにわたって架設されており、圧油供給に伴い短縮作動することにより四連リンク機構2を上昇揺動させ、排油状態となることにより伸長作動を許容されて四連リンク機構2の重量による下降揺動を行わせるものである。つまり、油圧シリンダ4による昇降に伴いアッパーリンク14には引っ張り力のみが作用するようになっており、油圧シリンダ4は、図7の(イ)(ロ)に示すように、昇降の伴い自走機体1、つまり、機体フレーム8に対して第2左右向き軸芯P2周りに揺動する。この油圧シリンダ4と引き上げ部材28との間には、サスペンションスプリング29が介装されている。そして、油圧シリンダ4は、シリンダチューブ4Aとピストンロッド4Bとシリンダチューブ4Aのボトムに取り付けた二股状のブラケット4Cとからなり、この油圧シリンダ4の第2支軸19への取付け手段は、図2〜図4に示すように、ブラケット4Cをアッパーリンク14のボス20に当て付けて軸芯方向位置を規制する状態で第2支軸19に回転自在に軸支させる手段である。前記引き上げ部材28は、二股状のものであって、これを第3支軸23に取り付ける手段は、図2,図3,図5に示すように、引き上げ部材28の二股状端部に固着したボス30のそれぞれをロアーリンク13のボス22と縦リンク15との間に介装させて軸芯方向位置を規制する状態で第3支軸23に回転自在に軸支させる手段である。
【0028】前記油圧シリンダ4に対する制御弁39は、油圧シリンダ4を短縮作動させるように油圧シリンダ4に圧油を供給する上昇状態と、油圧シリンダ4の伸長作動を許容するように油圧シリンダ4から排油させる下降状態と、油圧シリンダ4の作動を停止するように油圧シリンダ4に対する圧油供給・排油を停止する中立状態とに切り換え操作自在なものである。
【0029】前記搭乗運転部10の運転座席10Aの脇には、上昇位置と下降位置と作業用(植付用)下降位置と中立位置とに揺動操作自在な昇降レバー40が設置されている。
【0030】そして、前記昇降レバー40が中立位置に位置するとき、制御弁39を中立状態に切り換えるとともに植付クラッチ3Eを切り作動させ、昇降レバー40が上昇位置に位置するとき、制御弁39を上昇状態に切り換えるとともに植付クラッチ3Eを切り作動させ、昇降レバー40が下降位置に位置するとき、植付深さを設定深さとするためのセンサフロート3Cに基づく制御弁39の自動制御を行わせるとともに植付クラッチ3Eを切り作動させ、昇降レバー40が植付用下降位置に位置するとき、植付深さを設定深さとするためのセンサフロート3Cに基づく制御弁39の自動制御を行わせるとともに植付クラッチ3Eを入り作動させるように構成されている。
【0031】前記マーカ操作装置は、各線引きマーカ5L,5Rを作用姿勢に揺動付勢するスプリング31と、格納操作手段と、格納ロック手段と、ロック解除手段とを設けて構成されている。
【0032】前記格納操作手段は、苗植付装置3の上昇位置への上昇に伴い作用姿勢にある線引きマーカ5L,5Rを格納姿勢に揺動させる手段であって、具体的には、図2,図3に示し、図7の(イ)(ロ),図8,図9に詳しく示すように、第5左右向き軸芯P5周りでの揺動により作用姿勢と格納姿勢とに変更自在で作用姿勢から格納姿勢に揺動することにより対応する線引きマーカ5L,5Rをスプリング31の付勢力に抗して作用姿勢から格納姿勢にレリーズワイヤ32L,32Rを介して揺動させる左右一対の操作具33L,33Rを機体フレーム8のうち油圧シリンダ4のブラケット4Cの近くに取付け、油圧シリンダ4の上昇作動時におけるブラケット4Cの第2左右向き軸芯P2周りでの揺動に伴い作用姿勢に位置する操作具33L,33Rのそれぞれを格納姿勢に強制的に押圧揺動させる左右一対の操作部4L,4Rをブラケット4Cに一体形成して構成されている。なお、操作部4L,4Rのうち操作具33L,33Rに接当する部分は、ローラ34から構成されている。
