| 【発明の名称】 |
トラクタの油圧ケース |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 康秀
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| 【要約】 |
【課題】油圧バルブの取り扱いが容易なトラクタの油圧ケースを提供することを課題としている。
【解決手段】上方に座席6が設けられたトランスミッションケース1の上部に配置された、作業機昇降用の油圧シリンダ8を内装する油圧ケース3の前方側に、段状に窪んだ空間よりなるバルブ取付部21を形成し、作業機昇降用及び作業機制御用の複数の油圧バルブを一体的に組み付けたバルブユニット14を座席6下方のバルブ取付部21に収容して取り付けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部に作業機昇降用の油圧シリンダ(8)を内装する油圧ケース(3)を配置したトランスミッションケース(1)上にオペレータ用の座席(6)を設け、上記油圧ケース(3)に作業機昇降用及び作業機制御用の複数の油圧バルブを取り付けたものにおいて、前記各油圧バルブを一体的に組み付けたバルブユニット(14)を形成せしめ、上記油圧ケース(3)の前方側に段状に窪んだ空間よりなるバルブ取付部(21)を形成せしめ、上記バルブユニット(14)を座席(6)下方のバルブ取付部(21)に収容して取り付けたトラクタの油圧ケース。 【請求項2】 バルブユニット(14)のベースとなるベースブロック(14a)に作業機の昇降制御用バルブ(11)と水平制御用バルブ(12)とに油圧を分流供給する分流バルブ(13)を形成せしめ、該ベースブロック(14a)上に昇降制御用バルブ(11)を載置して取り付けた請求項1のトラクタの油圧ケース。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はトラクタにおける作業機制御用油圧装置の油圧ケースであるトラクタの油圧ケースに関する。 【0002】 【従来の技術】従来トラクタには油圧により耕深を自動的に制御する耕深自動制御装置やトラクタ本機の傾きに関係なく作業機の作業姿勢を水平に保持する水平制御装置等を備えたものがあり、一般的には上記各制御装置用の油圧バルブが作業機昇降用の油圧シリンダを内装した油圧ケース側に取り付けられており、該油圧ケースが座席下方のトランスミッションケース上に配置さている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし従来のものは運転席側のスペースの関係等により各油圧バルブが油圧ケース側に分散して取り付けられて油圧配管されているため、配管等が比較的困難で、各油圧バルブの取り扱いが困難であるという問題点の他、後方側の油圧バルブは後輪やロータリ側から泥はねされ、清浄度の管理等が困難であるという欠点があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明のトラクタの油圧ケースは、上部に作業機昇降用の油圧シリンダ8を内装する油圧ケース3を配置したトランスミッションケース1上にオペレータ用の座席6を設け、上記油圧ケース3に作業機昇降用及び作業機制御用の複数の油圧バルブを取り付けたものにおいて、前記各油圧バルブを一体的に組み付けたバルブユニット14を形成せしめ、上記油圧ケース3の前方側に段状に窪んだ空間よりなるバルブ取付部21を形成せしめ、上記バルブユニット14を座席6下方のバルブ取付部21に収容して取り付けたことを第1の特徴としている。 【0005】またバルブユニット14のベースとなるベースブロック14aに作業機の昇降制御用バルブ11と水平制御用バルブ12とに油圧を分流供給する分流バルブ13を形成せしめ、該ベースブロック14a上に昇降制御用バルブ11を載置して取り付けたことを第2の特徴としている。 【0006】 【発明の実施の形態】次の本発明の1実施形態について詳細に説明する。図1はトラクタにおける油圧ケース部分の要部側断面図,図2は前記油圧ケースの平面図であり、変速機構(トランスミッション)を内装したミッションケース1上には、トラクタの後方にリンク機構を介して連結される作業機(共に図示せず)昇降用のリフトアーム2を備えた油圧ケース3が設けられており、また該油圧ケース3の前方側上方にはオペレータ(運転者)用の座席6が取り付け用のフレーム7を介して取り付けられている。 【0007】そして従来同様、上記油圧ケース3内に前述のリフトアーム2揺動用の油圧シリンダ8が内装されているとともに、上記リンク装置とリフトアーム2とが連結されており、油圧シリンダ8の伸縮によりリフトアーム2が揺動し、該リフトアーム2の揺動によりリンク装置が上下揺動して作業機を昇降せしめる構造となっている。 