| 【発明の名称】 |
トラクタの畦立制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高城 清
【氏名】涌田 毅
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| 【要約】 |
【課題】畦立作業を能率よく良好に行ない、エンジン負荷を簡単に軽減できるトラクタの畦立制御装置を提供する。
【解決手段】トラクタ1に昇降機構3を介して耕耘装置2と犂込角が調節自在とする畦立器9を昇降自在に設けて、耕耘と同時に畦立するトラクタにおいて、畦立器9に、畦立作業初期の犂込角を大きくし、機体の進行と共に犂込角を徐々に小さくして畦立作業を行なわせる作動シリンダ95を設け、畦立器9の犂先を畦立作業時のエンジン回転数の低下の検知によって自動的に上昇させることによって短い距離で所期の深さの畦立ができるトラクタの畦立制御装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラクタ1に昇降機構3を介して耕耘装置2を昇降可能に装着するとともに、該耕耘装置2の後部に犂込角が調節自在とした畦立器9を設けて耕耘と同時に畦立を行なうようにしたトラクタにおいて、前記畦立器9に、畦立作業初期の犂込角を大きくするとともに、機体の進行に伴い上記犂込角を徐々に小さくして畦立作業を行なわせる作動シリンダ95を設け、更に上記畦立器9の犂先を畦立作業時のエンジン回転数の低下の検知によって自動的に上昇させるように構成したトラクタの畦立制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタに装着される耕耘装置の後部に畦立器を備えて耕耘と同時に畦立作業を行なうトラクタの畦立制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、トラクタに装着される耕耘装置の後部に畦立器を設けて耕耘と同時に畦立作業を行なう畦立器は、耕耘装置のツールバーに固定された支持杆にハンドルネジ方式の調節具を介して培土板を犂込角調節可能に構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構成による畦立器を使用する際は、畦立作業の前に調節具を手動で回動調節して圃場の硬軟や畦立深さに適応させた犂込角に固定するものであった。従って、畦立作業の中途における犂込角の変更調節を行う時には、一旦機体を停止させて畦立器の泥土を除去して行なわねばならず、この作業が煩雑であることから随時行なうことが困難になる等の欠点がある。 【0004】また、畦立作業初期に緩い犂込角である場合は、畦立器を下降して接地させてから所定の深さの畦溝を形成する畦立てをする間の初期の走行距離が5メートル前後になる等の長い走行距離を要することから必要とする畦溝を正確に形成することが困難であった。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、トラクタに昇降機構を介して耕耘装置を昇降可能に装着するとともに、該耕耘装置の後部に犂込角が調節自在とする畦立器を設けて耕耘と同時に畦立を行なうようにしたトラクタにおいて、前記畦立器に、畦立作業初期の犂込角を大きくするとともに、機体の進行に伴い上記犂込角を徐々に小さくして畦立作業を行なわせる作動シリンダを設けるとともに、畦立器の犂先を畦立作業時のエンジン回転数の低下の検知によって自動的に上昇させるようにしている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態につき説明する。1は、トラクタであり前輪1a及び後輪1bを有する走行機体1cに前方よりエンジン1Eを搭載し、ハンドル1d及び座席シート1fからなる操縦部1gを配置し、更に機体1cの後部にロータリ式の耕耘装置2を昇降機構3を介して昇降可能で且つ着脱自在に装着している。 【0007】上記昇降機構3は、走行機体1c側で図示しない油圧シリンダによって上下回動駆動されるリフトアーム30と、このリフトアーム30にリフト杆31を介して連結したロアリンク32と、耕耘装置2を着脱自在に取付けるヒッチ部35を有する上部リンク33等から構成し、このヒッチ部35に装着された耕耘装置2をトラクタ1側から伝動するPTO軸36を備えている。 【0008】また、耕耘装置2は従来の装置と同様な構成のものであり、複数の耕耘爪20を植設した耕耘軸21を伝動機枠2aの両側に設けた伝動ケース22と図示しない支持枠との間で正逆切換回転可能に軸支してロータリ23を構成している。