| 【発明の名称】 |
トラクタの耕深自動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】涌田 毅
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| 【要約】 |
【課題】耕深自動制御を備えたトラクタによって耕耘時の傾斜を検知して、傾斜地圃場や軟らかい圃場における耕耘作業を精度よく良好に行なうことができるトラクタの耕深自動制御装置を提供する。
【解決手段】トラクタ1の後部に昇降機構3によってロータリ式の耕耘装置2を昇降可能に支持し、該耕耘装置2の耕耘深さを、ロータリ部23のリヤカバー26の位置の検出によって耕深自動制御をするとともに、耕深設定ボリューム60によって耕耘深さを設定させるトラクタの耕深自動制御装置において、該トラクタ1の前後方向の傾斜を検知する傾斜検知手段を設けるとともに、該傾斜検知手段による傾斜検知が「所定時間継続」した場合に耕深設定ボリューム60の設定値を補正させる補正手段を設けて構成している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラクタ1の後部に油圧による昇降機構3によってロータリ式の耕耘装置2を昇降可能に支持し、該耕耘装置2の耕耘深さをロータリ部23の後方を覆うリヤカバー26の位置の検出によって耕深自動制御をするとともに、耕深設定ボリューム60によって耕耘深さを設定させるようにしたトラクタの耕深自動制御装置において、前記トラクタ1に、該トラクタ1の前後方向の傾斜を検知する傾斜検知手段を設けるとともに、該傾斜検知手段による傾斜検知が所定時間継続すると耕深設定ボリューム60の設定値を補正させる補正手段を設けたトラクタの耕深自動制御装置。 【請求項2】 補正手段を耕深設定ボリューム60の設定値を補正する状態と、補正しない状態とに選択切換可能にする請求項1記載のトラクタの耕深自動制御装置。 【請求項3】 傾斜検知手段に、機体の前後部に設けた対地高さを検知する高さ検知センサ8,8aを付設してなる請求項1又は2のトラクタの耕深自動制御装置。 【請求項4】 機体の傾斜の程度によって複数の補正値を選択可能に構成した請求項1又は2又は3のトラクタの耕深自動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後部にロータリ昇降機構の耕耘装置を備えたトラクタの耕深自動制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般にロータリ式の耕耘装置を昇降機構を介して昇降可能に備えたトラクタは、耕耘作業時に耕土面に接地して上下回動する耕耘装置のリヤカバーの回動角を操作部に設けてある耕深設定ボリュームによって所望の設定値に設定し、この設定値に基づく耕耘深さ(耕深)の制御をリヤカバーの回動角を一定とするように耕耘装置を上下動させて一定深さの耕耘を行なうようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のような構成によるトラクタは、前後のタイヤの沈下量が少なく一定している平坦な通常の圃場では所定の耕深自動制御を適正に行なうことができる。しかし、傾斜地の畑等ではトラクタ及び耕耘装置の重心が図1あるいは図2のように変動することによって上記の制御が円滑に行なうことができなくなって手動操作を随時行なって耕深調節を行なわねばならない等煩雑な作業にならざるを得なかった。 【0004】即ち、特に軟弱な地面の昇り傾斜地の耕耘作業では、図1に示すように機体が後傾斜して重心Gが後方に移動し、その偏荷重によって後輪1bの沈下量H2が前輪1aの沈下量H1より大きくなり、機体の前後方向の傾斜角は圃場の傾斜地よりも後部の下がりが大きくなるので、リヤカバーは耕土面に早期に大きく接地することになるので、その分、耕耘装置を上昇させて所定のリヤカバーの回動角を保持させようと作動することになり、その結果、耕深は浅くなり耕耘深さが不足する等の問題がある。 【0005】また、下り傾斜地の軟弱な圃場では、上記とは逆に図2に示すように前輪1aが大きく沈下して機体の前傾斜量は傾斜地よりも前下りに大きくなるので、リヤカバーは耕土面に遅く(軽く)接地することになり、これの検知信号で耕耘装置を下降させるために耕深は深くなり、必要以上の耕耘を行うためにエンジン負荷を増大させる等の問題がある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、トラクタの後部に油圧による昇降機構によってロータリ式の耕耘装置を昇降可能に支持し、該耕耘装置の耕耘深さをロータリ部の後方を覆うリヤカバーの位置の検出によって耕深自動制御をするとともに、耕深設定ボリュームによって耕耘深さを設定させるようにしたトラクタの耕深自動制御装置において、前記トラクタに、該トラクタの前後方向の傾斜を検知する傾斜検知手段を設けるとともに、該傾斜検知手段による傾斜検知が所定時間継続すると耕深設定ボリュームの設定値を補正させる補正手段を設けて構成している。 