【0033】前記格納ロック手段は、図2,図3に示し、図7の(イ)(ロ),図8,図9,図10に詳しく示すように、上下向き軸芯PL,PR周りでの揺動により格納姿勢にある操作具33L,33Rのうち対応するものに対して係脱自在で係合することにより操作具33L,33Rのスプリング31の付勢力による作用姿勢側への揺動を阻止する左右一対の格納ロック具35L,35Rを機体フレーム8に取り付け、これら格納ロック具35L,35Rのそれぞれを係合姿勢に各別に揺動付勢するロックスプリング36L,36Rを設け、前記操作具33L,33Rが揺動範囲のうち格納姿勢以外の姿勢にあるとき格納ロック具35L,35Rの係合部に接当して格納ロック具35L,35Rを係合解除姿勢に保持する、つまり、格納ロック具35L,35Rの係合姿勢へのロックスプリング36L,36Rによる付勢力による揺動を規制する規制面37L,37Rを操作具33L,33Rに形成して構成されている。すなわち、格納ロック具35L,35Rは、操作具33L,33Rが格納姿勢に揺動したとき規制面37L,37Rによる規制が解除されて操作具33L,33Rに自動係合するようになっている。なお、格納ロック具35L,35Rの係合部はローラ38から構成されている。
【0034】前記ロック解除手段は、図11に示すように、前記昇降レバー40を植付用下降位置において左右揺動自在に設け、この昇降レバー40の左右揺動により揺動した側の格納ロック具35L,35Rを解除作動させる連係手段を設けて構成されている。前記連係手段は、図2,図3,図7の(イ)(ロ),図10に示すように、左右方向にスライド自在で中立位置から左右一方向にスライドすることにより、左側の格納ロック具35Lをロックスプリング36Lによる付勢力に抗して係合解除姿勢に左接当部50Lを介して押圧揺動させる一方、中立位置から左右反対方向にスライドすることにより、右側の格納ロック具35Rをロックスプリング36Rによる付勢力に抗して係合解除姿勢に右接当部50Rを介して押圧揺動させるスライダー50を設け、昇降レバー40の植付用下降位置への移動に伴いこの昇降レバー40に連設の操作アーム40aに左右方向で接当するように係合する係合具51をスライダー50と一体に左右方向に移動する状態にスライダー50に付設して構成されている。
【0035】従って、左又は右の線引きマーカ5L又は5Rを作用姿勢にさせた状態での植付走行から枕地での機体旋回に移行する際の苗植付装置3の上昇位置への上昇に伴い油圧シリンダ4が自走機体1に対して揺動して、油圧シリンダ4におけるブラケット4Cの左又は右の操作部4L又は4Rが作用姿勢にある左又は右の操作具33L又は33Rを格納姿勢にスプリング31の付勢力に抗して押圧揺動させ、これに伴い左又は右の格納ロック具35L,35Rが自動係合して左又は右の操作具33L又は33Rが格納姿勢に保持される。そして、旋回後に昇降レバー40を植付用下降位置にして作業を行う際には、昇降レバー40を右又は左に操作して、右又は左の格納ロック具35R又は35Lを解除姿勢に切り換えることにより、格納姿勢にあった右又は左の操作具33R又は33Lに対するロックを解除して、旋回前の線引きマーカ5L又は5Rとは逆の右又は左の線引きマーカ5R又は5Lをスプリング31の付勢力で作用姿勢に切り換えることができるのである。すなわち、苗植付装置3の上昇位置への上昇により、作用姿勢にある線引きマーカ5L又は5Rを格納姿勢に揺動させて、両線引きマーカ5L,5Rをともに格納姿勢に保持できるのであり、この状態で昇降レバー40を植付用下降位置に操作して左右のいずれかに操作することにより、作用姿勢に切り換えるべき線引きマーカ5L又は5Rを選択することができるのである。
