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【発明の名称】 畦際処理爪の取付構造
【発明者】 【氏名】涌田 毅

【要約】 【課題】構造がシンプルでコスト的にも優れるものでありながら、畦際処理爪の位置設定を容易に行うことができる畦際処理爪の取付構造を提供する。

【解決手段】複数の耕耘爪10を備えた回転自在の爪軸9の延出端部を軸受ホルダ−12によって回動可能に軸支し、軸受ホルダ−12には爪固定ブラケット17を回転かつ固定可能に設け、爪固定ブラケット17に畦際処理爪20を取着すると共に、爪固定ブラケット17には爪固定ブラケット17を被覆するように保護カバ−21を設け、保護カバ−21には爪固定ブラケットの回動位置設定用のストッパ−28を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の耕耘爪を備えた回転自在の爪軸の延出端部を軸受ホルダ−によって回動可能に軸支し、該軸受ホルダ−には爪固定ブラケットを回転かつ固定可能に設け、該爪固定ブラケットに畦際処理爪を取着すると共に、該爪固定ブラケットには爪固定ブラケットを被覆するように保護カバ−を設け、該保護カバ−には該爪固定ブラケットの回動位置設定用のストッパ−を設けたことを特徴とする畦際処理爪の取付構造。
【請求項2】前記ストッパ−は該保護カバ−の周縁上に設けた突起部であると共に、前記軸受ホルダ−は面部と折曲端部とから断面視コ字形に形成されたサイドプレ−トに装着されており、該突起部が該サイドプレ−トの折曲端部の下端縁に当接するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の畦際処理爪の取付構造。
【請求項3】複数の耕耘爪を備えた回転自在の爪軸の延出端部をサイドプレ−トに固着された軸受ホルダ−によって回動可能に軸支し、該軸受ホルダ−には爪固定ブラケットを回転かつ固定可能に設け、該爪固定ブラケットに畦際処理爪を取着し、該爪固定ブラケットには爪固定ブラケットを被覆するように保護カバ−を設け、該サイドプレ−トは面部と折曲端部とから断面視コ字形に形成されていると共に、該面部には該折曲端部より突出しない状態で差し込み式の固定ピンを設け、該保護カバ−の周縁には該固定ピンを受け入れる固定孔を設けたことを特徴とする畦際処理爪の取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耕耘爪に係り、詳しくはロ−タリの側部に固設した耕耘爪(以下、畦際処理爪と言う)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耕耘作業において、畦際の作業を行う場合に、ロ−タリの右側面部に畦際処理爪を固設して作業を行う場合がある。従来、このような畦際処理爪はボルトや、あるいは穴付固定ピン等によって取付けているが、いずれも脱着が面倒であり、脱着作業に時間を要していた。
【0003】また、畦際処理爪を固定式にした場合には、畦際の作業が終わって圃場の中で耕耘作業を行う場合に、固定爪に草や藁等がひっかかり、堆積してしまうという不具合があった。さらに、圃場での深い耕耘や畑の耕耘には、固定爪が邪魔になり所望の深い耕耘ができない畏れがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来における不具合を解決するべく創案されたものであって、構造がシンプルでコスト的にも優れるものでありながら、畦際処理爪の位置設定を容易に行うことができる畦際処理爪の取付構造を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明が採用した技術手段は、複数の耕耘爪を備えた回転自在の爪軸の延出端部を軸受ホルダ−によって回動可能に軸支し、該軸受ホルダ−には爪固定ブラケットを回転かつ固定可能に設け、該爪固定ブラケットに畦際処理爪を取着すると共に、該爪固定ブラケットには爪固定ブラケットを被覆するように保護カバ−を設け、該保護カバ−には該爪固定ブラケットの回動位置設定用のストッパ−を設けたことを特徴とするものである。