【0007】また、補正手段を耕深設定ボリュームの設定値を補正する状態と、補正しない状態とに選択切換可能にしている。更に、傾斜検知手段に、機体の前後部に設けた対地高さを検知する高さ検知センサを付設している。そして、機体の傾斜の程度によって複数の補正値を選択可能に構成している。 【0008】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。1はトラクタであり、前輪1a及び後輪1bを有する走行機体1cに前方よりエンジン1Eを搭載してハンドル1d及び座席シート1fからなる操縦部1gを配設し、機体1cの後部にロータリ式の耕耘装置2を昇降機構3を介して昇降可能で、且つ着脱自在に装着している。 【0009】上記昇降機構3は、走行機体1c側に設けた油圧シリンダによって上下に回動されるリフトアーム30と、このリフトアーム30にリフト杆31を介して連結したロアリンク32と、耕耘装置2を着脱自在に取付けるヒッチ部35を有する上部リンク33等から構成し、このヒッチ部35に装着された耕耘装置2をPTO軸36によって駆動するように構成している。 【0010】また、耕耘装置2は従来の装置と同様な構造を有しており、複数の耕耘爪20を植設した耕耘軸21を、伝動機枠2aの両側に設けた伝動ケース22と支持枠(図示せず)との間で正逆切換回転可能に軸支してロータリ部23を構成している。そして上記ロータリ部23の上方をロータリカバー(メインカバー)25で覆うとともに、その後方をこのロータリカバー25の後端に回動可能に枢着したリヤカバー26で覆うことによって構成し、伝動機枠2aの上部に設けたトップマスト27を前記ヒッチ部35に係止し、且つロアリンク32の後端を伝動機枠2aと連結するようにしている。 【0011】また、上記のように構成した耕耘装置2は、図3に示すようにロータリカバー25の後端に設けたブラケット28に耕深検知センサ5を設け、この耕深検知センサ5のセンサアーム50とリヤカバー26に設けたブラケット51との間をロッド52で連結し、従来の装置と同様な耕深制御手段を採用してリヤカバー26の上下に回動する位置を検出し、この検出信号に基づいて後述する操作部6で設定される設定値となるように昇降機構3の油圧シリンダを伸縮作動させ、耕耘作業時に耕耘深さの調節制御(以下耕深自動制御という)を行なうことができるようにしている。 【0012】なお、上記耕深自動制御の設定値は、図3に示すロータリカバー25とリヤカバー26とがなす回動角αを操作部6(図4)に設置された耕深設定ボリューム60の調節操作や後述する自動切換ボリューム68等によって行なうことができるようにしている。一方、前記操作部6は操縦部1gの座席シート1fの右側方に設置しており、図4に示すようにコントロールボックス6aの上面に、前方から耕耘装置2の上昇高さ位置を設定操作するポジションコントロールレバー61を設け、その後方の中間位置に上記耕深設定ボリューム60を設置している。 【0013】また、耕深設定ボリューム60の後方には従来の装置と同様な耕深感度スイッチ62、耕深手動スイッチ63、リフトアームスイッチ65、傾斜設定ボリューム66、傾斜感度スイッチをそれぞれ設け、更に前記耕深自動制御と傾斜耕深自動制御へのモード変更設定値の変更等を行なう補正手段としての自動切換ボリューム68等を設け、これらを走行機体1c側に設けたマイコン部Mに連結している。 【0014】そして走行機体1cの上方部位にこの機体1cの前後方向の傾斜を検知する傾斜センサ7を設けて、前記自動切換ボリューム68が後述する傾斜選択モードに切換えられたとき、地面の傾斜度を検知して、一定値以上の傾斜検知信号が「所定時間以上継続」した場合に、マイコンMにより耕深設定ボリューム60の設定値を機体の「後傾斜」時には耕耘装置2を「その場停止又は下降」させて深耕側にし、機体の「前傾斜」時には耕耘装置2を「その場停止又は上昇」させて浅耕側に補正制御することができるようにしている。 【0015】即ち、図4に示す自動切換ボリューム68は、その表示面に記載された傾斜選択モードの「傾斜A」にすると第1段階の「緩傾斜」検出時における適正耕深とすることができるように補正するようになっている。そして「傾斜B」にすると第2段階の「急傾斜」検出時における適正耕深とすることができるように補正することができるようにしている。なお、自動切換ボリューム68は上記の他にOFF位置と後述する自動モード位置を設けている。 【0016】またトラクタ1は、走行機体1cの前部と後部に対地高さを検知する高さ検知センサ8と8aによる傾斜検知手段を前記傾斜センサ7による傾斜検知手段に併せて補助的に設けいる。