【0008】なお上記リフトアーム2側には伸縮により作業機を機体に対して傾斜して支持せしめる水平制御用の水平油圧シリンダ4が従来同様装着されており、上記トラクタには、前述のリフトアーム2を制御して作業機を昇降させることで耕深を自動的に制御する耕深自動制御装置と、上記水平油圧シリンダ4により本機(トラクタ)の傾きに関係なく作業機の作業姿勢を水平に保持する水平制御装置とが備えられている。 【0009】次に上記油圧ケース3の構造について説明する。該油圧ケース3側にはトラクタの油圧回路側に配管される油圧バルブである、上記油圧シリンダ8の伸縮を制御する昇降制御用バルブ11,前述の水平油圧シリンダ4の伸縮を制御する水平制御用バルブ12,該昇降制御用バルブ11と水平制御用バルブ12とに油圧(圧油)を分流供給する分流バルブ13等が備えられている。 【0010】なお本実施形態では耕深自動制御を電気制御により行うように構成されており、昇降制御用バルブ11は上昇用及び下降用の電磁弁等を備え、電気信号により作動し、作業機を所定の高さに保持する中立状態において中立ポートから圧油(戻り油)を排出する従来公知のいわゆる電気制御用のものとなっている。 【0011】そして上記昇降制御用バルブ11,水平制御用バルブ12,分流バルブ13は図1〜図3に示されるように一体的に組み付けられてバルブユニット14をなしており、バルブユニット14のベースとなるベースブロック14aが分流バルブ13として構成されているとともに、該ベースブロック14a(分流バルブ13)上に昇降制御用バルブ11と水平制御用バルブ12が載置された構造となっている。 【0012】なお上記各バルブ11,12,13部分の油圧回路は従来と同様であり、詳細な説明は割愛する。ただし分流バルブ13,昇降制御用バルブ11,水平制御用バルブ12は一体的に取り付けられているため各ポートが分流バルブ13であるベースブロック14aに形成されるポート(油路R)により直接接続されており、上記各バルブ11,12,13との間は管等による配管はなされていない。 【0013】またベースブロック14aには下面に下方側に突出する突起部16が形成されており、該突起部16には上記昇降制御用バルブ11の中立ポートと連結され、該中立ポートからの戻り油を排出せしめる排出ポート17が設けられている。さらに各バルブ11,12,13への圧油の入力ポート20はベースブロック14a側に設けられており、ベースブロック14a内の油路を介して昇降制御用バルブ11等に圧油の供給が行われる。 【0014】一方上記油圧ケース3における座席6の下方部分は段状に形成され、座席6側との間に比較的大きな所定の空間を形成しているとともに、上記段部における下段18及び該下段18に相対するミッションケース1の上面にはミッションケース1内に通じる孔19が形成されており、上記バルブユニット14は突起部16が前記孔19内に挿入されるように上記空間内に取り付けられている。 【0015】つまり油圧ケース3の上面前方側には上記空間により上記バルブユニット14を配置するバルブ取付部21が形成されており、バルブ取付部21へのバルブユニット14の取り付けにより、上記孔19内に突起部16が挿入されると共に、上記孔19はバルブユニット14(ベースブロック14a)により塞がれるように構成されている。 【0016】そしてバルブユニット14が油圧ケース3に取り付けられた状態では、ベースブロック14aの突起部16に設けられている排出ポート17はミッションケース1内(上方側)に位置し、上記中立ポートからの戻り油(ベースブロック14aの排出ポート17からの戻り油)はトランスミッション内に上方からミッションケース1内の上層部に配置されたギヤやベアリング(図示せず)に降りかかるようにして戻される。 【0017】また上記ベースブロック14aには作業機を下降せしめる場合の下降速度を調節する下降速度調節バルブ22が、バルブ調節用の調節ハンドル23が前方に突出するように取り付けられており、該調節ハンドル23を操作することで下降速度調節バルブ22により作業機の下降速度を容易に調節することができる。このときバルブユニット14が油圧ケース3の前方且つ座席6の下方に設けられているため、上記調節ハンドル23の操作は容易である。 【0018】油圧ケース3及びバルブユニット14は以上のように構成されており、上記のように各作業機制御用油圧バルブ(昇降制御用バルブ11,水平制御用バルブ12,分流バルブ13)がバルブユニット14としてユニット化されているため、上記各油圧バルブ11,12,13を比較的コンパクトなユニットとして取り扱うことができ、取り扱いが容易であるほか、前述のように上記各油圧バルブ11,12,13間の配管類が不要となり(配管はベースブロック14a内に形成される)、バルブ類のメンテナンスも比較的容易である。 【0019】特に昇降制御用バルブ11及び水平制御用バルブ12がベースブロック14aの上に載置して設けられているため、従来比較的面倒であった上記両バルブ11,12の配管及び両バルブ11,12のメンテナンス等が容易である。