【0006】好ましくは、前記ストッパ−は該保護カバ−の周縁上に設けた突起部であると共に、前記軸受ホルダ−は面部と折曲端部とから断面視コ字形に形成されたサイドプレ−トに装着されており、該突起部が該サイドプレ−トの折曲端部の下端縁に当接するようにしたことを特徴とするものである。
【0007】本発明が採用した他の技術手段は、複数の耕耘爪を備えた回転自在の爪軸の延出端部をサイドプレ−トに固着された軸受ホルダ−によって回動可能に軸支し、該軸受ホルダ−には爪固定ブラケットを回転かつ固定可能に設け、該爪固定ブラケットに畦際処理爪を取着し、該爪固定ブラケットには爪固定ブラケットを被覆するように保護カバ−を設け、該サイドプレ−トは面部と折曲端部とから断面視コ字形に形成されていると共に、該面部には該折曲端部より突出しない状態で差し込み式の固定ピンを設け、該保護カバ−の周縁には該固定ピンを受け入れる固定孔を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態について図1乃至図5に基づいて詳細に説明する。図1乃至図3はトラクタ−の後部に装着されたロ−タリ−作業機の側面図であって、ロ−タリ−作業機1はヒッチ装置2を介してトラクタ−の後部に装着されており、これらの構成自体は公知である。図4はロ−タリ−作業機1を後方から見た図であって、機体の幅方向中央の上部側に位置してギヤケ−ス3が設けてあり、ギヤケ−ス3の両側にはギヤケ−ス3を挟むようにして左右のア−ム4a、4bが延出固定されている。一方(図では左側)のア−ム4aの延出端部にはチェ−ンケ−ス5が固設されており、他方(図では右側)のア−ム4bの延出端部にはサイドプレ−ト6が設けてある。
【0009】サイドプレ−ト6は長方形の鉄板であり、長尺板状の面部6aと左右の折曲端部6bとから断面視コ字形に形成されており、面部6aの上端側をボルト7によってア−ム4bに固定してあると共に、チェ−ンケ−ス5に対向して下方に向かって延出している。チェ−ンケ−ス6の下端部に設けた軸受部8には爪軸9の一端側が回転自在に軸支されており、爪軸9は機体の幅方向に延出していると共に、その周面には複数の耕耘爪10が設けてあり、また爪軸9の延出端部はサイドプレ−ト6の下端側に臨んでいる。
【0010】図5は、爪軸9の延出端部の構成を示す要部拡大図であって、爪軸9の延出端部にはシャフト11が設けてある。尚、爪軸9とシャフト11は一体的に形成してもよい。サイドプレ−ト6の下端部には軸受ホルダ−12がボルト13で固設されており、ベアリング14を介してシャフト11を軸支している。図中、符号15、16はそれぞれオイルシ−ル、キャップであって、軸支部への泥水の侵入を防止している。
【0011】軸受ホルダ−12のベアリング受け部の外周のボス部12aには爪固定ブラケット17が回転自在に外嵌してあると共に、爪固定ブラケット17は軸受ホルダ−12に装着されたブラケット押さえ部材18によって保持されている。爪固定ブラケット17にはボルト19によって畦際処理爪20が固着されており、爪固定ブラケット17の固定位置を変更することで、畦際処理爪20を使用姿勢と収納姿勢とに変姿可能としている。爪軸9と爪固定ブラケット17の回転軸心は略同心上に位置しており、こうすることで、畦際処理爪20は耕耘爪10を逆向きに装着することができ、耕耘径が畦際処理深さと略同一にすることができ、良好な耕耘ができる。
【0012】また、爪固定ブラケット17には椀状の保護カバ−21がボルト22によって固着されている。保護カバ−21は短筒状の形状を有しており、爪固定ブラケット17の側面や外周面を覆うと共に、ブラケット押さえ部材18やボルト13も保護カバ−21の内部に位置するようになっている。保護カバ−21は短筒状であると共に、畦際処理爪20と一体で回動するので、常時爪固定ブラケット17や軸受ホルダ−12の装着部等が保護カバ−によって隠蔽される。尚、保護カバ−21の、畦際処理爪20の基部に対応する部位は切り欠いてある。