【0036】〔別実施形態〕上記実施の形態において、図14に示すように前記昇降レバー40に自動位置を設け、前記植付クラッチ3Eを電動式に構成し、前記制御弁39を電磁弁に構成し、図13に示すように搭乗運転部10のステアリングホイール10Bの近くに、上下揺動自在でかつ前後揺動自在な第2の昇降レバー41を設け、前記昇降レバー40,41の操作及びセンサフロート3Cの動作に基づいて制御弁39及び植付クラッチ3Eを制御する制御装置42を設け、ロック解除手段を次のように改変したものである。
【0037】前記制御装置42は、図12に示すように、〔1〕昇降レバー40が中立位置に操作されていることがポテンショメータ利用の位置センサ43で検出されているとき、制御弁39を中立状態に切り換えるとともに植付クラッチ3Eを切り作動させ、〔2〕昇降レバー40が上昇位置に操作されてことが位置センサ43で検出されているとき、制御弁39を上昇状態に切り換えるとともに植付クラッチ3Eを切り作動させ、〔3〕昇降レバー40が下降位置に操作されたことが位置センサ43で検出されているとき、植付深さを設定深さとさせるようにセンサフロート3Dの揺動姿勢を検出するポテンショメータ利用のセンサ44の検出に基づいて制御弁39を切り換える自動昇降制御を行い、〔4〕昇降レバー40が植付用下降位置に操作されたことが位置センサ43で検出されているとき、植付深さを設定深さとさせるようにセンサ44の検出に基づいて制御弁39を切り換える自動昇降制御を行うとともに植付クラッチ3Eを入り作動させ、〔5〕昇降レバー40が自動位置に操作されていることが位置センサ43で検出されている状態で第2の昇降レバー41が上方に揺動操作されたことがリミットスイッチ利用の上昇センサ45で検出されたとき、植付クラッチ3Eの入りがリミットスイッチ利用のクラッチセンサ46で検出されているときには植付クラッチ3Eを切り作動させて制御弁39を上昇状態に切り換え、入りが検出されていないときには(つまり、切りが検出されているときには)制御弁39を上昇状態に切り換え、その後、苗植付装置3が上限位置にまで上昇したことがリミットスイッチ利用の上限センサ47で検出されたとき制御弁39を中立状態に切り換え、〔6〕昇降レバー40が自動位置に操作されていることが位置センサ43で検出されている状態で第2の昇降レバー41が下方に揺動操作されたことがリミットスイッチ利用の下降センサ48で検出されたとき、植付深さを設定深さとさせるようにセンサ44の検出に基づいて制御弁39を切り換える自動昇降制御を行い、その後、第2の昇降レバー41が下方に再度揺動操作されたことが下降センサ48で検出されたとき、植付クラッチ3Eを入り作動させるものである。
【0038】前記ロック解除手段は、第2の昇降レバー41の中立位置からの前後揺動により移動方向に対応した側の格納ロック具35L,35Rを解除作動させる連係手段を設けて構成されている。前記連係手段は、図12に示すように、昇降レバー41の前方(反時計回りの方向)への揺動に伴い左側の格納ロック具35Lをロックスプリング36Lによる付勢力に抗して係合解除姿勢に引っ張り揺動させる左レリーズワイヤ52Lと、昇降レバー41の後方(時計回りの方向)への揺動に伴い右側の格納ロック具35Rをロックスプリング36Rによる付勢力に抗して係合解除姿勢に引っ張り揺動させる右レリーズワイヤ52Rとを設けて構成されている。
【0039】上記実施の形態では、線引きマーカ5L,5Rを苗植付装置、つまり、作業装置3に装着させたが、線引きマーカ5L,5Rを自走機体1に装着させて実施しても良い。
【0040】上記実施の形態では、乗用型田植機への適用例を示したが、本発明は、防除機など各種の水田作業機に適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)1月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−196614
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−6832