また上記バルブユニット14は油圧ケース3の前方側のバルブ取付部21に取り付けられており、これによりトラクタの後輪や作業機(ロータリ)側からの泥はね等の影響が少なく、比較的汚れにくくなるため、バルブユニット14側の清浄度の管理等も容易である。 【0020】さらに前述のようにベースブロック14aに圧油の入力ポート20が設けられているため、前述の両バルブ11,12等への圧油の油路の管理をバルブユニット14側(ベースブロック14a)で行うことができ、バルブユニット14側の清浄度の管理等がより容易となっている。 【0021】なお前述のように油圧ケース3の上面前方は段状に窪んでおり、上記バルブ取付部21は比較的大きな空間をなしているため、バルブユニット14をこのバルブ取付部21に取り付けることで、バルブユニット14の油圧ケース3上方側への突出量が少なくなり、座席6を比較的(従来と同程度に)油圧ケース3に近接して取り付けることができる。 【0022】つまりバルブユニット14を油圧ケース3の前方側、すなわち座席6の下方側に設けることによりバルブユニット14が油圧ケース3上方から大きく突出して、座席6を油圧ケース3からより離して取り付ける必要がある等の不都合が防止されており、運転席側のスペースを比較的大きくとることができ、運転席側の操作性等が犠牲になることがなく、且つバルブユニット14のメンテナンスを座席6の着脱等でより容易に行うことができる。 【0023】一方上記実施形態は昇降制御用バルブ11が前述のように電気制御用であり、ベースブロック14a(分流用バルブ13)の上に載置された構造となっているが、図4〜図6に示されるように作業機昇降に連動するリンク等のコントロールにより作業機の昇降を制御する、いわゆるマニュアルコントロール式の昇降制御用バルブ26がベースブロック14aの下面側に取り付けられたバルブユニット27を、前記油圧ケース3及びミッションケース1に形成された孔19を介して油圧ケース3に取り付けることもできる。 【0024】但しこの場合中立状態の昇降制御用バルブ26からの戻り油は従来同様ベースブロック14a下方に位置する昇降制御用バルブ26の中立ポート28から排出されるが、この中立ポート28の位置は、前述の実施形態(図1)のベースブロック14aの排出ポート17の位置とほぼ同位置となるように設定されている。つまり前述の実施形態では排出ポート17の位置が中立ポート28の位置とほぼ同位置となるように突起部16が設定されている。 【0025】このため昇降制御用バルブ11,26からの戻り油によるミッションケース1内の潤滑条件等が昇降制御用バルブが電気制御式の場合もマニュアルコントロール式の場合もほぼ同じとなり、いずれの昇降制御用バルブの場合も同じミッションケース1(トランスミッション)及び油圧ケース3を使用することができ、2種類のミッションケースや油圧ケースを用意する必要が無く、コストダウンが可能となっている。 【0026】また本実施形態(図4〜図6)の場合も圧油の入力ポート20はベースブロック14a側に設けられており、ベースブロック14a(分流バルブ13)内の油路を介して昇降制御用バルブ(コントロールバルブ)26等に圧油の供給が行われる。なお本実施形態(図4〜図6)における前述の実施形態(図1〜図3)と同一符号は前述の実施形態と同一構造であり、同一機能については説明を割愛している。 【0027】 【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、各油圧バルブがバルブユニットとしてユニット化されて、座席下方となる油圧ケース前方の段状のバルブ取付部に取り付けられているため、バルブユニットの油圧ケース上方側への突出量が少なく、運転席側のスペースを比較的大きくとることができるという利点の他、後方側(後輪やロータリ側)からの泥はね等の影響が少なく、バルブ交換時の清浄度管理等が容易となるという効果がある。 【0028】また各油圧バルブが一体的に組み付けられているため、取り扱いが容易となるほか、配管類が不要となりバルブ類のメンテナンスが容易となる。特に昇降制御用バルブをベースブロック上に載置して設けることで、昇降制御用バルブをメンテナンスが容易になるという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】河野 誠
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| 【公開番号】 |
特開平11−178403 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−365109 |
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