【0013】サイドプレ−ト6の面部6aの下端側には折曲端部6bの突出範囲内に位置してピンホルダ−23が固設してあり、ピンホルダ−23には固定ピン24がスプリング25を介して出し入れ可能に設けてある。保護カバ−21の周縁の適宜箇所には周方向に所望間隔を存して3つの固定孔26が設けてあり、固定ピン24を固定孔26に嵌入させることで爪固定ブラケット17、すなわち畦際処理爪20を所定位置に固定するようになっている。畦際処理爪20の使用時の固定位置を少なくとも2箇所以上設けるのがよく、例えば3箇所設けてもよい。
【0014】このように構成された畦際処理爪20を備えたロ−タリ−作業機を用いて耕耘作業を行なうに、畦際処理爪20は圃場の条件に合わせて所定の位置にセットすることができる。すなわち、軟弱な圃場や深く耕耘したい場合には、図1のようにセットし、固い圃場や浅い圃場では図2のような位置にセットすることで幅広い条件での作業ができる。
【0015】また、畦際作業が済んで圃場の中ほどで作業する場合には、固定ピン24をワンタッチで操作することで畦際処理爪20を図3に示すような位置に収納することができ、草や藁等が畦際処理爪20にひっかかることがなく、良好な仕上がりの耕耘ができる。尚、図4において符号27はコンクリ−ト畦である。
【0016】図6乃至図10は第二の実施の形態に係り、基本的な構成は第一の実施の形態と同じであるので、同一の部材には同一の符号が付してある。第二の実施の形態のものは、回動位置設定の手段において第一の実施の形態のものと異なる。保護カバ−21の周縁にはストッパ−28が設けてあり、ストッパ−28がサイドプレ−ト6の幅方向両側の折曲端部6bの下端縁に当接することで、畦際処理爪20を使用姿勢と収納姿勢とに変姿可能としている。
【0017】図6は畦際処理爪20が使用姿勢にあるものを示しており、保護カバ−21に設けたストッパ−28がサイドプレ−ト6の機体後方側の折曲端部6bに当接するようになっている。この状態において、畦際処理爪20は土圧によってストッパ−28が折曲端部6bに押圧されるので、所定の使用姿勢が保持される。図7は畦際処理爪20が収納姿勢にある状態を示しており、保護カバ−21に設けたストッパ−28がサイドプレ−トの機体前方側の折曲端部6bに当接している。
【0018】サイドプレ−ト6の面部6aの下方側の幅方向中央部位には板状片を折曲してなる押圧部材29が設けてあり、押圧部材29が常時保護カバ−21の周縁を押圧するようになっており、こうすることで保護カバ−21の回転を規制しており、畦際処理爪20の所定の姿勢(特に収納時)を保持するようにしている。
【0019】図11乃至図15は第三の実施の形態に係り、基本的な構成は第二の実施の形態と同じであるので、同一の部材には同一の符号が付してある。第三の実施の形態のものは、回動規制の手段において第二の実施の形態のものと異なる。サイドプレ−ト6の面部6aの下方側の幅方向中央部位には板状片を折曲してなる押圧部材29aが設けてあり、押圧部材29aは、畦際処理爪20が収納姿勢にある時に、畦際処理爪20の基端側を押圧することで、畦際処理爪20の姿勢を保持するようにしている。
【0020】
【発明の効果】請求項1のものでは、保護カバ−の周縁上にストッパ−を設けたので、構造がシンプルで、コストも安く、外観のデザイン性も良好である。請求項2のものでは、該ストッパ−が軸受ホルダ−を装着するサイドプレ−ト下端縁に当接するようにしたので、畦際処理爪の位置設定手段を構成する部材の部品点数が少なくてすみ、コスト的にも良好である。
【0021】請求項3のものでは、保護カバ−に複数の固定孔を設けることで、畦際処理爪の使用時の固定位置を少なくとも2箇所以上設けることができ、圃場の条件に対応した耕耘を行うことができる。固定ピンはサイドプレ−トの両端縁より突出することがないので、草や藁がひっかかることがなく、良好な耕耘ができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開平11−196607
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−16366