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【発明の名称】 残幹処理機
【発明者】 【氏名】金本 慎也

【氏名】足立 誠

【要約】 【課題】引抜いたたばこ等の残幹を、フィーダ後部より円滑に後処理部に放出するようにした残幹処理機を提供する。

【解決手段】フィーダ21を一対の搬送チエン25で構成し、その後部のスプロケット軸23に駆動片39を介して放出杆38を設け、搬送チエン25とともに回転する該放出杆38を回転下手側へ遊動できるようにした。また、上記一対の搬送チエン25の後部に、その搬送経路側から後方側方に巻回突出する放出案内杆40を設け、該放出案内杆40の突出部を後方に至るほど下方に傾斜させた。更に、上記放出案内杆40の突出部を側面視直線状となし、復元可能に下方へ傾斜するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 残幹引抜部のフィーダにより、引抜かれた残幹を後方上方に搬送してその後端部から下方の搬送コンベア上に放出させ、該搬送コンベアによりカッタに供給して裁断するようにした残幹処理機において、前記フィーダを前後の回転体間に巻回した一対の搬送帯で構成し、その後部の回転体軸に駆動片を介して押圧駆動される放出杆を設けて、搬送帯とともに回転する該放出杆を回転下手側へ遊動できるようにしたことを特徴とする残幹処理機。
【請求項2】 残幹引抜部のフィーダにより、引抜かれた残幹を後方上方に搬送してその後端部から下方の搬送コンベア上に放出させ、該搬送コンベアによりカッタに供給して裁断するようにした残幹処理機において、前記フィーダを前後の回転体間に巻回した一対の搬送帯で構成し、その後端部には対向する搬送帯の搬送経路側から後方側方に巻回突出する排出案内杆を設け、該排出案内杆の突出部を後方に至るほど下方に傾斜するように構成したことを特徴とする残幹処理機。
【請求項3】 前記排出案内杆の突出部を側面視直線状となし、復元可能に下方へ傾斜するように構成したことを特徴とする請求項2記載の残幹処理機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残幹引抜部のフィーダにより引抜かれた残幹を後方上方に搬送し、その後端部から後処理部に円滑に放出するようにした残幹処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種残幹処理機において、フィーダの後端部に残幹の放出装置を設けたものは特開平8−275608号公報により知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものは、図9にその作用を示す如く、フィーダを構成する搬送チエンの後部スプロケット軸に放出杆が直接固設されており、該放出杆が搬送チエンと同速回転することにより残幹Sを後方へ放出するようになっているが、該放出杆が搬送経路中を回転する時はその回転角が大きくなるに従って搬送方向への周速度が増大するものであり、放出杆の搬送経路への突出初期段階では搬送方向への周速度VAが搬送チエンの周速度VBより若干遅くなり、該放出杆が搬送チエンによる残幹Sの搬送を阻害する欠陥がある。また、搬送フィーダの後端部に設けた放出案内杆が、側面視で後方へ直線状に突出しているため、放出時に残幹のわき芽が該放出案内杆に引っ掛かり円滑に放出されない等の問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するために本発明が講じた技術手段は、残幹引抜部のフィーダにより、引抜かれた残幹を後方上方に搬送してその後端部から下方の搬送コンベア上に放出させ、該搬送コンベアによりカッタに供給して裁断するようにした残幹処理機において、前記フィーダを前後の回転体間に巻回した一対の搬送帯で構成し、その後部の回転体軸に駆動片を介して押圧駆動される放出杆を設けて、搬送帯とともに回転する該放出杆を回転下手側へ遊動できるようにしたことを特徴としている。
【0005】また、前記搬送帯の後端部には、対向する搬送帯の搬送経路側から後方側方に巻回突出する排出案内杆を設け、該排出案内杆の突出部を後方に至るほど下方に傾斜するように構成したことを特徴としている。
【0006】更に、前記排出案内杆の突出部を側面視直線状となし、復元可能に下方へ傾斜するように構成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3に示すAは、たばこ残幹Sを畝Uから引き抜いて切断処理を行う残幹処理機であり、左右のクローラ1で走行する走行機体2の前部には残幹引抜部3が上下揺動可能に設けられ、その後部左側にには搬送コンベア4を前後方向に設けると共に、該搬送コンベア4の後端部にはカッター5が装着されている。また、残幹引抜部3の後方には走行機体2の右側に位置して操縦部7とその後部に側方へ倒伏可能なホッパ6が設けられている。前記操縦部7にはその前部に走行レバー17等を有する操縦パネル8が設けられ、後部には座席9が設けられていて、該座席9の下部にはエンジン10が載置されカバー11により被覆されている。12は操縦部7の上方に設けた庇であり、また、クローラ1の後方で走行機体2の下部には上方へ反転可能な尾輪13が設けられ、残幹Sの切断片でホッパ6の重量が重くなった時、これを分担支持することにより機体の偏り沈下を防止して走行を良好に行うようにしている。