そして自動切換ボリューム68による傾斜選択モードとは別の自動モードにおける耕深設定ボリューム60で設定された値を、上記高さ検知センサ8,8aで検知された機体の傾斜の程度によって自動的に補正することができる補正手段をマイコンM中に設けており、これによってトラクタ1が軟らかい地面の傾斜地を走行して耕耘するような場合においても、精度の高い傾斜耕深自動制御を行なって耕耘作業を行うことができるようにしている。 【0017】即ち、高さ検知センサ8,8aは、走行機体1cの前後の対地高さを測定してマイコンMで比較し、その値を、この高さ検知センサ8,8aが前後のタイヤ沈下量が少なく一定している場合のいわゆる通常平坦圃場で検知した標準値と、マイコンMにより比較することによって、地面の傾斜とトラクタ1との傾斜度合いの違いを比較して、耕深設定ボリューム60で設定した値を自動的に補正する構造としている。 【0018】これによれば機体の傾斜に合せて軟らかい圃場等における前輪1a又は後輪1の沈下量に適応した傾斜耕深自動制御を精度よく良好に行なうことができる。また、自動切換ボリューム68をその表示面に記載された「自動モード」にセットしておくと、上記検知によって平坦な通常圃場の耕耘作業時においても、部分的な傾斜や前輪1a又は後輪1bが偏って沈下走行した際に、耕深設定ボリューム60の設定を自動的に補正するようにしているので、精度の高い耕耘作業を行なうことができるものである。 【0019】以上のように構成したトラクタ1による耕耘作業は次のようにして行うA) 平坦な通常の固さの圃場における耕耘作業を行なう際には自動切換ボリューム68をOFF位置するとともに、耕深設定ボリューム60を所望の設定位置に操作して行なうことによって、従来の装置と同様な耕深自動制御を、耕深検知センサ5によって耕深を検知しながら効率的に行なうことができる。 【0020】B)また、軟弱で、昇り傾斜地圃場における耕耘作業を行なう場合には、耕深設定ボリューム60を所望に設定した状態で、自動切換ボリューム68を「傾斜地A」に切換えて作業をすると、耕耘装置2は耕深設定ボリューム60で設定された耕深を傾斜センサ7で検知された傾斜信号に基づく「傾斜地A」の補正モードに補正された設定値で耕耘することができる。従って、従来の装置のように浅耕気味にされることなく、適正な耕深で傾斜耕深自動制御が行われる。 【0021】また、自動切換ボリューム68を「傾斜地B」にした場合には、圃場の傾斜又は軟らかさに適応した補正モードで適正な耕深で傾斜耕深自動制御を良好に行なうことができるものである。 C)次いで、軟弱で下り傾斜地圃場において耕耘作業を行なう場合には、上記と同様に耕深設定ボリューム60及び自動切換ボリューム68を設定操作して行なうと、耕耘装置2は同様に傾斜耕深自動制御され、従来の装置のように深耕気味にされることなく適正な耕深を以って傾斜耕深自動制御を良好に行なうことができる。 【0022】なお、傾斜検知手段による傾斜検知が「所定時間継続」とは、圃場における軟弱度、傾斜度、耕耘する面積、そして作業者の熟練度等の諸条件に関係するものであって、例えば3〜5秒程度でも良く、また、傾斜度によって光による表示や警報音等によって作業者に知らせる方法を併用しても良い。 【0023】 【発明の効果】本発明のトラクタの耕深自動制御装置によれば、耕耘装置による傾斜耕深自動制御を、傾斜検知手段による傾斜検知が「所定時間継続」したのちに、耕深設定ボリュームの設定値を補正手段によって補正させて行なうようにしたことにより、傾斜方向と傾斜の状況を的確に把握して傾斜地の耕耘、或いは軟らかい圃場等における耕耘を適正深さで、精度よく行なうことができる。 【0024】また、上記耕深設定ボリュームの設定値の変更は、補正手段によって補正しないようにすることができるから、平坦な通常の平坦な圃場の耕耘作業時に誤差動を防止することができる。また、機体の前後に設けた高さ検知センサによって、耕耘作業時の機体前後の沈下量を検知するようにしたので、より高い精度で傾斜耕深自動制御を行なうことができる。 【0025】また、平坦な通常圃場においてこの検知により耕深自動制御を傾斜耕深自動制御側に自動的に切換えるように使用することができ、耕耘作業を良好に行なうことができる。そして、傾斜耕深自動制御時の補正値を複数段階になるようにして、これを傾斜の程度によって選択切換えすることができるようにしたので、圃場の傾斜や機体の沈下傾斜に適応した耕耘作業を良好に行なうことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月5日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−192004 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−27 |
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