そしてこのロータリ23の上方をロータリカバー(メインカバー)25で覆うとともに、その後方をこのロータリカバー25の後端に枢着したリヤカバー26で覆っており、伝動機枠2aの上部に設けたトップマスト27を前記ヒッチ部35に係止し、且つロアリンク32の後端を伝動機枠2aと連結するようにしている。 【0009】29は後述する本発明の畦立器9等の作業機を着脱自在に取付けるツールバーであり、このツールバー29はトップマスト27側に設けたブラケット等を介してハンドルネジ式の調節杆29aによって上下位置調節可能に設けている。また、上記のように構成した耕耘装置2はロータリカバー25に突設したブラケット28に耕深検知センサ5を設け、この耕深検知センサ5のセンサアーム50とリヤカバー26に突設したブラケット51との間をロッド52で連結して従来の装置と同様な耕深制御手段によってリヤカバー26の上下回動位置を検出し、これの検出信号に基づいて後述する操作部6(図4)で設定される設定値となるように昇降機構3の油圧シリンダを伸縮作動させ、耕耘作業時に耕耘深さの調節制御(以下、耕深自動制御という)を行なうことができる耕深自動制御装置を構成している。 【0010】尚、上記耕深自動制御の設定値は、図1に示すロータリカバー25とリヤカバー26との間の回動角αを、操作部に設置された耕深設定ボリューム60の調節操作によって行なうことができるようにしている。前記操作部6は操縦部1gの座席シート1fの右側方に設置しており、図4に示すようにそのコントロールボックス6aの上面に、前方から耕耘装置2の上昇高さ位置を設定操作するポジションコントロールレバー61と耕深設定ボリューム60を設け、この耕深設定ボリューム60の後方に従来の装置と同様に耕深感度スイッチ62、リフトアーム手動スイッチ63等を配置するとともに、耕耘作業と畦立作業とに制御動作を切換える表示面に「ロータリ」と「畦立器」の表示が記載された作業機切換スイッチ65等を配設し、これらを走行機体1c側に設けたマイコンMに連結している。また、このマイコンMには図1に示すようにエンジン1Eの回転数を検知する回転センサ1Sも連結して、畦立作業時の畦立器9の作業抵抗に伴うエンジン回転数の変化を検知して畦立器9を適正姿勢に制御することができるようにしている。 【0011】次に、図2、図3を参照し畦立器9の構成について説明する。この畦立器9は平面視で左右二枚の板を八字状に形成した培土板90を、その内部において前記ツールバー29に取付固定されている支持部材91に犂込角調節可能に支持している。即ち、この培土板90は前側下部を支持部材91の下端で取付軸92を介して回動可能に枢支するとともに、その後方でやや上方部位を取付軸93を介して作動シリンダ95の下端を連結し、上端を支持部材91に取付けている。 【0012】そしてこの作動シリンダ95にはその伸縮量を検知するストロークセンサ等の姿勢検知センサ96を併設してこれを図4のマイコンMに接続している。尚、上記作動シリンダ95は図示例では伝動シリンダを用いているが油圧シリンダ等であってもよい。前記のように構成したことにより、前記作業機切換スイッチ65を「ロータリ」位置から「畦立器」位置側に切換操作して畦立作業を行なうとき、ボジションコントロールレバー61で設定された所定の耕深位置を保持しながら、姿勢検知センサ96が畦立器9の畦立姿勢を調節して耕深制御を適正に行なうことができるようにしている。つまり、ツールバー29に支持された支持部材91に対して畦立器9の仰伏する姿勢を姿勢検知センサ96によって検知して所定の姿勢を保持するようになっているのである。 【0013】更に具体的に言えば、畦立器9の畦立自動制御装置は、図2に示す畦立作業の初期段階、即ち犂込初期において畦立器9が下降して前傾した犂込角(θ)を有する犂込姿勢で畦立を開始する。そして畦立器9は機体1cの進行に伴ってその犂込角(θ)によって急速に深く地中に侵入して畦立作業を行なうことになる。このとき畦立器9はポジションコントロルーレバー61の下降操作によってロータリ23で耕耘された耕土面に接当する程度の位置になると、作動シリンダ95が所定時間、例えばトラクタ1が略1m程度走行する間に「間歇的な伸び作動」を行ない畦立器9を段階的に通常畦立姿勢である水平状態に姿勢変更を行ない、図4に示す耕深設定ボリューム60で設定された通常畦立姿勢に速やかに移行させることができるように構成してある。 