【0008】次に、上記残幹引抜部3の詳細な構成について説明する。残幹引抜部3はこれを昇降する昇降フレーム14が走行機体2の前端部に支軸15で上下回動自在に枢着され、その下部左右を油圧シリンダ16によって支持し、操作レバー35の前後操作によって昇降調節可能に装着されている。そして、該昇降フレーム14の左右には前端に畝Uを跨いで転動する一対のガイド輪18を設けた支持杆19が設けられ、ガイド輪18は上記支持杆19に対し前後方向に移動調節可能で、かつ支持杆19の前端に設けた支軸20を介して上下に設置高さを調節できるように設けられている。
【0009】また、上記左右の前輪18,18間の中央部後方から搬送コンベア4の前部上方に向けてフィーダ21が斜設されており、該フィーダ21は左右の支持枠22の前後に軸支したスプロケット軸23のスプロケット(回転体)24,24間に搬送チエン(搬送帯)25,25を懸架してなるもので、その上部はカバー枠26で搬送部分を除き被覆されており左右の搬送チエンェン25,25間に残幹Sの茎部を挟持して搬送する搬送経路27が形成されている。そして、支持枠22の前部側は前記ガイド輪18の支持杆19の中途部に連結杆28で連結支持すると共に、後部側は伝動機構部29から突設した駆動軸30に支えられて前後方向揺動可能に立設した回動軸31によって伝動可能に支持されている。これにより、残幹引抜部3を油圧シリンダ16によって支軸15を中心に昇降すると、フィーダ21も連結杆28を介し駆動軸30を中心に昇降連動するようになっている。
【0010】そして、前記フィーダ21は図4に示す如く、支持枠22に前後方向へ支承された伝動軸32が前記回動軸31により駆動されるようになっており、該伝動軸32の上端部は支持枠22に設けたギヤケース33に軸受34により支承されたスプロケット軸23をベベルギア36、37を介して駆動するようになっている。また、該スプロケット軸23の下端はギヤケース33より下方に突出し、該突出部には棒状からなる放出杆38のボス部38aが回動自在に嵌着されていると共に、該放出杆38に係合してこれを放出方向へ回転させる逆L字状の駆動片39がスプロケット軸23に固着されている。
【0011】また、左右の搬送チエン25,25の後端部には夫々上下一対の放出案内杆40,40が支持枠22,22に固着され、搬送経路27側から搬送チエン25,25のスプロケット24,24への巻回部に沿って後方側方に向け突出し、該突出部は後方に至るほど下方に傾斜した側面視屈曲状に形成されている。尚、図6〜図8には放出案内杆40の他の実施例が示されており、該放出案内杆40は側面視後方に直線状に突出していると共に、該突出部は前後の案内杆部40a,40bに分割構成され、後部の案内杆部40bを復元可能に下方にのみ傾斜するように設けたものである。具体的には前部案内杆部40aの後端に形成した切欠部42に、同じく切欠部43を有する後部案内杆部40bを嵌合させ支軸44により枢着したものであるが、後部案内杆部40bの前端縁はその下部が後方下方に斜めに切り欠かかれており、下方へは回動できるが上方へは後部案内杆部40bの前端縁が前部案内杆部40aの切欠部42の前端縁と接当し回動できないようになっていると共に、支軸44に巻回したコイルスプリング45の両端を両案内杆部40a,40bの底部に係止させ、該コイルスプリング45の張力により残幹Sの重量で下方へ回動する後部放出杆部41bを直線状に復帰回動させるようになっている。
【0012】さらに、フィーダ21の終端部上方には搬送経路27に交差する方向に横架した残幹傾倒用の樹脂製からなるローラ46が横設支持されている。このローラ46は左右のカバー枠26から立設した支持杆47に対し、調節ネジ48で長孔49aを介して位置調節自在に取り付けられる調節杆49の端部に回転可能に軸支されており、該ローラ46を上下及び前後に自由に位置決め調節することにより、フィーダ21で挟持搬送される残幹の稈長に適した位置に規制作用を与え、放出杆38の放出作用により残幹Sを根部を先行させた倒伏状態として後述の搬送コンベア4に供給するようになっている。
【0013】また、上記フィーダ21の前部下方には、残幹Sを掘り起こす掘起刃46と、その上方にあって畝Uを堀崩して行く畝崩しロータ35が昇降フレーム14に一体的に設けられており、該畝崩しロータ35は伝動機構部29の駆動軸48に上下揺動可能に連結した伝動軸49により矢印方向へ駆動するようになっている。また、フィーダ21の搬送経路中程下方には、畝Uを掘崩し引き抜かれて搬送される残幹Sの根部の土落としを行う土落ロータ50を矢印方向に回転駆動するように設けられている。