【0014】また、この畦立作業時に例えば軟弱な圃場等においては機体1cの進行と共に畦立器9は地中に深く侵入し過ぎる傾向があるが、このような場合にはその急速に高まる畦立負荷によってエンジン1Eの回転が低下するが、例えばエンジン回転が200〜300rpm程度に下ると、回転センサ1Sがこれを検知してマイコンMを介して作動シリンダ95を設定された長さまで伸長作業をするように構成している。 【0015】これにより、畦立器9は取付軸92を支点として後方が下降回動することになって犂先9aを上昇させて耕深を浅くして負荷を小さくし、これに伴いエンジン回転を元の状態に復帰させることができる。そして前記畦立器9の姿勢を正常な畦立ての状態に変更した後は、耕深設定ボリューム60で設定された所定の耕耘作業を畦立作業とを遂行させることができるものである。尚、作業機切換スイッチ65は「ロータリ」側に切換操作すると従来の装置と同様にリヤカバー26の検知に基づいて耕深自動制御を円滑に行なうことができるものである。 【0016】以上のように構成した畦立制御装置を備えたトラクタ1による作業は、耕深設定ボリューム60の所定設定位置で作業切換スイッチ65が「畦立器」側に切換えらると、耕耘装置2及び畦立器9の作業姿勢においてロータリ23によって耕深設定ポリューム60で設定された耕深で耕耘を行ないながら、耕土部分をロータリ23の後方に位置する畦立器9によって左右に培土して畦溝を掘りながら、所定の畦を円滑に形成することができる。 【0017】そして上記作業において工程終端の圃場旋回部において、耕耘装置2及び畦立器9を一体的に上昇させ、その状態で機体を転向させる。そして再び作業を行なうときは、ポジションコントロールレバー61を操作して耕耘装置2を下降させると、畦立器9は耕土面に接当する際の急な犂込角(図2)から作動シリンダ96の「間歇的な伸び作動」により、段階的に順次ゆるやかな犂込角を経て、図3に示す通常の畦立姿勢に移行されることになる。 【0018】図6は従来の装置の畦立作業における初期段階を示しており、長い初期走行距離L1に、例えば4〜7mを必要としている。図5は本発明の装置の畦立作業の初期段階を示すものであるが、この場合は可及的に短い初期走行距離L、例えば1m程度で速やかに通常畦立姿勢にして安定した畦立作業を所定の深さHで能率よく良好に行なうことができることになる。 【0019】また上記のような畦立作業において畦立器9による過大なエンジン負荷を生ずると、回転センサ1S(図1)が所定の低速回転を検知して畦立器9を耕耘装置2と共に上昇操作を行なって犂先9aを上昇させる。そしてエンジン回転を一定とするように畦立器9を上昇させた犂込作業を良好に行なうことができる。従って、畦立器9がめり込み易い軟弱な圃場等においても犂込作業をトラブルを発生させることなく円滑に行なうことができるものである。なお、この場合は犂込深さHが僅かに変化することになる。 【0020】また畦立器9に作用する抵抗に伴なってエンジン負荷が過大となると、このエンジン回転を回転センサ1Sで検知して畦立器9に付設されている作動シリンダ95を「伸び作動」させることによって犂込角(θ)を減少させることによって畦立器9に作用する抵抗を減少させて作業することも可能である。この場合には畦立器9は取付軸92を中心に犂先9aが上昇するように回動するので、犂込抵抗を容易に軽減できるので、エンジンを元の回転に簡単に復帰させることができるものである。 【0021】 【発明の効果】本発明に係るトラクタの畦立制御装置によると、トラクタに牽引される畦立器は畦立作業の初期段階において大きな犂込角で地中に速やかに侵入したのち、通常の畦立姿勢に移行して支持される。従って、短い初期走行距離において所定深さの畦立を能率よく良好に行なうことができるとともに、過大な畦立負荷が生じた場合にエンジン回転数を検知して犂先を自動的に上昇させて負荷を軽減できるので、連続的な畦立作業を安定して行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月14日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−196602 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−5708 |
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