【0014】そして、フィーダ21の後部下方に設けた搬送コンベア4には、搬送ベルト51が前後方向に張架され、その両側を上方に向けて拡開する誘導板52で囲繞すると共に、該搬送ベルト51の搬送方向終端はカッタ5の入口内に臨ませている。カッター5はカッタードラム53内にカッター羽根54を回転可能に軸支し、該カッタードラム53の一側に切断片の跳上排出筒55を立設してその排出口をホッパ6に向けて指向させている。ホッパ6は上部を開口した箱型からなり、油圧シリンダー56により支軸57を支点として機体側方へ倒伏回動するようになっている。
【0015】以上の構成をなす残幹処理機Aの作用について説明する。各部を駆動させながガイド輪18,18を畝Uを跨いだ状態で機体を進行させると、畝U上のたばこ残幹Sの茎部がフィーダ21の左右の搬送チエン25,25間にに挟持されて後方に搬送されるが、畝Uの底部は横断方向に掘起刃46で掘り起こされ、該掘り起こされた畝部分は畝崩しロータ35の上向き回転によって掻き崩される。
【0016】このようにして、残幹Sは畝Uから引き抜かれ畝崩しロータ35によりある程度根部に付着する土は除去されるが、両搬送チエン25,25により更に後方に搬送されると、搬送経路中途部の下方に設置された土落ロータ50の矢印方向の回転によってその根部は強制的に叩かれて土落としされるものであり、該土落としされた残幹Sはフィーダ21の後方まで搬送されるとその茎部の上方がローラ46に接当するとともに、根元側は搬送チエン25と共に回転する放出杆38により後方へ向け跳ね出される。従って、該残幹Sはフィーダ21の後端開放部で根元側が先行した前後方向への倒伏状態となって下方の搬送コンベア4上に放出されることになる。
【0017】この際、放出杆38は搬送チエン25の後部スプロケット軸23に遊嵌されていて駆動片39により押圧駆動するようになっているから、放出杆38の搬送経路27への突出初期段階でその搬送方向への周速度VAが搬送チエン25の周速度VBより若干遅くなっても、搬送される残幹Sにより放出杆38は搬送方向へ回避遊動し残幹Sの搬送を阻害することが無いとともに、フィーダ21の終端開放部においては放出杆38の搬出方向への周速度VAは搬送チエン25の周速度VBよりも速くなっているから、残幹Sは円滑に放出されるものである。
【0018】また、この放出時に、残幹Sはフィーダ21の後端部に突出する放出案内杆40に案内されて下方へ放出落下するが、該放出案内杆40は搬送チエン25の巻回部に沿って後方側方に向け突出し、その突出部は後方に至るほど下方に傾斜しているから、残幹Sが後方に放出される際に搬送チエン25に巻き込まれたり、落下時に残幹のわき芽が放出案内杆40に引っ掛かることなく傾斜部に沿って円滑に放出される。
【0019】また、図6〜図8にく示すように、放出案内杆40を側面視で後方に直線上に突出させ、該放出案内杆40を残幹Sの重みで下方に傾斜するようにした場合には、放出する残幹Sの重みに応じて放出案内杆40の下方への傾斜度合いが自動調整され、如何なる残幹Sにおいても適切に放出することができると共に、軽い残幹は搬送コンベア4のできるだけ遠い位置に放出案内することができる。
【0020】上記のようにして搬送コンベア4に供給された残幹Sは、倒伏状態で搬送ベルト51の回転によりにより後方に搬送され、カッタ5の入口部に誘導されていく。そして、カッタ5に供給された残幹Sは、根元部から茎部に向けてカッター羽根54の回転によって順次良好に細断され、細断された切断片は跳上排出筒55により跳ね上げられてその先端部からホッパ6内に収容されるものであり、ホッパ6内に切断片が満杯になったときは、機体を停止させて油圧機構56によりホッパ6を機体側方に回動して切断片を排出するものであり、このようにして残幹処理作業を連続して能率よく行うことができるものである。
【0021】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したことにより下記の効果を奏するものである。請求項1の発明により、放出杆が残幹の搬送経路中へ突出回転する初期段階にその周速度が搬送帯の周速度より遅くなっても、該放出杆は搬送中の残幹に押されて回転下手側へ遊動回避して残幹の搬送を阻害することがなく、かつ、搬送終端部においては放出杆の適正な周速度により残幹を確実に放出することができる。請求項2の発明により、放出案内杆は搬送帯終端部において放出時における残幹の搬送帯への絡み付きを確実に防止すると共に、該放出案内杆の後方下方への傾斜によって、残幹を円滑に下方へ誘導放出することができる。請求項3の発明により、搬送帯の終端部から放出する残幹の重みに応じて放出案内杆の下方への傾斜度合いが自動調整され、如何なる残幹においても的確に放出案内することができると共に、軽い残幹はできるだけ遠い位置に放出案内してし搬送の効率化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−155305
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−343736